|
|
正確な天気予報は把握していませんでしたが、おそらく予報は外れ(?)て西京極は第1Q終盤から第2Q最後まで土砂降りの雨となった。一般的に第2Qは試合の主導権を確保する上で重要な時間帯でもある。パスメインの攻撃を目論んでいた(?)京都大学にとっては不運な雨、もしも、雨でなければ、もう少し試合展開は変わったかもしれない。 **** 京都大学レシーブで試合開始、いきなりのビッグリターンで敵陣40ヤードでの攻撃開始となったが、その第1プレーQB#19田中から右サイドへのショートパスを立命館大学DB#20長尾が狙っていたかのようなパスインターセプト&ターンオーバーとなって立命館大学に攻撃権が移る。 続く立命館大学オフェンスは最初のプレーで右サイドのオープンランは66ヤードTDランは反則で取り消しになるが、その後は先発した1年生QB#12植村キープ、WR#86猪熊のオープンランで1プレー10ヤード超のランゲインを重ねる、RB#42長谷川の中央突破23ヤードて敵陣11ヤードに迫るとそこから再び右サイドオープンランでTDを挙げた。 第2シリーズ以降も、1年生QB#12植村を中心にランメインの攻撃組み立ては続き、RB#42長谷川の中央突破、RB#32西村がオープンをスピードでまくってタックルを振りほどきながら前進、最後もRB#42長谷川の中央突破のTDランで追加点を獲得する。さらに京都大学のパント処理ミスで敵陣スタートとなった第4シリーズもショートリバースからのパスをつなげるなどで3個目のTDを獲得、点差を広げていく。 後半も立命館大学ランドライブは止まることなく、後半最初のプレーで80ヤードのTDランを決め、さらにRB#42長谷川の左OT14ヤードで敵陣侵攻するとRB#25森本中央の約40ヤードのラン突破で第3Q残り7分16秒時点で5個目のTDを獲得して、試合の大勢が決した。 **** 立命館大学オフェンスQBは1年生#12植村が第3Q中盤まで担当その後を#18栃尾という起用方法となった。そしてプレー組み立ては、左右へのラン展開にインサイドのパワーランも加わりつつというランメインの組み立てになった。これが当初予定通りのことなのか、突然の雨で急遽変更なったのか正確なところは不明だが、おそらく前者だろう。 主なランキャリーは、RB#32西村がスピードでサイドをえぐり、WR#86猪熊もジェットモーションからのオープンランでゲイン、さらにRB#42とOLによるパワーランも1プレー10ヤード内外を稼ぐ。試合後半にはRB#25森本が約40ヤードのTDランを決め、さらにRB#27田中も30ヤード超のビッグゲインを披露するなど、多彩なRB陣が活躍するシーンは多かった。 またディフェンスは、ほぼ、今シーズンベストのメンバーがスターターに名を連ねる。京都大学の短いパスを何度か通されてはいたがキャッチ後のランを許さず、ランプレーに対しては中央を力で抑え込み、オープンへの展開もスピードでカバーしてほぼ完勝状態のまま推移して行った。 試合時間が経過していくとともにメンバーが少しずつ交代していくのでが、そんな中で主将CB#13奥田だけがかなり遅い時間帯までフィールドに残って全体を確認していたのが印象的。 一方で反則罰退も多かった。第1プレーで60ヤード超のTDランプレーが反則で無効になるなど、攻撃リズムを乱しそうなくらいに一進一退が続いた。だが試合が進むにつれて反則がなくなったのも事実。とりあえず今回は開幕戦の緊張ということで、次節は反則なしの試合を期待しています。 という立命館大学の開幕戦だった。春終了時点で特にオフェンスチームについて方向性が見えない印象だったが、やはりというか流石にひと夏を超えてしっかりと組み立ててきた様子が伺える。 昨年も開幕戦はパワーランオンリーの試合だった。今年、それに倣ったかどうかは不明だが、それでも、昨年と同じようなスタート地点に立っていることは確認できた。今後、オフェンスがどのように進化していくのか、楽しみにしています。 **** 一方の京都大学オフェンスだが、立命館大学ディフェンスのスピード&パワーを前にして、また、途中の豪雨も影響して、QB#19田中が自由なタイミングで落ち着いてパスを投げさせてもらえなかったことで、オフェンス手詰まりに追い込まれていく。 ただし、京都大学オフェンスがパスメインで組み立てようとする方向性は、WR#1河野、#82白根、#88佐々木、#8大工というアスリート揃いのレシーバー陣を生かすという点で私的には今のチーム事情に合っていると思う。 願わくば、途中にランプレーも挟みつつというのが理想的なのだが、立命館大学とのライン戦攻防でDL優勢だったこともあって、QB#19田中のキープラン等の単発ミドルゲインに留まってしまった。 (了) |
|
|
先攻神戸大学最初のプレーはプレーアクションからのロングパス狙いだったが、近畿大学ディフェンスの突込みも鋭かった。ボールを投げようとするQBの腕に近畿大学選手が僅かだが触れたことでボールコントロールを失う。それを近畿大学ディフェンスがインターセプト、試合の流れは一気に近畿大学のものとなりそうだったのだが。 その近畿大学攻撃を神戸大学ディフェンスがシャットアウト、神戸大学2回目の攻撃は、第1シリーズの反省に基づいて近畿大学ディフェンスのすばやい突込みをコントロールすべくQBRBのハンドオフフェイクやショートリバースなどカウンター系のプレーを多用した。さらにTE#4望月へのクイックパスも加えてLBDB陣の足を止めるとともに左右にストレッチ、さらにQB#7櫻井の丁寧なアフターフェイクも効いてロングドライブ、こうして先制点を獲得した神戸大学が一気に優勢に立った。 神戸大学2個目のTDはパントブロックから。TB#22中平の中央に大きな穴が空いて10ヤードのTDラン、さらに、自陣36ヤードからRB#3平井右OT47ヤードのビッグゲイン等でエンドゾーン目前に迫ると、再びハンドオフのトリックプレーでディフェンスを揺さぶって中央突破のTDランで加点した。 今年の神戸大学RBはRB#3平井、#22中平と同じようなタイプのRBが存在するのだが、それを積極的に活用した2人併用のフェイクプレーカウンターで近畿大学ディフェンスを翻弄、これが試合前半第1・第2Qの神戸大学オフェンススタイルだった。 そして実質3本差がついた第3Q以降はノーマルなシングルバック隊形が増えたのが、この時間帯からドライブが繋がっていない。得点差があるので追加点を求めるよりも時間消費が最大目的の時間帯ではあるのだが、OLを全面に押し出したスタイルでは前進できないということなのだろうか、と少し気になっています。 **** 一方の近畿大学オフェンスだが、前半のFD更新回数5回のうち3回が最後のドライブに集中、残り2回のうち1回は神戸ディフェンスがパスカットで弾いたボールが偶然にキャッチしたもの。当初予定のプレーでは進めていない。後半もFD更新回数5回のうち最後のドライブで4回あるので、それ以外では1回のみ。つまり、神戸大学ディフェンスがほぼ全時間帯で優勢だった。 神戸大学DLが近畿大学OLを制御したことで神戸大学守備バックスが自在かつ的確に仕事をしている。特に中央の守備の要であるILB#37東、DB(S)#2林によるナイス反応&ソロタックルシーンが多かったが、いずれもDLがしっかりと機能したことの現れである。さらにOLB#49秋篠、CB#15林もオープンプレーに反応してRB#28久保、#27小瀧の足を止める。そして2年生CB#9田中によるパスインターセプト2回+α(パスカット)を筆頭にDB陣のファインプレーが続いた。 その分、DB#2林がサイドラインに下がったあとの時間帯で一抹の不安が漂う。第4Q終盤の近畿大学パスドライブシーンではミドルパスヒットが続いたが、最初のTDパスも、もしもDB#2林がいれば、一発で奪われることはなかったかもしれない。最終的にTDへ持っていかれたとしても、エンドゾーン手前で距離を刻ませること時間を使わせることは出来たように思う。 