短  歌  集
 2 0 0 7 年
12月
大晦日の朝の光の温かき亥年が暮れてとき流れゆく 07.12.31
年末の朝の静けさ身に沁みる一番電車の走る音のみ 07.12.30
雨の朝ヘッドライトが尾を引いて何処へ急ぐか師走の街角 07.12.29
高らかに仕事納めの杯をあげほっと一息笑顔こぼれる 07.12.28
新春を迎える準備の店の前門松備えて子年を待つなり 07.12.27
明け方の静かな朝の家の灯に平和な灯りが心に沁みる 07.12.26
チャルメラの音が響いて夜の街乾いた空気が冴え渡るなり 07.12.25
10本のバラを手に持ち家路へ急ぐ冷たき風も心地よくなり 07.12.24
「詠む」と「読む」その言葉の違いなかりせば通じる心はみな同じと言う 07.12.23
ゆず風呂にどっぷり浸かり冬至の日心も身体も師走の中に 07.12.22
手をあげておやつをねだる飼い猫の人の賢さ猫にもあるや 07.12.21
さらさらと風に吹かれて落ち葉舞う踊りを楽しむ時が流れる 07.12.20
来年は切り倒されるケヤキにて落ち葉悲しく散りにけるなり 07.12.19
人ごみの中から聞こえるふるさとの訛なつかし師走の街角 07.12.18
検閲の文字が悲しき絵はがきの故郷の山何を語らん 07.12.17
朝焼けに太き色なす虹ひとつ夢の架け橋地の果てまでに 07.12.16
ほろ酔いで浸る温泉心地よく露天の風呂に冬の風吹く 07.12.15
「寿」とりんごに写した贈りもの津軽の友は元気だろうか 07.12.14
電球のトンネルくぐる冬の空欅並木に花が咲くなり 07.12.13
暗闇にヘッドライトが連なりし今日も1日始まる朝なり 07.12.12
甲高い石焼きいもの笛聞こゆ乾いた夜に寒さ広がる 07.12.11
ささやかな特別手当の支給日にふところ厚くこころも熱く 07.12.10
煙突の煙が空に一直線日曜の朝の静けさ広がる 07.12.09
朝もやのやわらかなりし陽の光心がほっと癒されるとき 07.12.08
ドラフトの入団発表目白押し大きく羽ばたく一日になるや 07.12.07
酔客の歩く人影まばらなり師走の街も寂しく見ゆる 07.12.06
露結したガラス戸舐める猫一匹美味しさ知るや賢さ知るなり 07.12.05
薄幸の”ふみ子の海”の映写会すすり泣く声ホールに響く 07.12.04
台湾の海を越えての中継に一球一投手に汗握る 07.12.03
預かりし我が家にいる猫7年に家族の中の一人になるなり 07.12.02
日が昇り師走の朝の静けさに猪一匹遠くに見える 07.12.01