東西大学王座決定戦 毎日甲子園ボウル



甲子園ボウル 



12月19日(土) 阪神甲子園球場 13:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計
立命館大学 6331325
法政大学 1430017
(現地観戦)
 4年ぶり2度目の対決となった立命館大学−法政大学の東西学生王座をかけた
闘いは、立命館大学のキック、法政大学のレシーブで開始した。

 法政大学はQB#17木目田率いるIフォーメーションでUB#20石川TB
#2井出のスピードとパワーランによるオフェンスを展開する。さらにこの日は
QBキープによるロングゲインが爆発した。結局、パス回数は3回のみという徹
底的な地上戦で挑んだ。

 立命館大学は、QB#17川嵜率いるランパスマルチを展開、リーグ戦前半で
苦しんだパス成功率の低さを克服してのバランスオフェンスとなった。3rdD
ロングのシチュエーションで決まったパスがいくつかあったのが印象的だ。



 第1シリーズはお互いパントに終わったが、法政大学はQBキープあり、立命
館大学はパスのためのドロップバックありと、今から振り返れば象徴的なシーン
が続いた。

 法政大学の第2シリーズは自陣32ヤードから。石川の中央突破8ヤードに続
く第3Dは、リードオプションで右オープンを駆け上がったRB#2井出の快速
が立命館大学ディフェンス陣を見事に置き去りにしての62ヤードTDラン。

 一方の立命館大学第2シリーズは、#21里見の好リターンによって敵陣41
ヤードから。TB#44泊へのフェイクQBキープでの右OT突破が15ヤード
のビッグゲインとなって追撃態勢に。しかし、RB#36川田、#3杉山の中央
突破は全く進まず、K#14松本のFGで3点を返すのみ。

 法政大学の第3シリーズは自陣25ヤードから。今度はUBTBへのピッチフ
ェイクのQBキープで中央突破50ヤードのビッグゲイン。そして、同じプレー
で25ヤードTDランとなる。立命館大学ディフェンスが、始めて対戦する法政
大学のスピードに対応できない。


 立命館大学の次のオフェンスは、リターナー#21里見から#2古庄へのリバ
ースで30ヤードのゲイン、自陣40ヤードからの開始となる。法政大学のQB
キープビッグゲインに対抗するかのように、QB#17川嵜キープの35ヤード
ゲイン。さらに、左WR#18宮崎へ20ヤードパスが決まり、エンドゾーンま
で5ヤード。しかし、ランは届かずパス失敗で再び#14松本のFGのみ。
法政大学14−6立命館大学

 立命館大学は、オフェンスがTDを奪えず得点差が広がる。一方でディフェン
スはLB置き去りのシーンが続出した。ここまでの試合展開から、私の脳裏を記
録的大差の試合になるのかとの不安がよぎる。唯一は、シーズン中成功率の低か
ったFGが確実に決まることだ。昔、5FGで勝利した京都大学戦が思い浮かん
だ。


 第1Q終了間際の法政大学シリーズは、立命館大学の反則もあって敵陣40ヤ
ードから。ここもTDだったら試合が決まりそうなシリーズだったが、#2井出
の右オープンを立命館大学#2古庄がロスタックルを奪いFGの3点のみとして
繋いだ。

 そして、次の立命館大学は自陣20ヤードから。WR#8秋山への40ヤード
ロングパスがDB陣の隙間へ見事にヒット。しかし、TDパスは成功ならずK#
14松本の3回目のFGトライ。ここもゴールポスト中央へボールを蹴り込んで
立命館大学は必死に追いすがる。法政大学17−9立命館大学

 さらに、次の立命館シリーズも、QBキープやRB#3杉山へのスクリーンパ
スで20ヤードゲインを連発する。だが、相変わらず中央突破はゲインしない。
完全に手詰まりという状態でもないのだが、確実にゲインするプレーがない。


 一方で第2Q中盤から法政大学のオフェンスが、スピードでディフェンスを置
き去りするシーンがなくなった。私のメモによると、まず、オープンランが止ま
るようになった。そして、法政大学がOTOG中心の展開になる。なぜなのか、
ライン戦の勝利の結果なのだろうか、LBDBの位置なのか、私には判らない。


