関西学生アメリカンフットボール Div.1 シーズン展望


Updated, 2012 Aug. 29 at 01:52 JST. (前説・関学立命龍谷神戸同大近大)
Updated, 2012 Sep. 01 at 01:14 JST. (関大・京大)



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関西学院大学・立命館大学・関西大学・京都大学・龍谷大学・神戸大学・同志社大学・近畿大学





 過去の数年、春の試合を観てその秋のリーグ戦の展望を考えてきた。今年も同じことを試みているのだが、春の試合、観戦した試合は多いのだが、種々理由で、ほとんどの観戦記が落ちてしまっている。つまり、試合内容がまとまった形にはなっていないのだが、試合を観ながら、考えたこと感じたことは、ある。また、観戦記にする前段階の「まとめ」は観戦メモに記載してある。
 つまり、観たこと・考えたこと・書きたいことはヤマほどあるのだが、それが文字になっていない。それを、頭の中に蓄積している「書きたい」ことを一気に吐き出した結果、下記のようになってしまい、まったくまとまっていないのだが、時間切れで脱稿します。

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 冒頭から残念な話題ではあるのだが、今春の関西DIV1は、5月中旬に上位対下位の対決、その2週間後に上位VS上位、下位VS下位をおこなった。上位VS下位では、JV構成の試合もいくつかあったが、上位グループと下位グループの実力差が広がってきているのではないか??という印象が強い。
 それをそのままリーグ戦に当てはめると、リーグ戦前半戦は、早々に突き放して、今春のようなJV構成での試合になってしまうのか。ただし、後述するようにいくつかのチームは3年生以下も若いチーム構成になっていることと、いくつかの新しい取り組みがあったりする。その部分も含めて観戦ポイントを作っていくと面白いだろう。

 リーグ後半戦での対決は、はっきり言って様相を呈していて、優勝争いと入れ替え戦出場争いは、まったく予想できない。願わくば、リーグ戦前半戦から、試合の行方の読めない試合を観たいのだが、とりあえず、今年は。

 今年の各チームをザックリと一言でまとめてしまうと、オフェンスの方がディフェンスよりも完成度が高くて計算できるチームが多い。ディフェンスは絶対的な強さはなくて、例えば、フィールド中央付近では、ランパス何でもズルズルと後退してしまいそうだ。ただ、レッドゾーンに侵入されてからのゴール前ディフェンスの集中力は、いずれのチームにもある。
 したがって試合展開は、攻撃主導型となって得点のたくさん入る試合が多くなるように思う。そんな得点シリーズが交互する中で、ディフェンス奮起で無得点に終わってしまう攻撃シリーズがあれば、それが最終的な「勝因/敗因」になるような試合が多くなるかもしれない。

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 今年も各試合の展望&観戦記を執筆予定していますが、昨年同様の種々の理由で記事が落ちてしまうかもしれません(とりあえず第1節展望は落ちます)が、よろしくお願いいたします。




関西学院大学
(今春の試合結果) ○29−14明治大・●10−23日本大・○23− 7龍谷大・○31−14日体大・●30−34関西大
● 7−14大産大・○30−27パナソニック・○42− 0追手門・○19− 3大院大


 昨年成績は、リーグ戦全勝で2年連続の関西制覇、単独優勝では2007年以来4年ぶりという成績を残した。今年は関西学生連覇を目指すことになる。

 今春は、よく判らない試合が続いた、というのが正直な印象、秋リーグ戦をどのようなメンバーで戦うのか、まったくもって掴めていない。例えば、DLとQBでは、昨年に引き続き今年もエース・メインとなるべくの選手がほとんど試合に出場していない。OLは昨年メンバー3名が残る予定だが、その3名が試合の中で揃ったことがなかった。
 DLは全員欠場、そしてQB#18畑。QB#18畑は5月アミノバイタルで行われた日本大学との定期戦で前半だけ出場していて、かろうじて今年の姿を見ることができたが、その後は、また出場なし。

 どこかに書いたが、昨年シーズンをライスボウルまで試合を行ったことによる負傷や身体のメンテナンスによるものだろうと思っていたが、それでも、少なくとも6月神戸ボウルでは「全員」が揃うのでは、予想していたのだが、それもなかった。

 以上の結果、QBと攻守ラインのバックアップ層の拡充はできた。実際のところ、選手層の分厚さが試合結果を左右するような展開もあり得るので、その部分に対してはケア十分。一方で、ベストメンバーでの試合を観ていない・行っていないので、実績がないという点が、少々気にかかる。想像だけで論理展開しても無駄が多いので、今春の観た試合に基づいて、とりあえず攻守を眺めてみると。

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 ということで、攻撃の起点となるOLとQBの今年のキーとなる選手が、春にプレーをあわさないまま、秋本番を迎えることになる。ケガ治療中なのか相手チームにスカウティングさせないためなのか、それとも冬までの長いシーズンを考えての「シフト」になるのかは不明。そして、オフェンスチームの方向性の真のところが掴めないのである。

 このような状況下での最大の不明点は、もしもそのメンバーが復帰してきた時に、オフェンスチームに溶け込めるのかが微妙。RBとOLのコンビネーション、QBとWRの連携、この部分は、いきなり登場してきても攻撃リズムに入り込めるのだろうか。第3Fで練習では合わせているだろうが、練習と実戦は別物である。リーグ戦序盤はそれなりに乗り切ってしまうのだろうが・・・

 OLは#79友國、#72田渕、#71和田が昨年メンバー、そこに#70月山、#74上沢、#66長森、#73木村などが加わって今年のラインズを構成する。なお、NEWERAではブルーチームのラインとして右側でプレーしていた。

 QBでは、#11斎藤メインの春だったが、QB#8前田もいくつかの試合でプレー機会はあり、試合の大勢が決してから起用されるシーンが多かったとはいえ、効率の良い得点ドライブのシーンもあった。またQB#18畑が登場することになっても、第3Fで練習は重ねていることだろうから安心な部分と不安な部分が交錯する状態。
 攻撃リーダーは、昨年の実績がそのまま引き継がれる以上のQB#18畑ならば問題なし、バックアップQBでも春の実績があるので問題はないだろう。

 今春のオフェンスチームにおいて特徴的だったもう一つの項目は、RB陣において、例年とは少し趣の異なる取り組みである。それは、FBTBの組合せでのランプレーが加わったこと。
 例えば龍谷大学戦だったかでFB#35吉澤がブロックでTB#29飯田の走路確保というシーンが何回か行われている。昨年はパワータイプのRB#43望月が登場し、今年は若い学年でFBTBの連携プレーが加った。さらに、昨年リーグ戦では若手主体のOLではブロックコンビネーションのランプレーが繰り広げられている。
 これらから考えるに、おそらく数年におよぶ長期計画でパワーフットボールもできる陣容へと変化していっている過程、変化の途中2年目になるのかもしれない。
 なお、スピード系RBも健在で、RB#6(24)鷺野、#25後藤、#2野々垣、さらに#39榎本、#4米田、#29飯田などが台頭してきている。

 WRでは、今春からIRとして#13森本がターゲットの一角として参加、#80南本、#87小山とともにインサイドターゲットは充実したラインナップを構成している。そして、高速ターゲットSEには#9梅本、#88木戸、#81大園に#82横山などが加わる。さらに、パスターゲットとしてのTEもメンバー豊富ながらパスキャッチの信頼性UPは今春の課題だったがクリアなっただろう。

 スペシャルチームでは、K#27堀本のフリーキックが距離が出るようになってきたことと、日本大学戦での50ヤード近いFG成功筆頭にFGキックは安定してきている。カバーチームとの距離タイミングの連携も試合を重ねるごとに向上してきている。そしてリターナーでは#88木戸、#9梅本のスピードに注目したい。

 以上が今年の関西学院大学攻撃の主なメンバーとそのスタイルになる。QB#18畑欠場で攻撃組み立ての方向性が見えていないのだが、大雑把に言えば、見えていないので判らない、というのが関西学院大学の特に攻撃に対する印象だ。
 開幕戦からベストメンバーで臨むか、それとも序盤は春同様のメンバー構成で臨むならば、いつごろ本格的始動なるか、大一番での窮地も難なく乗り切れるのか。期待しています。

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 ディフェンスにおいても、昨年出場していたDLメンバーのほとんどに今春出場機会がない。主将#90梶原筆頭に、#69岸、#91池永、#59前川など。もっとも、ディフェンスについては、オフェンスOLほどには、他ポジションとの連携を要しないので、今年のベストを作り上げるまでに時間はかからないと思う。
 そのような状態の中で今春の試合でプレーした次代のDLメンバーのなかで#93岡部の動きが目に付く、他にが#99朝倉、#69梶原、#95中前、などが経験を重ねた。

