所在地 | 東京都港区高輪3−13−1、新高輪プリンスホテル 国際館パミール内 |
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建立 | 1990年9月 |
建立者・管理 | 新高輪プリンスホテル |
補記 | 井上靖 (題、「北辰」) ホテルの「国際館パミール」および大宴会場「崑崙」、「北辰」の名を付けた時に寄せたときの文章。 |
画像 | 碑外観(48.2KB) 碑文(30.9KB) ※八扇さんが提供してくれました。 |
地図 | ※この建物の中のどこかにあるのですね。 |
碑文 |
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北辰 井上靖 “世界の屋根”パミールの中心都邑である喀什(カシュガル)の一夜、そこに仰ぐ北辰(北極星)は美しい。凛々と鳴っている。 “北辰、その所に居て、衆星、これを共る” 「論語」に収められている孔子の詞が思い出されて来る。−北辰が居るべき所に居る限り、それを中心にして、もろもろの星は、大きく、それを廻って、運行する。 肉眼でとらえることはできないが、宇宙の現象で、これほど美しいものが、ほかにあろうとは思われぬ。 こうした喀什に別れを告げ、“世界の屋根”パミールから降りて、東を目指すと、崑崙山脈・北麓の大回廊の中に入って行く。往古の歴史の本舞台・“西域南堂”、−そのかみの兵どもの夢の跡である。 晝は崑論の裾に次々に現れてくる羊群と、天幕都市を縫って行き、夜になると、北辰を仰ぎつつ、月光を踏んで、ひたすら東へ。日本を、東京を目指していく。二十一世紀の壮大な地球の旅・第一号。 |