関西学生アメリカンフットボール　シーズン展望

　

京都大学・立命館大・関西学院・近畿大学・大阪産業大学・甲南大学・神戸大学・関西大学

　今年の各チームの特徴を見ると、『オフェンスに難ありの京都大学・関西学院』に対
し、『オフェンス完璧もディフェンスに不安の近畿大学・大阪産業・甲南大学・神戸大
学・関西大学』、そして、『オフェンス・ディフェンスとも一歩リードか立命館大』と
いうのが、春を終了した時点での私の印象だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　このまま、秋のリーグ戦に突入するならば、前年の上位校−下位校が対戦する序盤戦
から目が離せない。下位校が試合前半で大量リードを奪うことが出来たなら、上位校の
オフェンスがもたつく間に逃げ込んでしまうことも不可能ではないと思っている。　　
　ただ、万全と思っていたオフェンスが本当に上位校に通用するか。この点が、何とも
言えない。春の上位下位対決が関西学院−関西大学だけでは、判断材料が少なすぎる。

　そこで予想だが、京都大学が序盤戦を無事に通過すれば、京都大学・立命館大の争い
そこへ、関西学院が参加できるか否かは、下位校との対決で取りこぼしがないことが条
件だ。その他のチームが上位に食い込むためには、やはり３強から一つ以上勝利しなけ
ればならない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　春の反省と夏の成長分も考慮すれば『オフェンス難の克服』『ディフェンス不安の解
消』も充分可能である。どのチームがどれだけ成長したかによって、大アップセットも
あれば順当平穏無事もありうる。結論は、蓋を開けて見なければわからない、いや、蓋
を開けても終わるまでわからないぐらいの大混戦必至であろう。　　　　　　　　　　


　京都大学はＱＢ＃８横山中心も、パスは若いＷＲＴＥとのタイミングがあわないか。
ＲＢは＃３５堀口＃２８宮崎等、タレント揃いだが、ランだけでは苦しい。ディフェン
スはＤＬＬＢともそろっている。ディフェンス主導のシーズンになりそう。　　　　　

　立命館大は、ＱＢ＃１２大矢、＃１７川嵜の２人を春の最初からいろいろと試みてい
るように感じる。併用の準備か選択の準備か。願わくば併用の準備であってほしい。Ｒ
Ｂは＃３１樫野＃３杉山、ＷＲ＃７中村、ＴＥと昨年以上のタレント揃いである。得点
能力では京都大学関西学院の上を行くのではないか。さらに、ディフェンスも第２、３
列に大型をそろえ、強力ＬＢは今年も健在だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　関西学院も、春の結果を見ると、パス成功率が昨年と同等で相変わらず苦しいオフェ
ンス展開になるか。ＲＢは＃２花房＃２９草野＃３２松田等、大勢いるがプレー幅が狭
いのはやはり苦しい。ディフェンスは昨年同様オフェンスに頼れない。もし変わるとす
れば、ＱＢ＃４金崎にしたときにどうか。春の京都大学戦の印象が強烈である。　　　

　さて、唯一近畿大学だけ今春の試合を見ていないので何とも言えないが、昨年のメン
バーが多く残っているのが強みであろう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　大阪産業大学は、１部昇格と残留の原動力となったＱＢ＃１１松本、ＷＲ＃８３脇田
ＲＢ＃４０菅野、＃１辻野中心のパワフルなオフェンスが可能だ。特に松本のパスは、
遠投力もあり今季関西学生ナンバー１のパッシングＱＢである。　　　　　　　　　　

　甲南大学はＱＢ＃１１橋本のオプションとＱＢ＃１６峰本ＷＲ＃２２水島中心のパッ
シングゲームが展開が予想できる。昨年同様にオフェンスにタレントが揃い、いい方向
に回転すればおもしろい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　神戸大学もＱＢ＃１２大西、ＲＢ＃３６中島、＃２５出口の伝統のランニングアタッ
クと、ＱＢ＃１０川島、ＷＲ＃３３中島のパスオフェンスが大いに注目される。　　　

　関西大学はＲＢＷＲの一人２役が可能な三重野の存在が大きいが、彼一人でオフェン
スを組み立てるようでは、昨年の波武名の二の舞となってしまいそう。その点、今年は
ＲＢ＃３２山本、＃２９古谷と人材豊富でマークが分散されるのはいい方向か。　　　

　このように、近畿大学・大阪産業大学・甲南大学・神戸大学・関西大学に共通に言え
ることは、オフェンスに豊富な人材を擁してそれぞれにキープレーがあるので展開がは
まれば面白い。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　一方でディフェンスに弱点が多すぎる。近畿大学は見ていないので除外するとしても
第２，３列に安心できない点がある。春から夏を経て、さらに、秋の実戦の中でどれだ
け成長するかがキーポイントになる。もし、ディフェンスが万全になれば、アップセッ
トも可能か