短  歌  集
 2 0 0 8 年
11 月
挨拶を交わす言葉が寒々と気温の上がらぬ霜月の月 08.11.30
陽の光一直線に刺してきて今日の1日始まる朝に 08.11.29
まったりと甘き香りのする店にケーキ作りの職人いるか 08.11.28
何食べる夕餉の支度に妻の声何でもいいよとつれない我が 08.11.27
鍋焼きのうどんの具にも秋の味根曲がりネギの甘さが滲みる 08.11.26
風強き朝の銀杏の木の下に木の実が踏まれ悲しくもあり 08.11.25
一杯のコーヒーの味が旨くなり電車の旅もまた楽しくて 08.11.24
カサカサとケヤキの葉音に一抹の寂しき秋の薄暮のひととき 08.11.23
月様の光の影が長くなり肌に突きさす初冬の季節や 08.11.22
まんまると大きな月がお供して深まる秋の光も冷たく 08.11.21
冬の日に一羽のカモメも無い朝にどこへ飛んだが寂しさ募る 08.11.20
音鳴りの海岸足で踏みならし地底の真に響く勢い 08.11.19
青空にフワフワユラユラ綿毛舞い落下傘にも秋の足音 08.11.18
古に人待ち峠と名付けられ恋うる人への思いで溢れん 08.1117
どんぐりが枯れ葉の中に散りばめて秋の深まり点々とあり 08.1116
コリコリとヒラメの味が口の中亘理の海の味が広がる 08.11.15
灰色の色した白鳥2羽になり親の眼線が子に注がれて 08.11.14
白鳥の親子四羽が飛んできて広瀬川のも冬が来るなり 08.11.13
さわさわと葦の奏でる音聞こゆきしきし唸る小舟の音も 08.11.12
白サギの数が増えつつ広瀬川清き水にも小魚逃げる 08.11.11
弱々と秋の夜半の虫の音冬の足音すぐそこにあり 08.1110
久々に賑わう街の人の波売り子の声も高く響いて 08.11.09
さあ出発だ706段の標識に薬莱山のいただき目指して 08.11.08
ナフタリンの匂いを残して女学生さっと風切り自転車通る 08.11.07
三日月の眉の形に似ていたり若き男子の今の姿が 08.11.06
一年目の薬莱山に佇みて眼下に広がる豊かな平野 08.11.05
霧雨の冷たさ肌に感じつつ深まる秋の登山道なり 08.11.04
眉を剃る今の男子の顔立ちに昔の日本に今がありしか 08.11.03
「おはよう」と朝のひと声大きくて我が家の始まり夫婦の挨拶 08.11.02
霜月と昔の人は呼びにけり11月の暦ひんやりとして 08.11.01