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企画モノが続いたジョイス、当時、91年の 「ランゲージ・アンド・ラヴ」 以来、5年ぶりのオリジナル・アルバムがこれ。
すべてオリジナル、しかも新曲で固め、カヴァーは1曲もない。 しかも全曲90年代以降に作ったナンバーだそうで、気合の入り方が違う。
パーソネルはジョイス(vo, g)の他、モザール・テラ(p)、テコ・カルドーゾ(fl, sax)、シザン・マシャード(b)、トゥッチ・モレーノ(ds)という当時のレギュラー・カルテットに、曲によってゲストが加わるという構成。
そのゲストも、エルメート・パスコアール、マルコス・スザーノにジャキス・モレレンバウムなどなど豪華絢爛。 ホーン・セクションには小野リサでおなじみ、城戸夕果も参加しているのだ。
オープニングからジョイスなリズムが全開、そこにホーンが絶妙のタイミングで飛び込んでくる。 このジョイス流サンバの軽快なこと。 この疾走感こそジョイスなんだよなあ。
続くは一転してスロウ&メロウなナンバーでしっとり聴かせる。 緩急自在。 この2曲で完全にノックアウトだ。 そしてピアノがやけにジャジーだと思ったら、全体的にジャズ・フィーリングが濃厚。
続く 「O Chines E A Bicicleta」 ではジャズ・ギターのソロまで入り(ええっ!ジョイスが??と思ったらゲストが弾いてました(^^ゞ)、ジャジーさを盛り上げる。
もともとアコースティックなジョイスの音楽、ジャズな雰囲気もいい感じなのだ。
このアルバム、全曲ジョイスが満喫できる傑作である。 音楽的にも、バイーア的パーカッションになんとラップを披露する曲まであるなど、新しい試みもいたるところに聞かれる。
そして、どんな曲をやろうがジョイスはジョイスなのがすごい。 あの独特のリズムを刻むヴィオランと声があれば、そこに広がるのはジョイスの世界なのだ。
息のピッタリ合ったバンド・サウンドも惚れ惚れする。 いまだにコンサートではこのアルバムからの曲をよく取り上げるようだし、ジョイス自身も相当納得できる仕上がりなのではあるまいか?
全曲ダレるところがまったくないし、ジョイス入門にもオススメできる1枚である。 なかばクラブ(語尾が上がるクラブね)御用達の 「フェミニーナ」
などから入るより、このアルバムを聴いて欲しいと思う。
ところで、このアルバム、日本企画盤なのだ。 このアルバムに限らず、ジョイスのアルバムはブラジル以外で製作されたものが多い。 ジョイスいはく、ブラジルではオリジナル曲中心のアルバムの企画がまったくないそうで、ブラジルでもやはり
”売れるアルバムしか作らない” というレコード会社の思惑が見て取れる。 ブラジルは音楽は豊かだと思うけれど、それを取り巻く音楽ビジネスはいずこも同じということだろう。
ブラジル音楽に対しては、日本の方がよき理解者なのかもしれない。
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