掲示板ログ 2006年12月
[1502] 映画「黒い潮」が2月にラピュタで上映されます 投稿者:雄さん 投稿日:2006/12/09(Sat) 22:45 |
先日から読んでいた「その人の名は言えない」を先ほど読み終えました。魅力的なヒロイン夏子と彼女を取り巻く男たちの群像を描きながら、愛とは何か、真実の愛についての井上靖の思いが披瀝された魅力的な作品でした。昭和25年、彼の新聞小説第一作です。登場する男たちも実に見事に描きこまれており、それぞれ井上靖の分身と思われました。あまり知らなかった(私の不勉強?)この作品も爽やかな余韻を残してくれました。ますます井上靖が好きになりました。一作ずつをじっくりと読んで行きたいと思います。
日本映画の旧作専門の映画館、阿佐ヶ谷ラピュタで来年2月4日から2月10日までの一週間、井上靖原作の「黒い潮」(1954年製作、山村聰監督)が上映されます。下山事件をめぐる新聞記者の行動を追った力作です。毎日午前10時半からの一回だけの上映です。
[1503] 初投稿 『玉碗記』よかったです 投稿者:ほんのわ 投稿日:2006/12/10(Sun) 22:38 |
ばりばり蟹座様
こんにちは、はじめまして。
わたしはほんのわと申しまして、初めて投稿いたします。
素晴らしいホームページですね。
しかも誰もやっていなかったことをやるという志が偉い。
立派ですね。
さて『玉碗記』をみましたところ、誰の感想も一言もない。
そこで勇んで投稿させていただきます。
愛知県美術館で『ペルシャ文明展』が催されました。
紀元前5千年から(紀元後)7世紀のササン朝ペルシャまでの貴重な文化遺産を紹介した展覧会でしたが、その関連の講演会で監修者でもある大津先生が「想像や推理の部分(学術的に解明されていない部分)は、学者の言葉でなく、小説家の言葉でロマンを味わってください」と紹介したのが『玉碗記』でした。
正倉院の白瑠璃碗とそっくりな玉碗が発見されます。
二つの玉碗を通して主人公は、古の天皇(安閑天皇)と后、そして自分の妹とその夫の二組の男女の愛情の機微に思いを寄せ考えるという物語です。
詩人らしいとても美しい作品で、井上靖は優れた映像作家にもなれたのではないかと思うほどでした。
さてこの作品は短編というよりも小品ですので、読んでもさらっと通過してしまう方が多いのではないでしょうか。
正倉院の白瑠璃碗もそうですが、そっくりな玉碗の発見というのも実際の話で現在は東京国立博物館にありますし、安閑天皇陵は大阪にあります。
それぞれインターネットで画像を見ることができますので、歴史を実感してこの小品を味わって欲しいなと思います。
ところでばりばり蟹座さんにお尋ねしたいのですが、井上靖は映像や写真、または脚本などは手掛けてないでしょうか。
『玉碗記』を読んで、言葉以外のセンスも感じたのですが・・・
[1504] 師走 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2006/12/12(Tue) 23:36 |
>雄さん
去年に引き続き、阿佐ヶ谷ラピュタの上映情報をありがとうございました。
映像化された井上靖作品を見られる機械は貴重ですので、このように情報を教えていただいて、本当に感謝しております。
またトップページでも紹介させていただきたいと思います。
僕自信が見に行けないのが非常に残念です。
雄さんのサイトでは井上靖の話題も書かれていますよね。
たまに覗かせてもらっては、楽しく読ませていただいております。
また、そちらの掲示板にもお邪魔しますね。
>ほんのわさん
はじめまして。
僕が井上靖を読み始めた当初は井上靖のサイトが無かったので自分で作っていまいましたが、ほんのわさんのようにサイトを褒めていただけると非常に嬉しく思います。
『玉碗記』の感想をありがとうございます。
読み流してしまうような短篇も、背後に広がる世界を想像しながら読むと、その楽しみ方も広がりますよね。
僕も『玉碗記』を読むときは、ほんのわさんの話を思い出しながら歴史のロマンに思いを馳せたいと思います。
井上靖の手がけた映像や写真、脚本についてですが、申し訳ないことに全く知りません。
といっても、存在しないだろうということではなく、単に僕の知識不足です。
写真は見たことがあるような気もするのですが…。
どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください!