 このようにDLは次代のメンバーを育てるべくの春だったが、LBDBは昨年経験者がそのまま春の試合でも参加している。ならば相手攻撃を封じることが出来たかのだろうかというところは、それなりに重要なポイントとなるのだが、実際は、日大戦・関大戦・パナ戦とも失点が多い。
 この失点のDLメンバーの問題なのか、そもそも第2・3列に課題があるのだろうか。DLが全員復帰して相手攻撃が封じることができれば、DLベストメンバーの力量は絶大ということになる。しかし、もしも復帰したDLがコントロールされてしまうと、春のままのLBDBでは、日大戦関大戦パナ戦同様に、相手攻撃に突破されてしまう、ということになるのではないだろうか?????。
 したがって、今年の関西学院大学ディフェンスにおいて春から秋本番の間での変化を確認するポイントは、LBDBが、その後で成長したか?、というところがになる。
 LB#41川端、#44小野、#1池田、DB(S)#34高、#23保宗、CB#37鳥内、#14大森(CBS)というほぼ固定先発メンバーに、#16森岡、#22青木などが交代参加してファインプレーを披露している。
 ところで、フィールド内での守備リーダーは誰になるのだろうか。DL含めたメンバーの中からいざという時の精神的支柱が必要だ。

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 点の取り合いの試合になれば、つまりオフェンス機能すれば殴り合いの展開に持ち込めるが、もしも攻撃が機能しないとなると、守備がどこまでもちこたえるか、そんな試合展開になるのか。ただし今春、パナ・関大戦でも相手にリードを許しながらも切れずに追撃したのは流石。そんな試合が増えるのではないだろうか。

 再掲になるが、考えるべきことは、OLQBDL各メンバーが復帰してきた時に融合できるのかというところ。さらに攻守リーダーの役割は、窮地に陥った時に、いかにしてペースを戻すか選手を鼓舞するかというところ、それなりに経験は必要だとおもうが、攻守リーダの実戦経験がないところ。 この部分は非公開の日頃の練習の中で培うことはできるが、実戦でのそれとはやはり違うという点で、若干の不安はある。

 そして、復帰する時期は、9月開幕戦?それとも、リーグ戦後半から?それで本番全勝対決に間に合うか、そもそもリーグ戦前半で取りこぼしがないという前提のもとでの話だが。一方で、「長いシーズンを見込んだ新たな取り組み??」とも考えられる。いろいろなところで目が離せないシーズンになりそうだ。



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立命館大学
(今春の試合結果) ○31− 0名城大・○14−10関西大・○44− 0東海大・○38− 7中央大
●16−21神戸大・○41− 7早稲田・○32−16京都大・○17−14パナソニック


 昨年はリーグ戦後半戦での主戦QBの故障以降、準備していたゲームプランを実行できなくなってしまった?試合の勝敗は、フィールド内での戦いだけでなくチームの総合力(スタッフ・選手層・ベンチワーク・・)を問われるので、アクシデントが戦力・試合内容に影響するという時点で総合力の問題になってしまう。一方でいくら準備しても、時間などに限界はあるので止むを得ない、とはいうものの、という2011年シーズンだった。

 今春観戦したのはrtv映像含めて3試合。今春もQB負傷などのアクシデントに見舞われながらの試合が続いたが、結果的には充実した春シーズンだったのではないだろうか。私の個人的な考えでは、見えているものだけを検討対象項目とするならば、攻守蹴ともに、リーグ8校の中で最もいい感じで調整できているのではないかと考えている。

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 オフェンスの中心QBは4年生#12荒木が担当することになる。7月のNEWERAでは活躍シーンはなかったのだが、立命館大学チームとしてのQBとしてはいいシーンを見せている。例えば、5月末の宝が池球技場での京都大学戦では一体感のある攻撃中心となっていた。
 その試合は、京都大学の攻撃的な守備に対してどこまでQB荒木のパフォーマンスが機能するかというのが観戦ポイントだったので、立命館大学オフェンスのベストメンバーの中心で、ランパスともにリズムよく攻撃を組み立てていて、安定感のあるベストのパフォーマンスを展開した試合だった。

 もしも、6月のパナソニック戦を観戦していれば、もしかしたら、さらに確信が持てたかもしれないが、この部分は伝聞なので、除外しておく。基本的に私のページに記載している内容は、私の見たこと・考えたことで構成している。伝聞の部分は、非公式BBSの記載内容を参考にしました。
 なお、7月の混成チームでのパフォーマンスは検討対象にならない。 チーム内でのパフォーマンスが全てであり、チームとして白星を獲得すべくラインバックスと連携が取れていればそれ以上は不要。そしてバックアップQBには3年生#9山口と2年生#8前田。ともに昨年から試合経験もあり。選手層は厚い。

 攻撃の起点となるOLだが、京都大学戦印象では、昨年のような大型サイズ&スピードという驚きはなかったが、ブロックテクニックでは、今春の各チームの中では一番バランスがよかった。今春ほぼ不動のメンバーだった#50柴田、#56服部、#65福井、#79前田、#77坂口という4年生3年生入り混じったメンバー構成となる。

 攻撃バックスではRB#33長山と#21井上が健在、さらに、#19鈴木と#30上野が今春から本格的にトップチームに参戦してきている。長浜ボウルでの関西大学戦#19鈴木のスピードは脅威的で守備チームにとってはいやな存在がまた一人加わった。いずれも立命館大学RB陣の系譜にならったスピードのある技巧派というランナーで、フィールドを駆け巡ることになるだろう。
 RB陣の課題はボールセキュリティ。今春もファンブルシーンがいくつかあったが、過去には、大きな試合で命取りになっている。この部分は系譜に倣わなくてもよい。

 WRでは4年生#2宜本がミドルレンジの器用なターゲットとして健在、#11頓花は高速ターゲットとしてミドル以上ディープレンジを担当し、マジックハンドがパスキャッチ範囲を広げている。いずれも相手DBを撹乱して振り解くテクニックとコース取りは芸術品レベル。そして今年は2年生#81大貫が第3のエースターゲットとして参加することになりそうだ。
 さらに今年は、パスターゲットとしてのTE#85永野の存在が大きい。ショート〜ミドルレンジのパスターゲットとしてディフェンスを撹乱する。これら個性的多彩かつ優秀なレシーバー陣はQB#12荒木にとっても心強い存在である。
 さらにK#16佐伯もキック力も安定感が復活してきていて、今年は1点を争う重要なシーンでもFGキックを決める。

 今年の立命館大学オフェンスは、QB#12荒木とWRRBとも揃う、OLはブロックテクニックはピカイチ。先にも書いたようにオフェンスチームとしてのコンビネーションは春5月の京都大学戦時点で確立している。

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 ディフェンスもラインはほぼ固定メンバーで春の試合をこなしてきた。DE#99高橋、DT#6藤井、DT#59神山、DE#91谷本に、#41石岡、#90小山、#92高山、#54仲里などがバックアップメンバーとして試合経験を重ねた。NEWERAでDE#99高橋が反対側のボールキャリアに追いつくパフォーマンスは記憶に残る。中を突き破るDT#6藤井とともにDLの牽引役をこなす。さらにバックアップメンバーにもパワースピードある選手が揃っていて、今年も立命館大学DL陣は強烈な存在感を示すことになりそうだ。

 ところで、今年の立命館大学ディフェンスにおいて特徴的なところは、メンバー表や試合中のシチュエーションによって、フォーメーション4−2−5になっていることだろう。LB2人でDB5人という構成だが、実質的にはOLBとSの兼任である。最近では3年前に関西大学が採用し、昨年はリーグ戦終盤以降で関西学院大学も取り入れている。
 主旨は広いサイドのOLBの守備範囲をもう少し広げる、パスにもランにも対応させるというもので、このポジションを担当するために要求されるスキル(スピード・判断力)は半端なく高度なものになる。
 関西大学と関西学院大学がLB表記でこのポジションに起用しているのに対して、立命館大学はDB表記でこのポジションにつけているだけの違いである。(動きとポジションが若干DBよりなのは、やはりDB出身だからだろうか)

 LBは#51石井、#52太田、#39田口、#66山本、#42森川などが担当するが、春の試合での負傷が気になるところ。DBはCB#13石井が健在、さらに#7大関、#24北村で、OLB兼任Sには#22西川、#23脇などが担当する。


 リーグ8チームの今春の試合内容を見てみると(そもそも対象とする試合の選別が難しいのだが)、最も失点の少ないのが立命館大学ディフェンス、ということになる。例年以上に攻撃的なディフェンスパフォーマンスが見られそうだが、一方で、オーバーリアクションの課題も出てきそうな守備バックスではある。

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 立命館大学のオフェンスチームは、他校と違って、今年のトップメンバーで数試合をこなしていて結果を出している、実績があるというところでは安心感がある。ディフェンスは挑戦的なシーズンになりそうだが立命館大学のカラーに似合ったパフォーマンスが繰り広げられるかも。

 今年の攻守チームの選手構成を見ると3年生が幅を利かせている。そんな年はチーム全体が良い方向に回ることが多い。リーグ優勝が2008年、2010年と隔年現象が続くが、そんな神頼みみたいなことをしなくてもいい。今年は関西トップ奪還を目指すシーズンである。攻守蹴パフォーマンス、楽しみにしています。



