掲示板ログ 2000年7月


[129] ご無沙汰しています! 投稿者:洪作 投稿日:2000/07/02(Sun) 02:07
こんにちは。
作品の読みで一つ判明しましたのでお知らせします。
「四つの面」ですが「よっつのマスク」です。
本作が収録されている文庫版と全集いずれにもふりがなが
してありましたので、間違いないと思います。


[130] はじめまして 投稿者:マーガレット 投稿日:2000/07/02(Sun) 22:44
はじめまして、こんにちは。
井上靖の作品少し読んでいます。
初めて読んだのは、『北の海』です。
みなさんとくらべると読んでいる量がまだまだ少ないと思いますが、
よければお話に参加させてください。

卒論も一応、井上靖で考えています。



[131] ありがとうございます! 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2000/07/07(Fri) 00:45
RYOMEIさん、お久し振りです。
今昔夢日記ですか、面白そうですね。是非また読ませていただきます。

洪作さん、作品の読み情報ありがとうございます。
『面』が『マスク』とは考えに無かったですね。
早速更新しておきます。

マーガレットさん、はじめまして。
卒論で井上靖ですか、頑張って下さいね。
このページでお役に立てることがあれば幸いです。
それではこれからもよろしくお願いします!

[132] またまた判明しました! 投稿者:洪作 投稿日:2000/07/10(Mon) 01:59
作品の読みでまた一つ分かりました。
これも新潮社から出された全集にふりがながしてありました。
「高天神城」は「たかてんじんじょう」でした。

→マーガレットさん
 はじめまして。
 卒論が井上靖なんて素敵ですね!

[133] 高天神城 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2000/07/10(Mon) 19:24
洪作さんありがとうございます、『たかてんじんじょう』ですね。
時に、手元の資料(井上靖ノート)では文庫に収録せれていないことになっているんですが、新しく文庫になっているんでしょうか?なにせ、20年以上前の資料なんで…。
洪作さんも、全集で知ったんですよね。
他にも調べてみたんですが、ちょっと確認できなかったので、ご存じの方がいたら教えてもらえないでしょうか?お願いします。

それにしても、全集で調べるという手も有りですよね。

[134] ゲストブックにカキコ、ありがとうございます 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2000/07/10(Mon) 19:24
YAMATOさん、はじめまして。
昭和48年頃からというと、僕が生まれる前から…。
井上靖ファンの大先輩ですね。よろしくお願いします。
北海道といえば旭川に記念館があるんですよね、僕もいつかは行ってみたいですね。

[135] 久々に早帰り 投稿者:おん 投稿日:2000/07/11(Tue) 20:16
おんです。
しばらく来ていなかったので初めての人もいるみたいですね。
よろしくおねがいします。

文庫本を頼んでくれた3名様>
寮の近くで送る手段がなさそうなので、もう少しお待ちあれ

管理人様>
角川文庫の「孤猿」を入手しました。
後ほど情報を公開いたします。

角川文庫は残り「満月」のみとなりました。
これでほとんど入手したはずなのですが・・・潮文庫が
まだ何冊か。集めるのは難しいものですねぇ。

それではねぇ〜♪


[136] お久し振りです 投稿者:ばりばり蟹座 投稿日:2000/07/12(Wed) 00:46
おんさん、お久し振りです。
文庫の件、了解しました。

角川文庫があと『満月』のみとは、集めましたよね。
僕は角川は全然見つからず、まだ半分も集めていません。
他の文庫も…。まだまだ先は長いです。

[137] 「蒼き狼」論争 投稿者:日の出 投稿日:2000/07/20(Thu) 00:41
教えていただきたい事があります。
大岡昇平さんとの「蒼き狼」論争とは、どんな論争ですか。
お願いします。

[138] 「蒼き狼」論争について 投稿者:たがたぐん 投稿日:2000/07/20(Thu) 08:54
昭和36年1月「群像」1月号に大岡昇平が発表した「蒼き狼は歴史小説か」を発端とする井上との論争です。
大岡はここで「蒼き狼」というモチーフ自体井上の勝手な解釈でありひいては史実を改変するものであるという批判を提起し、これに対し井上が同じ「群像」誌上でその反論を試み論争へと展開していったものです。歴史小説においてどこまで史実を尊重すべきかあるいはどこまで想像力は許されるかという問題なのでしょうが、少なくともそれまで井上の作品ではかなり明確にその区分が出来ていたのに(前者の範疇が「天平の甍」後者が「楼蘭」「敦煌」)、この論争以後どうやら「歴史そのまま」への手法に転換していったようです。その代表作が「風濤」とうことになりましょう。

個人的には、楼蘭のようなロマンチズムあふれる作品が(それが井上の一つの大きな美点だと思います)歴史を題材にしたものからはその後影を潜めざるをえなかったことを残念に思います。

