大学選手権 決勝 毎日甲子園ボウル



甲子園ボウル 



12月14日(日) 甲子園球場 13:05
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学
(西日本学生代表)
1417141055
日本大学
(東日本学生代表)
1010
(NHK映像より)
 
関西学院大学
日本大学
TD 1Q
RFL
TD
1Q
TD 2Q
FG
TD
TD
FG 2Q
3Q FL
TD
TD
3Q G×I
TD 4Q
G×
FG
G×I
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


年間最優秀選手賞:鷺野 聡(関学大)
甲子園ボウル最優秀選手賞:橋本誠司(関学大)
敢闘選手賞:高橋遼平(日本大)




 今年の甲子園ボウルは、残念ながら、数10年前に日本体育大学が出場したとき以来のテレビ観戦となってしまいました。

 敗因は、前日に、スカパーBSで乃木坂46クリスマスコンサートの生中継とその後の再生に見入ってしまったこと。よっぽど変な姿勢で真剣に見ていたのでしょう、重度の「肩こり」になってしまい、朝からめまいと吐き気が激しく、イスに座っていることもママならず。
 それでも、這うような状態で甲子園まで辿り着いたのですが、極寒の中、背もたれのないイスでの長時間は無理と判断し、日本大学のキックオフシーンだけを観て、席を立ちました。甲子園の外周道路を歩いている間に、最初の関西学院大学TDの歓声が聞こえましたが、その後は、試合情報を完全シャットアウトして帰宅、録画映像を追っかけ再生し、約1時間少々遅れで私の甲子園ボウルも終了しました。


 「肩こり」の原因となった(?)乃木坂46にはまったのは、約1年前に日曜深夜の「乃木坂ってどこ?」を観てしまったことがきっかけです。AKBとかモーニング娘も、一応、主だったメンバーの名前くらいは覚えているのですが、興味を持つまでには至らず。唯一、AKB48の柏木由紀だけ少々気になってしまい、主演した深夜のテレビドラマは録画してヘビーローテーション、さらにDVDも購入していますが。

 ところで、おそらく、皆さんの中で乃木坂46って何?という方もあると思います。そこで、簡単に概要を説明しておきます。
 公式サイトによると、2011年8月から活動開始なので、メンバーを集めたのはその半年前以上に遡り、スタッフによるコンセプト確立とチームの方向性が決まったは約1年くらい以上前になるのでしょうか。
 構成メンバーは、おそらく46人もいなく(そこまで詳しくないので、間違っているかもしれませんが)、年齢層は、上は22歳くらいで、下は中学生。ほとんど大部分は20歳前後。「卒業」などによる大きなメンバー交代はなく、まだまだ、毎年の積み重ねの時期。

 今年のNHK紅白歌合戦には出場できませんでしたが、最近ではCMでも少しずつ露出が増えています。そして、スキャンダルな出来事をセンセーショナルに扱われるようになってきたことでも判るように、世間の認知度は少しずつ上昇中です。

 このように、現時点で世の中の浸透度合いという点で、乃木坂46とAKBやモーニング娘では、立ち位置が全く異なります。でも、もしかしたら、AKBやモーニング娘であっても、そのグループの創設期に詳細を知る機会があったら、今とは考え方は違ってくるのではないかととも思います。


 ところで、乃木坂46でもトップメンバー10人くらいの役割は明確になっています。リーダー進行役、アスリート、お笑い担当、かわいい系、美しい系、早熟系、影のまとめ役、芯の強い孤独な天才、年代相応、発想豊かな、目立ちたがり、などなど。

 甲子園ボウル前日のヘビーローテーションは、クリスマスコンサートでの「孤独兄弟」、これは、今年の4月に発売されたシングル曲「気づいたら片想い」のカップリング曲です。
 白石麻衣と橋本奈々未という、いざというときには目つきが全く変わってしまうプロ意識の高いアスリート2名によるパフォーマンスに見入ってしまいました。

($)

 乃木坂46は、商業ベースなグループなので、周囲にいる大人たちは、その利益を追求するのは当然。と書いてしまうと、ミモフタモナイのですが、スタッフには「人を育てる」という大きな責任があります。

 メンバー個人の適性を見抜き、役割を与え、指導しながら、独り立ちさせなければなりません。いつの日か乃木坂の活動から離れていく頃には、年齢的には立派な大人。個人個人を、世間の、社会の流れに載せてあげなければなりません。