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関西大学
(今春の試合結果) ○26−20法政大・●10−14立命館・○ 8− 7同志社
○34−30関学大・●23−24早稲田・●21−59パナソニック・○25−16近畿大


 過去3年間の成績は、単独優勝→同率優勝→3位というものになる。「下降線」と言えなくもないが、ここの順位差は紙一重、一つのプレー成否がそのまま順位につながる。ただし、一つのプレー成功と言えども一朝一夕に得られるものではない。という点でも今春の試合内容は微妙だった。

 全8チームの春の試合内容と結果は、それなりに私の考えていたとおりの内容であったり、それ以上の内容だったりするのだが、関西大学だけは想像していたところよりもマイナス目で終わっている。
 気合の入った関学戦を見ることができただけで満足するべきなのかもしれない。だがその後の早稲田大学戦・近畿大学戦が調整モードだった???のか、思ったよりも接戦になってしまったこともあるが、点数とは関係なく、気合不足??何が何でも勝ちたいという勢いが感じられない、静かな試合だったところが気になっている。

 春の試合は、チーム方針にしたがって試合毎に役割がある。その目的目標は外部に漏れることはない。そのチーム方針を知らない私が、勝手な思い込みと見た目だけの試合内容の乖離で、思い入れが激しかった分だけマイナス分が多かった、といわれても迷惑な話だとは思う。重々承知なのだが、私の中では、選手層の「厚さ」の部分とおなじくらい「熱さ」という点にも、若干の不安が残ってしまった春でした。

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 攻撃の司令塔QBは、3年QB#18北川をメインのスターターに、バックアップには1年生#14岸村、#5石内の両名が控える。さらにRB兼任で#22前田と2年生#16渡邉も大学公式WEBの選手名簿ではQBの記載もされているが、RBQB兼任・RBWR兼任・WRRB兼任と兼任選手が多いので通常の範囲内ではある。さらに1年生にはライン兼任可能な重量と身長を兼ね備えたQB候補も現れそう???な勢いだ。

 今春の試合では、長浜ボウルではQB#18北川が序盤だけ担当、その後は#14岸村が1年生らしからぬパフォーマンスを展開した。その後の試合でも両名の併用が続いた。春の試合なので、それなりに調整ポイントがあっての起用法なのだろうが、最終的には、昨年もリーグ戦経験あり、いろいろと経験を重ねているQB#北川が攻撃チームを束ねることになるだろう。

 QB北川については昨年以降、いくつかの試合でパフォーマンスを見てきているが、特筆すべきは、身体のサイズが大きくなって重量が増えたところだ。パスドロップバックからのQBドローは徐々に威力を増してきている。狙いはあの時と同じ攻撃スタイル。
 パスについては好不調の波は残っていたが、それも春試合を重ねるごとに少しずつ良い方向に向かいつつある。そしてパスが繋がるようになれば、サイズの大きくなったQBスクランブルに破壊力があることは周知のとおり。パス精度がUPすれば文字通りのエースQBとしてする。

 1年生QB#14岸村は、長浜ボウルや関西学院大学戦で見せた判断力も魅力がある。リーグ戦序盤はこの両名を中心にしたオフェンス組み立てになるかもしれない。だがQB併用からQB#18北川が一本立ちするならば、そのままシーズン延長もありうる。そして#22前田はワンポイント起用でチェンジオブペースまたはサプライズまで。

 RBでは、TBのエース#22前田の存在が際立つ。春は#34井上、#24梅原、#25松田など絶対的エースに追随するランナーのプレー機会が多かった。秋本番はその経験を生かしてTB層拡充を期待したい。そして#99宗實はFBとSBとしてリードブロック役とパワープレーランナー&ショートパスターゲットというボールキャリアを担当する。

 WRには4年生#17長島、3年生#7高崎というレンジマルチな器用な両巨頭に、快速#88木下が加わってディープターゲットに名を連ねた。そしてTE#2高木がミドルレンジのパスターゲットとして君臨、ハンドリングのいいダイナミックなパスキャッチシーンを見せてくれる。さらに春の試合ではRB#24梅原と#16渡邉にもパスキャッチの記録があり、関西大学オフェンスチームの兼任ぶりは現れている。

 そして攻撃を支えるOLは、#76吉川、#56林田、#64向井、#57阪口、#75長田、#59抱に、#50北浦、#53坂口、#52中谷などが次代のメンバーとして加わる。昨年リーグ戦ほどにはサイズ&パワーの脅威を感じられなかったのは、春の試合だったからだろうか。

 スペシャルチームでは、リターナーとしての#88木下にも期待したい。高速リターンからの一発TDプレーは春だけで2回。秋リーグ戦ではマークされてキックコースを外される可能性もあるが、その存在は脅威。
 なお、今春の試合では、PATシーンでロンリーセンターからの2ポイントを2回(同志社大学・近畿大学=私が観戦した分のみ)試みていていずれも成功させている。)。秋本番でも用いるかどうかは不明だが、得点が1点でも多ければ白星、あるいは、同点引分狙いのシーンで、この経験は生きるはず。

 オフェンススタイルは、ミドルレンジまでの飛距離のパスとレシーバーの脚力タレントでビッグゲインを狙う。さらにラインとFBTBによるパワーランとQBスクランブルでかき回す、そんなオフェンスを目指すことになりそうだ。方向性は見えている。最後はパス精度。オフェンスは今年もパス成功率が鍵を握ることになりそうだ。

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 ディフェンスは各ポジションともに昨年の主要メンバーが残る。だが春の試合を観る限りは、何故か経験値を生かせていないような印象。やれば出来るだろうが経験していないことはできない。昨年出来ても今年は出来なかったということはよくある。ここをクリアすれば開けるが、クリアしないとはまるかもしれない。

 ラインはDT#68清家、DE#91池井、DE#10小林、DT#72藤原という布陣に、#90市村、#93新川、#8中野という次代のメンバーが加わる。特筆すべきは、やはりDT#68清家の存在でNEWERAでは2人ブロックで対応。圧倒的存在感を示していた。来年のことは来年考えればよいのだが、そのあとを引き継ぐ選手の突き上げを春に見ておきたかったのだが、DLに限らないのだが選手層という点で若干の不安が残る。

 LBは、ILBに#45林、OLBは#41牧野と#44島澤、という布陣もありながら、IとOを交代するなどしていろいろなメンバーの組み合わせを試みていた。さらに、ILB#96澤田やOLBに2年生#55東條、1年生#48岡崎、さらに、私はパナ戦を観戦していないのだが、メンバー表によると(大学公式WEBで確認済・現在リンク切れ?)DB#1砂川がLBとして記載されている。どのようなポジションでプレーに参加したかも含めて実際のところは不明だが。

 試行錯誤の意図するところは、ILBの重責を果たせる人材の発掘と、OLBの見極めというところになるのだろう。最終的にはどのようか布陣になるのか不明だが、メンバー構成の適正を見極めるような起用方法が続いている。DLほどには人材不足感はないポジションだが、序盤戦は試行錯誤が続くかも。こんな構成になるかもという個人的な案はあるのだが、今年も記載省略。

 DBはスピードのある守備範囲の広い選手が多い。Sに#23伊東、#30中谷、#35左海、#9玉城、CB#3平井、#47森本、#15小畑というメンバーが春の試合に出場して試合経験を積んでいる。

 今春の関西大学の試合を観戦するにあたって戦前展開予想と実際の姿で大きくかけ離れてしまったのが、冒頭に記したように、早稲田大学戦と近畿大学戦だった。早稲田大学の大型OLにコントロールされてランプレーが止まらず、半JV構成の近畿大学攻撃に対して、JV構成の守備陣ではランドライブをとめられなかった。各ポジションには、ビッグネームが存在するが、ディフェンスチームとしてディフェンス網として、春の時点では確立していなかったことと、選手層の薄さが課題。
 もうひとつは、守備チームのキーマンは誰か、いざというときのまとめ役が必要だが、春は、そのようなシーンがなかった?もっとも、今春は主将DB#1砂川がサイドラインにいる時間が多かったが秋本番は違うだろう。
 一方で、苦しかった早稲田大学近畿大学戦でキャプテンシーのある次代の選手が出てきていれいれば、その試合の戦況は変わっただろうし、今秋以降の展望も開けたのだが。春の試合で、フィールド内からディフェンスメンバー全体をコントロールするシーンを見てみたかった。

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 春の試合ではWR#17長島、#7高崎、RB#22前田、DB(S)主将#1砂川のプレー機会は極少数で、攻守ともに選手層拡大に費やしている。その結果、苦しい試合もあるなかで経験を積んだ実績は秋本番に繋がる。もっとも、反対の見方をすれば、関西学院大学と同様に見えていない部分・春の試合で経験しなかった項目がある、ということにつながる。私の中で秋本番にむけて展望がなかなか描けなかったので、「シーズン展望UP」が最後になってしまいました。

