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試合前半は0−0の同点で終わるかと思ったのだが、最後の最後で京都大学がTDをもぎとってハーフタイムを迎えることとなった。 その直前までは京都大学も同志社大学もオフェンスで満足なドライブができてなく、オフェンス4シリーズまたは5シリーズでFD更新は、ともに2回。 特に京都大学はパントフォーメーションからのギャンブルプレー成功によるFD更新があり、プレーによるFD更新は第2Q自陣8ヤードでWR#81小松原へのアクロスパスヒット26ヤードが唯一のものだった なので、第2Q最終シリーズは前半唯一の攻撃ドライブがつながったシリーズである。京都大学QB#19田中から右サイドセットしたWR#10玉木とWR#1河野へのクロスパターンのミドルパスがヒット、これで21ヤードゲインして敵陣25ヤードの到達すると、さらに中央ラン突破でFD更新してエンドゾーン前11ヤードと勢いづいた。 中央ランプレー3ヤードゲインのあとに2回目のタイムアウト行使で残り39秒。タイムアウト明けに再びのインサイドランも同志社大学ディフェンスのを崩せなかった。 さらに、インサイドデッドで時計が回るにもかかわらず時計を止めずに始まった第3Dは左エンドゾーン手前へのパス。これがかろうじてエンドゾーンに届いて時計ゼロと同時にTD7点を獲得する。 ちなみに、この第3Dパスがエンドゾーンに届いていなかったとしても時計がゼロになっていたので前半終了、タイムアウト1回を残しながらもFGを蹴ることができなかったという珍しい状態になりかけていた。 ******** 京都大学オフェンスドライブの原動力はQB#19田中からWRTEへのミドルパス。#85新澤、#88佐々木、#10玉木、#1河野などに効果的なミドルパスが、時々ヒットする。このパスコースはレシーバーが巧妙にクロスしてディフェンスを惑わせるなど、かなり、練られたプレー内容になっている。 一方で、特にランプレーでコンスタントにゲイン出来ないところが苦しい。公式ページにある第3Dコンバージョンが1/11とい数字があるように決めきれていない。後半はFG3回による加点のみになってしまった。 そして同志社大学ディフェンスが随所に好プレーを織り込んでいる。第1Qフィールド中央でのパントフェイクからのギャンプルプレーに対してDB#23池本がマンマーク状態で残っていたことで独走TDに至らず。第2Q最後のTDドライブ途中でもWR2名のクロスパターンに反応して一発TDを防いでいる。後半には惜しくもインターフェアと判定されてしまったが絶妙なパスカットシーンなどが散りばめられている。DB#21島岡、#23池本、さらにLB#7明原、#11香川など。それだけディフェンス機会が多いということでもあるのだが。 ******** なお、同志社大学のここまでの3試合において、第4Dパントフォーメーションからのギャンブルを行うシーンが多い。残念ながらこの試合では、敵陣でのパント機会がなかったのでギャンブルプレーを見ることができなかった。 その中で、第1Qから第2Qにまたがる攻撃シリーズでの第4Dで、今年初めて?かもしれない3種類目のパントフォーメーションを見せている。これがギャンブルプレーへの布石だったかもしれない。 ちなみに、京都大学もパントシーンで巧妙なプレーを見せている。 第2Q敵陣での第4DシーンでギャンブルフォーメーションセットからQBがパントを蹴っている。ギャンブルプレーを警戒したのだろう同志社大学はリターナーを配置しなかったので、パントキックされたボールは転がっていくまま。こうして同志社大学は自陣5ヤードでの攻撃開始を強いられることとなった。 このフィールドポジションチェンジが第2Q最後の京都大学TDドライブにつながっているとも言える。 (了) |
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立命館大学攻撃は、最初のシリーズこそ敵陣でのファンブルロストがあるものの、その後の6シリーズ連続でTDドライブを完成させている。 第1Q最初のシリーズではQB#11西山ドロー12ヤードと11ヤードの2回、さらに、、WR#1猪熊パスキャッチ後のRB#32西村の好ブロック16ヤードゲインWR#25渡邊のオープンプレーなどで先攻一気、小刻みなゲインながらも、それを積み重ねた怒涛のロングドライブとなった。 最終的には#5森本へのスクリーンパスヒットからのランプレー途中にボールをかき出されてファンブルロストを喫しているものの、次のシリーズでもQB#11西山でランありパスあり、さらにRB#27田中、WR#25渡邊のランプレーが1回8ヤードの荒稼ぎ状態だった。 