Back to HOME


Take Pictures. Father!


<99/5/5>
Vol.3 : どんなレンズを買えばいいのだ!
■ レンズに凝ろう!−おさらい−

さて、今回はレンズの選び方について熱く語ろうと思う(別に熱くならなくてもいいんだけど)。 その前に前回のおさらい。 なにせ肝心なところで続きは次回という最近のテレビ番組のようなコラムなので(そのうえ更新もスロー・テンポ)、話を思い出してもらおうというわけですね。 といいつつ前回とダブらせて字数を稼ごうという、またまた最近のテレビ番組がよくやる手法のようにも思えますが、まああまり突っ込まないでおくれ。 おっと脱線してしまった。 さて、前回はどうせ趣味で写真をやるのなら高いレンズを1本は持とうというのがテーマでした。 安くてそこそこ写るレンズより、設計者の心意気が分かる、ある程度コストの制約からも解放されたレンズの方が味があって面白いにきまっとうやんけ!となぜか関西弁で力説したのでしたね。

■ 話は変わってデジカメだ

それにである。 もはやデジカメが200万画素を超える時代なのですよ。 もう一般人民総デジカメ方面流動化計画は着々と進んでいるのである。 35万画素程度ならともかく、200万画素といえばちょっとしたものだ。 サービスサイズ程度のプリントなら勝るとも劣らない画質を達成している。 それが10万円程度で手に入るのだ。 インターネットとの相性も良い。 デジカメが注目されるのも無理はない。 そこでだ、そういう状況だからこそあえてもう1度力説したい。 「だからこそ高いレンズを買うのだ!」 なぜかって? 今の200万画素のデジカメと決定的に差がつくのがレンズだからである。 はっきり言おう。 デジカメに今のフィルムカメラ(1眼レフ)に用意されているような高級レンズは当分つかない。 なぜか。 デジカメ用のCCDと写真フィルムとでは要求されるレベルがケタ違いだからなのだ。 例えばCCDは小さい。 今の200万画素でも 1/2 インチ程度の大きさだ。 その中に200万画素だから、レンズに要求される解像度は相当なものになる。 設計が難しいのだ。 ただそのへんのレンズ付ければいいというものではないのである。 コストも相当なものになる。 だったらCCDを35ミリフィルム程度に大きくすれば良いではないかとの声も聞こえてきそうだが、これもコストが高くついて話にならない。 1枚のウェハーからなるべくたくさんのCCDをとらなければあの値段は実現不可能なのだ。 また、CCDは平面である。 フィルムの場合は多層構造になっている。 富士フィルムのCMだったか、第4の感色層で断然キレイ! とか言っているアレである(しかし普通の人に理解できるのかなあ、あのCM...)。 多層構造ということは深さがあるということである。 レンズはどうしても球面を使っていることから収差というものが存在するのだけれど(面がお碗状に歪んでしまったりといろいろとあるのだ)、フィルムは深さがあるのである程度は許されるのだ。 CCDはそれが全くの平面なので許容される収差量も小さいのである。 ということで、今のフィルムカメラ用レンズレベルのデジカメ用レンズは設計者にとってはすっごく設計が難しい。 フィルムカメラ用の高級レンズで撮った写真にはとても及ばず、劣るとも勝らないのが今のデジカメの画質なのである。 ソフト的に処理しても限界がある。 やはり入り口の画像が良いに越したことはない。

■ だからこそ高いレンズを1本!
ということで、高画質の高級レンズを買っておけば、この先デジカメが300万画素になろうが400万画素になろうが(たぶん)大丈夫であろうと思うのだ。 確実により良い画質を手に入れることができる。 きっと後悔はしないはずだ。 デジカメとは違った楽しみ方ができるというものだ。 またデジカメのデジタル画像はモニタ上のレタッチでなんとでも変わってしまうが、フィルムだとそうはできないから、撮影テクニックを存分に学ぶこともできるのだ。 デジカメの話はまた折りに触れて語りたいと思うけれど、とにかく現状フィルムカメラの大きなアドバンテージは、レンズがいろいろ交換できるということと、高級ハイクォリティレンズが使えるということなのである。 これを生かさないわけにはいかないでしょう、お父さん! ビデオカメラも同じである。 いくらソニーがカールツァイスレンズ採用!と騒ごうとも、デジタルビデオだと騒ごうとも、所詮静止画と動画じゃラベルもといレベルがちゃうのだ。 そりゃあカールツァイスの方が写りはいいだろうが、そんなに凝るほどのこともないと思う。 静止画の方が差は歴然とする。 それにソニーの場合はただ社長がカールツァイス好きなので作ってしまっただけなのだ(ホントか?)。 と勝手なことを言いつつ、よっしゃ、それじゃいっちょう高いレンズ買っちゃおうかな、と思いはじめたでしょうか、お父さん?
■ ズームレンズか単焦点レンズか
まだ迷っている人もいるだろうが、そしてハナからこんなたわごと聞く耳持たない方もおられようが、みんな高級レンズを買う気になったことにして話を進めてしまおう。 でないとこのコラムは成立しないからね。 さて、レンズを選ぶとき、まず迷うのがズームレンズか単焦点レンズかということでしょう。 いや、もう私の心の中では決めています、いささかも揺るぐことはありません!という人もいるだろうが、まあひとつ落ち着いて聞いてもらうことにしよう。 まず誰でも思うことは、なにかズームレンズの方が便利そうだなということである。 何本もレンズ持っていかなくてもいいし、今時単焦点レンズなんてバカバカしくてさあ、と思いがちだ。 それに 80−200ミリF2.8 みたいなネイチャーフォト御用達のレンズは白いのもあったり、御大層な金属プレートまでついているし、持っているだけでなんだかえらい気分になれそうだ。 よーし、やっぱりズームか! と思ったあなた、ちょっと待った! ここでは断然単焦点レンズをオススメしたいのである。
■ 単焦点レンズを買うのだ!

