東西大学王座決定戦 毎日甲子園ボウル



甲子園ボウル 



立命館大学の戦績  
7戦 7勝  

○ 24− 0 同志社大学
○ 35− 9 関西大学
○ 27− 6 神戸大学
○ 62− 7 大阪産業大学
○ 35− 8 京都大学
○ 21−20 近畿大学
○ 27−13 関西学院大学

法政大学の戦績  
8戦 7勝1敗

● 17−21 早稲田大学
○ 26− 0 立教大学
○ 17−13 日本体育大学
○ 14− 6 中央大学
○ 55− 7 慶應大学
○ 24−13 帝京大学
○ 28−21 専修大学
○ 44−14 日本大学


立命館大学
7試合平均

法政大学
8試合平均
(獲得) (喪失)
(獲得) (喪失)
29.1 8.1 点数 28.1 11.9
4.14 1.14 TD 3.62 1.63
14.1 11.1 FD 17.5 11.5
280.7 202.0 総距離 359.0 225.9
46.0 50.9 回数(攻撃/守備) 64.6 55.4
6.10 3.98 平均距離 5.55 4.08
203.7 76.0 ラン距離 311.5 107.3
35.0 28.4 ラン回数(攻撃/守備) 57.0 33.0
5.82 2.68 ラン平均距離 5.46 3.25
77.0 125.9 パス距離 43.0 118.7
10.8 22.9 パス回数(攻撃/守備) 7.6 22.4
5.14 10.42 パス成功回数 3.37 11.5
14.9 12.1 パス成功平均距離 12.7 10.4
0.43 1.29 インセプト(被/奪) 0.25 1.63
5.0 3.6 反則回数 6.3 5.2
49.6 19.2 反則罰退距離 53.6 38.8
0.43 1.28 ファンブル回数 1.75 0.62
0.71 2.00 TO回数(被/奪) 1.75 1.87
0.57 0.85 FG試行回数 1.12 0.75
0.14 0.57 FG成功回数 0.75 0.25

TO回数=ターンオーバー回数=ファンブルロスト+パスインターセプト


(Touchdown誌より集計。ただし、関東大学選手権については関東大学連盟HPスタッツを使用)



 今年の甲子園ボウルは、立命館大学と法政大学との闘いとなった。立命館大学
は、QB東野を擁して関西学生初制覇して以来の4年ぶり2度目の関西単独優勝
である。一方の法政大学は5年連続の関東覇者となった。関西は群雄割拠熾烈な
争いが続くが、関東は完全に法政大学の時代となったのだろうか。

 立命館大学と法政大学の甲子園ボウルでの対決は、立命館大学が甲子園初登場
した4年前以来2度目となる。前回は24−22で立命館大学の勝利だった。だ
が、両校とも3TD1FGで、TD後のTFPを2度失敗したか成功したかの差
にすぎない。


 今シーズンの両校の戦績は別表の通りだが、それぞれ簡単に復習しておこう。

 今年の立命館大学を振り返ると、春からオフェンス不調がささやかれていた。
それにひきづられる様にしてディフェンスも春の時点では不安を抱えていた。そ
して、夏を越えて秋開幕、ディフェンスは形が整いつつも、オフェンスはクイッ
ク&ショートでパス失敗シーン連続でどうなることかと思った。

 だが、第3節神戸大学戦後半でパスからランへ攻撃パターンを切り替える。そ
して、大阪産業大学を大差撃破して臨んだ京都大学戦を攻守とも地上戦を挑んで
完封勝利を収めた。この勝利で完全に勢いにのった立命館大学は、関西学院大学
をも力でねじ伏せて、プレーオフの期待をも打ち砕いての単独優勝となった。


 今年の法政大学は、春全勝ながらも、例年のようなオフェンス圧倒的勝利では
なく、苦労しての勝ち上がりが続いた。そして、秋開幕戦で、今期一部復活の早
稲田大学に、完璧にコントロールされてのまさかの敗退を喫する。

 だが、これが逆に5連覇達成のきっかけとなったのではないか。1敗してのリ
ーグ戦、再びの負けは許されないと言う過去4連覇中の法政大学では考えられな
かった緊張感に満ちたシーズンだったと思う。
 大差勝ちは、慶應大学戦と日本大学戦のみだが、苦労しながら勝ち上がってき
た経歴が今年の法政大学チームカラーを作っているだろう。例年とは違うはず。


