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最終スコアは12−0と低調ではあるのだが、神戸大学視点に立てば今後が楽しみな雰囲気、甲南大学視点に立てば春序盤らしい手詰まり感漂い今後の成長を待つ、そんな試合だった。 神戸大学オフェンス陣は、ラインが昨年メンバーから大きく変わるものの、バックスはQB筆頭にRBWRとも昨年に引き続く選手が存在しているので、コンビネーションはいい感じに整っていた。ここで成長が止まってしまうのではないかと危惧するのだが、そんなことはないと信じている。 先週の大阪教育大学戦ではOLが押し込まれていて攻撃手詰まりだったのだが、この試合はライン戦で終始優位な状況にあり、さらにランパスバランスアタックとプレーコールが冴えていて、攻撃リズムは良かった。 前半、神戸大学は甲南大学にパスを奪われること5回という大荒れな数字が残っているのだが、トータルではパス成功22回、失敗6回(うち5インターセプト)(QB#7林:成功13回、失敗6回、QB#4尾原:成功8回、失敗1回)パス成功率78%になる(私のメモによるので公式数値ではありません)公式数値は、おそらくパス失敗回数が若干増えるかもしれません・・・どこかに公式数値はありませんでしょうか??? インターセプトは甲南大学DB#24田中が2回、#1中津、#18延原が1回づつ、そして残り3秒からLBにインターセプトの計5個。ミドルレンジのパスコースに、WRが到達するよりも先に甲南大学DB陣が位置どっていた、そんなインターセプトだった。 神戸大学のパス成功となったコースのほとんどは、5ヤード程度のSEやFLへのクイックパス。WR82岩本、#81麻生、#80稲葉、#19塩見、#11中島がターゲットとなっている。 このような外側へのパスを用いつつ、RB#9羽星、#26大仲のインサイド中央突破ランを織り交ぜるので、甲南大学ディフェンスは少しずつ混乱していく。試合後半の神戸大学ペースは、このようにして作られていった。 FB#45植田とOLの好ブロックとの連携、さらに両RBのセカンドエフォートもあって確実に5ヤード以上をゲインする状態で、最終的にはQBドローでも大きく距離を稼いでいる。 QBは#7林が先発、その後#4尾原とほぼ交互起用で、同じようなスタイルなのでチーム全体への負担はなさそう。なお、先週の大阪教育大学戦では#14原田も出場していた。 6月の対社会人神戸エレコムとの試合で、攻守ともに同じようなパフォーマンスになるか。注目しています。 ******** 甲南大学ディフェンスは5回のパスインターセプト。神戸大学側のパスミスというよりは、むしろ甲南大学DB陣の好判断を見るべきで、昨年から活躍していたメンバーが多く残るDB陣によるミドルレンジのパスディフェンスは、他チームからは脅威になりそうだ。 しかし、DLLBは神戸大学攻撃側のオフェンスコールの妙とパワーで分断されてしまった。DB(S)がランディフェンスにももっと積極的に対応していたらと思わなくもないが、このあたりは春序盤の試合なので、今後に期待します。 甲南大学オフェンスもQB#3永吉、#13小野による。RB#29三谷、#34永井のランプレーも序盤はゲインしていたが、神戸大学OLB#8長渕、DB(S)#2梅本、などのマークが厳しくなると距離が出なくなっていく。最終的にはQBのキープでミドルゲインするものの実質は「プレー崩れ」によるものでなので、狙って出来るようなプレーではない。 今年の甲南大学、特にオフェンス陣は、かなり芯の強いメンバーが揃っていそうなので、まとまれば面白いチームになりそう、昨年シーズン終了後からそんなことを考えている。次戦を楽しみにしています。 |
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日本大学オフェンスは、試合前半はFD更新ドライブを重ねるが、後半は4シリーズ連続でFD更新なし。第4Qの残り2分になって関西学院大学ディフェンスも形を変えるようになってからようやくFD更新なる状況。 ただし第1Qの第2シリーズでRBランとWRパスのバランスアタックを展開、それもセットバック隊形とショットガンセットを半々に用いるというある意味では積極策でプレーを組み立てた。おそらく、このシリーズが、今の日本大学オフェンスにおいて最も安定かつ着実にゲインできるプレーを集めたのではないだろうか。RB#21原田、#4藤田、WR#81遠藤、#2秋山2へのランパスをつなげてのTDドライブとなった。 