狩人の一家と木こりの一家である。
現在の当主は以前にラボ村長の使いで帽子を届けたことがある、狩人のルーキ。
それから、森の入り口でよく見かける少女、カリーノの父親である、木こりのジェロだ。
この二人はどういうわけか仲が悪い。顔を見れば諍いになってしまう。
微笑みの森は広いので、二人が出くわすことが少ないのは幸いなことだ。
ところが世の中良くできたもので、二人の細君であるギスカとジェルシーは大親友なのだった。
幼なじみの二人は、同じく幼なじみの友人であったはずのルーキとジェロとそれぞれ結婚したのだが、
いつのころからか、主人同士の中が険悪になり、二人は日頃から心を痛めているのだ。
聞くともなしに耳に入ってくるようになった。
森やリュフ村の平和のためにも、
彼らの諍いは収めた方がよい。
ジェルシーのお菓子作りを手伝いながら、
出来る限りのことをしていこうと、リュークは思った。
（彼女達の素晴らしい料理のレシピも
しっかり手に入れたことは話すまでもないことだが）
精歴１１６年木月３日