 さらには冒頭に記したように個人的には6月7月の試合が、言葉は悪いが中途半端な印象がぬぐいきれない。私の理想とチーム方針が大きくかけ離れていただけのことなのだが・・・
 5月末の関西学院大学戦の観戦までで止めておけばまた印象が変わったのかもしれないが、観てしまった以上は・・という状況。どちらに転がるか判らないが、おそらく開幕戦や第2節あたりで、方向性は見えてくるだろう、その後で考えます。

 個人鄭にはモヤモヤしたものが残ったままシーズンを迎える。杞憂に終わってほしい。思い過ごしならば上記展望のうちかなりの部分が役に立たないだろう。だが、一昨年から続く紙一重の部分が、今年も「分厚い紙」という結果になるのか、否か。開幕戦、期待しています。



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京都大学
(今春の試合結果) ○42− 0同志社・○42−13東京大・○20−14近畿大・●16−32立命館
△14−14アサ飲・○56−14北海道・●14−27日本大


 昨年リーグ戦は龍谷大学戦引分・同志社大学戦敗退と、序盤戦の成績が良くなかったが、それでも後半戦関西学院大学相手にあわや、最終戦関西大学戦は相手モチベーションもあったが完勝で3勝3敗1分けの4位を確保した。
 今春、観戦したのは2試合、うち1試合は映像のみという状況で、もう少し観戦しておきたかったのだが、近畿大学戦でもほぼベストメンバーだったので今年のチームの方向性はつかめるだろうと思っている。

 春の試合での特徴は、例年通り、攻撃が時間のかかる重厚なドライブでフィールドポジションを進めるというスタイルになっていること、そして守備チームの失点は、ほぼ2TDまで(立命館大学戦第3Q終了時点までで2TD、日本大学戦はチーム公式WEBのスタッツによるとリターンTD2個含むので)という攻守とも重厚なスタイルは今年も変わらない。ただし守備バックスについては若干スピードも加わっているのが今年の特徴でもあり、楽しみなところになる。

 今秋リーグ戦、序盤戦の取りこぼしなく後半戦に突入することになれば、台風の目以上の成績も過言ではない。そんな陣容になっている。改めていうのもなんだが、毎年、この位置をキープできているチーム力がすばらしい。例年以上の結果になることを期待しています。

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 NEWERAでのQB#小原のパフォーマンスは秀逸だった。まだ3年生だが、冷静沈着な頭脳はそのまま攻撃中心となる。パスとQBキープのラン判断は一発でビッグゲインの可能性を秘める。一方でバックアップQBの存在が見えなかったのは観戦したのが2試合だけだったからだろう。JV戦も数試合行っているようなので問題ないだろう。

 RBは#21高木が最終学年でランテクニックに磨きがかかる。そして3年生#27岡部が後継者となるべくボールキャリア回数が増えていた。#21高木とはタイプの違うTBだが楽しみな存在である。他に#35田嶋、#22山中が次代のランナーとして参加していた。
 FBにはTE登録の#93水越のプレー機会が多かったのも春の特徴。FBとしてのボールキャリアとなったりリードブロッカーとして重責を果たしていたのが印象的。当然、パスターゲットにもなり得るマルチプルな存在である。FBには昨年までもプレー機会のある#33田原も健在だ。
 そしてTEには#87畠野が存在していてミドルレンジまでのパスターゲットとなる。さらに#93水越との両TEのパワープレーも考えられる、今年もそのような重たいオフェンスを展開することが出来るRBTE陣容になっている。

 ここ数年、TEへの縦パスが攻撃プレー幅を広げるキープレーになりそうな試合組み立てになっているのだが、肝心のパス精度がイマイチで、ほしいところでQBTE間の呼吸が合わない。という残念感が際立つのはそれだけ重要なプレーであり要所での失敗が強く印象に刻まれてしまっているからだろう。ここでゲインできるようになるだけで、全体的な攻撃のバリエーションが充実するのは間違いない。

 攻撃ラインOLは、#77岡田、#72山内、#55白坂、#57上森、#79西本にTE#87畠野というラインナップになる。大きくて重たいのだが、近畿大学戦でスピードあるディフェンス陣に中央から差し込まれてバックスが迷うシーンがあったり。その後若干の修正があったのだろう立命館大学戦では中を抜かれるシーンは少なくなったが、外側から回りこまれるシーンは残っていた。ラインの連携・ブロックテクニックという点ではイマイチ課題の残る2試合だったが、さて、ひと夏超えてラインの整備は出来ただろうか。

 WRでは、4年生SE#1上廣のマジックハンドに注目したい。ショート〜ミドルレンジ以上のマルチターゲットでCBとの駆け引きも群を抜くテクニックを有する。NEWERAでのQB#19小原とのコンビネーションプレーによるトントン拍子のパスドライブは印象に残る。秋本番では相手ディフェンスによるマークは厳しくなるだろうので、2人だけで大きくゲインするシーンは少ないかもしれないが、マークをミスればロングゲイン必至のコンビであることは間違いない。
 4年生#8薮田は派手さはないのだが、重要なところで確実にパスキャッチできる安定感のあるミドルレンジのレシーバとして活躍する。なお、私が観戦した試合でのパスキャッチ記録はないが#81杉本、#88近西、#10井上などがセットしている。

 今年の京都大学オフェンスも、ドライブに時間がかかる傾向をそのまま引き継ぐことになりそうだが、攻撃方針が全くブレていない証拠でもある。冷静なQBもまだ3年目、楽しみなシーズンになるのは間違いない。

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 一方でディフェンスだが、冒頭に記したように、春の試合での失点は少ない。立命館大学の項でリーグ8校中失点の少ないディフェンスと記述したが、京都大学ディフェンスも同じようなことがいえる。
 攻撃側で試合時間を使うという特徴は、そのまま相手チームの攻撃時間が短くなっていき、それに比例して失点が少なくなるという構図になるが、それでもーロスコアに抑えているという実績は重要なポイントだろう。

 今春の試合、と言っても映像含めて観戦したのは2試合のみで、攻撃チームほどには特徴を捉えきれていないのだが、観戦した近畿大学戦と立命館大学戦では、DLはDE#94柴田、NG#96冨田、DE#44坂口または#4番矢による3メンを採用するシーンがあった。#94柴田、#96冨田はいずれも3年生だがDLの中心的存在で攻撃的なラインを構成する。
 LBに4人を配し、ILB#37藤城、#48白石、OLBに#40西川と#98森田というのが今春のメンバー、そしてここに主将??#54巌が加わる。立命館大学戦では4人のバランス等々悲喜交々だったが運動量が落ちことがなかったのが印象に残る。ILB両名は3年生で4年生がOLBという布陣は春の試合らしい。試合経験を重ね、ひと夏超えての成長に期待したい。
 フォーメーションは、試合とシチュエーション毎に4−3と3−4を使い分けることになるのではないだろうか。

 そして今年の第3列DB陣は鉄壁メンバーが揃った。1年生の春に宝が池で鮮烈デビューしたCB#24大岡も4年生を迎える。その守備範囲の広さとプレー判断、ボールに飛びつく果敢なプレースタイルには是非とも注目したい。今春#24大岡によるパスインターセプトは、近畿大学戦と立命館大学で1個ずつ記録している。攻撃側も#24大岡サイドへのパスには十分に注意することになるだろうが、試合展開によっては必須になるし、中央ポストパターンは十分に守備範囲にである。
 CB#24大岡に負けず劣らずのアグレッシブなSが、ともに2年生の#99高橋と#29吉村。試合経験は少ないだろうがその判断とスピードは近畿大学戦で十二分に披露してチームに溶け込んでいた。そして反対側のCBを4年生#30池田が担当する第3列・最終列は、ロースコアディフェンスの大きな構成要因である。

 今年の京都大学ディフェンス陣は、鉄壁DBとLBにスピードのある守備範囲の広い選手が揃った。そしてDLには重たい破壊力のある選手が並ぶ理想的な布陣になっている。

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 オフェンスは時間をかけたドライブを展開、守備チームは重さにスピードが加わって失点を抑える。春、5月以降の試合でDIV1相手に3TD以内しか獲得できていないが、失点もほぼ2TD以内という攻守傾向は、例年通りのスタイルになる。なので、課題も例年通り。つまり、それは今年に始まったことではないので、対策ノウハウはチーム内に蓄積されている範囲内で十分だろう。それを実戦でこなせるか、というところが最大のポイントになるのだが、今年のチームは攻守ともに大きな不安点がないので、夏あたりから細かいレベルまで調整が出来るのではないだろうか。
 京都大学らしい試合展開の一つであって、最悪なのが、例えば今春日本大学戦。スタッツ(京都大学公式WEBより)によると、攻撃時間、獲得距離ともに相手の倍近くもあるのだが、なぜか黒星、というパターンは、チーム雰囲気が悪くなる。このような試合展開に陥らない方法はないものだろうか。