そして第2QのTD3個が一発ロングゲイン絡みによる得点になっている。RB#27田中の63ヤードは絶妙なOLブロックもあり、WR#1猪熊の83ヤードTDパスと50ヤードTDパスはともにDB裏へのスピードとレシーバーハンドリングの妙による。 さらにQB#12植村に交代した第3Q最初のドライブもRB#5森本の44ヤードビッグゲインがきっかけになるなど、WR#83廣吉、#15平瀬、#86永見、#82宇治野へのパスも絡めた多彩なオフェンスが続く。こうしてQB#12植村によるオフェンスでも1回のパントを挟んで2TDドライブを演出した。 第4Qには自陣14ヤードQB#14道渕からWR#81増田への45ヤードパスヒットと選手層は厚い。 ******** なお、RB#32西村による中央突破ランは試みているものの前節同様にビッグゲインには至っていない。が、この試合でも#32西村の好ブロックが稼ぎ出したゲインシーンはある。ボールキャリアでなくても役割は確実に果たしている。 その前節神戸大学戦では、RB#32西村以外のRB陣でもランによるロングゲインがなく、#32西村による12ヤードが最大ゲインと完封されていたので、久しぶりのオフェンス爆発となった。 では、なぜ、神戸大学戦ではランで進めなかったのか。神戸大学ディフェンスがランプレーに限定したシフトをしたからだろうか。その分、パスではロングゲインを奪われていた、というほどでもないように思う。この理由を突き詰めてみるのも面白いかもしれない。 ******** 立命館大学が順調すぎる、という声を観戦仲間の友人からとかいろいろなところで聞こえてくる。確かに、試合の中でダレたシーンもなく、オフェンスにおいては、攻撃リズムを乱すような反則やプレーが決まらないとか選手交代がスムーズでないというシーンを観ていないような印象(あくまでも印象です)である。 ただし、反則回数を公式スタッツで調べてみると1試合平均5回で、これは関西学院大学と比較するとほぼ1回多い計算になる。さて、どうなるか。 ******** 龍谷大学オフェンスはQB#11上田が担当し、第2Qという早い時間帯で立命館大学ディフェンス相手にロングドライブを見せている。きっかけはTE#44松尾へのインサイド縦パスだった。ディフェンスが前に入ってパスカットしたのだが、そのボールが浮いてしまってTE#44松尾の手に収まるというディフェンスアシスト付きの35ヤードパスヒットが発端だった。 さらにWR#6井貝へも22ヤードのパスを通すと、今度はRB#21手塚ドロー中央が効果的に決まるとういう攻撃リズムで敵陣侵攻した。最後はTDパスが長すぎて失敗、ショベルパスをディフェンスに対応されてFGトライへ。距離的には十分だったのだがわずかにそれて無得点となった。 その後の第2Q2回の攻撃機会では、立て直してきた立命館大学ディフェンスに完封されて攻撃が続かず、何度かのディフェンスメンバー交代のあった第4QになってQB#11上田のパスによる2回のロングドライブシーンが見られるようになる。 しかし、これも最終的には立命館大学CB#22三原によるパスインターセプトからのリターンTDを奪われることとなってしまった。 ********* ********* 参考までに。 前節龍谷大学vs関西学院大学において龍谷大学攻撃がドライブを始めたのは第3D、監査学院大学ディフェンスメンバーが少し変わったあたりからだった。そして今回この試合で龍谷大学オフェンスドライブが始まったのは第4Qに入ってからとなる。 関西学院大学がどのような階層に選手交代を行ったか、立命館大学も第3Qあたりから選手交代していっているがどのような選手層。単純に見ると立命館大学ディフェンスのほうが選手層が厚い、ということになるのだが。さて。 (了) |
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関西大学は、オフェンスQBに今週ここまで出場機会のなかったQB#12岡口を起用、第4Q中盤でQB#16入佐に交代するまで攻撃チームを率いている。この間、7シリーズで4TD1FG2Pという結果となった。オフェンスリズムはランパスバランスよく、それもかなりテンポよく進んでいる、詳細は時間切れ(もうすぐ第5節の試合が始まる・・・)で割愛するが、QB#12岡口のオフェンスパターンについては、いつかどこかで記述する機会があるはずだ。 ディフェンスもほぼ固定メンバーが」先発するなかで、いつものようにDBLBで経験を積ませるべくの若手選手を起用している。 