北アイルランド・アーマー天文台のデイビッド・アッシャーと筆者は、今後数年間にわたるしし座流星群の出現状況を予測する詳細な計算を行った。この計算においては、過去の太陽への接近によりテンペルタットル彗星から放出されたダストについても考慮した。我々の計算に関する詳細および以前に行われた他の天文学者による計算については、デイビッド・アッシャーのダスト軌道分布に関する説明(訳注:新たに日本語版を掲載(99.12))、またはスカイ&スペース誌1999年10/11月号掲載の拙稿を参照。下表は初回の研究結果発表時以来新たに加えられたいくつかの軌道分布が含まれている。他の予測との比較にあたっては、軌道分布上の塵に対する厳密な軌跡計算が行われていないものについては当初の概算と比較してほとんど改善されていないことに注意されたい。
我々のデータは歴史的なデータとつきあわせて慎重に検証されては来たものの、これらの若いダスト軌道分布はしし座流星群の原因物質として安定していない。また下に示した時間よりも1日ずれてさらにピークを引き起こしたり活発な活動を見せたりする、遠い過去に放出された塵の「バックグラウンド」もまた存在するが、この表で示されているより激しい出現はおそらくないものと思われる。このバックグラウンドの活動は11月14日から21日頃までの期間となる。
ダスト軌道分布との遭遇についての詳細な予報は以下の通りである。
日時 | 回帰 | 出現度 | 月齢 | 観測図 |
---|---|---|---|---|
1999/11/18 11:08 JST |
3 | 500 | 最良 | 1999観測図 アフリカ、ヨーロッパ |
2000/11/18 12:44 JST |
8 | 30? | 悪 | 2000観測図a 西アフリカ、西ヨーロッパ 北東 南アメリカ |
2000/11/19 16:51 JST |
4 | 20? | 悪 | 2000観測図b 北+中央アメリカ 北西 南アメリカ |
2001/11/18 19:01 JST |
7 | 1500? | 最良 | 2001観測図a 北/中央アメリカ |
2001/11/19 02:31 JST |
9 | 15000 | 最良 | 2001観測図b オーストラリア、東アジア |
2001/11/19 03:19 JST |
4 | 15000 | 最良 | 2001観測図c 西オーストラリア 東+東南+中央アジア |
2002/11/19 13:00 JST |
7 | 15000 | 最悪 | 2002観測図a 西アフリカ、西ヨーロッパ 北カナダ、北東 南アメリカ |
2002/11/19 19:36 JST |
4 | 25000 | 最悪 | 2002観測図b 北アメリカ |