日本選手権 ライスボウル



ライスボウル 



立命館大学の戦績  
8戦 8勝  

○ 24− 0 同志社大学
○ 35− 9 関西大学
○ 27− 6 神戸大学
○ 62− 7 大阪産業大学
○ 35− 8 京都大学
○ 21−20 近畿大学
○ 27−13 関西学院大学
○ 25−17 法政大学

リクルートの戦績  
8戦 7勝1敗

○ 21−19 富士通
○ 34− 7 レナウン
○ 50−10 オンワード
● 20−28 鹿島
○ 61− 0 三和銀行
○ 56−21 日産プリンス東京
○ 21−16 アサヒ飲料
○ 45−24 アサヒビール


 1998年アメリカンフットボールシーズン締めくくりの頂上決戦は、2年ぶ
り2回目出場のリクルートと、4年ぶり2回目出場の立命館大学とのあいだで争
われることになった。この両者は初対決である。


 今シーズンのリクルートを見たのは、10月17日(土)川崎球場で現地観戦
した鹿島戦と、SKY・A中継による東京スーパーボウルのアサヒビール戦、と
FINAL6準決勝のアサヒ飲料戦のみである。テレビ画面を通じての印象なの
で実際のものとは若干違うかもしれない。

 リクルートオフェンスは、QB#19松本中心のランパスマルチ。SBTEに
位置するブロッカー#99安部が1枚かむランプレーは、RB#32中野、#3
亀山のスピードを倍増させて、見事なコンビネーションが展開される。
 このリードブロッカーをかわしてボールキャリアにタックルするのが難しい。
ここを躊躇している間に一気ロングゲインの可能性をはらむ。さらにWR#11
堀江、83河本の芸術的なパスキャッチもある。


 立命館大学は、QB#17川崎率いるオフェンスが小刻みなゲインを積み重ね
た甲子園ボウルでのロングドライブは圧巻だった。リーグ戦後半で見ることが出
来た#3杉山ほかのRB陣と川崎キープ、それに加えて要所で通るWR高畠、松
本へのパスヒットは、ランオンリーではないことを改めて証明した。

 そしてディフェンスは、甲子園ボウル法政大学のスピードで圧倒されていた前
半に対して、後半は見事にアジャストしたことで、変わり身の早さ、対応能力の
すばらしさを伺い知ることができる。

 スペシャルチームでは、リーグ戦中は低かったFG成功率が低かったリーグ戦
とはうって変わって甲子園で4FGを決めた#14松本、リターンTDを充分に
見込める#2古庄、#21里見の気迫とスピード溢れる突破が楽しみである。



 さて、立命館大学ディフェンスとリクルートオフェンスの対戦を比較すると、
やはり、リクルートのリードブロッカー付きランにDLLBがどのように対処で
きるかが一つの注目点となろう。
 さらに、パスも適度に絡めた厄介なオフェンスである。ラン対応で手一杯にな
るならば一気に崩壊するかも。

 ここは、QB松本のコントロールを乱すべく積極的ディフェンス、例えばLB
SSブリッツでも試みない限り一筋縄では止まりそうもない。スクリメージを越
える前にボールキャリアに対して何らかのアクションができないと苦しそう。


 立命館大学オフェンスとリクルートディフェンスの対決だが、ちょっと予測不
能である。おそらく、立命館大学は今までと同様に杉山、菊池、川田などの中央
突破を試みるのだろう。だが、リクルートDL池之上ほか社会人サイズ相手にど
こまで通用するか。オープンコンテインもリクルートDELBのスピードにまさ
ることはないかも?
 残るは高畠、松本、武田へのパスなのだが、甲子園ボウルでパスヒットしたの
は、相手ディフェンスに空間があったのも一因。となれば、八方手詰まり・・。


 つまり、オフェンスディフェンスともラインがどこまで健闘するか、そこにか
かっている。だが、どう考えても立命館大学優位とは言えそうもない。このまま
正直に真正面から闘いを挑めば、立命館大学の敗戦は免れない。

 だが、アメリカンフットボールは改めて言うまでもなく戦術の闘いである。こ
こが重要なポイントである。

 立命館大学は甲子園ボウルと同様、再び徹底的なタイムコントロールO&Dを
試みるだろう。さらに、いくら強固な壁と言えども弱点はあるはず。残念ながら
私には「リクルートの弱点」なる場所を指摘できるほどの眼力はない。
 だが、きっと、立命館大学選手&スタッフ&監督ならば、すでに穴を見つけて
いるだろう。そして突き破る方法を何種類か用意して東上するはず。あれがだめ
なら、次はこれ。カードの枚数は何枚???

 絶対に昨年のような一方的な試合にはならない。立命館大学ならなんとかする
はず。それも、今シーズンのスタッフならなお一層その期待が膨らみます。

 一般世間評判を覆す「アメリカンフットボールの醍醐味=意外性」を求めて、
私も東上します。