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甲南大学が、前節近畿大学戦に続いて2試合連続終了間際の逆転劇で2勝目を勝ち取った。 甲南大学レシーブで試合開始。QB#11仲田率いるオフェンスは、RB#21霜出、#33西山によるランオフェンスを展開するも、まずは、パント。 一方の神戸大学は、QB#18上岡、#2仁科登場もTBは#4。そして、試合を通してTBは#4藤村と#1秋田の交替出場となった。前節京都大学戦で負傷した#40朴木、その後に登場した#33大月ともに姿を見せず、オプションをキープレーとする神戸大学としては、かなりの緊急事態のようだ。 神戸大学オフェンスは、自陣20ヤードからUB#2仁科の中央突破とQBキープで前進を試みる。そして、フィールド中央まで持ってきたのだが、TBへのピッチでファンブルロスト、攻守交替となってしまった。 甲南大学は、神戸大学ホールディングの反則によるラッキーなFDと、WR#3五島への10ヤードパスで前進しするも、神戸大学の完璧なランディフェンスの前にFGにとどまった。 しかし、甲南大学オフェンスは、このあたりからパス主体に切り替えた。そしてパスヒットの連続となってしまう。神戸大学DLがQBにプレッシャーをかけられないことと、その間にDBマークが外れてしまうことで、10〜15ヤード程度のパスがフリーで通ってしまう。 そして、連続FGとなって6点差がついて前半が終了した。 神戸大学オフェンスは、前半をQBキープと#2仁科だけで展開していた。しかし、後半からはTBへのピッチプレーも含めた組み立てに修正した。これでオフェンスの雰囲気が変わった。 神戸大学レシーブで試合再開。自陣20ヤードからのオフェンスで、TB#藤村へのピッチが6ヤード。さらに、#80伊藤へのパスヒットと、前半にはなかったパターンでFD更新を重ねる。 そしてRB#1秋田のオープンが突然ぬけた。さらに#2仁科へのスクリーン気味のパスでエンドゾーンまで5ヤードへ。最後はピッチを受けたTB#4藤村が好ブロックもあって左角へ逆転のTDとなった。 さらに、次のシリーズも自陣12ヤードからUBTBを絡めた得意のドライブでFGレンジまで侵攻するが、FGは惜しくも失敗に終わった。 ただ、神戸大学のパスディフェンスの穴だけは最後まで埋まらなかった。神戸大学P#9田中の好パントで甲南大学オフェンスを何度も奥深くまで追いやりながら、ミドルパスで簡単に脱出されてしまう。 第4Q残り4分4秒、甲南大学オフェンスは自陣5ヤードから。しかし、#3五島、#32新宮へのパス合計4回で敵陣40ヤードへ。そして、最後は#3五島へのインのパスがフリーで抜けて40ヤード独走の逆転TDとなった。さらにPATに2ポイントを敢行し、エンドゾーン左角へのパスで、残り1分49秒で7点差として逆転勝利した。 神戸大学は、TBを負傷で欠きながらもオフェンスは大健闘だったと思う。ただ、ディフェンスがシーズン当初に比べて勢いがなくなってきたのは負傷者が多いからなのだろう。 一方の甲南大学は2試合連続の終盤逆転勝利である。QB#11仲田率いるオフェンスも安定してきた様子なので、残り2試合も期待できそうな勢いだ。 |
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試合内容を文字で伝えるより、まず最初にスタッツ数値を見て頂くのがいいだろう。 注目すべきところは、近畿大学オフェンスのパス28回に対してラン17回というパスとランの比率である。前節まではRB#32平手のランを中心に組み立てていたのだが、全く違う傾向を示している。 ボール所有時間は、近畿大学16分に対し立命館大学32分と立命館大学が圧倒しているように見える。しかし、近畿大大学がパス主体に切り替えて、パス失敗の度に時計が止まったためであって、立命館大学オフェンス自らが「ロングドライブして時間を奪い取った」というものではない。立命館大学ディフェンスが奪い取ったという見方はできるが。 そして、近畿大学のラン獲得ヤードマイナス19ヤードは、パスのためのドロップバックしたときのQBサック回数が多かったことによる。 もうひとつあげるとすれば、立命館大学反則回数8回、合計70ヤードの罰退である。 立命館大学のレシーブで試合開始。リターナー#22高橋の約50ヤードリターンで幸先いいスタートと思った瞬間に反則発生となって自陣26ヤードから。 QB#17川嵜ひきいるオフェンスはRB#36川田、#39磯谷、#45寺町とキープを絡めて敵陣28ヤードまで侵攻も、最後はパスを近畿大学DL#58泉田がインターセプトと得点には結びつかなかった。 一方のQB#16綾部が指揮する近畿大学オフェンスは、RB#32平手の左オープンマイナス1ヤードの後に、いきなり縦へ抜けたWR#81松永への40ヤードパス、#8矢守へのパス8ヤードという、今までと違うパターンで自陣24ヤードから敵陣24ヤードまで攻め入った。しかし、ドロップバックした瞬間をサックされてLB#99小西のインターセプトターンオーバーとなってしまう。 この次の立命館大学オフェンスは、#45寺町、#36川田の中央突破とWR#16西川への40ヤードパスでエンドゾーンまで19ヤードに到達し、TDへと結びつけた。ただし、ホールディング罰退とLBDBのロスタックルを含んでのドライブだった。 立命館大学オフェンスのRB陣は、いままでの試合ほど好調というイメージはなかった。中央はラインが厚くて突破できず、オープンへ展開するも数で包み込まれてなかなかビッグゲインできない状態が続く。 近畿大学ディフェンスDB#21村山、LB#49東、#43伊賀などが、一直線にボールキャリアに向かってきて、それが見事にヒットしてしまう。