関西学生アメリカンフットボール Div.1 第6節



11月7日(土) 長居球技場 11:30
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
大阪産業大学 01430171-5-0
同志社大学 10300131-5-0
(関西学生テレフォンサービス 0798-67-9793より)
(日刊スポーツ11月8日より)
大阪産業大学は、今秋初の白星で入れ替え戦回避とDiv.1残留へ一歩前進した。
同志社大学は、次節京都大学に敗戦すると入れ替え戦。さらにDiv.1の8位扱い
となりそうだ。入れ替え戦の相手は昨年Div.1の甲南大学か?



11月7日(土) 長居球技場 14:30
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学 7770216-0-0
近畿大学 0776203-3-0
(現地観戦)
 試合終了まで11秒。3連続FG成功/逆転勝利へのキックは、左へ逸れた。

「これが今年の近畿大学だ!!」というのを見た。第4QのFGでの追い上げ、
特に1点差に追いついた2本目のFGトライを決断した近畿大学


 この試合、立命館大学にとっては、前節京都大学に圧勝し、次節の関西学院大
学との決戦の狭間とはいえ、春の借りはきっちり返しておきたいところで、コン
ディショニングの難しい試合だと思った。

 一方の近畿大学は、前節関西学院大学に敗戦して優勝の可能性がなくなった。
一つの目標は消えたが、3強最後の相手立命館大学にどのように挑むか。特に前
節の後半あたりから攻守とも調子が上向いて来ただけに、善戦はするかもしれな
い。ただ、京都大学に完勝した相手にびびったら大差がつく可能性もある、と思
っての観戦だった。


 近畿大学のレシーブで試合開始した。QB#17高橋によるオフェンスは最初
の2シリーズをRB#35兼本、#32平手のラン中心に攻めるも、最後はパン
トとなった。

 立命館大学も、第1シリーズは簡単にパントに終わって立ち上がりは一進一退
だった。しかし、第2シリーズ自陣43ヤード付近からの第2シリーズは、京都
大学戦で見せたランニングアタックが爆発した。
 QB#17川嵜からRB#36川田へのパスフェイクからのドロー15ヤード
を皮切りに、#39菊池、#3杉山と中央突破のロングゲインが続く。最後はQ
B自らが13ヤードを走りきって、5プレーでTDを挙げて先制した。

 前節も見たこの勢いということで、やはり大差がつくのかなと思った。しかし
近畿大学オフェンスの第3シリーズは見事に立ち直った。

 第2Q3分にTDをするまでの約6分、自陣18ヤードからのロングドライブ
を完遂させた。QB#17高橋からスクリーンパス5ヤード、WR#83向井へ
のクイック12ヤード、#35兼本への右サイドへのクイックパスなどなど、ク
イックショートパスを多投しいて、着実に前進を重ねる。

 ショートヤードの第4Dギャンブルも2回成功させて、完全に近畿大学のペー
ス。立命館大学のパスインターフェアーも飛び出してディフェンスは崩壊状態。

 パスターゲットを探すQBを追い込んでもあと一歩のところでボールを投げ捨
てる。また、その投げ捨てたはずのボールがレシーバーへヒット。たまらずに立
命館大学がタイムアウトを2回とるも、最後は右エンドゾーン内へ走り込んだR
B#44工藤へTDパスヒットとなって、たちまち同点に追いつく。


 それでも立命館大学はロングゲインで、常時敵陣でのポジションを確保してい
た。突き放すチャンスだったのだが、得点できたのはWR#6高畠へのミドルパ
ス35ヤードでエンドゾーン前4ヤードに到達した1回のみ。ホルダー24ヤー
ド、ホルダー15ヤード(?)のFGをはずして、7点差で前半が終了した。



 後半は、立命館大学オフェンスで再開。再び、QB#17川嵜キープ、#44
泊の右オープン20ヤードなどのロングゲインでテンポよくTDを挙げて立命館
大学21−7近畿大学と、14点差に。オフェンスのテンポ良さは、まだ、失わ
れていない。

