| 短 歌 集 | |
| 2 0 0 8 年 | |
| 7 月 | |
| 山を越え尺八の音が流れゆく太古の調べこの世の先まで | 08.07.30 |
| サラゴサで心を繋ぐ音楽のナベサダの音子どもと一緒に | 08.07.28 |
| 三日月に腰をかけつつ青い星眺めるうさぎは何を思うか | 08.07.27 |
| 逃げ回る黒い仮面のゴキブリと妻追いかけて鬼ごっこする | 08.07.26 |
| 夏の日に蝉のぬけがらみつけたよ麦わら帽子の少年がゆく | 08.07.25 |
| 導尿の管が下りたる長い道花弁が開いて春の風吹く | 08.07.24 |
| ホーホーと甘い水をと誘いつつ星降る夜に蛍追いかけ | 08.07.23 |
| 天井の真白き壁が走リぬけストレッチャーの音が乾いて | 08.07.22 |
| 母の齢間もなく超ゆると妻がいふ一世の人の生きざまを見ゆ | 08.07.21 |
| バリバリと夏の雷降るように地べたにしゃがむ母と我 | 08.07.20 |
| 春の日に照りて轟く秋保大滝水の妖精特にかがやく | 08.07.19 |
| 水清き伏流水が湧きいづる見果てぬ地底の奥の奥から | 08.07.18 |
| 妬む気などさらさらないと我はいいあな若ければまだできるものをと | 08.07.17 |
| 何となく昨日という日に戻りたし時の流れを止める日があればこそ | 08.07.16 |
| 風鈴の引き売り涼し裏道に麦わら帽子の似合う街あり | 08.07.15 |
| 天敵に成すすべもなし琴欧州負けて悔しき初日の土に | 08.07.14 |
| 山間の水を集めて流れくる勢いづくか人生もまた | 08.07.13 |
| 大粒の滴る汗をものともせずに歩く道のりメタボの世界に | 08.07.12 |
| 一球にかける青春はじけ飛ぶ石炭色の高校球児 | 08.07.10 |
| ポタポタと落ちる雫がときを経て水を飲み込む石ひとつあり | 08.07.09 |
| しなやかな手と手をかざして盆踊り笠にうなじの艶やかなりし | 08.07.08 |
| 水浴びる青年の声が流れきて広瀬川にも夏が来るなり | 08.07.07 |
| 夏の夜に蛍を放ち蚊帳の中手のひらかざし星とたわむる | 08.07.06 |
| 山寺の杉の木立が太くしてみなぎる力を根っこに寄せる | 08.07.05 |
| 藤棚にツルを巻きつけ藤娘紫色の和服が似合う | 08.07.04 |
| カラ梅雨に田んぼの蛙の声弱く水が欲しいと泣く声悲しく | 08.07.03 |
| 汗だくで歩く道のり50分メタボの針が大きく振れる | 08.07.02 |
| 稲の穂が含む月とはつゆ知らず短冊に記す文月となり | 08.07.01 |