Visitor's Review

島津亜矢ライブを観て
muraoka

先日、たまたま島津亜矢という演歌歌手のライブを観る機会があった。
若手No.1の実力の持ち主だという。
ライブを観ることが趣味とはいえ積極的に演歌を聴くことなどあるはずもない。
というわけで演歌歌手のコンサートは以前原宿クエストホールで坂本冬美を観て以来だ。
演歌というのは今や中高年のカラオケ・ファンに支えられている、滅びゆくジャンルである。この日もやたらと客の年齢が高く全く期待はしていなかったのであるが結論から言うと、ちょっとしたショックを受けた。日本にもこんなに凄いソウルシンガーがいたのかという驚きを感じたのだ。
とにかくその歌唱力は半端ではない。
声量、リズム感、情感、並はずれているのである。うまいというより、天才に近い。これだけのヴォーカリストは他のジャンルにもほとんどいないだろう。それを当然のように聴いている演歌ファンも凄いがこんなに凄いものを演歌というジャンルに閉じこめていいものかという疑問を感じた。
彼女はこれまでもオーケストラとの共演など他のジャンルとの融合を図ったりしているらしいがそれがどの程度成功しているのか分からない。もっと優秀なスタッフを付けて、音楽的に冒険して欲しいと思う。
彼女のライブは、正統派のいわゆるド演歌、ニューミュージック一人芝居などで構成されている。
僕が最も興奮したのは長淵剛の「人間」を歌った時だ。あたかもゴスペル歌手のような重厚な迫力を感じでゾクゾクした。彼女の歌には黒っぽい感性がある、まさにソウルシンガーなのである。
後半、忠臣蔵から「赤垣源蔵」を歌った。三波春夫先生も真っ青の見事な浪曲演歌師ぶりであったが最後の一人芝居「梅川」は思い入れたっぷりで、ちょっとクサ過ぎたかな。

子供の頃からのど自慢荒らしとして知られ、15才でデビューし19才の時に、事務所との対立で一時引退、OLも経験したという。波乱の歌手生活を送りながら、まだ彼女は27才。無限の可能性を秘めているといえるがそれもスタッフ次第だろう。
有能なプロデューサー、ミュージシャンで、彼女の作品を手がけてみたいと思う方はいませんかね。僕がここで売り込んでも仕方ないんだけど(笑)。

PS.極妻の最新作の主題歌「都会の雀」も彼女です。

投稿先
to TOP