All Aboard Lovely PANDA !


 

初代PANDA 90年型4×4

 

2代目PANDA 97年型4×4
(フロント・ウィンカーは現在透明)

 
19955
 1章 プロローグ

 転勤してから3年間、車無しで我慢していたんだけど、さすがに車のない生活は不便でしょうがない。
こまごました買い物ならコンビニでも済ませるけど、本格的に買い物をするためにはやはり車が必要。
そこで車を買おうという事になり、さて何を買おうかなと車の情報誌を見ていて偶然目に入ったのが
PANDAだった。
それからはどうしても
PANDAが欲しくてたまらなくなった。
周囲からの「イタ車は壊れるからやめとけ」という声もあり、 ルノー
5やプジョー205、シトロエンAXなども検討したけど、結局押し切って買うことにした。

 それからはディーラー回り。何軒かディーラーを回り、入荷したら教えてくれるようお願いしてから数日後、 入荷の知らせを受けてディーラーに行ったところPANDA2台並んで止めてあった。 1台は93年型(だったかな?)のエメラルドグリーンのような色のダブルサンルーフつき、 フロントグリルは最終型のもので、もう1台は90年型の真っ赤な4×4で、ダブルサンルーフはなく、 フロントグリルも旧式のものだった。

結局その精悍な顔立ち(旧式グリル)に惹かれて90年型の方を購入することにした。
まあ、これが以降
PANDA"はまる"きっかけになるんだけど。

 第2章 前兆

 さて購入の手続きも終え、いざディーラーに車を見に行ったところ、なんと室内のヒータの吹出口から水蒸気が出てるではないですか。
「どうなってるの?」と問いただしたところ、「ヒーターをつけなければ大丈夫。部品を交換したら治ります」とのことだったので、まあそこは抑えてとりあえず帰ることに。

 そしてさんざ待たされた挙句の納車。しかしヒーターはまだ治っていないままの納車。 今までの件もあったので念のためボンネットを開けてみると、エンジンが無かった・・・、というまではいかないけれど、手前中央にある直径5cmくらいの銀色のホース(名前分からず)が破けてボロボロになっていた。
ディーラ曰く「無くても支障ない」
無くても支障のない物がエンジンルームに入っているわけはなく、とにかく付けるように言う。
これはすぐに解決したが、まだヒーターは治っていない・・・。

 暫く乗っていたら、ディーラーから部品が来たという知らせを受けた。
交換したのはラジエターでしょうか?縦横
15cmくらいの黒いアミアミのもので片側に白い丁字型の管が付いている物だった。

 第3章 幸せな日々

 とりあえずヒータは治り、手を悴ませて運転することもなくなった。

5月の連休は早速PANDAちゃんで上京することに決めていたので、それからの連休に向けての1週間は左ハンドル、マニュアルに慣れるよう、毎日会社から帰ってきたら運転した。

 そして連休。
 東京に向けて出発。高速代節約のため4号線をひたすら走る。朝の5時に出発したところ8時に茨城の県境に到着。 この時間になると道路も混んでくるし、一般道を走るのは疲れたので東北自動車道に乗ることに。 結局のところ友達との待ち合わせ場所である上野駅には12時くらいに到着した。
 友達には「なんかオモチャみたいだね」なんて言われたけど、逆にこの”オモチャ”という表現が誉め言葉のような気がしたのは僕だけだろうか? だってこんなに”遊び心”が溢れてる車って無いと思う。初めて
PANDAに見て触れた時はホント、カルチャーショックの連続だった。 まずドアを開けるためのボタンからして驚いた。中に入れば助手席にダッシュボックスは無いわ、灰皿は左右に動くわ、後部座席に乗るときは椅子の背もたれを倒すのではなく、 椅子ごと手前に持ち上げるわ、ワイパーは1本しかないわ etc

それからの数日間はいろいろな所に友達と行ったりして、とても楽しい連休を過ごすことができた。

帰ってきてからもPANDAちゃんを運転するのはとても楽しく、このままPANDAちゃんと幸せな日々を過ごせると思った。
が、しかし・・・。

 第4章 1の難問

 さてPANDAちゃんに乗って出かけようとキーを回したんだけど、エンジンがかからない。セルは"クシュンクシュン"いってるんだけど、なかなかかからない。34回目でやっとエンジンがかかって、まあその場はPANDAはエンジンがかかりにくいと聞いていたので「これもご愛嬌」と思うに止まった。

 暫く走っていてちょっとした上り坂に差し掛かったとき、なんとなく車体が前後に揺れているような気がした。
「坂を登るにはギアが高すぎたかな?」とか思ったんだけど、また別な坂を登るときにギアを
1段下げても同じ症状が出る。低速走行なのに間違って高いギアで走った時のように、車体が前後にノッキングする。
ちょっと心配になったのでディーラーに見てもらうことにした。
 ディーラーからは症状が出ないということで、点検程度で
PANDAちゃんは帰ってきたんだけど、また同じ症状が出る。
どうしても腑に落ちないので再度ディーラーへ。ディーラーでも原因が分らないとのことで、とりあえずディストリビューターを交換。暫く走ってみることに。

