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帝京大学のリターンで試合開始し、最初のオフェンスシリーズは自陣9ヤードから。そして、QB#9小島のショットガンがいきなり炸裂した。左WR#86永野へ20ヤード近くのパスが届き、そこからDBをかわしてライン際を一気に走りぬけるTDを奪った。 そして法政大学もその後のキックオフで#29薄衣がリターンTD、お返しをして仕切り直しとなった。 ただその後は徐々に法政大学のペースになっていく。法政大学デイフェンスは帝京大学のショットガンにアジャストできたのが第1Q終了あたり、オフェンスもUBダイブが切り口になりそうだという感触を掴んだのもほぼ同時期だったのではないか。そして、それ以降に帝京大学へ試合の流れが完全に傾くということはなかった。 帝京大学オフェンスは、この試合全15シリーズを1TD・7パント・6被インターセプト・1ファンブルロスト(私のメモによる)という結果になった。 法政大学DLLBのラッシュが増えて、OLを突き破って侵攻してくる。QBが我慢できずにポケットから追い脱されてしまい、サックを浴びたり、コントロールを乱したパスを投げさせられてしまう。DL#59森、#51塚越、#91阿部がQBを追いかけまわして、DB#21大沼、#47平本などがインターセプトというシーンが続いた。 したがって散発のQBキープやパスヒットのゲインはあるのだが、ドライブにはつながらなかった。 法政大学オフェンスはQB#4井川、UB#40堀田、TB#2井出によるIフォーメーションと、#29薄衣によるシングルバックパスフォーメーションを併用した。そして、4年QB#17木目田の登場シーンはキックホルダーのみだった。 プレースタイルがドロー・ブラスト・パスで、看板のオプションがほとんどなかったのだが、今シーズンのスタイルなのか、QBが変わったことによるのかは、わからない。ただ、パスの成功率が高くなったという印象はあり、今日を見る限りでは、ランパスマルチの組み立て方だった。 第1Q立ちあがりは、TB#2井出へのピッチからオープンへの展開を試みた。しかし、帝京大学DE#94矢部を抜けない。逆サイドもDELBにつかまってしまい、オープンが試合開始直後から手詰まりとなってしまった。 法政大学ディフェンスが最初のパスインターセプトを奪ったのだが、オフェンススタートが自陣1ヤードからという危険地帯。どうにか脱出しようとして試みたのがUB#40堀田のブラスト。これが1回あたり3ヤードほどゲインした。 そして再びインターセプトで奪い取った攻撃権行使地点は敵陣エンドゾーン前6ヤード。ここでUB#40堀田の中央突破が抜けることを確認して、第1Q11分15秒にTDを奪った。 その後は、UB#40堀田、#29薄衣ともに中央突破を繰り返してゲインできるようになった。第2Q,3回目のパスインターセプトでプレゼントされた攻撃権は敵陣32ヤード。WR位置の#2井出へのパスと中央突破で、第2Q1分28秒3個目のTDを奪った。 第3Q以降も試合展開は変わらずに、そのまま法政大学が得点を積み重ねて勝利した。 |
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逃げる日本大学に追いかける中央大学という経過で進む。別表として得点経過をまとめたほうがわかりやすいのだろうが、第1報には別表はありません。 昨年の日本大学は、少数精鋭アスリートを揃えながら甲子園にあと一歩届かずだった。そして、春の関西学院大学との定期戦を見た感じでは、今年の日本大学は少し苦しいかもという印象だった。 もちろん秋には変わっているだろうとは思っていたし、リーグ戦の段階で一度は観戦しておきたかったのだが、日程的あるいは仕事的に恵まれずに観戦する機会がないまま関東大学選手権を迎えた。そして、秋初観戦の結果は、攻守とも昨年よりもいいのではないかという感触だった。 中央大学については、昨春と昨秋に一度観戦しただけなので、白と青というチームカラー以外のことはほとんど知識を持っていない。 日本大学はコイントスで選択権を獲得して前半のリターンをチョイスした。オフェンス開始地点は自陣27ヤード。QB#10桂率いるオフェンスは、もちろん、ショットガン。重要なポジションのSBには#33伊能、#34成島が配された。QB#10桂のパスは、ロングパス一気TDというよりは、ショートヤードを確実に獲得していくようなタイミングパス・クイックパスを得意としているようだ。 日本大学は、第1シリーズからSBへのピッチ・トス、WR#22川上、#19中村他への10ヤードほどのパスでテンポよくFDを更新していった。