日本選手権 ライスボウル



1月3日(月) 東京DM 14:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学 077317
アサヒビール 7149333
(現地観戦)
 


第1Q  8分32秒 SS TD
第2Q  6分04秒 SS TD
第2Q  8分30秒 KG TD
第2Q 10分33秒 SS TD
第3Q  3分21秒 SS TD
第3Q 10分03秒 KG TD
第3Q 14分35秒 SS FG
第4Q  3分44秒 KG FG
第4Q  8分11秒 SS FG


 33−17。シルバースター得点シリーズ6回。一方の関西学院大学は得点シリーズ3回、エンドゾーン近くまで到達して無得点に終わったのが2回と半分(インターセプト・第4Dギャンブル失敗・TEパス成功もホールディング無効)。この2回を得点に結び付けていたら・・・。
 第3Qキックオフでオンサイドでなく深く蹴りこんでいたらとか、QB有馬と岡村をもう少し使い分けていたらとか。

 この1週間、わたしの頭の中でたくさんの「たられば」を積み重ねてみたのだが、33−17の得点差を縮めることはできても、逆転するまでには至らなかった。


 関西学院大学が体格・スピードの点で劣っているのは明白だった。それは、学生対社会人という図式、すなわち、絶対的に存在する年齢差と人間の身体的成長の時期を考えると、避けて通ることのできない段差である。それを百も承知で、それでも関西学院大学が勝利するだろうと思っての観戦だった(今期のシルバースターを知らなかったから言える根拠のない希望的観測という意見もあるだろうが)。

 この差を埋めるのが、学生界では他に類を見ない充実したスタッフによる知識・戦術による駆け引きだと思っていた。そして実際にも、いろいろと試みているのがわかった。

 ディフェンスではOLBがQBにプレッシャーをかけるべく果敢にブリッツを入れる。しかし、このくらいはノーマルである。驚くべきは、関西学院キックオフで再開した後半にオンサイドキックを敢行した。また、第4QFG成功後のキックオフでもオンサイドキックらしいものを試みている。
 ちなみに今シーズンの関西学院大学は、関京戦で自陣でギャンブルを試みたり、甲子園ボウルでは敵陣での第4Dパントの状況で持って走るなど、ドキッ!!っとするシーンの連続だった。

 シルバースターもまさか後半開始早々のオンサイドキックはケアしていなかっただろう。結果として失敗に終わったが、モメンタムを奪いとろうとする工夫・意気込みは十分に伺える。

 しかし、アサヒビールも戦術面で負けていなかった。オンサイドキックが失敗に終わってアサヒビール自陣50ヤードからのオフェンスとなったのだが、ここでQB#19東野を起用した。さらにRBには前半大活躍の#32中村にかえて#28斎藤が登場する。心理的に憎たらしい起用である。

 つまり、キッキングチームが凝った登場をした関西学院大学である。したがって、ディフェンスチームがQB金岡&RB中村対策準備万端整えて意気揚揚と登場してきたことは想像に難くない。ところが、QB東野の登場となっては高揚感をリセットせざるを得ない。


 随所に散りばめられた両チームの頭脳の結晶に見とれていたのだが、それと同時に関西学院大学に勝ち目がないということを認識せざるを得なかった。



 甲子園ボウル、ライスボウルとも、なんか「あきらめムード」の観戦記が続いてしまった。いろいろと考えるに、あっちこっちで大きな段差ができてきてしまったことを認識したボウルゲームだった。社学の差は、「あって当然」という意見もある。東西の差は、ないほうがいい。