 だが、今日の近畿大学はあきらめなかった。自陣17ヤードから、再びクイッ
クパスの嵐。前節まではQBサックの連続で後退の連続だった、だがプレーアク
ションに立命館大学ディフェンスがひっかかるのか、QBへのプレッシャーが少
ない。
 WR#83向井へのロングパスも適度にヒットして再び敵陣へ侵攻。最後は、
QB#17高橋のスクランブルで右ライン際を17ヤード駆け上がってTDとな
った。立命館大学21−14近畿大学。

 食らいついてくる近畿大学に対して、立命館大学側に焦りが出てきた第3Q終
盤のオフェンスは、ホールディングを2回繰り返してのパント。長居球技場が、
ぼちぼちざわつき始めてくる。


 第3Q残り1分12秒、近畿大学自陣44ヤードから。WR#2三國へのホッ
トラインパス25ヤード、#4洗井へクイック7ヤード、プレーアクションから
#83向井へ中央15ヤードなどで、エンドゾーンまで4ヤードに到達した。

 ここは、中央突破2回とパス失敗で第4D3ヤード。近畿大学はタイムアウト
を要求。そして、ギャンブルのセットをした。
 しかし、再び、近畿大学のタイムアウト。そして、FGトライへ変更し、確実
に3点を追加した。

 考え方はこうだろう。
「ここでギャンブル成功してTD+1点でもまだ同点。勝つためには、最低でも
もう一度FGが必要だ。それなら、確実にFGが決まる今、3点を獲ろう。そし
て、次にTD+1点で逆転を狙おう。」:第4Q、残り10分9秒。4点差。


 立命館大学オフェンスは完全に手詰まり。再びホールディング罰退とケガ人発
生が続く。近畿大学のディフェンス全体が止めにくる。DLもLBもDBも。皆
でランナーを止めてゲインを許さない。立命館大学は、パント。


 近畿大学は自陣20ヤードから。残り6分46秒。

 いきなり、左サイドへのスクリーンパスが決まった(ターゲット確認できず)
判定は14ヤードほどゲインしたところでサイドラインを割ったとのこと。それ
がなかったら、ブロッカーも大勢いたので逆転TDは充分可能性があった。

 それでも、#83向井へのパス40ヤードで、敵陣30ヤードへ。長居球技場
は騒然となってきた。ラフィング・ザ・パサーの反則でエンドゾーンまで10ヤ
ード。
 しかし、中央突破0ヤード、QBサックで−14ヤード、パス失敗となって第
4D。FD=TDまで24ヤードを残した。

 ここの決断が凄い。近畿大学にタイムアウトは残っていない。QB高橋のロン
グパスで、24ヤードを一か八かのギャンブルしかないと思った。
残り約3分20秒。

 それでも、近畿大学は迷うことなくFGトライ。K#1松原がど真ん中に決め
て1点差にした。
 キックオフはノーマルだった。オンサイドで再び攻撃権を獲得するというのが
セオリー・・・。残り時間3分7秒。
 この時点で、シャットアウトを要求されたディフェンス、残り1分で得点を要
求されたオフェンス。どちらも完璧に役割を果たさなければ勝利はない。


「絶対にFDを与えないこと」を要求されたディフェンス陣が登場した。そして
中央突破2ヤード、#39菊池左オープン2ヤード、QBスクランブル2ヤード
パント。完璧だった。

 近畿大学オフェンスは自陣33ヤード。残り1分2秒、タイムアウトなし。フ
ィールド内でのダウンは許されない。QBサックなんて論外だ。

 WR#2三國17ヤードのミドルパスがフリーで通る。スパイク。

 51秒、敵陣49ヤード。

 パス失敗後、TE#4洗井へ15ヤードパス。スパイク。

 37秒、敵陣32ヤード。

 パスターゲットなくQB高橋スクランブル左へ12ヤード、サイドラインの外
へ出て時計を止める。

 28秒、18ヤード。第1D。

 エンドゾーン内のWR#83向井へパスは、惜しくも失敗。近畿大学に時間を
与えなくなかったが、立命館大学はとうとうタイムアウトを要求した。

 23秒、18ヤード。第2D。

 左サイドレシーバー3人を配して、内のWR#2三國が外へ切れ上がったとこ
ろへパス。エンドゾーン内でボールが手に触れたがキャッチ失敗。

 20秒、18ヤード。第3D。

 10ヤードパスが失敗。

 残り11秒。エンドゾーンまで18ヤード。第4D。立命館大学タイムアウト

 K#1松原の3度目のFGトライ。そして、左へ逸れた・・・・・。









11月8日(日) 西宮ST 12:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学 7007141-5-0
関西大学 71307272-4-0
(現地観戦)
 この結果、関西大学のDiv.1残留がほぼ確定した。一方の神戸大学は、次節、
最終戦で大阪産業大学とDiv.1残留をかけた闘いを繰り広げることになりそう。



