イリ村からは目と鼻の先。旅と言うには短すぎる距離だよ。
あっという間に到着しちゃって何だかちょっぴり拍子抜けだなぁ。
特別に行くあてもないから、取りあえず観光する事にしたけど、さすがに大陸一、裕福な街。
建物も石畳も立派な造りだな。やっぱりドワーフの仕事には無駄がないよ、うん。＾＾
おいらが通りをうろうろしていると、身なりのいいおっちゃんに呼び止められた。
通りの向こう側にいる女の人に、手紙を届けて欲しいのだが、と言う。
何だか事情があるらしいから、おいらは助けてやる事にしたさ。
人待ち顔でぽつんと立っていた彼女は、
おいらが渡した手紙を嬉しそうに受け取ったから、
ちょっぴりいいコトしたな、って気分になった。
それを聞いて、おっちゃんもとても嬉しそうだったさ。
笑顔ってぇのはいいモンだよな、うん。
おいらも、いつも笑っていられるように頑張ろう！
精歴１１４年木月１１日