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社会人優位というのがもっぱらの評判の日本選手権ライスボウルは、4年ぶり 2回目出場の立命館大学と、2年ぶり2回目出場のリクルートの対決となった。 コイントスで権利を獲得したリクルートがそのまま前半のリターンを選択、立 命館大学のキックオフで試合開始となった。 リクルートのリターナーは#11堀江。ボールをキャッチして直ちにトップス ピードへ。またそれが速い。立命館大学カバーチームがボール落下地点に到達す る頃にはトップスピードになってのすれ違い。カットも見事でタックルを簡単に はずす。あれよあれよと言う間に60ヤードのビッグゲインとなってしまった。 それでも、リクルートQB#19松本によるオフェンスシーンに立命館大学の ディフェンスが健闘、DB#2古庄#21里見のあわやインターセプトシーンや RB#32中野#3亀山の中央突破をシャットアウトで、FGの3点に留めた。 一方、立命館大学QB#17川嵜の第1シリーズはパントに追い込まれた。そ してリクルートディフェンスの突っ込みが早く、キックできず。結局、エンドゾ ーンまで19ヤードという好フィールドポジションをリクルートに献上すること になる。 リクルートQB#19松本からDBをかわしたSB#99安部へのパスが成功 試合開始して4分8秒の時点で早々と10点のリード。 さらに、第3シリーズWR#11堀江、#86大久保への25ヤードパス連続 ヒットからのTD、第4シリーズRB#32中野の中央突破47ヤードTDラン となって、第1Qだけで一気に24点を獲得した。 だが、立命館大学オフェンスも第2シリーズは#3杉山、#39菊池、QBの ドローが面白いように決まりフィールド中央からのロングドライブを完成させて 7点を返す。 さらに第2Qも同様の組立で再びエンドゾーン間近へ到達。そして、TDまで 2ヤードの第4Dでタイムアウトを要求して準備万端。だが、惜しくもディレイ の反則罰退となり、FG3点のみとなった。 第2Q開始3分の時点でリクルート24−10立命館大学。 リクルートが第1Qに24得点を挙げ、結果的にこれが最後まで大きく影響し た。大量得点はリクルートと立命館大学にスピード差があったことによる。ただ し、実際のスピード差ではなく「スピード感の差」と言う方が正しい。社会人の スピードにタイミングがあわなかっただけである。 結局、このスピード感をつかむのに、立命館大学は第1Q15分という時間と 24失点という大きな対価を支払ってしまった。 それでも、立命館大学オフェンスはドローが予想以上にゲインを稼ぐので手詰 まり感は全く感じられなかった。さらに、ディフェンスも中央&オープンランを シャットアウトし続けた。ともにオフェンスディフェンスのライン健闘による。 ただ一つパスディフェンスに最後まで苦労していた。スピード差を計算したリ クルートレシーバーのコース取りが見事で時々DB陣がふり回されていた。だが 立命館大学DB陣にも、そのスピード差を補うべく追いかけ回す気迫溢れるシー ンが続出した テレビ中継では映っていなかったが、DB#2古庄、#34元野、#21里見 とリクルートWR#11堀江、#83河本、#86大久保の駆け引きは、一種感 動モンである。 前半を終わって17点差。ただ、立命館大学が第2Qを1FGのみに留めて、 徐々にアジャストし始めたことや、リーグ最終戦の関西学院大学戦や甲子園ボウ ルでの後半の逆転シーンを思い浮かべると、「まだまだ勝利の行方は判らない」 というのがハーフタイムでの印象だった。 後半、最初に動いたのはリクルートだった。 リクルート最初のシリーズも自陣39ヤード第4D残り1ヤードでパントフォ ーメーション。このシチュエーションでリクルートは右オープンへのギャンブル ランを選択した。通常なら完璧に決まるギャンブルプレーだろう。 だが、立命館大学DB#2古庄は見逃さなかった。完璧なタックルでゲインゼ ロに仕留めてターンオーバー。 ここで、立命館大学も動いた。QB#12大矢を起用した。第3Q第2シリー ズである。いきなりリバースフェイクからのQBキープ10ヤード、#39菊地 #36川田の中央突破でエンドゾーン前3ヤードに到達。残り3ヤード、いろい ろな障害に耐え忍んでの第4D、QBスニークでTD6点を返した。 流れは立命館大学に傾いてきた・・・・。 しかし、最後は立命館大学パスディフェンスの若干の甘さが悪い方向に出た。 止めたいところでなかなか止まらないじれったさ。リクルートはショートパスで 時間を消費していく。 結果は30−16。第1Qの失点があまりにも大きかったと思う。 ただ、この試合をもって社会人優位というには、あまりにもお粗末。もし、僅 差で後半まで来ていたとしたら、リクルートは反則数は減っただろうか?? 気の緩みからではないカラー的な反則なら致命傷になっていたはず。これは、 まぁ、いい。 大きな石が転がっていなかったら??体勢的にはリターンTDは無理だったが 「食後感」は変わっていたはず。国立競技場で行われた、第40回ライスボウル 京都大学35−34レナウンと同様、あと味の悪いライスボウルだった。 関西の学生や社会人の試合はもとより、関東の大学の試合にも違和感を感じた ことはない。甲子園ボウルにも。スムーズに試合が流れている。 ところが、ライスボウルだけは時々異質なものを感じる。なんなんだ一体?? |