最終節です。ここを見逃すと来秋までの一年間、「おあずけ」を食らうことになります。そうならないためにも、また、「アメリカンフットボールってこんなに面白いゲームなんだぁ」を味わうためにも、是非とも土曜日の2試合+1試合を観戦することをお勧めします。いわゆる「3強」が登場する日曜日も、確かに面白いとは思います。しかし、土曜日の試合は、それ以上です。 なぜなら・・・・と言葉で表現しようと試みたのですが、私の文才では恥ずかしいぐらいに不可能でした。 土曜日に予定のない方、たいして重要でもない約束のある方、いつものようになんとなく時間を過ごしてしまいそうな貴方、だまされたと思って、西宮STまで来てみませんか? 12時に1塁側上層でお待ちしています。 |
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この試合を適切に説明するのは少し難しすぎる。大阪産業大学オフェンスメインのQB#3天野とRB#31松岡のコンビネーションが最後まで合わなかった。これ以外の敗因はないだろう。 その原因をチーム関係者でもない第3者が好き勝手に挙げるとすれば、第1試合が予想以上に長引いたことによるコンディショニング調整の難しさだったのではないか?プレーオフとして急遽組み込まれた第1試合は、プレーオフの名にふさわしい伯仲した戦いとなった。(詳細は別途観戦記としてUP予定)そのためにこの試合の開始時刻が30分も繰り下げられてしまった。 今か今かと待たされているうちに、知らぬ間に集中力が途切れてしまう・・・こんな経験は誰しもあるのではないか? 大阪産業大学オフェンスは持っている能力の半分も発揮できなかったのではないか。ただ、ディフェンスは健闘していた。目の前で繰り広げられるオフェンス手詰まりに動じることなく、失点を最小限にとどめて相手反則を誘発していた。そしてオフェンス復活を待ったのだが。 第1試合が延長されていなかったら、もしかしたら結果は変わっていたかもしれない。1日が24時間しかないとか、冬は陽のあたる時間が短いとか、アメリカンフットボールシーズンが短すぎるとか・・・そんなことを考えてしまった試合だった。 大阪産業大学のリターンで試合開始。注目を集めた大阪産業大学オフェンスフォーメーションだったが、この日は、オプション・ショットガン・トゥルーIと、見た目はほぼノーマルな組み立てだった。 序盤は、大阪産業大学・甲南大学ともパントの蹴りあいで時間が経過する。第2Qに甲南大学QBキープがロングゲインとなってTDを挙げるシーンがあったが、その後もパントの応酬が続く。 そんななか、第2Q後半、甲南大学自陣34ヤードからのオフェンスで反則罰退が続いた。結局マイナス27ヤードゲインの自陣7ヤードからパントとなって大阪産業大学に絶好なフィールドポジションを与える。これを確実に得点して同点で前半が終了した。 後半も甲南大学が要所で反則をしたために、なかなか得点差が広がらない。それだけに、QBRBのコンビネーション不調が目についてしまう。 第4Q、フィールド中央で大阪産業大学がファンブルロスト、甲南大学RB#21霜出、QB#11仲田キープでエンドゾーン前に到達するも、大阪産業大学ディフェンスがこれを止めた。 ただ、その後のオフェンスシリーズで再びファンブルロスト。デイフェンス再び健闘するも、痛恨のフェイスマスク反則からダメ押しのTDを奪われてしまった。 |
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近畿大学の最終戦にかける意気込みが感じられる試合内容だった。結果は大差がついてしまったが、第3Q終盤には関西学院大学ベンチが慌てふためくほどに、攻守とも完全に近畿大学のペースだった。 この試合、世間的には「近畿大学RB#32平手の1000ヤードラッシャーなるか」の一点にだけ注目を集めていた。 ただ私の戦前予想は、平手が1000ヤードまでの残り77ヤードをゲインできるなら、この試合は接戦以上勝敗の行方も混沌となるだろう、というものだった。さらに、関西学院大学ディフェンスが目前で1000ヤードを許すようなことをするだろうか??「完封して甲子園に行かなければならない」ぐらいの目標を持ってこの試合に臨むのでは??と勝手に想像の世界で楽しんでいた。 結果は、近畿大学RB#32平手が、関西学生4人目の1000ヤードラッシャーとなった(朝日新聞によると記録の残っている77年以降)。そして、第4Q序盤まで均衡した試合展開が繰り広げられた。 試合は近畿大学レシーブで開始する。QB#16綾部率いるオフェンスは完璧にRB#32平手にボールを集めた。その第1シリーズ、思っていた以上にランが通る。左右OG付近を5ヤード以上ゲインする。このままエンドゾーンまで30ヤードに侵攻したが、最後はパント。しかし、前節までの近畿大学とはまったく異なった勢いのあるオフェンスシリーズだった。 そして、ディフェンスも同様に気迫充満溢れていた。 関西学院大学オフェンスはQB#3有馬によるノーマルオフェンス。RB#34猪狩、#33井岡、#30生島、#2三井というお馴染みのRB陣が得意のドローで10ヤード近くのゲインを繰り返した。 ただ、近畿大学の#49東、#18谷原他が諦めることなくランナーを追いかける。スピードの違いなど如何ともしがたいゲインを許すこともあるが、読みの深いドローキャリア―への突っ込みでロスゲインも何回かあった。 結局、前半の関西学院大学オフェンスシリーズを3回のみとして、1TD1FGに抑え込むことになった。