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今年の春、近畿大学が立命館大学に大差圧勝して今年の関西学生Div.1の ダークホースとして注目を浴びるようになった。春の近畿大学はその後、関東の 中央・専修に勝利し、アサヒ飲料に惜敗した。さらに、西宮ボウルグッドウィル ボウルではQB高橋が最優秀選手賞を獲得して、関西地区は近畿大学中心に回っ た春だった。 この勢いのまま秋のリーグ戦で波乱の主役を務めるかと思われた。初戦の神戸 大学戦こそ接戦を勝利した。だが、3強の2つ、京都大学戦、関西学院大学戦と もに黒星を重ねて2敗。今年もやはり優勝できなかった・・・という結果になっ てしまった。 原因はいろいろあるのだろうが、それはシーズンオフにゆっくり反省するとし て、3強の最後、立命館大学に対して如何に臨むか。春の勢いの片鱗が前節の関 西学院大学戦で垣間見ることができただけに、今年の集大成を見たい。 近畿大学QB#17高橋、#3義永によるクイックパス連続ヒットと、RB# 32平手#35兼本の中央突破によるショートゲインを着実に積み重ねるテンポ いいオフェンス、これが、今年の春の近畿大学だった。ディフェンスもLB中西 DB原田等々のスピードと執念は前節の関西学院大学戦で本領を発揮、一時は完 全にモメンタムを奪い取った。結果は惜敗だったが、3強最後の砦に3度目の正 直なるか。 今年の立命館大学は、よくわからないというのが正直なところだ。春の近畿大 学戦で見せた攻守ともの形のあまりのなさに、まぁ5月だからと考えた。しかし 7月第1週の平成ボウルでも攻守とも今年はこれで行くという姿を見せないまま 終わってしまった。 そして、秋序盤も、危ない試合が続いてヤキモキした立命館大学ファンも少な くなかったはず。形が見えてきたのは、宝が池球技場での神戸大学戦からだった だろうか。雨が予想された悪天候下でランニングアタック中心の展開を試みた。 下位校相手に接戦を繰り返してきたのが嘘のような見事な走りで、ようやく一息 つく。そして、大阪産業大学戦で大爆発して、いよいよ京都大学との全勝対決。 この時点でも、まだ、立命館大学オフェンスに一抹の不安を感じていた私だっ たが、杞憂に終わった。QB大矢川嵜率いるランニングアタックはOLのパワー で京都大学を粉々にしてしまった。オフェンス復活につられて、ディフェンスも テンポを取り戻して今年初の完勝を納めて関西学生優勝候補に堂々と名乗りを上 げた。 この試合、攻守ともライン戦の勝敗がそのまま結果に現れるだろう。近畿大学 オフェンスは、クイックパスをどれだけ投げられるかにかかっている。ショート ヤードへレシーバーを放り込んでゲインできるか。ロールしてのロングパスなど QBサックの餌食になるだけかもしれない。サックの連続で後退していては勝利 はない。 さらに、近畿大学ディフェンスは立命館大学のランニングアタックを止めるこ とができるか。京都大学のラインですら止めることができなかったことを考える と、恐ろしいことになってしまうのだが・・・・。 春の対決とは全く違う結果になりそう・・・・・ ところで、立命館大学はパスオフェンスは捨てたのか?次節の最終戦に向けて 何か試みるか??? |
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今年もやってきました伝統の関京戦、京関戦とも言う。 昨年は京都大学の不調で関西学院大学が圧勝した。そして3校同率1位でプレ ーオフとなった一昨年は、京都大学が関西学生を制するも、関西学院大学にだけ は黒星を喫している。京都大学が勝利したのは3年前までさかのぼらなければな らない。 秋、3連勝3連敗か、それとも京都大学が3年ぶりの勝利でプレーオフへ望み をつなげるか・・・・・。 今年の関西学院大学は、誰が主戦QBとなり、どんな攻撃を指揮するかが話題 であった。そして、主戦となったのが4年生#4金崎だった。昨秋のリーグ戦、 今春のプレーシーズンマッチとも、なかなか活躍の場を与えられなかったが、ク イックパスとキープのランには非凡な所があった。秋5戦のうち3戦で先発を任 され、実戦を通してさらに成長した。 もう一つの話題はディフェンス全般の整備だった。選手が半分以上が入れ替わ っただけに、どのようにまとまるかが問題だったが、こちらも、順当に成長して きたようだ。