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子羊を救え | |
「………また、狼か…」 可愛い子供達をさらわれてしまい、涙に暮れる羊のお母さんを前に、リュークは握りしめた拳を震わせていた。 やんちゃな赤ずきん、ちゃっかりしたお祖母さん、初めての病院送り。 小さな人形をくれた微笑みの森の小猿ポポ、ゼリー迷宮の老ライオン… 今までに解決してきた、数々のトラブルを思い出す。 リュークの冒険者生活で、幾度となく眼前に立ちはだかってきた強敵、狼たち。 小柄な外見に油断して、そのあざといほどの知能の高さと群れの連携に敢えなく倒れる冒険者は多い。 まして今回乗り込まなければならない場所は、敵の根城、キャンディー山の山奥にあるオオカミの洞窟だ。 |
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狼の群れの頭目との決着…! リュークは、たぎる気持ちを必死になだめた。 大事なことは、子羊たちの安全。 そう、彼らを無事に救出することなのだ。 戦士のプライドなど、取るに足らぬもの… *************************** チームを組んだ麗しい魔術師は、 たおやかな外見に似合わぬ、凄まじい破壊力を振るった。 その盾となり、狼の鋭い牙から護りつつ、 リュークは心から思った。 『彼女を怒らせたりしないように、気をつけなくては…』 精歴198年闇月16日 |