home > 山歩きの雑学 >

後脚を小刻みに振るわせて鳴く虫:ヒロバネヒナバッタ

 ここは美ヶ原のベンチ。近くの笹藪で寂しげに鳴いている虫がいました。「聞きなし」は個人個人の感性なので表現方法としては正確性に欠けますが、文字で置き換えるとするなら

「シュリーリリリー・・・シュリーリリリー・・・」

でしょうか。

 ちょうどその虫がベンチの上にはい出てきました。バッタの仲間のヒロバネヒナバッタでした。特徴としては、比較的長い触角、胸部の黒っぽい模様、後肢の関節部分が黒色、腹部がオレンジ〜黄色をしている等が挙げられます。

 コオロギやキリギリスの仲間は左右の羽を擦り合わせて音を出します。一方バッタの仲間は前翅に後肢を擦りつけて音を出します。鳴くバッタで知られているナキイナゴもこの方法で音を出しています。

 この写真のシャッタースピードは1/25秒なので、後肢を小刻みに動かしているのが写真の「ぶれ」でわかると思います。

 それにしても虫の声は情緒をかきたてられますね。なぜなのでしょう。暑さ激しい夏が過ぎ、秋風が吹き始める斜陽の寂しさなのでしょうか。