ラインは、主将小田川の負傷が長引いている様子だが、1年のDL #58石田は、前節QBサックの嵐を巻き起こして近畿大学を惑わせた。 ただ、一旦相手に攻め込まれるとズルズルと引き下がっていってしまうところ がある。敵のモメンタムを奪い獲るようなビッグプレー、ムードメーカーが欲し いところだ。そんななかで、DB#25加藤、#21福田などによるパスインタ ーセプトは、流れを引き寄せる好材料だ。 オフェンスのキーは、副将闘将RB#2花房のランだ。だが、#24島野の成 長や、#34猪狩、#33井岡など京都大学に劣らずのRB陣を擁する。さらに パスターゲットもWR#82畑、#81塚崎、#9竹部、TE#96尾崎とアス リートが揃う。 そして、QB#4金崎の判断の良いスクランブル、#19岡村のオプションラ ンと多種多彩の攻撃パターンを有する。 ところで、1年#10三井が面白い。当初はリターナーとして起用されリバー スも見事にこなしていた。 だが、前節の近畿大学戦ではTE/SB位置からモーションまでするようにな った。シングルバック花房の背後へ回る動きは、京都大学ギャング体型のHBモ ーションと基本的に同じだ。花房の中央突破と絡めたオプションは、対応を誤る とビッグゲインになりかねない。 ここまでの戦績では、後半の低得点が気にかかるところだが、それほど心配す ることはない。来年以降に備えて若手が入れ替わり出場しているからだ。 むしろ、前半で試合を決めてしまい、後半はメンバー交替するというゲームプ ランを着実にこなす実行力と、大勝していないという事実を残すことで、奢りと 油断を排除している総合力を認めるべきであろう。 京都大学は、昨秋の不調から見事に立ち直り、春から関西学院大学、シルバー スター相手に接戦をモノにしてきた。QBは2年目となる竹下、後藤と3年横山 の併用から竹下一歩リードの様子だが、各人とも安定感が増してきた。 さらに、オプション攻撃の中核となるRB陣も、エース#35堀口、#28宮 崎に加え多種多様のランナーが揃った。 ただ、TEWRが人材不足なのか、パスターゲットの少ないのが気にかかる。 苦肉の策(?)として、堀口や宮崎がダウンフィールドへ侵入してのショートヤ ードパスキャッチは見事だが、プレー幅が狭いのは確かだ。 ラインは、OLDLともに大型化が顕著で、簡単には突破できそうもない重量 感が漂う。ただしDBLBに若干の不安がありスピードパワー不足か課題か。 前々節までは中堅校相手に圧勝続きで「今年の京都大学は強し!!」の印象を 植え付けてきた。だが、今までの絶好調は、心地よい夢だったのかと思わせるほ どの惨敗を喫したのが、前節の立命館大学戦だ。 原因は種々あろうが、大勝続きで本当の厳しい試合をしてこなかったというこ とだろう。春以降不調だった立命館大学に、油断していたとは言わない。(油断 していたのは、わたしです・・・・) この敗戦で、生まれ変わってくるはずだ。その、変貌ぶりが楽しみである。 京都大学にとって、ここでの敗戦は絶望を意味する。勝利して他力ながらもプ レーオフへの可能性を確保しておきたいところだ。 さてこの試合だが、まず攻守ライン戦を比較すればサイズとパワーで京都大学 が有利だろう。だがこれは関西学院大学が、まともに勝負を挑んだときの話であ って、戦略家なら力勝負するはずがない・・・・ 関西学院大学オフェンスと京都大学ディフェンスを比較したとき、関西学院大 学がラインに負担をかけないためには、左右へ大きく振るクイックパスは効果的 かも。パスターゲットには事欠かない。前節に披露した#10三井のモーション プレーを絡めたパス主体から、オープンランを経て、最後は中央突破・・・・。 京都大学の2、3列に一抹の不安があるだけに、かなりのゲインは可能だろう。 京都大学オフェンスと関西学院大学ディフェンスでは、京都大学に最初の一撃 があれば、悪い展開を止めることができない関西学院ディフェンスの隙をついて の得点シーンはあるだろう。 ただ、関西学院大学ディフェンスがどのようなきっかけで立ち直るか。もし、 京都大学にファンブルロストやパスインターセプトがあるようでは、関西学院大 学ペースになるのは必至、京都大学にとっては悪夢第2章となるかもしれない。 ポイントは、関西学院大学ディフェンスと京都大学オフェンスの攻防だろう。 どちらが、より、粘り強く辛抱して、平常心を持ち続けられるか。 |