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1998年アメリカンフットボールシーズン締めくくりの頂上決戦は、2年ぶ り2回目出場のリクルートと、4年ぶり2回目出場の立命館大学とのあいだで争 われることになった。この両者は初対決である。 今シーズンのリクルートを見たのは、10月17日(土)川崎球場で現地観戦 した鹿島戦と、SKY・A中継による東京スーパーボウルのアサヒビール戦、と FINAL6準決勝のアサヒ飲料戦のみである。テレビ画面を通じての印象なの で実際のものとは若干違うかもしれない。 リクルートオフェンスは、QB#19松本中心のランパスマルチ。SBTEに 位置するブロッカー#99安部が1枚かむランプレーは、RB#32中野、#3 亀山のスピードを倍増させて、見事なコンビネーションが展開される。 このリードブロッカーをかわしてボールキャリアにタックルするのが難しい。 ここを躊躇している間に一気ロングゲインの可能性をはらむ。さらにWR#11 堀江、83河本の芸術的なパスキャッチもある。 立命館大学は、QB#17川崎率いるオフェンスが小刻みなゲインを積み重ね た甲子園ボウルでのロングドライブは圧巻だった。リーグ戦後半で見ることが出 来た#3杉山ほかのRB陣と川崎キープ、それに加えて要所で通るWR高畠、松 本へのパスヒットは、ランオンリーではないことを改めて証明した。 そしてディフェンスは、甲子園ボウル法政大学のスピードで圧倒されていた前 半に対して、後半は見事にアジャストしたことで、変わり身の早さ、対応能力の すばらしさを伺い知ることができる。 スペシャルチームでは、リーグ戦中は低かったFG成功率が低かったリーグ戦 とはうって変わって甲子園で4FGを決めた#14松本、リターンTDを充分に 見込める#2古庄、#21里見の気迫とスピード溢れる突破が楽しみである。 さて、立命館大学ディフェンスとリクルートオフェンスの対戦を比較すると、 やはり、リクルートのリードブロッカー付きランにDLLBがどのように対処で きるかが一つの注目点となろう。 さらに、パスも適度に絡めた厄介なオフェンスである。ラン対応で手一杯にな るならば一気に崩壊するかも。 ここは、QB松本のコントロールを乱すべく積極的ディフェンス、例えばLB SSブリッツでも試みない限り一筋縄では止まりそうもない。スクリメージを越 える前にボールキャリアに対して何らかのアクションができないと苦しそう。 立命館大学オフェンスとリクルートディフェンスの対決だが、ちょっと予測不 能である。おそらく、立命館大学は今までと同様に杉山、菊池、川田などの中央 突破を試みるのだろう。だが、リクルートDL池之上ほか社会人サイズ相手にど こまで通用するか。オープンコンテインもリクルートDELBのスピードにまさ ることはないかも? 残るは高畠、松本、武田へのパスなのだが、甲子園ボウルでパスヒットしたの は、相手ディフェンスに空間があったのも一因。となれば、八方手詰まり・・。 つまり、オフェンスディフェンスともラインがどこまで健闘するか、そこにか かっている。だが、どう考えても立命館大学優位とは言えそうもない。このまま 正直に真正面から闘いを挑めば、立命館大学の敗戦は免れない。 だが、アメリカンフットボールは改めて言うまでもなく戦術の闘いである。こ こが重要なポイントである。 立命館大学は甲子園ボウルと同様、再び徹底的なタイムコントロールO&Dを 試みるだろう。さらに、いくら強固な壁と言えども弱点はあるはず。残念ながら 私には「リクルートの弱点」なる場所を指摘できるほどの眼力はない。 だが、きっと、立命館大学選手&スタッフ&監督ならば、すでに穴を見つけて いるだろう。そして突き破る方法を何種類か用意して東上するはず。あれがだめ なら、次はこれ。カードの枚数は何枚??? 絶対に昨年のような一方的な試合にはならない。立命館大学ならなんとかする はず。それも、今シーズンのスタッフならなお一層その期待が膨らみます。 一般世間評判を覆す「アメリカンフットボールの醍醐味=意外性」を求めて、 私も東上します。 |