 ある日高速道路で前の遅い車を追い越そうと、スピードを80km/h超に上げたところ、EX(排気温警告灯)が点いた。
これはまずいと思い減速したところ警告灯は消えたけど、再度スピードを上げるとまた点いた。終いには警告灯は消えているのにアクセルをいくら踏み込んでも減速が止まらず、
40km/hにまで落ちたのでやむを得ず路肩に停車。
ホント死ぬかと思った。

 さすがに恐ろしい目に会ったのでディーラーにクレームを言ったところ、試行錯誤の末、今度はO2センサーとやらを交換した。
そしたら不思議なことにノッキングはまったく起こらなくなった。

 これが今後続くトラブルの始まりだった。

 第5章 猛暑到来

 猛暑がやってきた。
さすがに
PANDAちゃんの中は暑い。イスがビニール・レザーでできていたので、腿と背中は汗ビッショリ。
一応クーラーは付いてるんだけど(エアコンではなく、あくまでクーラー。ヒーターと一緒になっておらず、
PANASONIC製のものが付いていた)クーラーをかけると極端に馬力が落ちる。それにエンジンの熱も高くなるので殆ど点けなかった。

 しかしPANDAちゃんの水温は上がる一方。ヒドイ時なんて110℃を超えてオレンジの警告部分までメーターが傾いていた。
あまりの異常値にまたまた心配になり、念のためクーラントを交換してみることに。

しかし、一向に水温が下がる気配はなく、針は警告部分付近をさ迷っている状態。
もしかしてサーモスタットが壊れていて、クーラントが循環しなくなっている可能性もあるので、ディーラーにてサーモスタットを交換。
改善されたような、されないような・・・。

 そんなある日のこと、交通量が多めの交差点で右折しようとエンジンを吹かしたところ、エンジン・ルームから”カンカンカンカン”と鉄を打ってるような音がした。
これはタダ事ではないと思い、即座にディーラーへ。
どうやらオーバー・ヒートでエンジンがメルト・ダウンしたらしい。結局エンジン・ヘッドを中古品と交換という形で修理することになった。(費用は中古品なので
5万円)

 「次の納車はレッカーでかな?」なんて、悲しい冗談を考えながら修理が終わるのを待つことにした。

 第6章 行儀が悪いよ

 やっと
PANDAちゃんが帰ってきた!それもレッカーじゃないぞ!(当たり前か)
もう、嬉しくて嬉しくて色々なところにドライブしまくったのは自然の成り行き。
 そんなこんなで何日か経過するうちに雨の日もあったし、風の日もあった。当然窓は汚れてくる。窓の汚れをウォッシャー液で流そうとワイパーのレバーを手前に引いたところ、ウォッシャー液は一滴も出ない。するのは
"ウィーン"というモーターの音だけ。「はて、いつの間にウォッシャー液が無くなったのかな」とボンネットを開ける。

"ボンネットを開ける"というと、いとも簡単な作業かと思うかもしれないが、これが結構コツがいる。
まずは運転席ダッシュボード下のボンネット開口レバーを引く、普通これだけで開くんだけど、その次に運転席側のボンネットの付け根をグッと
23回押さなければならない。この作業を効率良く行うためには、運転席側の窓を全開にし車を降りてドアを閉め横に立ち、右手で窓から手を入れてレバーを引いて、左手でボンネットの付け根を押すという
"左と右が別人間"状態になる必要がある。1回の作業ですんなり開けばいいけど、もし開かない場合はやり直し。

で、なんとかボンネットを開けてみるとウォッシャー液タンクの根元からホースが外れて空になっていた。
「あらら〜」と思いホースを繋げ直してウォッシャー液を入れ、念のため出るかどうか確認。ちゃんと出る。

 ちょっと走って信号待ちしていた時、前方から水が流れてるような音がしたので、もしやと思い窓から顔を出してみたところ、ボンネット下からビシャビシャビシャーと音を立ててウォッシャー液が川のように流れていた。
「今入れたばっかりじゃないか〜!俺のウォッシャー液返せ〜!」と心の中で叫んでいたのは言うまでもない。

 結局ホースの先がもう伸びきっていたので、ハサミで先をちょっとだけ切って繋げ直したら、以降オモラシはしなくなった。

 第7章 スパルタ教育

 ウォッシャー液の漏れも無くなり、暫し平和な日々を過ごしていたところ、来たのです、トラブルが!