 活動開始が2011年8月。メンバーを集めるなどの準備を始めたのが半年前から1年前。ちょうど、今の大学4年生が大学1年生になったかならないかと同時期になります。

 そんな若者をエンターテイメントの世界で活躍できるように育て上げるスタッフと、アメリカンフットボールの世界で学生日本一を目指して全国で指導する各チームスタッフ。仕事で給料をもらっているのに対して、ボランティア無給だから、というのは言い訳にはなりません。人を指導する以上、その人の人生に対しての責任は発生しています。

 全国大会の決勝なので、関西も含めた全国に向けて発信してみました。



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●事前準備・日本大学VS法政大学

 日本大学チームを知るためにリーグ戦法政大学戦のSKYーA映像を観た。ただ、チームを知るとい目的を、たった1試合を見ただけで達成できるものではない。それもテレビ映像を通してのものならば、なおさらである。
 例えば守備DB陣の動きとかアウトサイドのレシーバは映像外なので、正確性はない。曖昧不明な部分は多い。なので、テレビ映像に映っていたのが全てではないという意識は忘れずに、それでも、甲子園ボウル前に、なにかしらの感触は知っておきたいという意図です。

 映像を通して掴んだ感触では、日本大学攻撃では、QB#18高橋のパフォーマンスが去年よりはよくなっていることと、#22と#25という日本大学エースレシーバーの番号をつけるWR#22岩松、#25西村はさすがに動きが良いという印象。さらにWR#2ブロンソンの長身は注意。
 RB#34高口と#46竹内によるランプレーでは、特に関西学院大学RB#40橋本と役割と体格の似ている#46竹内の存在は気になった。

 一方で、守備は記憶に残らないポジションがあった。なぜ法政大学のランが止まるのだろう??最終的には人が集まって走路が消えて・・・となるのだが、人が集まるまではゲインできる??ランディフェンスの要のポジションが機能していないのではないか、という感触。


 ということを踏まえて、まず最初に考えたことは、関西学院大学はラン主体のオフェンスで臨んでもいいのではないか。ランプレーなら時計も回るし、得点も見込めそう。

 ただし、RB陣で今シーズン各試合にコンスタントに起用されている選手は、#28鷺野、#40橋本、#3飯田まで。そのうち、RB#40橋本は立命館大学戦後半から欠場している。#28鷺野を多用してもいいが、次を考えると怪我が怖い、それはQB#11斎藤にスクランブルを繰り返しても同様の危険がある。本当は、もう一人くらいコンスタントにランゲインできるランナーが頭角を現してほしかった。それでも関西学院大学はランベースの攻撃を仕掛けてくるか???というところで私の妄想は終わっている。

 また、関西学院大学守備側での懸念事項は、名城大学戦で負傷したILB#57小野が不在のときに、日本大学にゲインされるプレーとその対応方法は何か。を考えていたのだがが、こちらはなんとかなる、という明確な根拠はないが楽観視。それよりも、DB陣と日本大学エースレシーバーとの対決で後手を踏むシーンがあるかもしれない・・・ここまでで妄想終了しています。

 もうひとつは、日本大学のキックカバーが甘いので関西学院大学のリターナーによるビッグリターンからのリターンTDはあるかもしれない、ということもあって、なんとか最初のキックオフシーンだけは観ました。

 甲子園で見せた日本大学キックオフのシーンですが、いろいろと考えられていて、キッカーのトリッキーな動きでキックタイミングをずらし、また、奥に蹴りこむことなく。こうして関西学院大学のリターンTDは成らずとなりました。今年はこんな工夫もあるのか・・と認識し、観戦を続けようかと、一瞬、悩んだのは事実です。

 家に戻り、HDに記録されている映像を時には早送りしながら再生。そして得点が積み重なっていく過程を観ながら私が勝手に妄想した「関西学院大学のオフェンスチームが試合前に実際に準備した」こと。それはランメインに組み立てるが、ランプレーのバリエーションをどのようにして増やすか。RB#28鷺野をレシーバー位置に入れたり、レシーバーのランキャリーが増えたり。
 そして、おそらくこの試合に向けてはランメインの練習になったのでしょう、QB#11斎藤とWRの連携がイマイチ、特に長い距離のパスのほとんどが失敗に終わっている。ここは練習メニューを変えてライスボウルに向けてしっかりと立て直してくることと思います。