同じ伊豆の出身(田方郡です)として、井上の気質について理解できる部分があり、恐らく彼はこの論争にて大きく傷ついたのだと思います。その痛みの影響があえてそれ以上その道を進む(意地を通す、固執する)ことに向かわず静かに方向転換をする方を選んだ、これが静岡県人の一つの特質であり、今一つ大物を生み出せない土壌に結びつきます。もっともこのことは決して悪い事ではなく、井上の中にある伸びやかな部分に昇華されているとも思います。
「ちびまるこちゃん」の世界や、県勢が甲子園で優勝できない世界は同質です(ただし、浜松を中心にする世界はまた少し異質のようです。本田宗一郎・ゴンに代表されるエネルギッシュな人達が出ています)。
話がそれました。ただ井上の分析において伊豆・沼津の風土が与えた影響は恐らく多大なものがあり、それが金沢・京都という気候的にも厳しい風土(あるいは文化の先進地)でどのように変質していったかは面白い研究テーマになるのではないでしょうか。



[139] 「蒼き狼」論争について 投稿者:日の出 投稿日:2000/07/20(Thu) 14:54
たがたぐんさん、解説ありがとうございました。そういう事を踏まえてもう一度「蒼き狼」を読みなおしてみます。それから静岡県人の特質の所も興味がありました。私は岐阜県人ですが、どうなんでしょうか?調べてみるのも楽しいですね。

[140] 無題 投稿者:日の出 投稿日:2000/07/20(Thu) 14:59
あっ!それからたがたぐんさんの素早い解説の後で、「何かの拍子に相手が手をあげれば、こちらもそれに応じて手をあげるのに吝かではないのである」というフレーズを思い出しました。

[141] 興味深いですね 投稿者: 投稿日:2000/07/23(Sun) 21:27
たがたぐんさんの静岡県人気質のお話、とても興味深かったです。湯ヶ島を訪れたとき、井上文学の持つ絵画的情緒はこの伊豆の美しい自然に育まれたのだなと感じたことを思い出しました。
「蒼き狼論争」については、以前ご紹介した五木寛之「ソフィアの歌」でも少しだけ扱われています。小説家なら誰でも想像力をふくらませそうな、「おろしや国…」の主人公・大黒屋光太夫に歌を教えたソフィアという若い女性が小説において完全に抹殺されているのは、蒼き狼論争を意識した井上氏が想像力の疾走を制御して光太夫を「意志の人」として描こうとしたからではないか、という見解です。(このソフィアが教えたという歌については椎名誠「シベリア追跡」にも少しだけ出てきます)
もし「蒼き狼論争」がなかったら、「おろしや国…」における光太夫の人間像も、また違ったものになっていたかもしれませんね。
個人的には「意志の人」として描かれた光太夫に大変感動しました。たがたぐんさんの「伸びやかの部分への昇華」という言葉に同感です。

[142] 椎名誠で思い出しました 投稿者:たがたぐん 投稿日:2000/07/27(Thu) 20:50
日の出さん、遥さんのお話、当方としても面白かったです。
井上靖は文壇デビューが遅かったためもあり(学生時代は別として)、自らを「(どこか)おりている人」と規定していたような気がします。
大学時代マージャンを覚えたての時にそのエッセイを読み「ふーん。何ともわかりやすい表現だなあ」と思った記憶があります。月日は流れ井上のデビューの年齢に差し掛かり「なるほど。サラリーマンにはそういう二分法が確かにあるな」と実感しています。
ところで、僕も椎名誠は好きなのですがその中でもやはり「岳物語」が最高だと思います。時代は違え「あすなろ物語」「しろばんば」と共に幼年小説の傑作ではないでしょうか。椎名が井上を敬慕したことが何と無く分かるような気がします。

[143] 椎名誠の楼蘭で 投稿者:日の出 投稿日:2000/07/31(Mon) 15:19
随分前に椎名誠さんの楼蘭の遺址と「彷徨える湖」ロブノールへの旅をTVでを見ました。その時初めて井上靖さんの声を聴き、とても感動した事を覚えています。井上さんが椎名さんに「私の代わりに楼蘭で大の字に寝て大空を見上げて下さい」と言うような事をおっしゃてたのが印象的でした。

[144] 映画(=連ドラ)「化石」 投稿者:伊豆 投稿日:2000/07/31(Mon) 15:55
お久しぶりです。
井上靖原作の「化石」の映画のワンシーンの写真が載ってるサイトを見つけたので紹介します。
「化石」は1972年のフジテレビの月9枠(今日もありますね)で連ドラになりました。
その後、再編集され映画になり、1975年に劇場公開されました。
映画はその年のキネマ旬報ベストテン入りした名作です。

写真の左は女優の岸 恵子さんです。
フランス人男性と結婚した日本人女性マルセラン夫人を演じられました。岸 恵子さんの実人生と重なります。
右は主人公を演じた佐分利信さんです。
佐分利さんは井上靖の映画化では他に「猟銃」(三杉穣介)「白い牙」「渦」「わが愛(通夜の客)」などにも出演されておられます。

「化石」が連ドラになった1972年(昭和47年)はすでに、東京オリンピックの開かれた1964年(昭和39年)に日本人の海外渡航が自由化されてから、日本人がフランスに大挙して詰め掛け、ヨーロッパ旅行も全くめずらしいことではなくなっていましたが、この「化石」の大掛かりなフランスロケは話題になりました。



http://www.jin.ne.jp/kobe/kff1998/k98-03c.htm