自然は時に優しくまた時に厳しく私に接してくれる。 鮎解禁当初対岸の梅の木から鶯のさえずりが聞こえ、 水も温かく感じる真夏には蝉時雨が川の流れの音と 同化して耳に入ってくる。しかし鮎と対峙している 時は鶯のさえずりや蝉の鳴き声川の流れる音さえ聞 こえなくなる、竿から伝わってくる情報を自動的に 処理し出力を伝える作業に集中している為で、情報 処理にはデータベースと、流速、仕掛けの浮力など 竿からの入力データ照合がある。データ解析出力の ままに竿を操作しつつ川を上へ下へと移動し、ふと 気がつけば西の空は茜色に染まり日が暮れようとし ている10時間近く川に立ち続けたが疲れは感じな い、真摯に自然に接した満足感と釣りに対する反省、 課題を胸に帰路に着く。
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