短  歌  集
 2 0 0 8 年
12 月
紅白の歌合戦に暮れてゆく子年の夜のそばも美味しや 08.12.31
古里に思いを馳せる顔と顔ホームに溢れて穏やかになり 08.12.30
薄氷のパリッとはじけて水の玉朝日に光って宝石にのように 08.12.29
システムのトラブル起きて新幹線帰省するにも命がけなり 08.12.28
大根の葉っぱに被さる綿帽子甘さをエキスにしたたかなりし 08.12.27
一年の仕事納めに集いつつ一献傾け夜が更けゆく 08.12.26
クリスマス店子の声が甲高く残りの毛^気に福が来るなり 08.12.25
八本の末広がりのバラの花妻に捧げて誕生会なり 08.12.24
太陽の光を探して移りおり猫一匹の賢さ競う 08.12.23
純白の山のいただき迫りくる寒椿の花も艶やかになり 08.12.22
霜降りし朝の河原のほとりにて白鳥四羽草を食むなり 08.12.21
冬山の白磁の如くいただきの心閉ざして寡黙になりし 08.12.20
青々とわさびの色の美しき水の恵みに澄みし地底や 08.12.19
ごみ箱をあさる生き物猫ならずカラスが数羽朝もやの中 08.12.18
道端にカラスが一羽降りてきてチリ紙咥えて飛んでゆくなり 08.12.17
白きもの口にくわえたカラスいてポリ袋の中には何もないのに 08.12.16
白煙の煙突ひとつ消えてゆきボップ工場不況の中か 08.12.15
味深きタンタンメンにニンニクのゴロゴロ感が元気の素なり 08.12.14
鍋焼きのうどんがボコボコ音をたてマグマのように底の底から 08.12.13.
左手の手袋ひとつ道の中そっと拾いし小枝に掛けて 08.12.13
蘇る消えた写真の復元に思い出深きいにしえの歴史 08.12.12
「美しや神は無限の雪降らす」言った言葉に古里の味 08.12.11
失われて写真の形がなかりせば見事に浮きし職人の技 08.12.10
天空を翔る職人すさまじく命を掛けて守る橋げた 08.12.09
月光の明かりを友に歩く道冷える心に熱きものあり 08.12.08
傷跡の地震(ない)の深さに癒されず月の光が凍てつく様に 08.12.07
送られし青森・秋田・盛岡のリンゴの味の自然が写る 08.12.06
カチカチと数を刻みし万歩計メタボの世界にどっぷり浸る 08.12.05
飼い猫の声が聞こえて時計見ておやつをねだる子どもと同じに 08.12.04
亦れても恋にならずに変になり今年の一字に世相が漂う 08.12.03
艶やかな青森リンゴをじっと見えてフジの高嶺の気高さ思う 08.12.02
師の走る月となりしか12月子年も間もなく去りにけるかな 08.12.01