 ある夜国道を市内に向かって走っていて、左折しようとウィンカーを出した。それにもかかわらず、後続車が減速せず車間距離が狭いままくっついて来る。「危ない運転するもんだなぁ」とか思いながら左折した。
その時は気づかなかったんだけど、次に左折するときまた同じ状態で、「おかしいなぁ」と思い計器版(って言うの?)をふと見たところ、ウィンカーの
"カッチコッチ"って音はするんだけど、計器版のウィンカーランプは点滅していなかった。しかしフロントとサイドのウィンカーはちゃんと点滅している。
 そこで、ウィンカーを左折にした状態で
PANDAちゃんを道路脇に駐車し後ろに回ってみたところ、案の定後ろのウィンカーは点滅していなかった。
今度はウィンカーを右折にしてみたところ、計器版のウィンカーランプはちゃんと点滅するし、フロントもサイドもリアのウィンカーもちゃんと点滅する。ハザードも試してみたがどのような結果だったかは残念ながら覚えていない。

 いろいろ試してみても結局左リアのウィンカーだけが点滅しない。もうイライラしてきたので左リアのウィンカーを叩いたところなんと点滅しだした。計器版のウィンカーランプも点滅した。どうやら斜め上45度くらいから叩くと効くようだ。
まったく昔のラジオやテレビじゃあるまいし・・・。

 それからのディーラーに持ちこむまでの23日間は、ちょっと危ないかなとは思いながらも叩き叩きPANDAちゃんに乗っていた。

 PANDAちゃんにはスパルタ教育が良いらしい・・・。

 第8章 見る角度が変われば

 PANDAちゃんを購入して2年目の夏だったろうか?暑さから逃れようと、お盆休みにPANDAちゃんで青森に行くことにした。

 八戸まで約5時間、東北自動車道を北上。最後のサービスエリアのあたりでガソリンが残りあと僅かになっていたけど、「PANDAちゃんは燃費が良いから八戸まで給油しなくて大丈夫だろう」と楽観的に考え通過。しかし八戸まであと20kmくらいのところで給油ランプが点き、針も0を指してしまった。それまでステレオをつけながら走っていたんだけど、流石にステレオを消してハラハラしながら走った。

 なんとか無事八戸に到着し、すぐさま給油。しかしちょっと走り出したところで、いつもはしない"カラカラカラ"という音がするのに気付いた。どうやら車体の下からするようだ。ドアをちょっと開けて低速走行しながら耳を澄ますと後部下の方からする。
とりあえず走行に問題は無さそうなので旅を続けることに。むつで
1泊し、下北半島をぐるりと回り仏ヶ浦、恐山などを観光、青森市内で1泊し、最後に弘前で1泊、。それにしても暑い!青森がこんなに熱いとは知らなかった。

 青森市内でだったろうか。Uターンしようとして道路をぐるっと回り、あとちょっと回転すれば反対車線というところで車に衝撃が走った。鳥目の僕は道路と歩道の境界に縁石があるのに気付かず乗り上げてしまった。もちろんボンネット下のガードにヒット。前輪が浮いた状態になってしまった。しかし不幸中の幸いで僕のPANDAちゃんは4×4なので、なんとか自力で脱出。どこも壊れてはなさそうだけど心配なので近くのガソリンスタンドで車を上げて見てもらう事に。ガードのお陰でエンジン本体には影響はなかった。もしガードが無かったらオイルパンとか逝っちゃってたかもしれない。恐ろしい・・・。

 PANDAちゃんを真下から見るのはこの時が初めて。見る方向が変わると「マフラー結構錆びてるなぁ」なんて改めて思ったりもする。車体を上げたついでに後部下からする異音について聞いてみた。
車輪を手で回しながら音のする個所を探って行ったところ、デフからするらしい。ガソリンスタンドの店員さん曰く「デフの中のベアリングが消耗してるのかもしれませんね。ベアリングだけの交換だったらそんなに高くないと思いますよ」とのことだった。

帰ってから早速ディーラに持ちこみ症状を説明。部品交換にどのくらいの費用がかかったかは失念してしまったが、確かにガソリンスタンドの店員さんが言った通り、そんなに高くはなかったと記憶している。

 第9章 第一の教訓

 東京在住時代の友達が仙台に遊びに来た。
仙台は初めてとのことなので、
PANDAちゃんで観光することに。
仙台駅まで友達を迎えに行き、駐車場に止めてある
PANDAちゃんに乗り込んだまでは良かった。
駐車場の出口で、前にいる車のドライバーが手で下がってと合図してるので、バックしている際、助手席に乗っている友達が僕に何か話しかけた。
良く聞き取れなかったので「えっ?」と後を向いていた顔を横に向き直し尋ねた瞬間、車に衝撃が走り鈍い音がした。
「ああ、まさかぁ〜」と神にも祈る気持ちで車を降り後に回ったら・・・やってしまいました。
標識にぶつけてハッチバックの中央が縦に凹んでいて、ナンバープレートを照らすライトも左側が潰れていて、バンパーは微かに凹んだ後が付いていた。
 ぶつけたショックもあったけど、友達の前でぶつけてしまったということの方がショックが大きく、自己嫌悪に落ちいってしまった。
その後の観光が気まずい雰囲気に包まれていたのは言うまでもない(笑)

 そこで教訓。
「バックは必要最低限に」(笑)

 
To be continued...
 

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