No.24 石川近代文学館の碑

所在地 石川県金沢市広坂2−2−5、中央公園内
建立 1986年10月
建立者 井上靖文学碑建設委員会
管理 石川近代文学館
設計 船越保武
素材 黒御影石
補記

詩集「北国」所収「流星」を基にして。

井上靖の卒業した四高校舎が文学館に使われている縁で、四高開学百年祭開催の記念として建てた碑。小説「北の海」の舞台。文学館に井上靖の展示室あり。

画像 碑外観(60.6KB) ※くりりんさんから頂きました。
地図 MapFan Web ロゴマーク ※正門から入って文学館の左手に回るとあります。
碑文

流星

高等学校の学生の頃、日本海の砂丘の上で、ひとりマントに身を包み、仰向けに横たわって、星の流れるのを見たことがある。十一月の凍った星座から、一条の青光をひらめかし、忽然とかき消えたその星の孤独な所行ほど、強く私の青春の魂をゆり動かしたものはなかった。

それから半世紀、命あって、若き日と同じように、十一月の日本海の砂丘の上に横たわって、長く尾を曳いて疾走する星を見る。併し心打たれるのは、、その孤独な所行ではなく、ひとり恒星群から脱落し、天体を落下する星というものの終焉のみごとさ、そのおどろくべき清潔さであった。

井上靖

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