 今年の京都大学は攻守ともにバランスよく充実しているので、いい方向に回転すれば優勝争いの鍵を握る(自身優勝含めて)存在になる。前半戦全勝で勝ち抜くことが最低の前提条件だが、そうなれば後半戦最初の関西学院大学戦は面白い試合になりそうだ。スタッフ新体制の船出1年目。期待しています。



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龍谷大学
(今春の試合結果) ○34−21甲南大・● 7−23関学大・△20−20同志社
●35−42大教大・●21−24エレコム神戸・●22−28神戸大


 一昨年の入れ替え戦でDIV1復帰し、昨年はリーグ戦2勝3敗1分けで5位という成績を残す。今年は更なるステップアップの年だが、DIV1復帰の牽引役となったRBの卒業は、やはり、触れないわけには行かない。昨年当はプレー機会が少なくなっていたとは言え、関西学生得点ランキング2位(1位はK大西)という功績卒業は影響が大きい。(ちなみに3位立命K佐伯、4位WR#7堀)
 もっとも、学生チームなので卒業によってチームカラーが変わるのは止むを得ないこと。いかにその変化に対応すべきかというチーム方針の立案と導きは、最上級生の学生と常駐スタッフに課された重要な大きな責務である。

 そして今春の龍谷大学の試合の観戦ポイントの一つは、攻撃プランをどのような方向性で再構築するか、というところにあった。結果的には、RB交代もスムーズに果たすことが出来、さらにパスターゲットも増えてきていて、トータルでは攻撃手段の建て直しに成功したと言える。実際に観戦したのは映像観戦1試合含めた合計3試合だが、得点力は昨年同様にまで戻る可能性を見せた。
 一方でディフェンスは、現地観戦した2試合ともでランドライブを許してしまっていたのが印象に残る。そこであぶりだされた課題を修正すべく、ひと夏を超えて、ディフェンスはどのように変化していっただろうか、というところが秋リーグ戦でのポイントになりそうだ。

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 QBは4年生#6上西と2年生#12竹内の2人体制併用スタイルで春の試合を行っていた。どちらのQBもパスで苦しんでいるような印象で、ほしいときにヒットしたパスは数えるほど、というところに不安が少し残らなくもないが。
 だが、そのヒットしたパス1本だけで、得点に繋がった同志社大学戦、フィールドポジションを大きく改善した神戸大学戦と、一発で攻撃シチュエーションを逆転・改善・好転できる、そんなパス飛距離とレシーバースピードを備えたのが今年の龍谷大学パスの特徴である。

 スピードある珠玉のレシーバー陣は、昨年までの試合経験豊富な4年生#7堀と#19高山、そして、3年生#1新田、2年生#11持田という布陣。4年生両名は、DIV1各DBとの対戦経験が豊富で1対1での駆け引きテクニックで優位に立てるスピードレシーバーである。そして#1新田が本格的に高速ターゲットとして参加するようになり、2年生#11持田は春から超快速でフィールドを賑わしている。

 このように、スピードのあるレシーバーが多数存在するので、ディフェンスとしても単純にダブルカバーマークなどでは対応できないかも。パスディフェンスの甘いチームに対してはディープパス1本で得点出来る陣容である。
 課題は、冒頭から何回も記しているようにQBコントロールとQBWR連携の成熟。もしもパス成功率が高まれば、オフェンスの不安点は全て解消してしまう。パスの安定性が試合展開そのものを大きく左右するのは間違いない。ので、ひと夏超えて再登場する秋本番、まずはパス精度に注目したい。

 RBについては、卒業生の穴をいかにして埋めるかが今春の課題だったが、どうやら杞憂に終わりそうだ。昨年も試合経験のあるTB#9吉田をメインに、#26大倉、#35肥後などが今春の試合に参加、また、6月の神戸大学戦では大学公式WEBメンバー表でTE記載のある#3林田がメインのランナーとして活躍している。スピードのTBは#9吉田に対してRB#3林田は重いランナーと、プレータイプにも広がりが出てくる多彩なメンバーが揃った。

 OLは#50山崎、#57岡澤、#52中島、#76北野、#72渡上、TE#2田村という布陣で、攻撃スタイルは、ランパスバランスよく組み立てつつ、要所の好ターゲットを生かしたロングパス1本で主導権握る、そんなパターンになるか。期待しています。

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 守備は、今年も攻撃的なメンバーが揃い、スピードはあるが、オーバーリアクションなのだろうか後追いするシーンが多かったような。冒頭に記したように、現地観戦した2試合(同志社大学戦・神戸大学戦)だけでも失点が多く、そもそも相手攻撃にロングドライブを許すシリーズ自体が多い。

 DLは#99木下、#97西村、#42森、#92小林、#91関、#51竹原など。LB#44金山、#22高、#49正岡、#54平野、そして、DB#28大久保、#25関谷、#13出村、#16廣吉という布陣。なお、昨年インターセプトを量産した4年生DB#4橋本と#21岡田の両名が先発ラインナップには名を連ねていない若いメンバー主体で春の試合を行っている。

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 今春の龍谷大学公式WEBメンバー表によると、4年生9人、3年生9人、2年生22人、1年生16人という人数構成になっていて、2年>(4年+3年)というかなり若いチームになっている。したがって、春の試合の最大目標は試合経験ということになる。さらに攻撃のプラン練り直しと再建色の強いシーズンになった。

 攻守それぞれで見てきたが、攻撃側は全体的に昨年のRBに依存した体制からの脱却が見込める様子で、ランプレーでは#9吉田筆頭にして今年のプレースタイルを確立できた。QBのパス精度確立すれば、さらなる得点力アップが見込める。
 一方でディフェンスについてはまずドライブされないようにというところだが、春時点ではディフェンスの方向性そのものが見えなかったので、成長に期待。
春を見た限りでは、リーグ戦前半は特に守備面で苦戦しそうな様子だが攻撃がカバーしつつ後半戦に臨みたい。ということでDIV1定着のための2012年シーズンだが、今年の経験は来年以降にも十分に生きてくる楽しみなチームです。期待しています。



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神戸大学
(今春の試合結果) ○24−22大教大・△13−13甲南大・○45− 0横国大・○21−16立命館
●13−23近畿大・○35− 3桃院大・○28−22龍谷大


 今春も、昨年に引き続いて、春に最も多く試合を見たチームが神戸大学になる。4月の2試合ではどんなことになろうかと心配したのだが、杞憂に終わったようだ。5月は半JVだったが立命館大学に勝利、近畿大学にはキャッチアップオフェンスを展開し、あと一歩まで迫った。
 ただし6月の桃山学院大学・龍谷大学戦でも、まったく同じ内容・同じ選手構成で「8Q」を費やしてしまったのは少々残念・・・という合計6試合を観戦した。

 昨年リーグ戦は、2勝5敗6位という成績を残す。特有の実習が微妙にシーズン結果に影を落とすが、今年はどのようなシーズンを送ることになるだろうか。期待しています。

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 今年の神戸大学オフェンスは、4月の最初の試合からランドライブだけは安定感があった。RB#9羽星、#7林による個人技的なランプレーは確実に計算できていたが、少しずつだがOLブロックも整備されていく。
 その状態で迎えた5月近畿大学戦、今春唯一の黒星となった試合だが、試合前半をパス中心の組み立てとするもののドライブできず、反対に得点差を広げられてしまう苦しい展開。止む無く、ラン偏重にすると試合の流れが一変して、神戸大学ペースになっていく。結果は追撃間に合わずに黒星となったが、ランによるドライブ力を見せ付けた試合になった。

 しかし、6月の2試合もランドライブだけで圧倒してしまったことのは、個人的には少々残念。パスの練習をしてほしかった、ということと、ディフェンスチームに緊張感漂う試合展開を経験させてほしかった、という2個。さらには、来年以降の選手構成でランドライブ力の確認・・・などなど、試みるべきことはたくさんあったのだが・・・

 攻撃を支えるOLには、#76有川、#67佐原、#64木村、#79旛福、#77吉田がほぼ固定メンバーで春の試合を戦っている。4月時点では、まだRB個人技でのランゲインという様子だったが、5月以降はラインブロックが機能するようになってきて、中央からOT付近まででボールキャリアが抜けていく様子はある意味圧巻だった。秋リーグ戦、序盤から機能するかパスの成功率との兼ね合いになるが、楽しみな攻撃ラインである。

 RBでは、#9羽星が4年生としての絶対的エースとして君臨、足腰の強いランナーで、セカンドエフォートの重要性も熟知した走りの姿に注目したい。そして今春は、3年生#30吉田がTBの後継者として台頭、ボールキャリア回数が多くなっている。

 今年の神戸大学ランオフェンスのキーマンになるのが、FB#45植田の存在だ。パワーランナーとしてのボールキャリアとなったり、TBのためのブロック役として走路を確保するのは当然のこととして、あるときは、遅れて出てくるショートターゲットレシーバーという大役をこなす。
 サイズは横に大きくて重いがダイナミックな運動量があってFBに適任な存在である。さらにパスキャッチのハンドリングテクニックも秀逸で、キャッチ後のランではディフェンス陣を跳ね飛ばす勢い。
 RB#45植田のある意味でトリッキーなプレーが成功すれば、単純なランパスもゲイン計算できる、チームのプレー選択肢を広げる重要な役割を担う。

