童話王国クエスト日記

「Copyright c Lager・SUCCESS・GAMESPACE24 2003」

ブルーバードへの近道
 リュフ村の朝は早い。
村人達は野鳥のさえずりを目覚まし代わりに、持ち場へ向かい作業に精を出す。
焼きたて穀物パンの香ばしい匂い。魚屋に水揚げされる大量のコイ。
朝露に濡れたハーブの束を抱えて帰ってくる薬草師たち。

 日課と決めた早朝の見回りを終えてねぐらへ戻るリュークを、ひとりの修行者が呼び止めた。

 「首都ブルーバードへの移送サービスはいかがかな?」

 「ブルーバードですか?」

 「あそこは大陸一美しい街だよ。いつでも安く行けるようにしてあげよう。そのかわり…」

 ブルーバードでは高名な療法師が冒険者のために門戸を開いていると聞く。
向学心あふれる者には自ら、治療薬の秘法を伝授してくれるとか……
 
目玉の付いた杖! 三邪眼を思い出す…  ビリーと名乗る修行者の要求は、決して法外なものではなかったが、
リュークは粘り強く交渉を重ねること数分、
ようやくお互いが満足のいく妥協点を見いだす事が出来た。

 戦う力だけではなく、癒し守る力も得たいと思う。
リュークが目指す勇者への道に 『近道』 は無い。


          精歴114年木月4日