このシリーズは、FGトライも中央大学DL#97久保田の鋭い突っ込みで無得点に終わる。だが、同様のテンポで進んだ次のシリーズは、WR#22川上へのTDパスが決まって先制した。 一方の中央大学オフェンスは、QB#15村井、UB#39高橋、TB#11西澤によるIからのランニングアタックである。そして、このオフェンスもよく進んだ。UBTBともに中央突破がロングゲインとなってしまう。日本大学DLがコントロールされているのだが、本来のDLメンバーではないのだろうか?少なくとも500円で購入したパンフレット記載の構成ではなかった。 中央大学は、最初のシリーズをFGに、そして、次のシリーズも中央突破ロングゲインをきっかけにTD(TFP失敗)して第2Q中盤、逆転に成功した。(第2Q 7分24秒 日本大学7−9中央大学) 第2Qに入ってから日本大学オフェンスがパスコントロールを乱してテンポが極端に悪くなる。2シリーズとも簡単にパントに追い込まれてしまった。試合の流れとしては中央大学に傾きかけていただけに、残り2分33秒からの中央大学オフェンスの途中に自陣で痛恨のファンブルロスト、掴みかけていたモメンタムを自らが手放してしまった。 エンドゾーンまで15ヤードからの攻撃権を獲得した日本大学は、相変わらずパスコントロールは悪いままだったのだが、突然QBが走り始める。これがスピードがあり、なかなかタックルできない。途中パスを試みるも最後はQBスクランブルでエンドゾーン角ギリギリへ飛び込んで第2Q残り26秒、再逆転して前半を終えた。(第2Q 11分34秒 日本大学14−9中央大学) 後半になると、中央大学中央突破に対して日本大学ディフェンスがアジャストした。LB#55北奥、#45稲場がUBTBを完璧にマークして突破を食い止める。さらに、ブリッツを入れての積極的ディフェンスを披露した。 中央大学をパントに追いこみ、ナイスリターン+レイトヒットでエンドゾーンまで17ヤードを獲得した日本大学は、再びQBスクランブルを主体にしてTDを奪った。(第3Q 8分14秒 日本大学21−9中央大学) ここから大乱打戦の様相を呈してくる。中央大学RB#11の中央突破とタックルミスで60ヤードゲインをきっかけの6点奪取(TFP失敗)すると、日本大学は左WR#22川上への縦パス約60ヤードをTDパスとして突き放す。(第4Q 0分44秒 日本大学28−15中央大学) これに対して中央大学は自陣30ヤードから、ランフェイクの逆サイドへのパスがTE#84村上へヒットしてTDと、両校ともオフェンスのやりたい放題が続いた。(第4Q 2分30秒 日本大学28−22中央大学) この乱打戦に終止符をうったのが日本大学オフェンス。途中でホールディング罰退をはさんだためFD更新に至らずにパントとなって、試合の勢いは中央大学へ傾いた。 残り8分9秒、自陣44ヤードからの攻撃にRB#39・・のドロー20ヤードで勢いを付けるとQB#15村井−RB#32高木−WR#81須藤のスペシャルプレーでエンドゾーン前4ヤードに到達し、逆転の瞬間が目前に迫った。 しかし、この4ヤードが進まなかった。 RB#11西澤オープン、RB#1木村の中央突破ともゲインゼロ、左サイドへのクイックパスも日本大学FSがカットして第4Dギャンブル。これも、パスが浮いてしまいターンオーバー。 残り5分12秒からの日本大学オフェンスは時計を進めながら陣地を挽回してパント。中央大学最後のシリーズは自陣26ヤード、タイムアウトもなしでは手がなくなってしまった。 中央大学は日本大学を脅かすまでの大きな存在になったが、昨年春あたりからその可能性を漂わせていただけに、あまり大きな驚きはない。むしろ昨秋の大量黒星のほうが奇異に写る。 それでも、日本大学に勝利するまでには至らなかったのは、やはり、経験の差というものなのか。第4Qエンドゾーン前4ヤードに到達した時点でも、日本大学ディフェンスのほうに余裕を感じられたし、中央大学オフェンスは緊張していたように伺えた。相対的に見ると、中央大学のプレー組み立ては単調かつ素直に思えた。 日本大学ディフェンスは、中央突破を許すこともあったが、エンドゾーン前ディフェンスやPATブロック、LBブリッツなど意識は高い。またオフェンスもパスコントロール、QB脚力、アスリートSBとショットガンに必要なものがすべて揃った。おそらく昨年のレベル以上にあるのではないだろうか。 課題を挙げるならば中央突破に対するランディフェンスなのだろうが、それを補うだけのオフェンス力はある。第4Q中央大学がTDを挙げていても再逆転できると思わせるような力強さがあった。 今秋はじめてみた日本大学だったが、なんというか「重み」を感じとることができた。「伝統の重み」というのではなく、今年のチームの「重み」というか「核」というか。 |