 QBは4年生#7林がスターター3年目で集大成のシーズンを迎える。試合経験は豊富で年を重ねるごとにQBとしての深みが出てきている。昨年はパス精度が良かったという印象だったので、今春のパス不調が個人的には想定外なところとなるが、その分、秋本番は期待したい。
 今春のパス不調の対比で光っていたのが、キープのラン。TB#9羽星などとのフェイクプレーが効果的でビッグゲインを稼いでいた。OLRBとQBの連携によるランプレーバリエーションは神戸大学オフェンスの今年の特徴である。
 バックアップQBは#4尾原が担当、私が観戦した試合ではほとんどプレー機会がなかったが、非公開?のJV戦もたくさん行っているようなので試合経験に関しては問題ないだろう。

 WRには4年生#19塩見、#82岩本、#84橋本、#88水野、3年生#81麻生と、珠玉が揃う。いずれも、数年前からリーグ戦先発メンバーに名を連ねる逸材で、酸いも甘いも経験値は豊富、スピード・駆け引き・キャッチハンドリング、それぞれに特徴のある多彩なレシーバ陣である。また今春は2年生TE#92久保が活躍、TEらしいダイナミックなレシーバーとして楽しみな後継者が現れてきている。

 なお、冒頭に記したように、今春の試合ではQBWRパス連携に安定感を欠く状態。成功率の高い試合・面白いようにパスが通る時間帯もあれば、まったく不調なシーンもあり「パス攻撃は水物」をそのまま実践していた。
 立命館大学戦勝利の立役者はQBWRのパス。映像で見ただけだが、第4QのWR#82岩本と#81麻生による渾身のパスキャッチは芸術品。潜在能力はあることは十分に示した。あとはハイレベルでの安定化、のみ。QBの項でも書いたが、昨年までの実績があるので、パスの成功率を昨年並みに戻すことは困難ではないは思ってはいるが、今年の実績がないだけに、秋本番では、まず最初に確認したい項目である。

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 DLは、DT#94都間、DE#92白石、DT#58舟町、DE#55嶋崎というメンバーに#89小西、#96大津が加わる陣容。DT#94都間が中央で大きな壁となり、#55嶋崎は守備範囲の広いDEとして、そしてDE#89小西はその長身で、攻撃にプレッシャーをかける。昨年終了時点で今年のDLメンバーを考えていた時、ウイークポイントになるかと思っていたのだが、昨年以上に鉄壁なラインとして再構築なった。

 LBは、守護神ILB#8長渕を核にして、OLBに#43中澤、#41高松、#42佐々井、#34笹池など。特に3年生#34笹池は守備範囲の広いアグレッシブな動きを披露していたのが印象に残る。ILB#8長渕は中央でディフェンス全体に目を配る重要な役割を果たしながら、ほぼ毎回ボールキャリアに絡む判断は今年も健在だ。

 DBは、試合を通じて整備されてきたSと、もう少し時間がかかりそう?なCBという状況である。春の試合では相手攻撃にCBを狙い撃ちされるシーンが続出、これが失点の増えた要因でもある。CBには複数名の選手を起用して、経験を重ねた結果、経験値を積んだ選手人数は増えたが、ほとんどが苦い経験値を積んでしまった様子。ひと夏超えて課題がクリアできていれば良いのだが。苦い経験が逆効果になっていないか心配な面もある。

 一方でSは、#27長谷川、#24山岡、#17井角などが試合を重ねるごとにファインプレーが出てくる状態で頼もしい存在になってきている。ラン対応は万全、あとは、CBとの絡みもあるレシーバー対応。

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 今年の神戸大学オフェンス、手段系はラン・パスにと多岐にわたる。豊富なWRにFBもターゲットに加わった長短パス、そしてパス精度向上なれば、得意とするところのTBQBFBによるインサイドラン突破もゲインできる。そんな相乗効果が見込めるオフェンス陣容になった。

 ただし、リーグ戦前半、QB#7林+RB#9羽星+FB#45植田によるリードブロッカーつきの中央ランドライブは、上位校相手に通用するか。ここは微妙で、上位校とイーブンとするためにも守備撹乱のためにもパス成功は必須条件になる。その練習に6月の2試合をあててほしかった、と冒頭に書いことにつながるのですが、その分は、夏に解決しているに違いない。

 もしも中央ランでゲインできないとき、それでもランプレーに固執しすぎると、前半戦で怪我人続出という懸念もある。だが、昨年までと比べると、全体的に選手のサイズが大きくなっているように見える。そもそも、春の試合、一人のキャリア、同じプレーを続けたことでキャリー回数が尋常ではない数値にもかかわらず、怪我をしなかったところは、いい意味で、神戸大学らしくない。期待しています。

 一方で守備については、冒頭に書いたように4月の試合では不安な部分があった。それはリードして終盤を迎えたとき、相手攻撃にずるずるとドライブを許す状態が続いたこと。ズルズルと後退する時の対処方法・断ち切る方法を掴んだか、ここの確認が出来ていないこと。DB特にCB陣は、どこまで修正できたか。最後までWR(SE)に縦を抜かれていて、ロングパス1本で失点してしまう可能性が消えないままシーズンに突入することになるのだろうか???そしてDLLBも、オープンへ展開されたときに不安が残るサイドがある。さらには、春後半になればなるほど、DLLBのメンバーが固定されていまった、バックアップの選手層が気にかかる。と不安点ばかり列挙してしまったが、6月の2試合で方向性でも見せてくれていたら・・と思う。

 これらを踏まえての秋本番だが、守備は3個の課題が解決できていれば失点は少なくなりそうだが、いかに。オフェンスは得点を重ねることが出来そうだが、守備が失点をどこまで抑えることが出来るか。そんな攻守の力関係になるが、期待しています。



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同志社大学
(今春の試合結果) ○51− 0大経大・● 0−42京都大・○16− 6大産大・△14−14立教大
● 7− 8関西大・△20−20龍谷大・● 3−30慶應大・○21− 0天理大


 昨年成績は2勝5敗で6位だったが対戦成績で7位扱いとなって入れ替え戦に出場、大阪教育大学との試合は20−17という僅差ながらもかろうじて逃げ切り勝ち、DIV1残留を決めた。昨年の攻撃チームは春からいいリズムでパスランバランスよくドライブできていたのだが、キープレーを見せすぎた?かもしれない。秋開幕戦の早い段階で相手ディフェンスに対応され、その後は封印せざるを得ない状況に陥る。その後に攻撃手段を立て直すも間に合わず、そんなシーズンだったように思う。

 そこを踏まえると、今春の極端なランプレー指向は、なにか仕掛けがあるのではないかと勘ぐってしまう。今春観戦したのは、5月の立教大学戦・関西大学戦・龍谷大学戦の3試合。そのなかでパスプレーは立教大学戦での4試行2成功のみという、極端なラン偏重オフェンスを展開した。チームの意図する本当のところは秋本番の試合展開を見てみないと判らないが、少なくともランプレーに関するRBOLWRの完成度UPは達成できた。

 春の課題、オフェンスチームについてはパスプレーの経験値が少ない???こととだが、とりあえず仕掛けは作った。本番ではどのような試合を見せてくれるのだろうか。秋本番の試合展開と星勘定を考えるためには、守備チームと攻撃チームのバランスが重要なポイントになってくると思う。その部分も含めて、攻守詳細について示していく。

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 春シーズンのオフェンスチームについては、上記した内容だけ、と言っても過言ではない。そして、5月の3試合の中でOLは十分に整備できて、選手層も厚くなったのがよくわかる、そんな3試合だった。 

 立教大学戦ではOLが押し込まれるシーンが続いたが、その後の試合でのライン活躍を見ると、全力ではなかった???と勘ぐってしまう。その1週間後の関西大学戦ではC#72西田と両Gのブロックが効果的に決まり、さらに2週間後の龍谷大学戦ではRGとRTのブロックが強烈で右サイドはフリー状態、そして右をフェイクにして中央もゲインという荒稼ぎ状態だった。

 OLは、LT#77山口、LG#56岩田、C#72西田、RG#79足立、RT#59トン光耀プレストンというほぼ固定メンバーで、RGとRTは1年生というところが驚異的。さらに3年2名2年1名という若い選手で構成されているので、来年もOLは安泰である。そしてチーム副将のOL#庄林は今春欠場??という少数精鋭部隊となった。

 RBのランコースは3試合3様で、立教大学戦ではオープンへ展開、関西大学戦は中央付近のみだが、龍谷大学戦ではOTまで幅を広がっている。RBキャリアは、#1山崎、#2主将中島、#21斉藤、#3植田、#4土屋など。重量級・技巧派・スピードタイプ等々タイプの違うランナーが揃っていて頼もしい。