また近畿大学攻撃の組み立て方も、若干、偏りがあった。第2Qと第4Qの最後ではWR#15小梶、#17中川への連続パスヒットしてロングドライブにつながっているのだが、この攻撃パターンを通常の時間帯で使用していない。もう少しパス比率を高めていたら、違った展開になっていた可能性も捨てきれないように思う。 結局、近畿大学攻守に単発でファインプレーがあるもののなかなか連続せず、神戸大学攻守のみが目立つ試合となってしまった。 **** ところで試合終盤、近畿大学がオンサイドキックを2回連続で成功させている。どちらかというと神戸大学が2回も決められてしまった、というくらいにオンサイドキックへの対応が曖昧だった。おそらく、今頃修正が入っているはず。 もしも、試合開始直後の近畿大学がまともなオンサイドキックを蹴っていたら4〜5回連続で近畿大学の攻撃が続いていたかもしれない、と考えると、神戸大学視点に立てばゾッとする話。一方、昨年、オンサイドキックを多用した近畿大学視点に立てば、結果論だが、巡り会わせが悪かったということになる。 (了) |
|
|
関西大学はオフェンスチームの活躍で白星をもぎ取った。この時期なので、優勝争いをしようかというチームならば至極当然のことではあるのだが。 ここ数年の関西大学は、攻撃力・得点力の不安を残したままシーズンを終えることが多く、毎年、今年こそはと思うのだが、シーズン後半戦では攻撃力を発揮するシーンが少ないまま最終戦を迎えてしまう。しかし、今年は、そのような過去の流れを断ち切ることができるかもしれない(?)ことを考えられるオフェンス傾向が見え隠れした開幕戦だった。 関西大学攻撃の結果だけを追うと、前半はFG・FLのあとに3連続TD、後半は、I・FG成功失敗Pと続く。春同様に敵陣エンドゾーン目前でFGに終わってしまうところに不安は残るものの、ランパスのバランスやプレー傾向などは適度に分散していた(パスターゲットを除く)こともあって、思っていた以上に完成度が高かったという印象。手駒がなかった昨年一昨年と比較すると、今年は、今後の楽しみが広がったということで個人的には感謝しています。 **** さて、関西大学得点シーンを抜き出してみると、最初のFGシリーズはQB#8石内からWR#81中村ミドルショートのパスを中心にパスをつないだ。FLシリーズはスナップ乱れが連続して攻撃リズムが悪かったが、次の第3シリーズではしっかりと立て直してきた。自陣20ヤードからワンポイント起用されたQB#19ドローとRB#43畑中のインサイド中央のパワープレーでフィールド中央付近まで進むと、WR#81中村、#15森田への短いパスとRB#22古川のオープン、最後は再びRB#43畑中の左OG付近のパワーランで10点差とする。 さらに、龍谷大学自陣での攻撃に対してDLプレッシャからのファンブルフォース、そのままリターンTD、かと思われたのだがリターナーDLのオーバーセレブレーションで取り消しとなってしまったのが惜しい。しかし、敵陣18ヤードからRB#34松下と#22古川のランプレーで7点を追加し、そして右OR#81中村の縦38ヤードのTDパスで突き放した。 関西大学QBは後半も#8石内が続く。後半第1シリーズ。友人によるとQB#8石内によるロングパスは右サイドに固まっていたとのこと、観戦メモを振り返ってみると確かにそのとおりで、龍谷大学CB#17鶴羽がレシーバー前に入ってインターセプトしたのもそのあたりで傾向を掴んでいたかもしれない。 ロングレンジのパス精度を失った関西大学だったが、後半2回目の攻撃は、パスがダメならラン突破でというシリーズになった。自陣36ヤードからRB#43畑中のパワープレーで29ヤード、13ヤードとミドルゲインを連発、途中にRB#22古川やWR#81中村を挟みつつ、RB#34松下などでエンドゾーン前10ヤードに到達する。ランパスのリズムのいいバランスアタックでのドライブは、6ヤードを残した第3D前に第3Q終了となった。 