このHPを開設して3回目の「秋シーズン展望」を書く季節を迎えた。だが、今年も どこがどのような成績を残すのか全く予想できない状態である。 春シーズンを終わった段階で、私は上位5校と中位3校の2グループに分けた。ただ 最終的に優勝争いをするのは、関西学院大学と京都大学という関西学生過去の歴史が 繰り返される可能性もある。 そこへ割って入る可能性があるのが春絶好調の近畿大学だ。近畿大学の昨秋のリーグ 戦での戦いぶりがとても興味があった。昨年は関西学院大学に6−7、神戸大学を研究 し尽くした勝利、京都大学の前に意味のない敗退と好不調の波が大きく、全体的に荒削 りだ。だが、今年は緻密さが備わった。ランパスのプレー切り替えタイミングなど、一 本調子でない攻守の粘りが加わった今年のチームなら、昨年の関西学院大学、京都大学 戦も勝利できるかも知れない、というのが、近畿大学の今年の可能性の根拠である。 立命館大学と神戸大学は、夏にどのように変貌したかによっては、良い意味。悪い 結果含めて、波乱万丈を引き起こす可能性がありそうだ。 大阪産業大学、同志社大学、関西大学は、入れ替え戦回避から上位を狙う。抜け出 すのは、大型の同志社大学か。 関西学院大学 #3有馬、#19岡村の名前が挙がる主戦QB争いが注目だが、どうも決め手に欠け る。昨年の春、高橋・有馬ともパス不調で、秋が気掛かりだったが、開幕戦からパスの 連続ヒットと見事なオフェンスで頂点に登りつめた。つまり、春の結果が秋予想につな がらないとなれば、2年連続春の関京戦で活躍した#4金崎でどうだ??クイックリリ ースのパスとスクランブルは、今年も印象に残るのだが。 QB以外は、WRに#81塚崎#82畑#9竹部、RB副将闘将#2花房#34猪狩 など、ビッグネームがぞろぞろ。バックスと比較するとOLが少し劣る。 一方ディフェンスは、DL・LB・CBとも全体的に昨年より小粒かなという印象が ある。崩れ始めると回復するまでに時間がかかりそうで、失点が増えるかも知れない。 今年は、オフェンスシステムの状態がシーズン結果を大きく左右しそうだ。 立命館大学 春、近畿大学戦の敗戦は差し引くとしても、平成ボウルでそこそこ秋の目処が付くと 思ったのだが、攻守とも切れが悪かった。 オフェンスはQB大矢・川嵜・宮崎、WR松本・国府、RB杉山・泊・高橋、TE武 田、OL浜田・和田と、アスリートを挙げればいくらでもいる。だが、「個々人を集め た力」が合算されない。 オフェンスの得点能力の低さをディフェンスがカバーしなければならない。だが、3 年主体のディフェンスは、アスリート揃いも一回り小型化の印象は拭きれない。 ところで、関西学院大学や京都大学がこれだけの人材を擁していれば、春の時点で結 果が出なくとも、秋はどうにかするというチームスタッフ組織への信頼感がある。さて 立命館大学は如何に、ということで非常に重要な意味を持つシーズンになりそうだ。 京都大学 昨年のメンバーから多少の変動があるとはいえ、8校の中では最も卒業ロスが少なか った。経験を重ねたQB横山・竹下・後藤の3人に、RB宮崎のパワー溢れる走りは、 ますます磨きが掛かる。オプションランナー兼ショートヤードレシーバーRB堀口や、 WRも充実しているようだ。 そして、佐々木・西村に代表されるディフェンスラインの大型化が顕著で、この壁を 突き崩すことは容易ではないだろう。 相手をロースコアに抑え込み、その間に得点を重ねる、大勝パターンではないが、じ りじり点差が拡がる力強い試合展開が見られそうだ。 近畿大学 春は、立命館大学、中央大学、専修大学という東西の強豪校相手に、勝利を収めた。 QB#17高橋は西宮ボウル、グッドウィルボウルともに最優秀選手賞を獲得し、関西 学生No.1QBへと成長した。WR#2三國と形成するホットラインパスはショート ロングとも息がピッタリ。さらにRB#35兼本#32平手の快速が中央とオープンを 切り裂く。そしてQBキープは見事なカットでロングゲイン必至だ。 さらに、DB・LB陣も脅威的スピードでパスとオープンランを容易に許さないとい う完璧さだ。 ただ、春の時点では攻守とも完璧ではない。そこを突かれた時にどのような対応が出 来るかがポイントとなろう。その点からも関西学生開幕戦神戸大学との一戦は大きな試 練になりそう。その課題を突破すれば、関西学生の歴史に新たな1ページが加わる? 神戸大学 1部復帰の昨年は、立命館大学に善戦、京都大学から金星を奪う序盤戦だった。だが 続く近畿大学、甲南大学と連敗し同率4位に終わった。上位3校に匹敵する運動能力は あるが、結果が残らない。関西中堅校に共通の悩みを抱えている。 さて、今春の神戸大学を見て改めて選手層の厚さを実感した。昨年の主力オフェンス 陣が卒業して、今年は再建の年と思っていた。だがQB#10川島#18上岡、RB# 2仁科#3朴木#32中谷ほか今年の主役が春から大活躍。伝統のオプションアタック は今年も健在だ。 ただ、ディフェンスが少々難点ありかもしれない。ところで、特筆すべきはK田中の パントキック。飛距離は抜群で、コントロール精度が高まれば優位なフィールドポジシ ョンを確保して、ディフェンス難の解消できそう。 ところで、「神大旋風」という言葉がある。私はこの言葉が嫌いだ。「瞬間最大風速 的に注目を浴びた。だが結果は無風」という意味にしかとることができない。1部強豪 として常に優勝を狙う地位を確保して欲しい。今年はチャンスと思うのだが。 大阪産業大学 今年は正念場である。攻守とも卒業生による損失が8校中で最も大きく、春の時点で 埋め切れていない様子だった。夏を経てどれだけレベルアップしたかが注目である。そ して、今年も1部残留を果たせば長期安定も可能だろう。 同志社大学 久しぶりの一部復帰である。春の印象では攻守とも大型ラインが印象に残った。春後 半から徐々に調子アップだが、古豪一部定着なるか。 関西大学 ここ数年入れ替え戦出場し残留決定という状況を繰り返す。今年のオフェンスはQB #13村雲からくりだされるパスとエースRB#29古谷、アスリート#2三重野中心 ランでどこまで掻き回すことができるか。 ディフェンスの壁は厚いという印象もあるのだが上位校にどこまで通じるか。入れ替 え戦回避から上位進出を目指したいところだが。 |