 QBは、私が観戦した春の試合では一貫して#14中沖が起用され続けている。立教大学戦、関西大学戦、龍谷大学戦とも、QB#14中沖による、キープランはビッグゲインを稼いでいた。丁寧なハンドオフによる中央RBラン突破のプレーが続くなかで、ハンドオフフェイクの自身のキープは、ディフェンス視点に立てば、対応しにくいプレーであろう、さらに、スクリメージを抜けるスピードとその後のランコース判断などは絶妙。昨年シーズンもリーグ戦出場していて経験もあり、まだ3年生だがエースQBとしてチームの牽引役となる。

 レシーバーは、観戦メモおよび先発メンバー表によると、4年生#84岡井、#18新宅、3年生#89門谷、#11足立など。冒頭に記した立教大学戦4回中2回成功のターゲットはIR#11足立。ミドルレンジまでのタイミングパスも試みていたがそれは2失敗になった。

 春、観戦できなかったのが6月の慶應義塾大学戦。龍谷大学戦観戦記の中で「慶應義塾大学戦ではパスを投げますか??」と書いたのだが、どうやらパスを何回か試みているようだ。
 友人が「チーム公式FBにパスを投げようとしているような写真が掲載されている」と教えてくれたので調べてみた。すると#18新宅と#84岡井がパスレシーブしているようなシーン、および、QBがボールを投げているような画像を確認できた。スタッツがないのでパス試行回数と成功率は不明だが、春最終戦ではパスを投げた、ということで。

 「蹴る」の部門においては、立教大学戦でFGを外し関西大学戦ではセットできず、龍谷大学戦でもPATキック失敗が最終的に影響してしまい、苦しい試合が続いてしまった。しかし、その分だけホルダー&キッカーが成長した春シーズンでもあろう。秋本番でも1点が勝敗を決める厳しいシーンが続くと思われるが、そんなプレッシャーがかかる状況を経験したことは大きい。期待しています。

 以上が今年の同志社大学オフェンス陣容になる。ランドライブのオフェンスについては、RBOLの連携とWRによるブロックに目処がついた春シーズンだった。ここまで徹底したランプレーの経験を重ねているのだから、おそらくは、QB#14中沖によるQBキープを筆頭に、一発TDになるようにデザインされているランプレーがあるだろう。

 だが、パスは??どうなのだろうか、関大戦で芸術的なブロックを見せたWR#84岡井筆頭に、徹底してリードブロッカーとしてランナーの走路確保に徹していたのが印象に残るが、さて。パスプレー機会自体が少ない春シーズンだった。メンバー的にはスピードテクニック経験ありというタレントが揃っているので、秋本番は期待しています。

 おそらく、春から秋までの間の時間では、パスプレーの整備も加わって、最終的なオフェンススタイルが完成することになるだろうが、ランプレー中心になることはおそらく間違いないだろう。そこに成功率の高いパスが数本でも通れば、攻撃パターンは確立する。秋本番、どのようなオフェンススタイルで登場してくるのだろうか、とても楽しみにしています。

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 オフェンスチームが春の段階で今年の方向性が垣間見えている状態、であることと比較すると、ディフェンスは、若干の不安を残す、というのが春を終わった時点での個人的なイメージ、になる。もっとも、今春の試合結果を見てみると最大でも3TD程度の失点は、そんなに悪い内容ではなく、かと言って十分とはいい難い微妙な数値。

 個々の試合では、立教大学戦でDLがコントロールされ続けたが、半JVの関西大学に対しては機能した。かと思えば、龍谷大学戦ではまたもドライブを許し、と安定性に欠く。慶應義塾大学戦でも失点が多いが、攻撃側の失点の可能性などの内訳不明なので保留。

 春のように得点に時間がかかりそうな攻撃スタイルを目指すのであれば、もう少し頑強なディフェンスチームであれば安心感が生まれ、一方で攻撃にもう少し得点力があれば、この程度の失点があっても不安にはならない。つまり、攻撃と守備のバランスの問題になる。

 今春メンバーは、DL#75高田、#92川口、#91平林、#90野上、LBは、OLB#52高田、OLB#44板倉、ILB#53糸井など。さらに#45北野も加わって3−4を目指した時間帯もある。

 DBは、CBに#24川口、#5市川、#22鄭、そしてSは、#9吉川と#23水田という陣容。特にSの両名の守備範囲の広さは際立つ。#9吉川は2年生の時から少しずつスタートメンバーに名を連ねるようになり、いくつもファインプレーを見せていた。そこに昨年あたりから#23水田が加わって鉄壁な最終列を構成するようになっていく。両名による連携2年目のシーズン、最終列で文字通りの守護神となる。

 第1・2列の選手は3年生と4年生中心で、ほぼ全員は昨年までも試合経験のあるメンバー、特に1年生当時から先発メンバーに名を連ねるLBなど、試合経験は十分。DB(S)も上記のとおり。なので、昨年以上の守備チームになるはずだ。ひと夏超えての再登場の姿を楽しみにしています。

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 春、私が観戦した3試合は、いずれも競った試合になっているが、そのストーリーに従えなかったのが6月の慶應義塾大学戦なのだろうか。最終スコア3−30という点数だけを見ると、ディフェンス崩壊???して失点先行してしまい、キャッチアップオフェンスのパスではドライブできず??というシーンを想像してしまうのだが、これは、あくまでも仮定の話。見ていない試合を類推する材料が乏しいので、保留とします。(他に試合がなければ、見所満載だったので観戦したい試合だったのだが、止むを得ず欠席しました)

 慶應義塾大学戦の観戦ポイントは、オフェンスでは上記のとおりにパスを投げるのか、そしてディフェンスについても上記のとおり、得点力のある攻撃チームと対戦したときでも機能するのか。そして、もしも相手得点が先行した時に、オフェンスチームはそれでも時間を消費する傾向になるランドライブに執着するか、それともパスを投げてキャッチアップを目指す??そのときのQBWRTESBとのパス連携精度は??というところが攻守それぞれの観戦ポイントになる。そして、それらは、そのまま、秋リーグ戦での同志社大学攻守の方向性を示すことになるだろう、それを春のうちに覗いてみたかった。

 このような項目ポイントが秋リーグ戦本番での観戦ポイントになることは間違いなく、白星/黒星が決まっていく要因になる。攻撃パターンのバランス、そして、得点失点の重なり方のバランス、これらがチーム勝敗の鍵を握ることになりそうだ。

 また、春の極端な方向性か時間の経過とともにチーム全体がまとまっていく、このような組み立て方による完成品を見たい、楽しみなチームです。



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近畿大学
(今春の試合結果) ○35−18明学大・●20−14京都大・○23−13神戸大
○22− 3大産大・○28− 0専修大・●10−32中央大・●16−25関西大


 今春、近畿大学が出場する試合のなかで観戦予定だったのは、京都大学戦と神戸大学戦の2試合のみ、だった。

 だが、欠席した京都大学戦をrtv映像で観て興奮さめやらぬまま、その翌日に神戸大学戦を観戦、こうして観戦する試合の追加を決心する。6月中旬、専修大学との定期戦は早稲田VS明治と関西高校決勝との3択となったが、前日深夜まで悩みまくり、最終的には3試合の試合展開を予想して万博へ赴くこととした。スコアだけから判断すれば、かなり良い選択だった、と、試合展開を考えて重複日程を乗り切るテクニックは衰えていないことを確認できたという点でも満足した日でした。

 そして関西大学Gでの試合にも参加した。この試合の観戦記も落ちてしまったが、いろいろと考えるべきシーンの多い試合だったので、簡単に触れておくと。
 関西大学がJV構成になりそうなことは戦前から予想できていたのだが、実は、近畿大学もかなりの部分でJV構成だったことに、あとで気付いた。当日、関西大学のメンバー表は配布していたが、近畿大学は配布していなかった。いつもなら、カバンの中に過去の試合の観戦メモやメンバー表が入っているのだが、たまたま整理していしまっていたので、近畿大学選手構成については全く判らないままの観戦となる。
 そして、この「秋シーズン展望」を執筆するにあたり、観戦メモを見ながら今春の試合を振り返っていたときに、VS関西大学での近畿大学攻守選手が見えてきた、その結果、いくつかのポジションで若手起用(JV)だったことが判明する。

 試合は、前半、近畿大学OLがオーバーパワーしてランドライブが止まらず、2回のロングドライブを得点に繋げる。ディフェンスも、関西大学OLと互角以上に組む状態が続いた。
 その後、関西大学がリターンTDとQB北川のパスドライブなどで試合を逆転、後半も近畿大学ランドライブは止まらなかったが、関西大学守備チームが大幅にメンバー交代したことで試合の大勢が決した。

 詳細検討は必要だが、JVでは互角の戦力関係と表現しても良いのだろうか。つまり、近畿大学攻守は、今年よりも来年よりも再来年・・・と、徐々にステップアップしていくかもしれない長期の展望が描けるチームになっているかも、という一端を垣間見たという試合だった。

