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暖かい帽子 | |
微笑みの森は、リュフ村と王都ブルーバードを結ぶ街道をすべて包み込んで広がる、大きくて古い森だ。 ブルーバードほどではないが、ひとたび道を外れてしまえば自分の居場所が判らなくなる事も多い。 赤ずきんのミリーを助けた話を報告するとラボ村長は、個人的な事だが、と、話を切り出した。 「家内がルーキのために作った帽子を、持っていってくれないか」 ルーキは微笑みの森に住む狩人だ。村長とは幼少の頃からのつき合いらしい。 「もちろんいいですよ」 ラボ村長には冒険の初めからずいぶんお世話になっているし、 たとえそうでなくとも依頼は引き受けるべきだ。リュークに否やはなかった。 |
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微笑みの森も以前と比べると、だいぶ危険になってきているらしい。 森に暮らす人々の話をいろいろと聞いてみると、 森を荒らす幻獣と狩人であるルーキとのいわく付きのうわさ話も あれこれと耳に入ってきた。 いずれ力になれる事もあるかも知れないが、 取りあえず帽子の件でルーキを訪うと、 友人の暖かい思いやりに心を打たれたのであろう、 孤独な狩人の瞳に光るものを見たように、リュークは思った…。 精歴115年火月44日 |