攻守ともに、このように新しい選手が出てくると、どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうかと興味が沸いてきて、試合の中でもその選手を追う時間が増えていく。今回もそんなディフェンス選手がいてかなり早い時間帯から目が行くようになった。 起用されたポジションは、アウトサイドのLB(OLB)でもありDBでいうならばセイフティ(S)の両方の性格を持ち合わせた守備の要のポジションとなる。これは、攻撃においてショットガン隊形でレシーバーを左右に2名ずつ合計4名を配置するスプレッドオフェンスが積極的に採用されるようになってきたことに対するディフェンス側の対応(修正)で生まれた選手配置になる。現在主流のオフェンススタイルに対抗する大きな役割を担う重要なポジションで、かなりの運動量と瞬時の判断力が要求されるので若手が配置されるのはかなり珍しいことである。 ちなみに関西学生でこのポジションを最初に採用したのが61年ぶりに優勝した年の関西大学ディフェンス(DB小原君)が最初で、その後に関西各チームに広がっていく。 この試合の関西大学失点は第2Qの1TD7点のみ。ロングパスヒットがきっかけとなって攻め込まれたことによる。 第2Q、甲南大学の4回目のオフェンスシリーズは残り4分38秒自陣29ヤードから。ここの第1Dでバンチフォーメーションを試みる(おそらくこの試合でこのシーンが最初だったと思う)。 バンチフォーメーションとは、片側にレシーバーを3人配置、それも一カ所に3人を三角形状に固めて配置するという少し特徴的な配置である。この三角形の頂点に対峙することになったのが5人目のDB。あまりうまく対応できなかったのだが、DB#13と#28が後方で対応してパス失敗。 続く第3Dでは右側でバンチ隊形にセット。ここでも対峙したDBは対応できずにレシーバ3人はフリー状態。プレー自体はQB#12井原キープだったがこれでFD更新する。 こうして勢いに乗った甲南大学QB#12井原率いるオフェンスはパスとRB#33木村の中央突破でFD更新を重ねる。敵陣42ヤード付近残り時間1分13秒第2D残り5ヤードでタイムアウト行使した甲南大学オフェンス。 バンチセットに対して対面のDBが対応できていないシーンを観ていたのは、当然、私だけではなかったようで、甲南大学オフェンススタッフが対応できていないDBを把握していたのかもしれない。あるいは、バンチセットしていたレシーバ3名からの提案だったのだろうか。 タイムアウトを使って甲南大学が選択したプレーは、右側バンチ隊形となった。そしてこれまで同様にDBは3人を全くフォローできず、フリーのダウンフィールドレシーバーが生まれる。三角形の頂点に配置されていたTE#5米崎へ30ヤードのロングパスヒット、これで敵陣12ヤードに侵攻すると一気にモメンタムを掴んだ甲南大学攻撃は、次のプレーでも中央突破ラン8ヤードでエンドゾーン目前に迫り、次のQB#12井原によるキーププレーでTDとなった。 ハーフタイムを挟んで、第3Q。フィールド中央で甲南大学攻撃は再び右サイドでバンチ隊形をセットする。しかし、ハーフタイムで修正が入ったのだろうDBが対応できるようになってレシーバー機能せず。その後、甲南大学はもう一度試みるのだが、これも確実に対応されるようになって、バンチセットの効果は消滅した。 ということで、私が注目していた選手のところで、試合の流れを左右する重要なプレーを見ることがでこいたこと、そして、甲南大学オフェンススタッフあるいは選手が考えていたことと同じことに私も気付くことができたことが何よりもうれしくて、このような観戦記になりました。 なお、重要なポジションを任されたDBは、それ以外のシーンではソロタックルを決めるなど随所に良い動きをしていたことを付け加えておく。 ******** 今年の甲南大学については春からあまり積極的に追うことをしていなかった。そんな状態で迎えた開幕戦金曜日ナイターの立命館大学戦@エキスポフラッシュフィールドの試合は、仕事の傍らでのRTV映像観戦となった。 立命館大学の怒涛の攻撃は流石と感じたのだが、それ以上の収穫が、甲南大学攻守の高いパフォーマンスを見ることができたこと。QB#11吉岡によるショートミドルレンジのパスの成功確率が高いこととDB#14土井のスピードに目が行く。第2節京セラドームではQB#12井原のパスも冴え、重たいRBの登場と4インターセプトのDB#14土井のパフォーマンスに魅入ってしまった。 次節、西京極での龍谷大学との試合は、勝者が「4位になる可能性」に近づくことができる重要な潮合になる。期待しています。 (了) |