「ピアス」について


 さて、今回は謎解きではなくて、「ピアス」についてちょっと書きたいと思います。

 セレスの一巻が発売された頃から見ると、最近は随分ピアスに対する認識も緩くなって来ていますが、 私はピアス反対派なんです。

シーン1シーン2
妖しのセレス1巻 P108より 妖しのセレス1巻 P9より
妖しのセレス1巻 P108より 妖しのセレス1巻 P9より

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 「おじさんくさい。」とか「考え古い。」って、言われそうですが、別にシーン1のような感じの、 「親からもらった身体を傷つけるな。」ってな感じの、倫理的な問題だけで反対なんじゃなくて、ちゃん とした根拠があっての反対派なんです。

 その理由とは、身体に悪影響を与える可能性があるという事です。

 シーン2を見てもらえば解ると思いますが、大抵ピアスの穴は、耳たぶの中央辺りに開けますね。

 現代医学(組織学とか病理学)的に考えれば、耳たぶの部分に穴を開けることで、神経を傷つけるとか、血管を損傷して 命に関わるような事はありません。ちゃんとした病院で開けてもらう分には、開けた穴から感染して、 傷口が炎症を起こして腐敗するようなこともまずありません。

 ですが、東洋医学的にも、また西洋医学的にも耳には色々な反応を起こすポイントがあることが明らか になっています。  しばらく前に、「耳のツボで痩せる」なんて話題が流行った事がありますが、あれは、「耳針療法」とい うフランスで開発された治療方法に基づいたものがほとんどだったんですが、その耳針療法と共に、中国でも 耳介鍼法という形で独自の発展をとげたものがあり、耳には数多くのツボや反射点と呼ばれる物が存在する 事が言われています。

図1図2
耳針療法経穴図 図1のアップ
耳針療法より

 図1が耳針で使われる経穴図(ツボを示した図)ですが、耳たぶ部分の、赤で囲った部分をアップにした物が図2です。

 そこには「眼」とありますが、眼に対応するポイントが、もっとも多くピアスの穴を開ける部分に相当 するんです。

 そして、信じられないかも知れませんが、実際にピアスの穴を開けた後に、急激に視力低下した人や、失明 した例もあると言われています。

 つまり、穴を開けてしまったことによって、耳針のツボを一つ壊してしまい、そのことによって健康を害 する可能性があるということです。

 また、身体を切ると言うことは、「気」の走行ラインを断ち切ると考えるので、気功師の中には、治療の針すら 否定する人がいるほどなのです。


 また、たまにピアスを耳たぶだけでなく、耳の上の方までいっぱいつける方もいますが、あれは最も 恐ろしい行為の一つです。

 と、言うのも、耳たぶは脂肪が垂れ下がっているような物ですから、中には芯になる物が入っていません。
 が、耳の上の方、耳介と呼ばれる部分には、耳介軟骨という軟骨が芯に入っています。
 つまり上の部分にまでピアスの穴をあけると言うことは、この軟骨にも穴を開けると言うことなのです。

 「な〜んだ、たかが軟骨じゃない。」って思われると思いますが、軟骨には再生能力がないんです。
 つまり、迂闊に穴を開けて、そこから感染でも起こしてしまった場合は、最悪は耳を切り落とす事になりか ねないと言うことです。

 私の鍼灸学校時代の恩師に、耳の置針をしたときに、消毒をいい加減にしたために、患者さんの耳が感染症 を起こし、結局耳の下半分を切除することになってしまったという話がある程です。
 「若い女性だったから随分慰謝料を取られたよ〜。」って先生は苦笑いしていましたが、洒落にならない話です。
 *耳の置針と言うのは、1ミリ程度の細い針を、耳のツボの皮膚に浅く入れて、絆創膏で止めて3日〜一週間ほど入れ ておく治療法です。間違っても軟骨まで針を入れたりはしません。つまりそれほど小さい傷でも消毒をおこたると切断の 憂き目にあうということです。


 以上の理由から、私はピアスはあまり快く思っていません。


 と、いうことで、これからピアスをされようと思われている方は、絶対に自分で穴を開けずに、専門の 病院で処置を行ってもらって下さい。
 それでも「自分でやってやる。」という方は、薬局で消毒用のアルコールと脱脂綿を用意して、開ける為の針は ライターなどで十分に焼き、指や耳たぶはアルコール綿で一方通行の拭き方をしてください。絶対に往復して拭かないで ください。往復すると雑菌を広げるだけです。
 また、消毒用アルコールの雑菌を殺す効果はさほど強い物ではありません。
 実際の医療現場では、アルコールで他の消毒薬(殺菌効果の高い物)を薄めて使っている場合がほとんどです。

 また、例え専門の病院で行ってもらっても、可能なら軟骨のある部分には開けないことをお薦めします。



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