[1505] ほんのわさんへ 投稿者:カシュガル 投稿日:2006/12/12(Tue) 23:39 |
ほんのわさんへ
こんばんは。カシュガルと申します。管理人さんに対する質問ですが、多少知っていることがあるので、書き込ませて頂きます。
井上靖本人が取った写真を元にした「河岸に立ちて 歴史の川・沙漠の川」という本があります。私はこの本を読んでシルクロードに行きたくなりました!写真の構図はどれもシンプルなものですが、素人の私が見ても、「いいな〜」と感じさせる何かがあります!彼の詩の世界がそのまま写真にあらわれているような。
「玉碗記」読んでみますね〜
[1506] Re:[1504] [1505] ほんのわさんへ 投稿者:ほんのわ 投稿日:2006/12/14(Thu) 21:06 |
ばりばり蟹座様
初投稿からの質問に、皆様に呼びかけしていただいてありがとうごさいました。
わたしは大昔の若い頃に『天平の甍』を読んだきりで、たまたま展覧会の講演会で聞いた『玉碗記』が気に入り、これからぽちぽちいろいろな作品を読もうかなと思っています。
ちなみに今は『花壇』を読んでいます。
こういう掲示板があると余計にはまりそうですね。
(だってお返事もらえるし〜〜♪)
カシュガル様
ありがとうごさいます。
本探してみます。
井上靖の視点が確かめられそうですね。
今、わたしは『花壇』を読んでいますが、日本の話と思いきや、主人公がイラン高原へ旅行に行ってしまいました。
地図と風景写真が傍らに要りそうです。
[1507] Re:[1501] 井上靖原案 投稿者:ちゃっきー 投稿日:2006/12/14(Thu) 23:31 |
みなさんこんばんは〜
>ばりばり蟹座さん
そうでしたか、"原案"となっていたのですね。
玉木宏の魚津役ははまっていたと思います。私はイメージどおりでした。TVの中では「魚津」という姓ではなかったですが・・・。
ところで先日、「風林火山」を再読しましたよ〜。前に読んでからもう何年も経ってますが、その間に私自身、甲斐〜信濃へ出掛けることが多かったので、今回は著者の描写を私も思い描きながら、まさに勘助の視点で読むことができました♪
>雄さん
はじめまして♪
「その人の名は言えない」は持ってはいるんですがまだ読んでません。そうそう、何ともいえない余韻があるんですよね井上作品には。
久々に井上靖の恋愛作品も読んでみようかな〜。
>カシュガルさん
はじめまして♪
お名前から察するに、シルクロードがお好きなんですね。私も「楼蘭」などを読んでからというもの、けっこうハマった時期がありました。最近は「西域をゆく」(井上靖と司馬遼太郎を中心とした対談集)を買いました(まだ読んでませんが^^;)。今は「韃靼疾風録」(司馬遼太郎著)を読んでます。
>ほんのわさん
はじめまして♪
『花壇』いいですね〜。そうです、この小説は話が飛びますね(笑)。
『玉碗記』、こういうロマンを掻き立てられるの私も大好きです。
今年は正倉院展に行こうと思いましたが、結局実行に移しませんでした。。。(^^;)
[1508] 河岸に立ちて 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2006/12/19(Tue) 22:53 |
>カシュガルさん
情報ありがとうございます!
