短  歌  集
 2 0 0 9 年
 1 月
境内にすずめが群がりついばみて神の恵みがふくよかになり 09.01.31
2拍手の音が響いて祈る背に癒される時の流れを待つなり 09.01.30
かしわ手の音が乾いて神妙に祈る背の背に朝日が射して 09.01.29
茜さす蔵王の山の冬の日に白磁のいただき命を宿す 09.01.28
廃校の前にたたずみ耳澄まし子供の声の歓声聞こえるようで 09.01.27
江戸川の風を背に受け凧競い親子の弾む声がひろがる 09.01.26
江戸川の土手にあげたるやっこ凧親子の絆初春に深し 09.01.25
今日は今日明日は明日の風ぐけばはやる気持ちに楔を刺さん 09.01.24
カンジキのズボッともぐる深さにて青き雪照原野は広し 09.01.23
墨汁の匂い漂う臥牛展暫しの時間芸術家となり 09.01.22
初春の富士の高嶺は真白きぞ茜が差して鳥が飛びゆく 09.01.21
風雪に家を守りし屋敷林田んぼに浮かぶ小島なれども 09.01.20
コツコツと靴の足音聞こえくる一歩一歩が大事なように 09.01.19
青空を鋭利な刃で切り裂いて真白き直線地球を二分す 09.01.18
大根の辛さを引き出す5分間旬の味にも時間の刻印 09.01.17
山元の海のエキスを食むホッキ美味し国への冠のせて 09.01.16
フカヒレのすがた宿したラーメンの三千円の味夢の中に 09.01.15
すっぽりと雪をかぶった川べりに寒さ知らずの雑魚が泳いで 09.01.14
腹一杯に食べて飛び立てカモたちよ北の大地に行き着くために 09.01.13
あの空に交通ラッシュがあると言う夢を持ちたし無限の空に 09.01.12
化女沼のマガン・ヒシクイねぐら入り茜の空に一番星が 09.01.11
時を超え観音寺の鐘の音も昨日と今日の音は違えど 09.01.10
下帯と鉢巻き姿の裸祭り熱気に包まる初春の夜に 09.01.09
今日も居る墓石の前に夫(つま)ひとり癒されて時の流れを待つや 09.01.08
福を呼ぶ十日えびすの祭りなら笑う顔にも福きたるなり 09.01.07
雄たけびを上げて沢水つかる男(ひと)裸祭りに寒さを散らす 09.01.06
丑年の仕事始めの朝来たり一歩踏み出す事務室のドア 09.01.05
万物の英知を寄せて天地人駈けて羽ばたけ熱き眼差し 09.01.04
初夢を見たか見ないか定まらず歳を重ねて失せし朝(あした)に 09.01.03
初春の日の光が優しくて菩薩の心の影を写すか 09.01.02
初春や牛歩のようにゆったりと歩む人生これもまた良し 09.01.01