ここらじゃ見かけない顔だから、よその村から来たんだろう。よっしゃ！ おいらがちょっくら案内してやるさ。
彼女と組んで、イリ村の周辺を歩いて回る。彼女はニコニコしながらおいらの後をついてくる。
えへへ、何だか、妹が出来たみたいな感じだなぁ。＾＾*
イリ村から北側に向かうと、そこは乾いた荒れ地、恐れ谷だ。
他の国へ行くには、必ずここを通らなくちゃいけないんだ。
鉱石掘りの職人もたくさんいるし、旅人も多いから、幻獣からみんなを守るための守備隊が配備されてる。
でも、最近忙しくって人手不足なんだってさ。バイトしないか、って頼まれて、
おいらちょびっと不安だったけど、兄貴分としては見栄も張りたいしさ、無理して引き受けちゃったよ。
おいらと違って方向感覚もばっちりだ。
途中でガイコツに絡まれていた爺ちゃんも助けてやって、
バイト料は、たっぷり弾んでもらえたさ。＾＾
おまえがいなかったら、おいらこんなに頑張れなかったよ。
ホントに、ありがとうな！
ボレロはにっこり笑うと、また、鉱石掘りに戻っていった。
ほっぺたに付いた石炭煤が、えくぼみたいに見えたさ…
精歴１１４年木月１９日