手元の文庫本を見てみましたが、単行本じゃなく文庫本でも写真はちゃんと収録されていますね。
そういえば、井上靖展だったか文学館だったかで井上靖が旅の時に持って行ったカメラが展示されていたような気も(うろ覚えですが…)。
他にも、井上靖の撮影した写真が収録されいる本がありそうですね。
>ほんのわさん
僕はお役に立てませんでしたが、是非『河岸に立ちて』を読んでいただきたいと思います。
それにしても、井上靖を奨めてくださるとは、大津先生には感謝ですね。
歴史の分からない部分を「学術的にはこういう説が…」というのではなく、想像を小説の世界に重ねてロマンを味あうとは、これも一つの楽しみ方ですよね。
>ちゃっきーさん
先日、本屋で『風林火山』と表紙に大きく書かれたテレビ情報誌を見つけて、なにげに嬉しくなってしまいましたよ。
そろそろNHKでも番組が始まる前の特集をしてくれるんじゃないかと期待しています。
今頃、山梨では『風林火山』で盛り上がっているんでしょうね、ちょっと行ってみたいです。
[1509] 『花壇』読みました 投稿者:ほんのわ 投稿日:2006/12/20(Wed) 08:33 |
おはようございます。
井上靖歴三作目のほんのわです。
まだたった三作なので、『花壇』のほとんど会話や対話の構成に驚きました。
やりとりが自然で面白いこと。
そのまま質の良いホームドラマの脚本になりそうですね。
作中、「時代」という言葉が何箇所か出てきます。
作品のテーマは働く現代人の多くが抱える普遍的なものなのですが、主人公の出した結論に、わたしは時代を感じました。
さて印象に残った箇所として、角川書店単行本のP136、137に幼く美しい者に愛情を傾けずにはいられない主人公の心情が綴られています。
なぜ幼い者は美しいのか、一つの美学です。
>ちゃっきー様、カシュガル様
『花壇』の主人公がイラン旅行に行ったため、地図帳を広げ、エルブルズ山脈やアジアハイウエイを探しておりましたら、右端の方に「カシュガル」が…… ここなんですねえ。
>ばりばり蟹座様
『玉碗記』の感想紹介に載せていただきありがとうございました。
まだ感想紹介にない作品たくさんありますね、フフフ。
このお正月休みに頑張っちゃおうかな。
[1510] かぼちゃ 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2006/12/22(Fri) 23:02 |
今日は冬至でしたね。
これから夜の時間は短くなっていきますが、まだまだ長い夜は続きます。
じっくり読書といきたいですね。
>ほんのわさん
『玉碗記』に続き『花壇』の感想をありがとうございました。
井上靖作品を気に入られたようで、なによりです。
感想も、お待ちしております!
『花壇』ではやりとりが面白いとのこと。
僕が井上靖の小説を好きな理由として、この会話があります。
声色まで想像して、何度も会話の部分を読み返したりして。
まぁ、この作品では少し変わった会話のやりとりもありますが…。
この“声”との会話が印象的でした。
[1511] 滝へ降りる道差し上げます 投稿者:名無しのごんべ 投稿日:2006/12/24(Sun) 07:43 |
以前、「滝へ降りる道」をブックオフで見つけyahooで情報を探した時にこちらを拝見いたしました。そのとき、簡単な本の情報をこちらに書き込んだのですが「余計なお世話しちゃったかなぁ」と半日程度で削除したお節介ものです。
ですが、本も読み終わり、やはり持つことがふさわしい方にお持ちいただくのが一番と考え差し上げることにしました。住所をお知らせいただければ「滝へ降りる道 他10編 初版 旺文社」を送らせていただきます。クリスマスプレゼントになるかもしれませんね。メールアドレスがわかればこちらのメールアドレスをお知らせできるのですが・・・こちらのメールアドレスを書き込むと偽のメールが来そうなので記載のある場所をお知らせください
お返事お待ちしております。
練馬のサンタより
[1512] 無題 投稿者:カシュガル 投稿日:2006/12/24(Sun) 21:03 |
>ばりばり蟹座さん
お役に立てたなら幸いです。写真というと、話は変わりますが、来年の大河ドラマ「風林火山」のガイドブックを書店で立ち読みしていたら、長男の修一さんの談話と一緒に、井上靖が書斎で執筆している写真が載っていました。大河ドラマより井上靖の特集をもっとしてほしいなあと感じる今日この頃です。(笑)
>ほんのわさん
名前の由来がばれました(笑)なんという作品だったか忘れましたが、「カシュガル」という街の名前が妙に頭に残っていたんです。「花壇」の内容はほとんど忘れていますので、近いうちに読んでみます!
>ちゃっきーさん
司馬遼太郎いいですよね。「韃靼疾風録」は読んだことがないので、近いうちに読んでみます。私は、幕末ものが好きですよ。
[1513] クリスマスプレゼント 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2006/12/25(Mon) 22:43 |
>名無しのごんべさん
初めまして。
メールも拝見しました。送っていただいたアドレスが僕のアドレスです。
この度は文庫本進呈の申し出、感謝いたします。
けれど、せっかく手に入れられた文庫本です。
僕としては、名無しのごんべさんが井上靖の作品を手元に置かれて、何かの折にでも読み返して頂ければと思います。
そして、その時、同じ作品に対して違う感想を持たれたり、新しい発見があればと。
お気持ちは非常に嬉しく、クリスマスプレゼントとして心に残りました。
本当に、ありがとうございました!
