短  歌  集
 2 0 0 7 年
5  月
高山の花が見頃になる季節はやる気持ちも穏やかならず 07.05.31
故郷の山河を思いしんみりと山菜並んた夕餉の食卓 07.05.30
山郷の湯煙あがる温泉地緑が深くこころ休まる 07.05.29
シューシューと豆腐屋さんの店の前豆の臭いに朝を感じる 07.05.28
朝焼けの陽の輝きがぼんやりと黄砂の闇に包まれており 07.05.27
娘きてピアノ弾く音新鮮に幼き頃の思い出浮かぶ 07.05.26
求愛のカジカガエルの声響き我省みて妻思うなり 07.05.25
真っ白な日傘をさして色白のやすらかな顔に影を写して 07.05.24
ミゾレからヒョウのかたまりバラバラと山の女神の怒りに触れる 07.05.23
うぐいすの鳴く声爽やか登山路(みち)若葉がそよぐ音にのるなり 07.05.22
山道の緑のトンネル鮮やかに季節を愛でる人並み多し 07.05.21
雪渓をトラバースして慎重に歩む一歩は世の道に似て 07.05.20
雁戸山の神に捧げる点火式燃える炎はどこまでも高く 07.05.19
新緑に雨がそぼ降り艶やかにしたたる雫若葉を映して 07.05.19
「おはよう」と返す言葉の無い子供寂しさもあり哀れさもあり 07.05.18
老人の種苗を売る顔ほころびて自信に満ちる手のシワ深く 07.05.17
早朝の散歩を終えた後なれば朝シャン・シャワーに心も洗う 07.05.16
幕開けのドラリオンに胸を馳せ子供にかえる夢のサーカス 07.05.15
早朝の散歩道に陽が差して早起きすずめの声爽やかに 07.05.14
新緑のマラソンコースに春の風連なる市民の声援きれず 07.05.13
食材の宝庫となりし道の駅作った人の顔がほころぶ 07.05.12
母逝きて三回忌の春迎え墓前に参る幸せがあり 07.05.11
涼風に泳ぐ姿の影がなく子供の節句は静かに終わる 07.05.10
太陽の鈍い輝きじっとりと梅雨の季節はまだまだなのに 07.05.09
春うららゲレンデに咲く水仙の山の彼方は幸せの国 07.05.08
陽だまりの紫色のあやめ草品よくもあり艶かしくもあり 07.05.07
手作りの色とりどりのこいのぼり広瀬川にも五月の風吹く 07.05.06
我が家にも兜を飾ったこどもの日いつでも子供と思う親かな 07.05.05
森の中「影を慕いて」偲ぶ碑の前で歌声響いてやまず 07.05.04
水仙の黄色き花が一面に幸せの風を運んでくるなり 07.05.04
ちょろちょろと水の流れる雪の下春の足音静かなりけり 07.05.03
チャレンジとお釜の底に滑り降りボーダーたちの心が躍る 07.05.02
朝霧と言えば風情があるけれど外の景色は雲の中なり 07.05.02
薫風を腹いっぱいにこいのぼりあの家この家屋根より高し 07.05.01