11月8日(日) 西宮ST 15:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学 000775-1-0
京都大学 37011215-1-0
(現地観戦)
 京都大学がカラージャージ、関西学院大学がホワイトジャージという関京戦に
しては、珍しいユニフォームでの登場となった。


 京都大学のレシーブで試合開始。QB#12竹下による第1プレーは、左WR
#82岸田へストレートのロングパス。これが見事に決まって、いきなり40ヤ
ードのビッグゲインとなった。これで京都大学オフェンスは波に乗ったか。少な
くとも前節の「いきなりファンブル」よりは気分は絶好調・・・

 この後、RB#40山田の左オープンをスピードで22ヤード獲得して、敵陣
18ヤードからのFD。このシリーズは関西学院大学DL#58石田のサック、
京都大学のHB同時モーションによる反則罰退などで、FG止まりとなった。

 関西学院大学はQB#4金崎の先発で徹底的なランオフェンスを仕掛けた。途
中交替のQB#19岡村と合わせても、第3Q最後のシリーズをのぞいてパスを
投じたのは3回だけだった。
 ところが、この3回ともパスインターセプトされるという悲惨な状態。第3Q
最後のシリーズで、やっとパス連続3回成功も、Qが変わった最初をインターセ
プトされる。合計4回のターンオーバーと、オフェンスは非常に苦しい状況に追
いやられた。


 第1Q、京都大学の第2シリーズも、RB#32秋原右OT7ヤード、#34
細川中央19ヤードとビッグゲインを重ねる。ただ、関西学院大学DL4人は健
闘していたと思う。#58石田のサックによるマイナスゲインが3回ほど。また
中央付近を連続で大きく割られることは少なかった。
 ただ、左右へ大きく振られたときに、LBが追いつかずのビッグゲインが目立
つ。また、パスターゲットWR#82岸田へのロングパス、WR#10へのパス
等要所でのパスヒットが効いた。

 第1Q終盤の関西学院大学のパスをインターセプトしたのがDB#37中谷、
その後の京都大学パントで、関西学院大学陣1ヤードでボールデッドにしたのが
同じく#37中谷、そしてパスインターセプトをしたのが、またまた#37中谷
そして、エンドゾーンまで2ヤードからの攻撃を得点に結びつけた。

 再び関西学院大学のパスをDB#11澤田がインターセプトしたのが自陣30
ヤード付近。関西学院大学はドライブを重ねてやっと敵陣へ侵入したところだっ
た。関西学院大学オフェンスは全く波に乗れずの苦しい展開が続く。

 一方で京都大学は、やりたい放題。敵陣27ヤード付近での第4D残り6ヤー
ドでパントフォーメーション。しかし、スナップしたボールをブロッカーに入っ
ていた#8横山が横取りして右オープンを駆け上がるトリックプレーが成功して
しまう。
 京都大学にしてみれば敵陣20ヤードからのFDを獲得しての絶好の得点機だ
ったが、関西学院大学ディフェンスは奮起した。DL#97谷のサックに、DB
#25佐藤のパスインターセプトで窮地を脱した。


 関西学院大学オフェンス不調が目立つ展開であることは確かだ。ある程度のラ
ンドライブはできるが、詰めのパスを全てインターセプトされては手がない。一
方でディフェンスは何度かの窮地を最小限の失点に抑える健闘とラインのプレッ
シャーで京都大学の逃げを許さなかった。

