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恐ろしいオオカミ | |
冒険者の仕事は多種多様だ。村長の面接を経て村の守り手として選ばれたとしても、 所詮は余所者、流れ者であり、村民達の信頼を勝ち得るまでには至らない。 村の隅々まで地道に歩いて小さな異変を探し、人々の話を丹念に聞いて回る。 共同体の中で自分の場所を確保するためには、それなりの努力が必要なのだ。 始まりは村長の助言だった。 「赤ずきんと呼ばれる娘が困っているので、自分の代わりに見てきて欲しい」 村人達になかなか受け入れてもらえないリュークを気に掛けてくれたのであろう。 『村長代理』の肩書きがあれば、多少なりとも人々の反応は違うはずだ。 リュークは、ラボ村長の心遣いに深く感謝を捧げた。 「判りました、お任せください」 |
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村人に尋ねると、赤ずきんの家はすぐに知る事が出来た。 彼女にはミリーと言うかわいらしい名前があるのだが、 大好きな赤い洋服ばかり着ているために、愛称で呼ばれているという。 今日の彼女は母親の手作りで彼女自身もお気に入りだという、 真っ赤な頭巾を身につけていた。 こんなに目立つ格好では、すぐに狼に見つかってしまうだろう…… 精歴114年闇月17日 |