 前半を終了して、得点差は8点。FGの積み重ねだけで苦しい展開の立命館大
学に対して、法政大学のオフェンスは前半ほどの勢いはない。だが、いつ、ふた
たび爆発するかと思うと、やはり、法政大学リードというのが私の印象だった。
TDを奪ったオフェンスをしたのは法政大学というのがその理由だ。立命館大学
がTDを奪うシーンを想像できなかった・・・・・。



 後半は立命館大学のリターンで再開した。リターナーは#21里見。ボールを
キャッチし損ねたが、それでも拾い上げてからのスピードは見事だった。ブロッ
カーを使って一気にエンドゾーンへ。関西学生最終戦シーン再現のリターンTD
かと思ったが反則取り消し。

 それでも立命館大学はこのシリーズ6分を費やして、K#14松本による4回
目のFGトライ&成功に結びつけた。立命館大学12−17法政大学となって5
点差は、法政大学を1TDで逆転にまで追いつめた。
 後半の立命館大学オフェンスは、前半と違って小刻みにランゲインを重ねる。
確実に4ヤードのゲインはRB#3杉山の中央突破とQBキープ。そして、第3
DでのWR#6高畠、#1松本へヒットするミドルパスが圧巻だ。ショートゲイ
ンを山積みにした約6分のドライブは、第4Q1分8秒、RB#3杉山が待望の
逆転TDを獲得して、1点リードとした。

 ここで、TFPに2ポイントを選択し、WR#18宮崎へのパス成功も反則罰
退、結局無得点となった。だが勢いは完全に立命館大学に傾いていた。


 後半の法政大学2回目のオフェンスは、立命館大学タイムコントロールオフェ
ンスのために、なんと、第4Qになってから。逆転された後の大切なシリーズも
簡単にパントに追い込まれた。

 そして、立命館大学は再び小刻みなランゲインと第3Dパスを通しての約5分
のドライブを完遂してTDを挙げて、立命館大学25−17法政大学と8点差が
ついて、第4Q残り5分50秒。

 両校ともに徹底したラン主体の攻撃パターンのために時計が進むのが早い。

 法政大学後半3回目のシリーズ、自陣で第4Dに追い込まれたのが残り約4分
30秒となれば、ギャンブルを考えてのタイムアウト要求は当然の流れだろう。
結局はパントを蹴った。


 残った時間は4分19秒。後半3回のタイムコントロールオフェンスなら、時
間を消費してタイムアップかと思った。後半だけのここまでのタイムオブポゼッ
ションは、立命館大学約17分、法政大学約8分(私のメモによる)。これに4
分を加えたらとメモを繰っていた・・・・

 しかし、立命館大学が自陣でファンブルロスト。


 法政大学はエンドゾーンまで25ヤードで中央突破2回ゲイン2ヤード。そし
て、この日始めてのパスがエンドゾーン内のTE#87上田へ。DBマークが少
しずれてフリーだったがボールも短く失敗。第4Dギャンブルも失敗となった。

 そして再びの攻撃権は、残り33秒フィールド中央50ヤードライン上から。
ここで、後半見なかったRB#2井出のオープンランが再び炸裂して一気に20
ヤードを獲得。パス8ヤード成功させて、残り22ヤード&22秒。再びの#2
井出右オープンはエンドゾーン手前1ヤードでのダウン。

 残り16秒。残り1ヤード。

 しかし、この1ヤードが、また、届かなかった。RB#40堀田の中央突破は
押し戻され、ボールをスパイクした時点で残り3秒。そして、痛恨のフォールス
タートで5ヤード罰退。最後は#2井出の右オープンも立命館大学LBの囲い込
みで止まった。


 法政大学は、またも、あと一歩のところで止まってしまった。

 立命館大学は前半、苦労しながらも#14松本のFGで着実に加点していった
ことが勝因だろう。結局、4回のFGトライ全てを成功させた。ただ、前半苦戦
している最中も、6回のリターン中3回をビッグリターンとしたリターナーの活
躍も大きいと思う。そして、後半のタイムコントロールオフェンスに気付いた瞬
間は、鳥肌モンだった。
 私の予想をはるかに越えたとんでもないチームへ変わっていく。まぁ、私の予
想なんてそんなモンです・・・・。次は、リクルート。面白そうだ。