 前半の印象は、関西学院大学の劣勢、京都大学圧倒という感じもあるが、策士
関西学院大学が、このままで引き下がるはずがない・・・・


 後半は関西学院大学の攻撃で再開。RB#2花房、#34猪狩の中央突破を積
み重ねて着実に前進するのだが、ロングゲインが出ないところが苦しい。パント

 京都大学はオプションでの左右オープンが時々20ヤードを越えるビッグゲイ
ンを生む。OLによるラインブロックが見事なのと、関西学院大学2,3列の寄
りのスピードがないのだろう。しかし、この流れを断ち切るのが1年DL#58
石田、2年#98寺井のQBサックだ。さらに、オープンランにDB#25佐藤
の渾身のタックルと#21福田のパスカットで、京都大学も若干手詰まりになっ
てきた。

 京都大学は、第4Q、関西学院大学のパスインターセプトからのチャンスもF
G止まり。この時点で京都大学13−0関西学院大学。このFGはできればTD
したかった。FGでは2TDで逆転だからだ。

 関西学院大学は、FGに抑え込んだディフェンスに応えるかのように、オフェ
ンスがやっと目覚めた。自陣20ヤードからのシリーズ開始。QB#19岡村の
スクランブル、#2花房へのショートパス、RB#34猪狩中央突破と、突然、
進み始めた。
 WR#82畑、#9竹部へ20ヤードパスを通してテンポよい前進。今まで静
まり返っていた関西学院大学応援席は、沸いた。そして、エンドゾーンまで6ヤ
ードからのFDは、副将闘将#2花房の左オープンTDランとなった。

 京都大学ディフェンスは半ば棒立ち状態。タイムアウトを取ることもなくの防
戦一方だった。関西学院大学7−13京都大学は、たったの6点差。1TDでた
ちまち同点となる。そして、残り時間4分5秒。関西学院大学にタイムアウトは
3回残る。勢いは、関西学院大学・・・・

 ここで、関西学院大学はキックオフにオンサイドを選択した。

 しかし、K#17山路が蹴ったボールは京都大学がカバー、敵陣44ヤードの
攻撃権を与えてしまった。


 難しい判断だと思う。ただ、前日の近畿大学第4Qの追い上げシーンを見てい
ただけに、どうしても比較してしまう。近畿大学はタイムアウトなし、残り3分
で通常のキック。ディフェンスのシャットアウトと、オフェンスのドライブに賭
けた。
 ここは、残り4分少々で通常キックオフ、簡単にパントに追い込むぞという気
迫の方が、京都大学攻守にプレッシャーを与えることができたかも。近畿大学と
比較して消極的に映ってしまうのは、オンサイドキックが失敗に終わったからな
のかもしれない・・・・・。

 京都大学は、このチャンスに時間を使いながらのドライブで1TDをあげて逃
げ切った。


 この試合、関西学院大学オフェンスの序盤の手詰まり感、パスインターセプト
の連続が、焦燥感を生み出したのは確かだろう。なかなか追いつかない現実と、
時間がなくなる恐怖。シーズン突入前のオフェンスの課題がそのまま現れてしま
った。
 それでも、第4Qの得点ドライブでオフェンスもモメンタムを掴みかけた。そ
れが、あと一歩のところで勝利が逃げていったという印象だ。ディフェンスは奮
闘していたし、試合から受ける印象ほど惨敗ではない。

 京都大学は立命館大学の惨敗から見事に立ち直って勝利したが、内容はあまり
喜べるものではない。インターセプトからのチャンスをもらいながらTDに結び
つけたのは第2Qだけだ。エンドゾーン近くまで侵攻しながらFG止まりだった
り無得点だったりと、必ずしも絶好調とは言い難い。


 次節の関西学院大学−立命館大学が優勝の行方を左右する大一番となった。立
命館大学は近畿大学戦で敗戦を覚悟し、関西学院大学は黒星を喫した。両チーム
ともどのように立ち直してくるか。注目の大一番、是非、西宮STへ!!





 この結果、立命館大学の2年ぶり3度目の優勝が決まった。     

 次節、立命館大学が関西学院大学に敗戦した場合、甲子園ボウル出場校
決定戦プレーオフが実施される。

 さらに、京都大学が同志社大学に勝利した場合、プレーオフは関西学院
大学、立命館大学、京都大学の3校によるトーナメント形式となる。



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