そして、反則の山を築いていった。 第3シリーズは反則とマイナスタックル含めて合計18ヤードのロスで、パントに追い込まれる。 一方の近畿大学オフェンスは第1シリーズこそ順調にパスでゲインしたが、その後は完璧に抑え込まれた。パスへの固執ぶりが完全に的を絞らせる結果になったか。第2Q終盤、立命館大学ファンブルロストからDB#25片山が拾い上げて敵陣エンドゾーンまで8ヤードという絶好の得点機を迎えた。しかし、3回ともパス。1回目はパス失敗だったが、その後の2回は#57山中、#5片平の連続サックで10ヤード後退し、FGもはずしてしまった。 この試合は、近畿大学が攻撃で時間を使わなかったことで、デイフェンスの時間が増えた。ただ、ディフェンスは長時間の攻防にもしっかりと対応していたように思う。ちょっとしたミスタックルをきっかけにして得点を奪われて、じわじわと差が広がってしまったという印象だった。 個人的には、立命館大学オフェンスの力で勝ち取ったようには思えなかった。立命館大学と近畿大学は「波長が合う」というのだろうか、近畿大学ディフェンスは今シーズン中で最も積極的に動いていた/動けていた。願わくば、少しだけランプレーを加えて惑わすオフェンスがあってもというところだが、前節までパスに悩んでいたようなQB綾部が、思い切りのいいパスを投じる姿を見るのも捨てがたかった。 近畿大学の次の相手は、京都大学である。再びディフェンスが活躍するシーンがあれば、面白い試合になるかも。 そして、立命館大学は関西学院大学との全勝対決に臨む。今節の両校の試合を見ていると、どうも・・・という感じなのだが、詳しくは約1週間後に。 |
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関西学院大学が京都大学を完封して5戦全勝とした。試合内容は、ほとんどワンサイドゲームだったが、それは京都大学が万全な状態ではなかったからだろう。第4節までRB#28秋原の替わりに出場してFBの地位を獲得した#30山本、関西学生ナンバー1レシーバーWR#82岸田(スポーツ新聞によると試合前の練習中に負傷したとのこと)の姿は最後まで見ることができなかった。さらに、担架で運び出されるのは京都大学の選手ばかり。この日はQB横山、RB秋原の復活はあったが、今年のベストメンバーとは少し違う。 関西学院大学のリターンで試合開始した。#21福田が約40ヤードのリターンでフィールド中央まで運ぶと、QB#3有馬が登場。しかし、RB#33井岡ドローを京都大学LB#31富岡がしとめて12ヤードのロス、このまま最初のシリーズはパントとなった。 京都大学はQB#12竹下が登場し、FB#32秋原、HB#25関根の中央突破もパントと、立ち上がりは互角だった。 しかし、次の関西学院オフェンスシリーズから一気に差がつく。シングルバックのRB#33井岡が右オープンへ出たところへのパス7ヤード、さらに、ドロー5ヤードでFD更新する。 一度はDL#97開出によるドローキャリアへのプレッシャーで5ヤードロスするも、QBドロー12ヤードで盛り返して、第4D残り1ヤード。試合開始早々の敵陣45ヤード地点、ここでタイムアウト後にギャンブルを選択した。そして、OLが作り出した見事な穴を#33井岡が抜けて、敵陣40ヤードでFD更新となる。 勢いに乗ったオフェンスは、TE#89榊原、RB#34猪狩が10ヤードずつゲインし、最後はランフェイクのTE#89榊原への18ヤードTDパスとなって、関西学院大学が先制した。 圧巻は次の関西学院大学オフェンスシリーズ。京都大学#20河合のパントが見事な軌跡を描いて1ヤードからのシリーズとなったのだが、約8分間のドライブで力の差を見せつけた。 RB#33井岡の中央突破2回で3ヤード前進すると、この日のメインターゲットTE#89榊原へのアクロス10ヤードで危険地帯を脱出した。ここから再び10ヤード刻みで進む。そして、自陣44ヤード第4D残り1ヤード。今度はタイムアウトもなしのギャンブルを敢行、QBスニークでFDを更新してしまった。 そして、TE#89榊原、#31高橋へのアクロスパスなどで一気にエンドゾーン前8ヤードへ。そして第4D残り2ヤードで3回目のギャンブル。中央突破TDかと思われたがフォールスタート反則罰退で幻に。#17山路がFGを決めて第2Q7分2秒、10点差とした。 京都大学は、第3Qになって、主将&DB#20河合のQBサックで、ようやく敵陣23ヤードという絶好のフィールドポジションを掴んだ。しかし、関西学院大学DLの厚い壁を前にお手上げの状態。FGもわずかに右へ逸れてしまい、追い上げのチャンスを逸した。 そして、関西学院自陣35ヤードから、この日のメインプレーTE#89榊原へのアクロス、#87田富へのミドル、#81山本へのパラボリックパスの合計3本でTDを奪い、試合を決めた。 京都大学が関西学院側へ攻め入ったのが、第4Q終盤に1度だけという完璧なワンサイドゲームになってしまった。攻守ともにライン戦の段階で差があったのはケガ人のためだろう。さらに、試合直前のメインターゲット岸田の負傷といい、今年の京都大学は、なかなかフル装備できない。 今年のベストメンバーでの試合だったら結果は変わっていたかもしれない。仮定の話をしても仕方がないのだが・・・。 関西学院大学ディフェンスは開幕神戸大学戦での6失点のみ。試合後半に登場するサブメンバー含めての準完封劇は、やはりすごいことである。オフェンスも10ヤード刻みのドライブで得点できることを示した。第2Q中盤から少しペースが落ちたが、第3Q終盤には復活してきたし、攻守とも絶好調と言えよう。 |
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