そして、その後の日本大学攻撃スタイルでは、少しずつパス比率が高まってくる。対する関西学院大学DB陣のパスディフェンスは、第2シリーズ含めて少しずつパスタイミングに合うようになっていき、DB陣による何度かのパスファインカットが続き、そしてDB#23保宗、#25大森による2シリーズ連続のパスインターセプトとなった。 それでも日本大学はパス中心の組み立てが続く。第3QもQB#10安藤は変わらず。ミドルパスにWRQBのタイミングが合わなくなっていきFD更新できなくなっていくのだが、前半2回のインターセプトが効いたのか、そもそもスタミナ切れということなのだろうか。 ただし、第3Q最後まで、QBのボールにはスピードがあって美しい弾道を描いていて、WR陣には足の速い選手が揃っていてる。願わくばは、WR陣のボールへの執着心が高ければというところだが、そのあたりも含めてQBWRの課題になりそうだ。 そして、もしも、このQBWRの連携が完成するのであれば、ランとパスのバランスアタックは、並のディフェンスでは止まらなくなるのではないだろうか。秋本番に向けて、そんな潜在能力を感じさせる日本大学オフェンスだった。 ******** 日本大学オフェンススタイルの今季の特徴になるだろうRB両名の存在をアピールした唯一のシリーズで得点を挙げるという完成度の高いランプレーを披露したのは1回のみ。その後は、パス連携の完成度を高めることを意図したオフェンス組み立てになっている。これが日本大学得点が1TDのみの理由である。 関西学院大学の視点に立てば、ディフェンスにおいてインサイド中央のランディフェンスが課題というのは今年も引き継がれてしまうのではないか、という印象を刻んだ日本大学の得点ドライブだった。 だが、その後は日本大学がパス比率を高めたために、DB陣のパスディフェンスについては好アピールできたものの、ウイークポイントについては練習すらできない試合になってしまった。 ******** 関西学院大学オフェンスと日本大学ディフェンスの攻防についても、関西学院大学がQBに#18畑が先発し第4Q終盤に#6斉藤を起用という変化はあるものの、攻撃スタイル自体であまり多くのことを試みていないので、オフェンスの幅が判りにくい関西学院大学オフェンスの取り組みだった。 RB#43望月とRB#2野々垣、さらに第3Qには#28雑賀などを起用するものの、OLブロックとはあまり関係ないところでのRB望月のパワーランがミドルゲインを重ねる。 関西学院大学に久しぶりにパワーランナーが登場となったのだが、RB#43望月以外には同様のランナーは出場していない。選手層の問題なのか否かは不明。徹底的にボールを持たされていたところの意図するところは、実戦経験を重ねるところに重点を置いたから、なのだろうか。 さらにRB#2野々垣も、雑賀もRB個人のステップや視野を拠りどころにする攻撃パターンは、昨年と同じスタイルを目指していくのだろうか。この試合では、先発QBは3年生、さらにTBのスピードランナーも欠場なので、本当のところは判らない試合である。 さらにQB#18畑からのパスはクイック〜ミドルでいくつかヒットしているのだが、昨年までと比較するとレシーバーとのコンビネーションが良くなっているのではないかという印象を受けた。 以上が今春の関西学院大学の最初の試合を見てのザックリとした感想。今春残りの試合をどのように取り組んでいくのか、それが秋にどのようにつながっていくのか。あるいは来年を見据えたことなのか。選手にも注目だが、年間ストーリーを管理しているスタッフにも注目していきたい。 |
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関西学院大学オフェンスは、第一シリーズ、フィールド中央付近からRB#43望月の連続キャリーとWR#87小山へのパスヒットでFD更新、さらにサイドパスとRB#43望月のパワー中央突破19ヤードでエンドゾーン目前に迫り、残り4ヤードもRB#43望月によるランで得点を獲得する。 第2シリーズでは、QB#18畑からSE#16和田への59ヤードロングパス1本で追加点を上げ、さらに、ディフェンスもファンブルボールを拾い上げてのリターンTD。第2Q早々に3TD差になる。 最終的には50点ゲームになるかと思ったのだが、ここから得点が伸び悩むのは、勝敗が決したからなのか、それとも、関西大学ディフェンスが目覚めたからなのか。 まだ第2Q始まったばかりだったが、集中力が途切れてしまったのは、私だけではないはず、であってほしい。 関西学院大学オフェンスはその後4シリーズ連続でFD更新できず。