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●新聞記事コメント

 試合の前後にいろいろな新聞記事をみています。記者が書く文章は参考にはしますが、それで考えが変わることはありません。しかし、当事者である各チームのスタッフや選手のコメントは、試合の側面を知る上でも、また、試合展開を考える上でも重宝しています。

 ただ、一般紙はもちろんのこと市販のスポーツ新聞でも掲載されるコメントはごく僅かです。なので、関学スポーツ・立命スポーツ・関大スポーツに記載される選手スタッフのコメントは、大変、ありがたいです。先日、立命スポーツにようやく関学戦後のコメントが載りました。そちらは各自で参考にしていただくとして。


 ここ1ヶ月でスポーツ新聞等に記載されたチーム関係者発信のコメントのなかで面白かったものが2個あります。それを紹介しておきましょう。



・「第4Q勝負になると思う」

 チームとしても対戦相手日本大学の分析は進んでいたでしょうから、ある程度以上のランゲインができる見込みはあったはず。私も上記したような感触を掴んでいたので、このコメントを見たとき、今年も二番手QBを先発させる気なのだろうかと本気で思ってしまいました。
 ただRBが重要な意味を持つのであって、QBを変えても効果は少ない・・・ならば、どんな場合に「第4Q」までもつれるのか。「第4Q勝負」になる試合展開を想像できませんでした。

 では、真意はどこに?ですが、謎です。



・「一昨年と昨年を比較して、得点は倍増、失点は半分。」

 アメリカンフットボールは得点の絶対値を競うスポーツではない。1点差でも勝ちは勝ち。安心して勝利しようと思えば、28−14とかになるが、これを80−0にする必要はない。

 大体、80点も取るためには、それなりの運動量が要求される、つまり、動かなければならない。「次の試合を控えているのに、そんなのはしんどい」と考えて、普通は、手を抜く。人とはそういう生き物です。
 守備チームも同様で、「次の試合があるので35点くらい、相手にとらせても問題ない。しんどいし、完封する必要もないし・・」という考え方が働くのは当然。

 得点差以外の評価尺度を持たないチームが相手ならば、圧倒的大差で勝利する以外の方法はないかもしれない。この季節にそんな試合をするのも疲れるが、今年はたまたまそんな相手だったということで。

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●TOKYOBOWL

 甲子園ボウルの1週間前に関西学生2位と関東学生2位のチームが対戦するTOKYOBOWLが設定された。試合結果は41−7で立命館大学の勝利している。現在、SKY−A映像を用いてチャートを作成中で、短文ですが、観戦記執筆も予定しています。

 さて、TOKYOBOWLの結果と、日本大学VS法政大学の試合結果から、今回の甲子園ボウルの試合結果はある程度類推はできた。
 それでも、「A>BかつX>Yのときに、B>YならばA>X」は必ずしも正しくはない。当日の試合の流れモメンタムの行き来によって全く別のチームなるのがアメリカンフットボールなので、試合が終わってみなければわからない、というのが正しい考え方である。結果的には「A>BかつX>YのときにA>XかつB>Y」になったが・・・。

 甲子園ボウルの興味を削ぐような企画ではあるのだが、それは、いまの力関係だからであって、将来は不明です。そして、来年以降もリーグ戦2位が出場するという現状システムの継続を希望します。
 シーズンベストな状態での東西対決が1試合だけというのは、もったいない、惜しい、という考え方と同時に、シーズンベストな状態での試合の経験人数が2倍に増える方向なので。例えば、クリスマスボウルの前座試合として、3位対3位や4位対4位も行われれば、経験人数も3倍4倍・・・
 リーグ戦の後なので万全の体制ではないのは理解できますが、それでも、3年生以下の来年のチームを担う選手にとっては、目標を体感できる良い機会だと思います。

 そして、甲子園ボウル1試合だけなら、それが大差な試合になっても、たまたまその1個、という考え方になってしまうけれども、2試合とも関西、とか、2試合ともかなりの得点差、となると、偶然ではすまない。みたいなことを書くと、上から目線と言われそうですが。

 今年から関東学生のリーグ戦がTOP8とBIG8に再編された。対戦相手が固定されるので互いに切磋琢磨して総合的にUPするのではないかと考えていた。しかし、最近、それは、間違いかもしれないと考えるようになってきている。
 そもそも関西学生は入れ替え戦はあるものの対戦相手はほぼ固定されている。それなのに孤高が続いている現状がある。実際に目の前で見る機会があって、実際に対戦もしているのに、本当に差は縮まっているのだろうか、と思うことがある。

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(了)