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オオカミの再来 | |
リュフ村から他の村や街に行くためには、ビリーの移送サービスを使う以外は、 村の外側、北西の門から微笑みの森へ続く街道を通るより他に術はない。 そのため、人の通りも北側のほうが活発で、幻獣もあまり出没しないようだ。 逆に、村の南側の地域は、海と川に囲まれた行き止まりの狭い草原なので、 釣り人や果物狩りを生業にする一部の人々しか見かける事もなく、うら寂しい風情がある。 赤ずきんの祖母が南の外れに家を構えているのは、一人が気楽だから、だそうだが、 余所では見かけられない危険な幻獣が徘徊するような場所に暮らせるからには、 見かけに寄らず剛胆な性格なのであろうと、リュークはひそかに考えた。 赤ずきんの求めに応じて、折に触れては彼女の祖母を見舞うようになったリュークだったが、ある日のこと。 お祖母さんの様子が何処かおかしい。声も姿も違和感が…… |
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*************************** 気がつくとそこはリュフ村の病院だった。 ズル賢いオオカミの策略にはまって、見事に負けてしまったのだ。 ミリーの祖母は、別の冒険者によって無事に助け出されたようだ。 ベッドの上で自分の力不足をかみしめながら、 リュークはオオカミとの再戦を心に誓った…… 精歴115年火月46日 |
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オオカミの再来〜その後 | |
初心者用の銅剣では、どうにもダメージを与えられない。 リュークは冒険で稼いだ銅貨をかき集めると、武具屋へ向かった。 「大振りの剣は確かに強いが………高いな…」 武器や防具は命中率や破壊力、回避効果や防御力、といった物理的な数値が高いほど高価である。 さらに、冒険者の熟練度によっては扱いが難しく、使いこなす事すら出来ないものもある。 リュークは悩んだ末、武具屋のジェルミーに相談を持ちかけて、青銅の剣を購入した。 銅剣よりも少しマシ、程度の剣だが、財布の中身はとても軽くなってしまった………。 |
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再び家の中に入ると、オオカミは我が物顔で 部屋の中央に鎮座している。 チュラが囮となり、オオカミの注意をそらす。 その隙にリュークの突撃攻撃! 青銅の剣は敵の硬い毛皮を切り裂いた。 オオカミの牙を避け、爪に切られた傷を治し、 10合ほども斬り結んだだろうか。 ズル賢いオオカミは、ようやく倒れ伏した。 「強敵だった………」 もっと修行を積んで、早く見習い兵士から 卒業しなくてはいけない。 リュークは改めてそう思った。 武器防具を揃える事も重要だが、そもそも それにふさわしい冒険者にならなければ、 手に入れたものも使えないのだ……。 精歴117年金月53日 |
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