第3Qにランプレーで一度更新も、その後はエクスチェンジミス発生などで再び手詰まりに陥った。 第4Qに入ってRB#28雑賀の中央突破ミドルゲイン2回とRB#43望月のTDランで目覚めたのだが、むしろこの時間帯でもエースRBを起用しなければならないのかという台所事情のほうが気になるところだ。 ******** 関西学院大学オフェンスが手詰まっていた時間帯、目立っていたのは、当然の如く、関西大学ディフェンス陣。DL#68清家が再三のマイナスゲインを奪い、DL#10小林、LB#36林がランプレーをソロで対応、そしてレッドゾーンでのショートアウトのパスをインターセプトリターンTDしたDB#4谷など。 ちなみに、この時間帯の選手構成は、DL#68清家、#91池井、#74藤原、#10小林、LB#36林、#47井上、#44島澤、#39、DB#3平井、#4谷、#11中谷、#30中谷、#31左海など。老若男女入り乱れた起用方法もさることながら、昨年とは違ったポジションへのコンバートなのか視野拡大のためなのか、と、いろいろと考えることが多すぎる構成になっている。 ******** 関西大学オフェンスも、インサイドラン突破でドライブ出来そうな感触を得たのにもかかわらず、そこを攻撃するのを止めてしまい、徹底的に出来ないこと、苦手なところをメインに据えたオフェンス組み立て。 オフェンス陣容もディフェンス同様に、来年以降の中心メンバーと今年の中心になって欲しい選手の練成に徹した。 もっとも、来年中心選手は今年のバックアップメンバーでもあるので今年の戦力の底上げにつながる。さらに昨年までの試合経験も少ない選手には経験値を積み上げることに主眼を置いた起用方法である。 OLスタートメンバーは、#59向井、#72西田、#51五ノ井、#56林田、#57阪口。QBは#19井上と#7高崎の併用(比率でいうと7:3くらい??)で最終2シリーズを#92北川が担当した。 RBでは#21松谷、#26井角を主戦に、昨年今年ともTE登録になっている#2高木がTBを経験、レシーバーではWR#86平山、#18岡、#7高崎、#25田中など。 細かく見れば、ランプレーユニットとパスプレーユニットで若干傾向が異なり、関西大学の取り組み方の詳細が見て取れるところ。詳しくは示さないが、そのようなところに気付くと、試合結果に一喜一憂する必要もなくなる。 オフェンス全体のイメージとしては得点能力・ドライブ力が課題に挙げられるのだろうが、パスコースによってはミドルゲインコースも垣間見えるようになってきた。春、私の観戦2試合目である。 攻守ともども昨年3年で試合経験があって今年4年で出場していない選手は、いつ出場してくるのか。このあたりも楽しみなところ。もしかしたら秋本番までプレースタイルを見ることがないかもしれない??? ******** ということで、関西学院大学ディフェンスは、日本大学戦に続いて関西大学にも、インサイド中央突破のランプレーに対して鍛えられることなく終わってしまった。 一方でDBは#23保宗が日本大学戦に続いてパスインターセプトを披露するなど合計4回のパス奪取とパスに対しては堅守が続く。 先発メンバーとある時点のメンバーを DB#4香山、#12重田、#34高、#25大森、#23保宗、LB#41川端、#56阪本、#8池田、DL#90梶原、#69岸、#96池永、#98長島など。 次は、岡山にて京都大学OLのパワーフットボールと対戦することになる。おそらく、いままでとは違った風景になるのではないかと思うのだが・・・春の試合なので参考程度まで。 |
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先発メンバーと主な出場選手だが、立命館大学オフェンスはQB#15谷口が1試合担当、バックスではRB#21井上、#29長山がメインで担当、WRも#83岡部、#88、TE#85など昨年の試合経験の少ない選手を中心に起用していて、主戦メンバーはほとんど出場していない。OLは再建の年なので4年生中心も、長浜ボウルに続き、フレッシュな構成になっている。 それと比べるとディフェンス陣は、どちらかと言えば、今年の中心メンバーで組まれていた。さらに京都大学については、攻守ともほぼ今年のメンバーによる。 オフェンスQBは#17今村が先発、第2シリーズのみQB#19小原に交代したが、その後は#17今村によるバランスアタックで展開していった。 ******** この試合は、立命館大学、京都大学ともに、見るところの多い、また、いい意味で考えさせられる内容が盛りだくさんで、今春のベストゲーム(その1)になるのではないだろうか。 