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エルリの靴 | |
ブルーバードの街で、ブルーバード中央銀行の他にリュークが行くところと言えば、、 薬学の師であるアガトス先生がほとんど住まいのように常駐しているフェロル王立病院と、 王国の料理番、サラが経営する食料品店、そして冒険者の必需品(?)である雑貨屋くらいである。 初めてブルーバードへ来た日に街路樹の迷路で散々な思いをしてからというもの、 知らない木の枝を曲がることに強い抵抗を感じるようになってしまったのだ。 その話を聞いた移送石の番人カルレイは、大袈裟な身振り手振りで嘆き悲しむフリをした。 いわく、 …それではブルーバードの素晴らしさを十分の一しか知らないようなもの、 十年ものの素晴らしく芳しい黄金色のリンゴ酒を目の前にして、さあラベルを眺めておしまい、なんてことが、 キミ、良くそんなことが出来るものだねぇ??… そこまでの言われようをされなければならないほど、自分の生き方はつまらないものなのだろうか、と、 リュークはしばし考えたが、それほど気に病むものでもない、と、穏やかに流すことに決めた。 |
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しかし、枝々の伸びる先をいつまでも知らないままでいることも、 いざという時には困るかと思い、少しずつ見聞を広めることにした。 おかげで今日は、花畑の片隅で一人の少女を助けることが出来た。 今度機会があったなら、カルレイにリンゴ酒を一本贈ることにしよう。 十年ものとはいかないが、新酒くらいならなんとか… 精歴117年金月51日 |