 そもそもが2試合だけの観戦予定だったところを、さらに追加で見ておきたい、と、思わせてくれただけでも感謝したいところなのに、さらに、数年レベル長期スパンでの楽しみを与えてくれたことを、感謝しています。本当にありがとうございます。

 昨年の近畿大学はDIV2でのシーズンとなったが、リーグ戦を6戦完勝で乗り切って入れ替え戦出場、そして甲南大学と対戦して17−10で勝利、1年でDIV1復帰を果たした。昨年からチームスタッフが大幅に入れ替わっていたのだが観戦機会がなく、私にとって実質的には今春初めて近畿大学の新スタッフに触れることになる。

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 オフェンスQBは3名で、4年生#16龍野と3年生#7中田、そして1年生#10小幡。京都大学戦と神戸大学戦ではQB#16龍野と#7中田、専修大学戦と関西大学戦が#16龍野と#10小幡の交互起用だった。タイプ的には3名ともランパスバランスアタックのできるQBだが、同じようなタイプで、いずれもランに比べてパス精度が若干心配というところと、自身のキープランではゲインできるという点でも、選手層は厚い。

 RBでは1年生ながら春からスピード全開の#28久保の存在が光る。そして、今年の近畿大学RB陣は選手層が分厚く、TB#35高石、#27福田、#28久保、FB#43神山、FB&TB#99荒木というメンバーが交代出場していた。
 その「交代出場」自体が特徴的で、FBとTBがセットになって1プレー毎にサイドラインとフィールドを出たり入ったり。例えば専修大学戦では(FB#43神山・TB#35高石)と(FB#99荒木・TB#28久保)の2セットで、1プレー毎のローテーションでプレー参加をしている状態確認。
 RBユニットが、サイドラインスタッフの決めたプレーを持って入って、次のプレーが行われる、というスタイルになっている。

 こうして、RBQBとも超重厚な選手層を構成するようになり、攻撃組み立てのプレー幅が広がり、指示系統も安全確実充実と、一昨年とは全く違ったオフェンススタイルになっている。

 レシーバーも1年生#88金田が快速レシーバーとして大活躍、神戸大学戦FG追撃のきっかけとなった高速パスレシーブ2回合計57ヤードは驚異的だった。RB#28久保とともに1年生には今後が楽しみな選手が揃っている。
 そして近畿大学のエースレシーバーは4年生#17千々岩と#82岩本。今年もIR#17千々岩のマジックハンドによる器用なレシーブテクニックを楽しみにしています。他に3年生#21藤井、#13山下などが名を連ねる。

 攻撃を支えるOLは、#55田畑、#52鈴木、#75張、#54南、#51中島、TE#85山田など。#55田畑を筆頭に堅実なブロックでRB突破のための走路確保を実行している。選手層は若干薄めで4年〜2年の老若男で構成されていて、試合経験を重ねていく。

 課題はQBWRの連携に安定感がないこと。専修大学戦は試合序盤で何回かパスを試みていたのだが、パス失敗を繰り返して攻撃のリズムが乱れてくる。そのまま試合の流れ・モメンタムが専修大学に傾きそうになったところで、完全にパスを諦めてランプレーオンリーに徹して勝利を収める、という方向に方針転換をしたように見えた。

   もっともパス機会自体もランプレーと比較するとそれほど多くはなく(専修:R54回・P6回、神戸:R29回・P8回、京大:R25回・P26回。連盟公式ページスタッツより)、春はランプレーの精度向上を目指すというオフェンス方針だったのだろうので、秋本番ではQBWRの高度な連携シーンを楽しみにしています。

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 DLのスタートメンバーは、DE#91巽、DT#97南、DT#96松田、DE#9倉脇まど。京都大学戦ではDT#97南と#96松田がOLの隙間から侵入してキャリアをショートゲインで仕留めるする前掛かりなシーンを何回も見ることができた。3年生#97南と2年生DT#96松田のサイズとスピードは守備チームにとって面倒な存在になりそうだ。
 そして両DEには4年生#91倉脇と#91巽がセット、両名とも数年前から先発メンバーに名を連ねているアスリートで試合経験は豊富である。守備ラインもOL同様に少数精鋭メンバーによる。

 LBは、OLB#4綾部、ILB#8平尾、OLB#2杉山と#24西など。ILB#8平尾の存在感は大きく両OLBは守備範囲が広い。さらに関西大学戦では#1(1年生塚本??)の動きが目に付いた。DLDBと比べると派手さはないが、その分、勢いのDLDBとの対比で、守備全体のバランスはいい。

 DBはCBに#25藤井と#11池田、Sは#5望月とS#31岡田という構成に#45金沢などが交代出場している。CBがレシーバーとの1対1に果敢に挑んでパスカットやインターセプトシーンが多い。Sはパスカバーとランサポートともに秀逸と、スピードがあって守備範囲が広いのが特徴である。専修大学戦では相手攻撃プランが限定的だったことを差し引いてもS#5望月のプレー判断とボールキャリアを追い込む動きに見とれてしまいました。
 DB(CBとS)のスキルが、4名とも同じようにハイレベルで安定しているという選手構成は珍しい。上記メンバーの中で4年生は#11池田のみなので来年も安泰だ。

 最終列がディフェンス網として安定していると安心してみていられる。またDLLBにはスピードある選手が揃っていてキャリアとのすれ違いも発生するかもしれないが、背後に完璧な網が控えているとなれば躊躇する必要はない。前掛かりな積極果敢なブリッツのフォローをDB陣に任せることが出来るという安心感は、そのままディフェンス力アップにつながっている。

 このスピードと正確さを兼ね備えたディフェンス陣は、京都大学戦第1Q自陣エンドゾーン前まで迫られながらFGに止め、専修大学戦でもレッドゾーンディフェンスを無失点で切り抜けている。集中力と一体感のあるディフェンスという点ではかなり充実していると思う。関西の試合では最大でも2TD失までなのだが、中央大学戦の32失点の内訳と選手構成を知りたい。

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(以下別途)



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 以上、今年の各チームの傾向を見てきたが、冒頭にも書いたように、力の差が広がってきているように思うところがある一方で、各チームともに、いろいろと新しい試みも見えてきているシーズンでもある。

 上位4校では、今年のスタイルを春時点で実戦経験したチーム2校と、少なくとも実戦では試みていない2チーム。攻守のリーダーと選手間の連携について本文で触れた。その他の項目含めて4校4様の取り組み方は、優勝争いを大きく左右することになる。リーグ戦後半は全勝対決で始まるかどうかも含めて、どのような試合を繰り広げることになるか、楽しみにしています。

 4校のなかでは、若手もスタートメンバーに名を連ねるチームが多く、そのようなチームほど、いろいろと新しい取り組みがあったりする。その新しい試みが、シーズン終了後にどのようか結果につながるかは判らないが、今年単独のものでなく中長期的な視点での取り組みならば、来年以降への期待にも繋がる。そういう意味でも重要な意味を持つ秋リーグ戦になりそうだ。もちろん、その結果の一端が今年秋の試合の中で見えてくれば、戦前考えていたような試合結果にはならないかも、リーグ戦前半から波乱が起きる可能性も、というカードもある。

 チーム毎に千差万別で各様さまざまな取り組み方の春シーズンだった。冒頭では「差が広がった??」などと書いたが、シーズンが終了した時点で、それは誤りだったということになるかもしれない。



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 関西学生DIV1のリーグ戦展望の下書きがほぼ完成しかけた金曜夕刻、ニュースを見つけた。

 関東学生一部リーグは、現在のABの2ブロックブロック16校によるリーグ戦を見直して、2014年から実質8校によるリーグ戦になるらしい。今回の変更のメインは、一部リーグは16校のまま、全日本学生選手権大会への出場権は8校で争う、というところ。そして41回の歴史がある関東大学選手権大会もなくなるらしい(形を変えて継続する可能性もあるかもしれませんので・・・この校全文の詳細および正しいところは、こちらで確認してください)
 20120年のABブロック別けをそのまま1ブロック16校に合体すると、下のようなリーグ戦星取表になる。



[*]日法明中東早体慶立専一関上都神学
日大*・・・・・・・−−−−−−−−
法政・*・・・・・・−−−−−−−−
明大・・*・・・・・−−−−−−−−
中央・・・*・・・・−−−−−−−−
東京・・・・*・・・−−−−−−−−
早大・・・・・*・・−−−−−−−−
日体・・・・・・*・−−−−−−−−
慶應・・・・・・・*−−−−−−−−
立教−−−−−−−−*・・・・・・・
専修−−−−−−−−・*・・・・・・
一橋−−−−−−−−・・*・・・・・
関東−−−−−−−−・・・*・・・・
上智−−−−−−−−・・・・*・・・
東都−−−−−−−−・・・・・*・・
神大−−−−−−−−・・・・・・*・
学習−−−−−−−−・・・・・・・*