第1Q、京都大学のミスパントによって立命館大学は敵陣25ヤードで攻撃権を得ると、QB#15谷口のカウンターキープが炸裂する。カウンター動作に釣られた京都大学ディフェンス陣の裏スペースを独走余裕のキープラン、1プレーでTDを獲得する。 さらに立命館大学第3シリーズもフィールド中央から、TB#21井上による左OTプレーがスピードのミスマッチとなって京都大学ディフェンス陣の間隙を縫って45ヤードのビッグゲインを奪うと、再びボールキャリアとなったTB#21井上の中央突破ランでエンドゾーンへ達した。 だが、試合前半の立命館大学FD獲得回数はわずかに2回(#21井上のビッグゲインと終盤のスイーププレー。なお、正確にはQB#15谷口のカウンターTDプレーもFD更新1回にカウントされる) QB谷口の3連続パス失敗や、RBのインサイドラン突破に対して京都大学ディフェンスDLLB#84福田、DB#15後藤などが反応よくショートゲインに止められる。こうしてFD更新できない攻撃権シリーズが3回ある。 こうして、試合前半の立命館大学オフェンスが消費した時間は合計しても7分にならない。さすがに立命館大学ディフェンスも疲弊してしまったのか、それとも、京都大学攻撃陣陣に手を変え品を変えて探りをいれる機会が増えた結果なのか。 立命館大学ディフェンス陣容が今年のベストに近い構成だったにもかかわらず、京都大学の攻撃に手詰まり感はなかった。 ********** 京都大学オフェンスは、QB#17今村による。ミドルレンジのパスもありキープランあり、さらに#21高木のスピードを生かしてRBに起用したりレシーバーになったり。 手駒としては必要最小数なのだが、巧妙に組み合わせることによって、ディフェンス陣を、前後にストレッチ、ランかパスか迷わすことができるバランスのいいプレーが揃っている。 第2QのTDドライブは、こうして立命館大学ディフェンスを揺さぶった結果のものだった。 皮切りは、自陣32ヤードからWR#1上廣へのクイックパス13ヤード。そして次がQB#17今村のドローキープで12ヤードゲイン。さらにRB#21高木の中央突破は京都大学OLパワーが立命館大学DLを粉砕してのもので28ヤードのビッグゲインとなった。 ランプレーとパスプレーのコンビネーションを巧妙に交ぜて併せた揺さぶりの仕上げは、敵陣16ヤードでのフリーズからのTE#87畠野パス。わずかなタイミングのズレがフリーターゲットを生み出して中央へTDぱすがヒットした。 ******** 試合前半は、立命館大学2TD14点、京都大学1TD6点(PATキック失敗)。立命館大学はオフェンスが時間を使わず、京都大学はランパスの見事なバランスアタックを披露した。そして後半。 ******** 先攻立命館大学が7分以上を費やすロングドライブの末にFG3点を追加する。QB#15谷口のパスは前半同様に成功率は悪い「印象」なのだが、パスコースによって率がまったく異なるようだ。 前回長浜ボウルでも感じたのだが、コーナーへのパスはミドルレンジ以上になると格段に悪くなる。ショートアウトのクイックパスはそこそこ精度がいい。そして、ミドルレンジの中央ポスト縦のパスが距離を稼ぐ。この日のターゲットはTE#89安藤で13ヤードのパス成功など。 反対にインサイド中央を突くRB#21井上にはDB#15後藤、#30池田などがタックルで絡みつきショートゲインに押さえ込まれている。ショートパスとショートゲインランの積み重ねの結果によるロングドライブなので、前半の速攻とは趣が異なる。 OLの力不足は負傷者交代の影響等を考慮しても、前半の反則連発含めて今後の課題ではあるのだが、一方で、こんな方法でも得点できる、ということを披露した点で、意義深いシリーズだと思う。 さらに、ここで7分を費やしたことは追いかける京都大学にプレッシャーを与えるに十分な効果があると思うのだが、それは、結果論なのか目論み通りなのか。 ******** ただし、圧巻は、次の京都大学オフェンス。自陣24ヤードからオフサイドで5ヤード前進し、大型TE#87畠野へのクイックパスでFD更新すると、OL+RB#33田原による中央パワープレーが立命館大学DLLBを粉砕して25ヤードゲイン。さらにTB#21高木のステップでも34ヤードとビッグゲインを繰り返す。 そして最後は左コーナーDB裏のWR#1上廣へのTDパスヒットで、点差を縮めた。 7分ドライブの立命館大学に対して2分少々で得点する京都大学。 