Xリーグ WEST-DIVISION シーズン展望

Last updated, 1999 Sep. 1 at 02:33 JST.



春総括へ  リーグ戦表へ 



アサヒ飲料・松下電工・マイカル・イワタニ・湖 北・井内盛栄堂



 試合に勝つためには、極論すると、我慢強く守り切る方法と、完璧に叩き潰す方法がある。

 「WEST」と言われる以前から西日本社会人のアメリカンフットボールを見てきた。このリーグの傾向というと大袈裟なのだが、わたしの感じたところでは、数年前の松下電工の「鉄壁ディフェンス」や、アサヒ飲料の「ドリームD」で代表されるように、ディフェンス主導のリーグと言う印象がある。
 力量差のあるチームが対戦する時は残念ながら大差の試合もあった。しかし、力が均衡した上位3チームの対戦では、「14−10」や「10−7」のようなロースコアゲームを展開してきていた。

 ところが、マイカルだけはリーグへ加盟当時からずっとオフェンスの目立ったチームという印象がある。ただ、このオフェンス力を他のチームのディフェンス力が上回っていたり、反則自滅を繰り返して、マイカルの秋のチャンピオンが実現しないまま経過してきた。

 そして、今年。

 6チームのオフェンスを眺めてみると、マイカルの突出ぶりがイヤでも目についてしまう。ここ数年でもベストの充実ぶりであろう。なんと言ってもRB杉山の加入は大きい。さらに、QB夏目のパスの充実で春からパワー全開、グリーンボールを制覇した。さらに欧州帰りのQB辻も控えており、WESTでは敵無しだろう。

 他のチームのオフェンスは、ランパスマルチとか言えば聞こえは良いが、決め手に欠くというのが正直なところである。


 そして、ディフェンスだが、どのチームも年々小粒になってきているように思う。ディフェンス主導のリーグのお陰で、オフェンスが育たず、それに対峙するディフェンスもオフェンスの衰退とともに規模が小さくなってきた。デフレスパイラルではないが負の相乗効果でWESTのテンションが下がってきているなぁというがの、ここ数年の思いである。

 つまり、マイカルのオフェンス力に対抗できるディフェンスを有するチームがないのでは??というのが、私のWESTの予想である。マイカルは、オフェンスバックスにばかり目が行くが、OLDLともにいつのまにか大形化してしまった。さらに反則も減ってきているので、自滅の可能性も少ない。

 このリーグの焦点は、マイカルの爆走をとめるチームが現われるかという点に尽きる。独走してしまいそうな勢いにあるのだが、それでは面白くない・・・。


 春の試合数が少ないうえに、ほとんどのチームが5月中旬で公式戦を終える。その後の変貌が分かりにくいので大きなことは言えないのだが、6チーム間の実力差が縮まってきているように思う。
 イワタニ井内盛栄堂ともに、過去に何回かアップセットを演じてきたし意識の高いチームである。また、松下電工は一気に若返りをはかった。センスのいいRBだった粳田がQBへコンバートされたが、興味本意ではなく、彼のプレーは見てみたい。
 湖北ファイニーズが「市民球団」としてリーグ戦に臨む。春のグリーンボウル決勝戦は気負い過ぎ?という印象もあったように思うが、秋は如何に。QB義永のパス+ランのプレースタイルは湖北ファイニーズとマッチしていそうで、興味深いものがある。


 さて、このDIVISIONだが、マイカルの優勢はとりあえず動かせないとしても、2位以下は渾沌としている。決め手に欠くと言う言葉ですべてを表せてしまうのだが、それは戦前予想である。なにか、新鮮味のある風は吹かないだろうか??