 さて、秋シーズンのチームスタッツを別表にまとめたので簡単に比較を行って
おく。対戦相手が違うので、あまり数字を追いかけ回しても意味がないのだが、
数値を比較すると、両校ともほとんど同じチームであることがわかる。
・得失点、FD回数が攻守とも全く同じ。
・1回あたりのランパス獲得/喪失距離もほぼ同じ数値が並ぶ。
・両校ともランプレー主体のオフェンス。

 一方、相違点は、
・ラン獲得距離とパス獲得距離の比率が若干異なり、立命館大学はパスも使う。
・1回あたりのラン喪失距離で法政大学が若干劣る。
・FG成功回数で法政大学が優位。

・被パスインターセプトは立命館大学が多い。(序盤不調を考慮すると同等?)
・奪パスインターセプトは法政大学が優位。

・被ファンブル回数、被TO回数とも法政大学が多い。
・奪ファンブル回数で立命館大学が優位。



スタッツ比較の結論は、
・FGやTFPでのキック成功率が命運を分ける展開になると法政大学優位??
・過去の甲子園と同様に、ファンブルターンオーバーで流れを失う法政大学??

となった。つまりはミスが命取りという当たり前の結論になってしまう・・・・



 立命館大学、法政大学とも秋シーズンを苦しみながらの勝ち上がりである。楽
勝圧勝で一気に頂点に登り詰めるというのも好きだが、紆余曲折苦難解明の末に
勝ち取る栄冠というのも捨てがたい。今年の甲子園ボウルは、多くの課題を解決
して歩みを進めてきたもの同志の対決という点で興味深いものがある。


 秋シーズンの法政大学を見たのは、第5節10月17日の中央大学との闘いと
日本大学とで争われた関東大学選手権決勝の2試合である。中央大学との試合で
はパス不調だったが、第4QRB堀田の中央突破でかろうじて逃げ切り、日本大
学との試合もRB井出の中央突破で勝利をつかんだ。

 RBの走路を確実にこじ開ける重量級OLパワーは強烈で、さらに、一瞬の空
間をスピードで走り抜けるUB石川、TB井出を止めるのは苦労しそうだ。
 パスシーンは見ることが出来なかったが、たまたま成功率が低かった中央大学
戦、ゲームプラン上必要なかった日本大学戦とするべきで、無警戒というわけに
は行かないだおう。SE#80万木などへのクイックパスや、いきなりのロング
パスは否定できない。

 ディフェンスでは、主将DL#92阿部などの重量ラインがやっかいである。
それ以上にLBDBのスピードが凄い。レシーバーがフリーになれなかったり、
中央オープンランに対しても集まりが早く、抜き去ってのロングゲインは見込め
そうもない。


 立命館大学オフェンスは、QB#17川嵜を起用するのだろう。RB陣は主将
泊、杉山、川田、菊池、いっぱいいる。だが、問題はOLが走路を確保できるか
否かである。おそらく、法政大学DLのラインは今年の関西で対戦したチームよ
り数段上のレベルではないか??(今年の関西DLが小粒だった・・・)もし、
立命館大学OLがライン戦で敗退するようでは、キーとなるランオフェンスが不
調に終わることも充分ありえる。

 一方、立命館大学ディフェンスは、#93宮原#58三輪ほかの重量DLと、
スピードのLB、DB#21里見、#2古庄が堅実な守備を見せている。関西の
リーグ戦ではランで崩壊することはなかった。ミドルレンジのクイックパスに少
々難点がありそうだが、法政大学のキーではない・・・・・



 攻守とも、ライン戦の行方が試合の流れを左右しそうだ。立命館大学にとって
関西にない重量級のラインにどのように対処できるかが焦点である。攻守どちら
か一方だけでも崩壊するなら勝ち目はない。おそらくモメンタムを奪うこともな
い一方的な試合展開になるだろう。

 熾烈なライン戦が展開されるならば、両校とも得意のランオフェンス主体の展
開となって、胃の痛くなる2TDまでのロースコアゲームとなりそうだ。この展
開になったときに、TFPやFGの成功失敗、ファンブルターンオーバーのミス
が命取りになるかも知れない。


 ロースコアゲーム、試合時間残り僅か、逆転勝利に必要なのは、ロングパス。
鍵を握るのは、立命館大学のパスディフェンスか、パッシングQBか???