妖しのセレス
〜あらすじ（のさわり）〜

　１６歳の誕生日・・・昨日まで普通の高校生だった御景 妖（みかげ あや）と御景 明（みかげ あき）の 宿命は動き始めた。

　代々天女の家系であった御景家では、女児が１６歳を向かえるとある儀式を行う習わしがあり、 １６歳の誕生日を向かえた双子の兄弟「妖」と「明」は祖父の家に呼ばれ親戚一同の前で儀式を行う ことになった。

　親戚一同喪服という妖しげな雰囲気の中で、二人の前に差し出されたものはミイラ化した女性の手 だった。

　その「物体」を目にした二人には常識では考えられない変化がおきる。
　妖は髪と瞳の色が変化し、彼女の目の前でその物体は粉々に砕け、明は全身に大量の切り傷が 浮かび上がり、全身を血だらけにして意識を失う・・・。
　明が死んでしまうと、取り乱す妖に、彼女の祖父がかけた言葉は・・・

　「死ぬのはお前だ。」

　という冷たい言葉だった。

　御景家では、１６歳を向かえた女児には祖先である天女の力が現れ、御景を滅ぼすとされていた。
　過去に、蘇った天女＜セレス＞が御景家を滅ぼしかけたのが理由とされている。
　それ以来、御景家では「儀式」を執り行い「天女の力」を持った娘を闇から闇へと葬っていたのだ。

　何も解らないまま親戚一同に殺されそうになる妖、妖は無意識のうちに天女の力を使い親戚を傷つけ、 無我夢中で庭先の松の木に逃れた。そこで、誕生日の前日に高架橋から落下した妖を救った男−十夜（とおや）−が 現れ、パニックに陥っている妖の唇を不意に奪ってしまう。
　一瞬少気に戻った妖だったが、ファーストキスを奪われたと悲鳴をあげてしまい、猟銃を持ち出した親戚 に追いつめられてしまう。
　その危機に駆けつけたのが、同じく天女の血を引く梧 納涼（あさぎり すずみ）と、その義理の弟の梧 雄飛 （あさぎり ゆうひ）だった。

　妖は、政財界にも太いパイプをもつ大家の梧家にかくまわれることになったが、そこへ妖を案じて、傷だらけ の身体を引きずり、御景の家を飛び出してきた明が現れる。

　だがその晩、妖の中の天女が明を襲う・・・

　「お前は私を辱めた男・・・！羽衣を返しなさい！！」

　天女セレスの口から語られる真実、「その男（明）は私の宿敵」と、明の傷を指し、「それは私がこの力でつけた 傷と同じ物」と、「その男（明）は、私から羽衣を奪い、強引に妻にした憎い男」と・・・。

　「御景の始祖」それが明に現れた姿だった。

　妖と明は双子として生まれながら、御景家初代の天女と御景始祖を各々の身体に復活させてしまったのだった。

　その場は、十夜の登場により、明はセレスの手から守られる。
　強力な呪力を持つセレスの力も、なぜか十夜にだけは通じないのだった。
　そこへ騒ぎを聞きつけた雄飛が駆けつけセレスを制止する、その隙をついて十夜は明を連れ逃亡をはかる。
　執拗に明を追うセレスは、雄飛の口づけによって妖へと戻る。

　兄弟を殺そうとした事に悩む妖、そしてそんな状況の中で自分のファーストキスを奪った十夜への思いを 募らせてゆく妖。

　だが、その十夜は御景本家に雇われ、妖の従姉妹にあたる御景 各臣（みかげ かがみ）の部下として妖を 監視していたのだった。敵対関係ある二人。だが、妖の想いに動かされ、十夜は各臣と御景を裏切り、妖と惹 かれあってゆく。

　そして、御景本家の元、各臣の指示で進められてゆくＣ−プロジェクト。

　全世界からセレスと同様に天女の血を引く者を集め、それらの力を御景が独占し、セレスと共に蘇った 始祖（明）をマスターとして世界に御景が君臨することを目的とした計画・・・

　妖はセレスと「羽衣探索」を条件に明を殺害することを延期させ、雄飛らと共に天女の羽衣の探索を開 始する。

　妖と十夜の恋の行方は、横恋慕一直線の雄飛の運命は・・・そしてＣ−プロジェクトの行き着く先に あるものは・・・これ以上はコミックを読むときの楽しみにとっておきましょう（＾＾）。
　もっともっと魅力的なキャラがどんどん登場しますし、ストーリーも二転三転してゆきます。

　その感動はどうぞご自分の目でお確かめ下さい。