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龍谷大学オフェンスの第1シリーズと第2シリーズ、RB#9藤本、RB#36井上の左右オープンへのランプレーはスピード競争で優位となってビッグゲイン連発、さらにQB#11上田のQBドローも効果的に機能して2TDを先制する。 一方で第2Qに入って動きが良くなった京都大学攻撃もQB#19田中からWR#1河野などへのミドルパス23ヤードと18ヤードでエンドゾーン手前に達すると、OLブロックの絶妙な動きで中央突破9ヤード、さらにFBフェイクの右オープンランというトリッキーなプレーでTDを獲得する。 さらに、龍谷大学パントキックがミス気味になって敵陣スタートとなった第2Q残り3分09秒からの攻撃でも、TE#89中辻への縦パス23ヤードゲインでエンドゾーン前5ヤードに到達。最後も横サイドへのパスでエンドゾーンに飛び込んで同点に追いつく。 なお、龍谷大学オフェンスは第3シリーズ以降でそれまでゲインしていたスピード任せのオープンランを封印、中央突破ランで前進を試みるもドライブが続かずだった。 ******** ハーフタイムを挟んで試合後半、先に得点したのは京都大学だった。ここでもドライブきっかけはサイドライン際への13ヤードパス×2回などパスメインだったが、最後は珍しく?TB#28宮路の右オープンランが20ヤードのTDランとなった。ちなみに、この20ヤードランがこの日の最長ランゲインである。こうして京都大学が逆転した。 ところで、ここまでの試合展開や公式スタッツでもわかるように、この日の京都大学オフェンスで前進したプレーはミドルレンジのパスが中心で、ランゲインはショートゲインに止まることが多かった。これがラン合計距離がパス合計距離の半分という数値になる。 一方、逆転を許した龍谷大学は、ここで再びTB#9藤本のスピードランとQB#11上田のQBドローのプレー組み合わせに戻す。そして、QBドロー14ヤード、オープン23ヤード、さらにQBドロー11ヤードと試合前半同様のビッグゲインを連発。RB#9藤本へのスクリーンパス17ヤードも加わって速攻ドライブを演出する。ただし、最後は、ここまで披露したことのないようなQB#11上田からIR#44松尾への縦クイックパスでTDを奪ってプレーで同点に追いついく。 京都大学も試合前半に効果あったエースターゲットWR#1河野へのロングパスを試みるが、こちらは龍谷大学パスディフェンスDB陣がアジャストして完璧対応する。1度目のロングパスはDBが前に割り込んでパスカット、そしてポストパターンをDB3人で囲んでDB#4引野のパスインターセプト。試合前半でロングゲインを奪われたレシーバーに対してしっかりと対応できていたのが見事でした。 その後、龍谷大学攻撃はFD更新できず、さらに、パントキックも飛ばずで京都大学攻撃は敵陣スタート。龍谷大学ディフェンスは1回のFD更新は許すもののFG3点で止める。 残り5分45秒から始まった龍谷大学攻撃は、ここまでで最もよくゲインしていたRB#9藤本のオープンスピードランに前シリーズでのTDプレーとなったパスを織り込んだ攻撃プランに変わった。#14野間への左アウトコース13ヤード、さらに#6井貝へもパスヒットと攻撃テンポは良かったのだが、少しでも前へという姿勢にタックルを受けてファンブルロスト、攻撃権喪失となってしまった。 しかしディフェンスが続く京都大学攻撃をFD更新なくシャットアウト、2分35秒が残った。龍谷大学攻撃は自陣20ヤードから。ここで京都大学ディフェンスの出足が早くロスゲイン、さらに龍谷大学にパスインターフェアの反則でズルズルと後退していく。その第3D。京都大学ディフェンスの勢いが良かったことがここで裏目に出てしまい、ラフィングザパサーの反則を犯してしまった。龍谷大学にとってはレッドゾーンを脱出でき、オートマッチックFDで攻撃権が続くことでまさに「生き返った心境」という状態である。 こうして自陣●ヤード、ここからは、右サイドへのミドルパス攻撃が続く。