短  歌  集
 2 0 0 8 年
5 月
スタンドのガソリン価格の広告塔ここよりあそこが安いと気にする 08.05.31
艶やかな藤棚の下に来たりなば乙女の香りが風に流れる 08.05.30
えんどうの絡んだツルの白い花モンシロチョウがとまっているよう 08.05.29
光陰の箭の如しと言うなれば時の流れを大事にせねば 08.05.28
ひとりとはふたりにならずひとりなりひとりのひとはいつもひとりか 08.05.27
凶悪の事件のニュースが後絶たず世の移ろいの厳しさを知る 08.05.26
キャンパスの老松の幹太く学生の声を栄養にして 08.05.25
母の日のカーネーションが色褪せて贈る娘の気持ちは変わらず 08.05.24
ジャンボクジ「当たりますように」と売る売り子夢を見て買う人人人なり 08.05.23
何故と問う黄金の色の錦鯉広瀬川にて泳いでいるなり 08.05.22
しずしずと夕闇せまる広瀬川トロンボーンの音色が流れて 08.05.21
新緑のケヤキ並木に華を添え青葉まつりの山車が連なる 08.05.20
水かさを増して流るる広瀬川雨水のしずくが大河となれり 08.05.19
故郷の旬のわらびに舌鼓あの山川に思いを馳せる 08.05.18
一言の重さを感じて暮らす日々その一言に心を込める 08.05.17
底抜けに明るく笑顔を振りまいて今日も始まる朝のワートレ 08.05.16
小鳥等が朝の光をついばみて平和な時間が過ぎてゆくなり 08.05.15
長町の再開発の道ひろく未来の街へと夢果てしなし 08.05.14
スッピンに寝ぼけ眼の妻の顔見るのも悲し朝のひととき 08.05.13
おやつ時猫一匹が手をあげてねだる仕草は人に似ており 08.05.12
学生のニャッと笑う手の中にマンガの本もニヤッと笑う 08.05.11
ブナ林にそよぐ葉音が流れくる時がゆったり過ぎてゆくなり 08.05.10
あぜ道にひっそりたたずむ石仏昔のことも知ってるだろうに 08.05.09
海の風腹いっぱいに吸いたまえ五月の空のこいのぼりよ 08.05.08
鶯の鳴く声広がるブナ林に萌える緑の色深くなり 08.05.07
雪融けのせせらぎ聞こゆ高原に春の匂いが心に沁みる 08.05.06
雪が融けやっと顔出すふきのとうふっくら膨らみ稚児の手に似て 08.05.05
新緑のブナの林が心地よく五月の風がささやいており 08.05.04
菜の花の匂いが漂う春の風雪解け水も温くなりつつ 08.05.03
故郷を思う気持ちは年輪とともに重ねて深くなりつつ 08.05.02
皐月とは早苗月とも言われけれ猫の手借りたし農家の人は 08.05.01