短  歌  集
 2 0 0 8 年
4 月
菜の花の春の臭いが流れ来る幸せ色に包まれており 08.04.30
高原の菜の花畑に寝ころびて風のささやく音とたはむる 08.04.29
弁当を広げる桜の木の下で幸せ親子に花びら舞うなり 08.04.28
セピア色のガダルカナル島が悲しくて夫が住むと言う妻九十三歳 08.04.27
春告げる雪の回廊まぶしくて未来へ続く一すぢの道 08.04.26
きらきらと萌える若葉が鮮やかに新入社員もひとしく輝く 08.04.25
ひらひらと舞う花びらが切なくて春の匂いに心もそぞろ 08.04.24
花びらが風に吹かれて舞うときに雪降るごとく切なく思う 08.04.23
春風に舞う花びらが優しくて桃色と息の中にあるなり 08.04.22
満開のしだれ桜のしなやかさ見つめる心もしなやかになり 08.04.21
しっとりと濡れた花びらいとおしく冷たき春の影を落として 08.04.20
父の手のしわ一本が深くして流れる時の重さを知るなり 08.04.19
特別のレンズをかけて詠む歌に気負いで走る駿馬のごとく 08.04.18
命あらばこそ会えるこの時を友と語らん惜別の思い 08.04.17
夜桜の灯りが淡く春うらら見あげる人の顔も優しく 08.04.16
満開の桜の花の美しさにふっと息かけ心がなごむ 08.04.15
一瞬で終わる桜のはかなさに命いっぱい愛がいっぱい 08.04.14
満開の桜の下で写真撮る若いカップル携帯電話が紅い 08.04.13
南極の氷を入れた水割りにパチパチはじけて億年を溶かす 08.04.12
しっとりと雨に濡れてる桜花冷たき春の厳しさに耐え 08.04.11
ふんわりと風が流れて花曇桜の花も艶やかになり 08.04.10
見上げれば桜の花が降り注ぎ桃色吐息が聞こえてきそうに 08.04.09
道ゆかば見えぬものまで見えてくる心の奥の奥までも 08.04.08
しっとりと雨に濡れてる桜花冷たき春の厳しさに耐え 08.04.07
街頭の光が淡く夕桜行き交う人の顔をも染める 08.04.06
うっすらと春の霞がたなびいて土曜の朝の静けさ沁みる 08.04.05
ふくよかな桜の蕾がまん丸と稚児の手に似てやわらかなりし 08.04.04
まん丸に桜の蕾が膨らんで花咲か爺さんじっと待つなり 08.04.03
卯月にて春一番の風ならぬ春の嵐に穏やかならず 08.04.02
新生な気持ちに浸る卯月にて白いページに何色塗ろうか 08.04.01