その理由の詳細は割愛するが、京都大学インターフェアとミドルヒットの速攻で敵陣侵攻となった。ここから数プレーを左サイドに固めるもののFD更新ならずで迎えたタイムアウト行使後の第4Dは再び右サイドへのパス。これがTDパスとなって試合終盤に龍谷大学が逆転し、そのまま勝利となった。 ******** 京都大学の攻撃は、上で示したように、そして、公式スタッツの数字にも傾向が現れているが、ランとパスではパスでのゲイン距離のほうが多い。ただし、ターゲットはWR#1河野メインというよりもオンリーという印象が強い。第2Q最後のドライブはWR#1河野をフェイクにしたそのIRTE#89中辻へのパスという凝ったパスはつながっているが、そしてその頃には龍谷大学DB陣もWR#1河野へのマークを完璧に対応して、パス失敗やショートゲインに収まってしまっていく。 ランプレーについては、第3Dの得点シーンでRB#28宮路の右オープンランが抜けてのビッグゲインなど、2回のTDシリーズでOLのトリッキーなブロックが効いてディフェンスを置き去りにしているが、それはパワー的に圧倒しているプレーではない。 こうして、第3Q後半以降からは、WR#1河野へのロングミドルパスを試みるがパスは通らず、第4Q逃げ切りシーンでの攻撃手段が微妙になってしまった印象だ。 一方の龍谷大学オフェンスは攻撃手段が多彩と印象を受けた。多彩というだけでなく、試合全体を通してみると、かなり凝ったオフェンス組み立て?になっているような。というのは全てを見た事後の視点だからなのだろうか。 第1&第2シリーズでは、RB#9藤本などによる左右オープンへのスピードランで京都大学ディフェンスを置き去りにした。その後のハーフタイム前後の2回の攻撃では、オーソドックスに中央ランプレーを試みている。結果的にはゲイン出来なかったしパント飛距離の関係もあって同点に追いつかれる展開となった。 そして京都大学に逆転を許した直後から、再び最初に披露したRB#9藤本のスピードで加点同点に追いつく。そして最後の2シリーズではWR#14野間、#6井貝へのパスをつなげ、さらに相手守備のウイークポイントを巧妙に突くという組立になった。 結果を見ると2シリーズ毎に趣の異なるプレー組立なのだが、これが狙った結果の順序立ったバランス攻撃なのか、単なる偶然で後から見たら、たまたまきれいに並んでいただけなのか。どちらだろう?なのだが、前者のような気がしてならない。もしも意図あるものならばリーグ戦の風景が変わるかもしれない。次節はこのあたりに注目。 |
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得点経過を示しておくと、第1Q先攻神戸大学自陣でのパント時にスナップが乱れてパンターがボールを確保できず、転がっているボールを関西大学が拾ってのリターンTDによって関西大学が先制する。 その後の神戸大学攻撃は、FD更新を繰り返してロングドライブがつながっていく。しかし時間をかけた攻撃もエンドゾーンは遠く、決め手に欠ける状態が続く。第2Q終盤になってようやくレッドゾーンに侵入、第4DFGシーンでの関西大学反則による蹴り直しで3点を返して前半終了。 後半開始での関西大学キックオフリターンで#3地村による97ヤードのリターンTDにより7点を追加。対する神戸大学もゴロキックを良いポジション確保すると、前半同様の刻んだドライブでFG圏内に侵入して追いかけるというロースコア僅差の試合展開となった。 第4Q中盤での8点差はTDと2ポイントPATで同点という緊張した試合になったのだが、終盤で再び神戸大学パント時のスナップ起因によるセイフティで2ポゼッション差に広がってしまう。さらにパスインターセプトからにリターンTD(PATキックなし)により最終スコア22−6となった。 ******** 以上の経過から判るように、関西大学の得点は3個(3種類)のリターンTDとセイフティによるもので、攻撃による得点はなし。つまり、神戸大学ディフェンスの失点もなしという珍しい試合となった。 