[1514] 祝!10万人突破 投稿者:ほんのわ 投稿日:2006/12/26(Tue) 00:08 |
久々に掲示板をのぞきましたら、左上のカウンターが10万人を超えてました。
おめでとうございます。
(ちなみに私が100,031人目でした)
私のブログが公表するのも恥ずかしいのですが、先日200人を超えまして、それでもかなり嬉しかったので、10万人ともなると、これは一言お祝い申し上げねば。
継続は力なりですね。
これからも頑張ってくださいね。
(今日は読むだけのつもりだったので、これだけで失礼します)
[1515] Re:[1513] クリスマスプレゼント 投稿者:名無しのごんべ 投稿日:2006/12/26(Tue) 10:53 |
封筒に切手も貼って住所印刷だけになっていたのですが、「ふるほん文庫屋さん」に送る予定だった「内田百閨vなどと一緒に必要とされる方に送ることといたしました。2万冊の本は家の破壊にもつながりそうなので・・・
[1516] 100000ヒット 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2006/12/27(Wed) 23:01 |
遂に100000ヒットに達しました。
どうやら12月25日だったようですね。
アクセス数を気にするような類のサイトではありませんが、さすがに嬉しい数字です。
これを励みに、これからも頑張ります!
>カシュガルさん
本屋のテレビ情報誌コーナーを覗いてみたら、『風林火山』の本が何冊も!
年末に次の大河ドラマの本がドッと出るのは毎年のことですが、
これが井上靖の作品の名前だと思うと、感慨深いものがあります。
井上靖の特集をしていたのはNHKの一冊だけでしたが、
これも含めて2、3冊ほど買ってみたいと思います。
>ほんのわさん
祝辞、ありがとうございます!
開設当時は一番左(10万の位)の0は飾りだね、なんて思っていたのに。
実を言うとアクセス数は月末にしか確認しないので、見過ごすところでしたよ…。
ほんのわさんも、ブログの200アクセス達成、おめでとうございます!
僕もよく覗かせてもらっています。
お互い、長く続けていきたいですね!
>名無しのごんべさん
井上靖は名無しのごんべさんの手元を離れたようですが、
入りにくい本なので、必要とされている方の元に渡るようで何よりです。
それにしても、2万冊も本をお持ちだったとは…。
本に囲まれるのが幸せだとしても、さすがに家が壊れては困るどころじゃないですもんね。
[1517] 直筆ノート 投稿者:指月紀美子 投稿日:2006/12/28(Thu) 23:49 |
100000ヒット、おめでとうございます!
先日、東京・世田谷の日本大学文理学部で開かれていた「シルクロード展」に行って来たのですが、そこで井上靖に関するコーナーが2ヶ所設置されていました。
1つは、主に1970年代に井上靖がトルコ・イラン・アフガニスタンを旅した際、自ら撮影した写真と紀行文からの文章の抜粋の展示。
もう1つは、井上靖がシルクロード旅行中に見聞をしたためた直筆ノートや西域小説などの直筆原稿、西域小説の単行本などの展示でした。
シルクロードに関する様々な展示品の中でも、井上靖のコーナーはかなり大きな位置を占めていたように思います。
西域の乾いた空気の中でしたためられたであろう直筆ノートには、とても感慨深いものがありました。
写真はかなり本格的なもので、評価も高いようです。
こちらの書き込みの中で拝見したことで思い出したのですが、井上靖は若い頃の一時期、映画の世界での活躍を目指していたこともあったそうです。
[1518] シルクロード展 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2006/12/31(Sun) 01:05 |
今日は遂に大晦日。
『氷壁』のドラマで始まった今年も終わろうとしています。
さて、来年は、どんな一年になるでしょうか。
>指月紀美子さん
お祝いの言葉、ありがとうございます!
指月さんといえばシルクロードですが、やはり「シルクロード展」には行かれたのですね。
そしてシルクロードといえば(僕の中では)井上靖ですが、掲示板でも話題になった井上靖の写真も展示されていましたか。
直筆のノートと、写真、ぜひ見てみたかったです。