しかし、サイドチェンジの間に気合が入ったのは龍谷大学ディフェンス、一方でサイドチェンジの間に攻撃リズムが途切れて集中力を欠いてしまったのが関西大学という関係なのだろうか、OL劣勢DL優位での中央ランプレーはノーゲインに終わってしまった。 さらに第4Qでの2回の攻撃シリーズでは、TEパスや中央ポストのロングパスなどを試みているのだがほとんど成功しなかった。もっとも、春序盤の試合でも、試合毎にパスターゲットとパスコースが固定されていたような印象もあるので、第4Qは練習の意味合いもあるロングパス多投だったのだろうと考えることにした。 また冒頭にも書いたようにエンドゾーン目前に迫るとFGになってしまう傾向が続く。この試合も3FG機会がもしもTDになっていたとしたら合計6TDで立命関学と遜色のない得点結果になっていたのだが、ま、他と同じにする必要もない、関西大学ペースで試合が出来ればそれでよい。 ということで、開幕戦開催大学オフェンスは、QB#8が最後まで担当し、パワーランナーRB#43畑中と老若混在OLの連携も確立、さらに、判断いい視野の広いランテクニックとスピードを擁するRB#22古川と#34松下でプレー幅を広げ、ロングパスをWR#81中村などが担うという攻撃パターンが披露された。 次節は、神戸大学と対戦する。第1節の神戸大学を観た印象は、シーズン開幕して間もない時期であるにもかかディフェンスが十分に仕上がっている様子が伺えること。 この完成度の高い神戸大学ディフェンスに対して関西大学攻撃が機能するか。関西大学視点に立てばポイントはそこ。今回同様に攻撃側が試合のストーリーを組み立てるような展開を見たい。 **** 一方、関西大学ディフェンスだが、前掛り気味のDLがQBなりRBなりにプレッシャーをかけてスクリメージ付近までプレーをシャットアウトする状態。DL#96松原、#98寺西、#99中村などDLメンバーが随所にファインプレーを織り込んできた。 ただ、龍谷大学が中央ラン突破を盛んに繰り返すようになる第3Q序盤以降、RBが前掛りDLとすれ違ってしまってLB担当となったときに少しゲインを許すシーンが増えてくる。後半開始直後の集中力を欠く時間帯については立て直していたが、次のシリーズでも動きの鈍いシーンが少し。このようにLB陣については、いい意味では目立たなく、悪い意味で印象に残ってしまったのだが、春の試合ではもう少しLB陣が活躍するシーンもあったので、少し、想定外だった。若干、春とメンバー構成と異なっていたこともあるが、何か意図があるのか、単なる怪我人ローテーションなのか。今後の試合で少し注目しておきたい。 もっともディフェンス全体で見るとDLの壁は厚く、単発ミドルゲインは許すものの、それがコンスタントに続くことはなかった。なので、大袈裟な表現をするならばDL3人だけで試合をしているという見方も出来る。 **** 龍谷大学はオフェンスQB#11上だが先発で攻撃を組み立てる。FD更新はするのだが、相手DLのプレッシャーを前にロスするシーンもあって一進一退が続く。つまりプラスマイナスの積み重ねでは自陣からのドライブではフィールド中央までがやっと、フィールド中央スタートでなんとかFGレンジまで入れるが僅かに2回。鉄壁ディフェンス相手に全プレーでゲインするあるいはFD更新を繰り返すことの難しさを改めて示したような結果である。ある意味では関西大学のフィールドコントロールの賜物でもあるのだが。 龍谷大学オフェンスはTE#80西村、#44松尾やWRへのパスも試みていたが、DLサックも受けたりして確実性がない。そんな中で比較的よく進んでいたのがランプレーだった。RB#24岩崎、#18藤本など関西大学のタックルが甘かったこともあるが、スクリメージを抜ければオープンも中央も時々だがミドルゲインを稼ぐ。 もうひとつ注目はリターナー#6井貝のスピード判断がいいこと。未整備状態のキックカバーチーム相手では、そのままリターンTDまであるかもしれない。高速リターナーには要注意である。 (了) |
|
|