またタイムポゼッションから見ても、特徴のある試合、神戸大学らしい数値が残っている。公式スタッツでは試合合計値でしか表現されないので、私のメモに基づいて試合前半の数値を書き出してみると、ボール所有時間では関西大学約5分30秒vs神戸大学18分30秒、オフェンスプレーによるFD更新回数で関西大学2回vs神戸大学12回。 最初のリターンTD分で関西大学攻撃機会1回が消滅していることも少しは影響あるものの、基本的構成は変わらない。神戸大学攻撃が時間を使うことで守備の負担が減る。試合前半での消耗が少なかったことは、試合後半も緊張したイーブンの展開に持ち込めた要因の一つだろう。 ******** 神戸大学オフェンスについては、特にこの試合ではランプレーにおいて充実した陣容になっているところが見えた。 TBとしてRB#22中平、#43錦織の2名が参加している。経験豊富な4年生#22中平は例年通りの神戸大学らしいRBが伝統のオフェンスを牽引する。そして、#43錦織はサイズ大型のパワータイプのTBである。春の試合でも力強いランゲインを見せていたが、この試合でもサイズを生かした中央突破を繰り返した。この日はシングルバックの交互起用がメインとなったが、2人セットでのトリッキーなプレーも可能なので、今後に期待したい。 そのランプレーの合間に織り込むIR#19岸岡へのクイックタイミングの縦or外へのパスが効果的でミドルゲインを繰り返していた。他にパス成功ターゲットとしてWR#11金岡など。ときどき見せるロングパスは決まらなかったがボールの軌跡とWRは見事で、どちらかといえば関西大学DB陣が良くついていたという印象だった。ただし、もう少しパスバリエーションを増やしたいところです。 さらにWR#7井上によるワイルドキャットからのQBキープも加わり、ランプレーとIRへのパスなどで、2プレーor3プレーでちょうど10ヤードゲインという見事な距離感覚でFD更新を繰り返しているところは、チャートを見ていただければわかると思います。 そして特筆すべきは2年生QB#12福嶋。春の試合でも非凡なところを披露していたが、そのまま順調に成長中。肩もよく周囲がよく見えている。こうしてみるとオフェンスで活躍している選手に2年生などの若手が多い。ディフェンスもDLに2人の3年生を配置するなどで攻守ともに全学年一丸というチーム構成は今後の数年間レベルでも大いに期待できる。 次節は初戦黒星スタートとなった京都大学の試合。接戦になることが多いこのカードだが、今年も面白い試合になりそうだ。 ******** 関西大学は攻撃司令塔にQB#8大内が起用されて試合最初から最後まで担当、他の好守メンバーもほぼ全員が1試合フル参戦という気合の入った態勢だった、のだが。 まず、オフェンスチームだが、試合前半は神戸大学のタイムコントロールもあってプレー機会はわずかに2回のみ。第1シリーズはTB#3地村の2プレーでFD更新し、さらにランプレー2回で10ヤード超を進むが、FD更新後のWR#15木下へのパスに神戸大学LBが反応してショートに止まり、第3DのQBキープも届かずとなった。 第2シリーズもWR#83西村へのサイドスクリーンパス失敗とQBランショートなどで攻撃が続かず。もっともなかなか攻撃機会が訪れないことでリズムが出なかったということがあるかもしれないが。 試合後半もRB#43畑中がラインホールを巧みにステップで突破したこの日の最長ゲイン19ヤードするものの、やはり2回FD更新が限度。 結局オフェンスドライブによるFD更新プレー6回の内訳が、ランプレー5回、パスはIR#83西村へのクイックパスの1回のみ。 反対に攻撃全7シリーズの第3DでFD更新ならなかったプレー内訳は、キープ2回、パス失敗1回、投げられなかった2回とハンドオフ乱れのFL1回。(最後は不明) つまり、ランプレーはコンスタンとは言わないまでもそこそこ計算できるものの、QBWR連携付近のプレーで止まっていることになる。全てがQBの責任ではなくQBWRで半々というところだと思うが、ドライブ力UPのためにパス精度向上は必須課題。