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眠りの村の秘密 | |
冒険者としての実力と名声を得るにつれ、仕事の中心がフェロル王国から遠くなっていくリュークであったが、 故郷の森と緑を忘れる日は一日として無い。 久しぶりに村を訪れたリュークを見かけたリュフ村村長のラボは相好を崩し、彼を呼び止めた。 「最近村に新入りが来たんだが、何か大きな悩みがあるらしい……」 村長の求めに応じて、一人暮らしの老人を訪ねたリュークは、不思議な偶然に心をざわめかせた。 盲いた老人は、あの「眠りの村」の出身だったのだ。 ……暗い、地中の迷宮。湿った岩壁に反響する幻獣たちの叫び。固く、強力な岩達の壁…。 戦いの果てに救い出せた、と思った少女は、笑顔を見せることもなく、再びの眠りについた。 あなた本物の王子様じゃないでしょう? と、欠伸混じりの眠そうな声が、耳に甦る……… |
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ソフィアを本当に助けるためには、 100年前の事件を解決せねばならないようだ。 王子様の代わりではなく、冒険者として、 自分が彼女に出来ることをしてあげたい… 老人と村長の安堵した笑顔を見ながら、 リュークは、少女のまだ見せぬ笑顔に そっと思いを馳せた………。 精歴162年土月13日 |