なぜズームレンズより単焦点レンズをオススメするのか。 それは単純な理由だ。 単焦点レンズの方が画質がいいからである。 ちょっと写真を知っている人ならここで「何を言う。 今のズームレンズはヘタな単焦点レンズより画質はいいのだぞ!」と突っ込むことでありましょう。 そのとおり。 しかしそれはあくまで「ヘタな単焦点レンズ」と比べるからなのだ。 ここで買おうとしているような、カアちゃんに念書書かねば買えないような(笑)高級レンズには当てはまらないのである。 同じ値段のレンズなら、機構的にも単純、設計にも無理のない単焦点レンズの方が画質がいいに決まっているでしょう! そしてズームレンズの方が収差が大きい。 これははっきりしている。 レンズ群を大きく動かすズームレンズは、全部の焦点域で収差を完全に消すことは無理なのだ。 特に直線が樽型や糸巻き型に歪む歪曲収差と呼ばれる収差はズームでは避けられない収差である。 直線が直線に写らない、これは生理的にイヤなものだ。 単焦点レンズでも広角レンズでは樽型歪曲収差は避けられないが、まだ程度は小さい。 まあ我慢してやるかというレベルのものが多い。 ズームよりは設計に無理がないからそのレベルに押さえることが出来るのである。 そしてこれは根本的な 問題なのだけれど、ズームといっても使うのは圧倒的に両端の焦点域ということが多い。 80−200mmレンズなら、使うのはいつも80mmか200mmということになりかねない。 いや、私はどうしても148mmが必要なのだという人はあまりいないのではないかと思う。 それなら80mmと200mmのレンズ2本を揃えた方が大きさも小さくて済む。 そのうちよく使う焦点域の方を思い切って高級レンズにすればいいのだ。 いや、そうは言ってもやはりズームは便利ですよという意見もあろう。 それはそうだと思います。 ズームはやはり便利は便利。 だったら普及のそこそこ安いズームレンズを買えばいいではないかと言いたいのである。 わざわざウン十万円もするズームレンズを買う必要はないんじゃないの? とここでは言いたいのだ。

■ やはりレンズは単焦点!
無理して高級ズームレンズを買ったはいいが、重くてあまり使わなかったりしたらもったいない。 事実そういうことが多いのだ。 それならまずは普及タイプのズームで練習して、どうしても必要だとなってから買ってもいいではないか。 高級レンズ最初の一本にズームを選ぶのは危険だと思う。 また、ズームレンズより単焦点レンズの方が絶対に明るい。 ズームではせいぜいF2.8止まりだ。 ズームで2.8はかなり明るいけれど、単焦点レンズなら普及レンズの明るさである。 高級ズームと同じ値段の単焦点レンズならF1.4が買える。 F1.4はF2.8の4倍の明るさだ。 そしてズームでF1.4というのはまず実現しない明るさだと思う。 技術的には可能だろうけど、大きくなりすぎて実用にはならんことだろう。 ということで、高級単焦点レンズは、後に高級ズームを買ったとしても現役バリバリとして活躍できるのである。 買って後悔しない確率が高いのだ。 そしてよく言われることだが、単焦点レンズは写真の勉強になる。 ズームで画角を帰られない分、自分が前に後ろに動くしかないからだ。 そうやって動いているうち、背景の入り具合やらボケ具合やらを自然と覚えることが出来るというわけである。
■ 何を買えばいいのだ!
というわけで、結論としては、高級レンズを買うなら最初の1本は単焦点レンズにしようということであります。 ズームは普及タイプで結構。 高級ズームは写真が本格的な趣味に高じたところで、必要性が分かってから買えばよろしいと言いたいのだ。 普段使うのでも単焦点レンズの方が重宝するし、使う頻度も高いと思う。 で、次の問題は焦点域だ。 よし分かった、単焦点レンズを買おうぢゃないか。 で、何ミリレンズを買えばいいのだ!という話である。
それはですね、お客さん!と続けたいのだが、残念ながら紙面が尽きてしまった。 WEBページに紙面もなにもないだろうが!とのツッコミが聞こえるが、要するに力尽きてしまったということですね。 次回はレンズ編の完結編、ズバリ、単焦点レンズの選び方について熱く語りたいと思いつつ、今回はこれにて終了(本当にヘタなテレビみたいだね...)。

BackNumbers
VOL.1 オープニング・メッセージ
VOL. 2 高いレンズを買おう!



Back to HOME