この試合でレシーバーフルメンバーが出場していたわけではなく#81中村など不出場だった選手もいるが、理想的にはターゲット固定化されないほうが望ましい。なので、シーズンの早い段階でパスプレーに目途をつけたいところです。 なおRB陣では、#3地村と#43畑中、#5松下などが交互起用されている。#22古川はこの試合ではリターナーのみ。そしてOLは#79佐嶋筆頭の不動メンバーだった。 蒸し返すが、この試合での関西大学攻撃機会は全部で7回(〜6回)しかなかった。そして立命館大学戦や関西学院大学戦という大一番で接戦になるとこの程度の回数の攻撃機会しか巡ってこない。 なので捨てるられる攻撃機会というものはない。反対にチャンスでは確実にドライブして得点することが求められる。この試合の第3Qから第4Qに跨る攻撃シリーズ、最後の第3Dでタイムアウトを取ってプレーを準備しているのだが、崩れてしまった。春の某試合でも、終盤の絶対にFD更新が必要なシーンで繋がらなかったシーンを見ている。 ただ昨年含めて秋リーグ戦では試合毎にオフェンスプレーが限られていて試合毎に限定された異なるプレー種類をテーマに試合の臨んでいる様子。今後の試合では少しずつ違った風景が見えるようになっていくことを期待しています。 ディフェンスはDB陣のロングパスに対するパスディフェンスと、春の試合でプレー機会がなかったかもしれないOLB#7湯川が復帰し、ILB固定化され、DL#92高谷の左右DE#46阿島、#95小石に頼もしい存在が揃う。この試合ではドライブを許すものの要所では確実に対応していてTDを奪われていない。ディフェンスは例年通り形になりそうだ。 そしてパンター#11藤田のコントロールパントが第4Q神戸大学攻撃をレッドゾーンに押し込んだことでセイフティ―につながっている。チームを勝利に導いた立役者の一人である。 ******** 次節は、開幕戦京都大学に勝利して勢いに乗る龍谷大学との試合となる。春は完勝しているので今回も・・・となるかどうかは不明。 昨年秋リーグ戦第5節での立命館大学戦での完敗は、その後の私の思考&活動が停止するぐらいの大きなショックとなった。簡単に触れておくと。 昨年春、関大vs立命の試合があって、関西大学が勝利している。さらにイマイチ春シーズン不調だった立命館大学という春夏を経ての秋リーグ戦突入し、そして運命の第5節を迎える。 そこまでの両校数試合を観戦していて、いい感じでシーズン日程を消化している関西大学というイメージがあった。立命館大学についても春の不調は嘘のような堅実さを認識はしていたのだが、今年のチームとしての春からの風景を総合的に見てしまって関西大学有意な試合という戦前予想を立てて試合前の木曜日まで経過する。 ところが翌日金曜日になって、もしも立命館大学に「不連続な成長」というのがあったら様相が一変するのではないか。ことに気付く。関西学院大学が第5節までと第6・7節で雰囲気が大きく変わるというのは毎年見ている風景。そして、もしも立命館大学も同じようなことができるのであれば・・・・・こうして試合前日の金曜日になって揺らぎ始める。 関西大学がシーズンの流れのまま試合に臨むと、そして立命館大学に不連続な成長があると、一方的な試合になるのではないかという一種の恐怖心で、すでに金曜日の段階で私の思考&活動はフリーズした。そしてrtv観戦となるのだが、直近に描いたストーリーで試合が進んで行く。 第6節の関関戦でもイマイチな動きを引きずる関西大学だったように思うが、その姿を見ておくのは私にとって義務なのだろうという意識で、長居での観戦となった。 結果的に、特に関西大学攻撃は2015年シーズンのチーム力をフル発揮できず、立命館大学戦途中で思考停止したのではないかというのが私の見立てです。 なので、リーグ戦前半の試合と後半の試合で「不連続な何か」を試合を観戦している観客に感じさせるような何かが必要かもしれない。ということ昨年中にどこかで書いておきたかったです。 |
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