これは、関西学院大学の攻めを一進一退にして一気のロングゲインを数多く許さなかったこと、近畿大学オフェンスがラン主体に攻めて時計を止めなかったことにあるのだろう。どちらかと言えば近畿大学のペースで時間が経過していったように思う。 後半は関西学院大学のリターンで再開するも、パスのために下がったQBめがけてDL#58泉田がサックなど、後半2シリーズは完封された。 近畿大学ディフェンスが試合展開を中立位置に保っている間に得点を挙げたかったところへ、オフェンスが応えようとしたのが、第3Q3分43秒自陣34ヤードからのシリーズだった。 これがロングドライブとなった。キャリアはRB#32平手。近畿大学OL#73泉、#72皆川、#61田中、#52橋詰が、関西学院大学DLとの真っ向勝負を挑んで中央突破を繰り返した。そして、DLをコントロールして大きな穴を空ける。 この日2度目の自陣第4Dギャンブルを通し、もう一度ギャンブル5ヤードを成功させて、このシリーズ3回目の第4Dギャンブルは、とうとうエンドゾーン前8ヤード。FD更新まで3ヤード。 タイムアウトをとって万全の体勢で臨んだが、左OGを抜けることができなかった。願わくば、もう一度タイムアウトでもよかったが、それは結果論だろう。 その後、関西学院大学がパスで2TDを奪い、逃げきった形になった。 スタッツにあるように、近畿大学の「第4Dconveersions」が3/7、つまりギャンブル7回試みて成功3回という成功比率と、関西学院大学を大きく上回った「ボール所有時間」など、終始近畿大学ペースで展開されていたことが十分に伝わるだろう。 17点差となった段階でパス主体に切り替えざるを得なかったが、WR#81松永他は、RB平手の走路を確保すべくダウンフィールドブロックに徹していた。 近畿大学は2勝5敗でシーズンを終える。数値的には納得行かないところもあるだろうが、攻守ともにまとまった最終戦はそれを吹き飛ばすだけの価値があるのではないか。 |
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得点上は立命館大学の勝利だが、試合内容ではまったく均衡していて、どちらに転んでもおかしくなかった。立命館大学はQB#18宮崎が最後の1プレー以外すべてをまかされてオフェンスを指揮した。京都大学はFB#30山本、WR#82岸田を欠きながらも、「今年の京都大学ができるベスト」をみせてくれた。 立命館大学のリターンで試合開始。今年のエースRB#36川田のドローで前進を試みる。しかし、今日の京都大学ディフェンスは、いままで以上にアグレッシブだった。いきなり、DB#20河合がサック、LB#29山下他がブリッツを入れて撹乱する。結局FDを何回か更新するもパントに追いこまれるシリーズに終始して前半を終了した。 ただし、「パント」のうちの2回がFGキックとなり、さらに、京都大学パントを#39礒谷が約60ヤードのリターンTDしたことによって13点を獲得した。 そして、同じように京都大学オフェンスも完封されてしまった、先発QB#8横山によるギャングボーン、FBに#25関根を配したIフォーメーションともに、LB#5片平の鋭い突っ込みでロスゲインとなってしまう。結局、前半のオフェンスシリーズでは私のメモによるとFD更新ゼロ回だった。 後半、京都大学リターンで再開した最初のシリーズが自陣49ヤードから。ピッチフェイクのQBドローで約9ヤード前進し、第4D残り1ヤードギャンブルをQBスニークで突破すると、勢いは京都大学に傾いた。 RB#25関根へのリバースで立命館大学2,3列を惑わして25ヤードのビッグゲイン、そして、ギャング体型左HB#40山田への縦パスがTDパスとなった。 これに対して立命館大学は自陣23ヤード、QB#18宮崎から左WR#13岡部への縦パス1本でTDを奪う。DBもよく付いていたのだがあと一歩届かなかった。 それでも、京都大学オフェンスは再び侵攻する。WR#41松田へのパス、RB#40山田の右オープンとビッグゲインを繰り返した。立命館大学ディフェンスは、身も心も後ろへ引いてしまって「機能しなくなる瞬間」が続く。QB横山からのピッチを受けたHB関根がエンドゾーン内へ走りこんだ横山へのTDパスは、ほんの少しだけ長く失敗に終わる。そしてFGトライをはずしたのが第3Q後半。 次の立命館大学オフェンスを簡単にしとめて、再び京都大学オフェンスが自陣からドライブするも、またもFGをはずしてしまったのが第4Q前半。 FGを決めていれば・・・とか、ギャンブルのほうが・・・とか、身勝手な外野の思いはあるが、試合後半の流れを支配していたのは京都大学の攻守だったのだけは確かだった。 立命館大学は、再びフィールド中央からQB#18宮崎―WR#13岡部の50ヤードTDパスで一気に得点を挙げ、最後のシリーズはRB#36川田のドローでドライブするも時間切れとなった。 京都大学の今年のシーズンは故障者続きで最後まで「フル装備」できなかったが、最後のこの試合でも「現有戦力」でどうにかしたいという気迫が感じられた。やはり京都大学である。最後にはしっかりと仕上がった。 来期、皮相的でない内面からあふれ出るような威圧感を携えての復活劇を期待しています。 |
今年のリーグ戦もいよいよ最終節を迎えることになった。全力を出し切ってシーズンを終えることができる個人・チームもあれば、思っても見なかったような問題で持てる力を出し切れなかった人・学校もあることだろう。しかし、とにもかくにも最後である。「今年のこのメンバー」で戦う最後を見届けたい。 |