続く立命館大学攻撃はRB#29長山、RB#21井上に対して、京都大学LB#84福田、DB#15後藤、#24大岡などのDB(S)陣がビッグゲインを許さない。クイックパスを大型DLが叩き、スクランブルにはDLがロスゲインを見舞うなど京都大学堅守は続き、結果的には得点「0」に終わる。ただし、5分消費する。 ランプレーがスクリメージ付近で止まれば、もう少し速く攻撃交代となったのだが、LBDBがタックラーになっている段階で5ヤード程度ゲインしていることになるので、京都大学ディフェンスも苦しい時間帯だった。 こうして時間的に追い詰められた京都大学は残り8分少々での自陣39ヤード付近で第4Dを迎える。FD更新まで残り1ヤード。 一度はパント隊形をとったのだが、サイドライン隅からタイムアウトコール。 そして、QBキープでFD更新を狙うもののRB2名のリードブリック役が立命館大学ディフェンス陣をブロックできなかったこともあて、1ヤードが届かなかった。 もしも京都大学がパントを蹴っていれば、立命館大学は6分(1回目7分、2回目5分の平均値)消化して、京都大学の残り時間は2分になる。ギャンブルが正解だったかどうかは、神のみぞ知るところです。 |
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朝寝坊した上に、試合開始時間を間違えたので、第1Qの残り時間4分16秒からの観戦となってしまった。ここまでの時間帯でどのような攻防が繰り広げられたのか実際には見ていないのだが、友人から聞くところによると、同じような試合展開だった、ということなので、なんとなく傾向をつかむことができた。 両チームとも合計3TDを獲得、同志社大学が最後のPATでキックによる1点同点ではなく2点狙いで失敗してしまったことで、勝敗白黒の決着がついたのだが、力の差を感じない、そんな試合だった。 両チームオフェンスともランにパスに良く進む。神戸大学QBは#7林が全プレーを担当、同志社大学は第4Q途中まで2年生QB#14中沖がバランスアタックによる攻撃組み立てでポジションを進めた。その後#17福井に交代しても攻撃リズムは変わらない。さらに同志社大学P#93前田による飛距離のあるコントロールパントも健在で、攻撃手段は両チームともに万全の体制、のように見えた。 つまり、反対の視点に立てば容易にわかることで、両チームともにディフェンスのラインが押されることに端を発する形で守備が機能せず、相手攻撃を止め切れなかった、というのが実際のところである。 神戸大学は選手欠場も影響しているのだろうが、この時期は、今年のメンバーによる連携を高める季節なので、両チームともに、止むを得ない面がある。春の試合はそんなものだ。 したがって、攻撃側がについてランとパスでゲインしまくったところについては、いくらか割引きは必要になってくる。だが、それなりの条件が揃えばランパスバランスアタックできるメンバーが揃っている、ということを示すことが出来たので、大きな意味はある。 ******** 神戸大学は、QB#7林が1試合全てのプレーを担当、RBは#26大仲、#9羽星が中央を積極的に突きまくる。オープンへ展開するプレーが少なく、OLブロックとカウンターを組み合わせた力技で中央から左右OT付近までのランプレーを試みた。 第1Q終盤、#26大仲の20ヤードを筆頭に、#29種、QB#7林自身のキープカウンターなどでFDを繰り返して敵陣侵攻。 最終的には、敵陣14ヤード付近での第4D1ヤードのギャンブルをFB#45植田のリードブロック付きのダイブで突破を試みるものの、同志社大学LB#53糸井がインサイド突破を完璧にマーク、そしてTBに絡むファインプレーによってドライブ終了となってしまう。 FD更新はならなかったが、個人的には、ここで中央の力技で臨むプレー選択が、なぜか頼もしかった。出来ることならば相手の読みを予測してのファインブロック・FD更新あればだが、そこは、それ。 次のシリーズもRB#29種が中央突破10ヤードゲインはラインブロックとの連携による。このシリーズもフィールド中央付近でのミドルパスをレシーバーが浮かせてしまって同志社大学にインターセプトされてしまったが、オフェンスチーム全体としては、テンポの良い攻撃が続いていた。 ******** そんな攻防が続くなかで、先取点は同志社大学が獲得する。第2Qも終わりかけの残り4分から始まった攻撃は、パスインターセプトで得た敵陣スタートからのもの。 その前の同志社大学攻撃シリーズでは、RB#2中島の連続中央突破でゲインを稼いでいたが、得点シリーズはパスから入る。FL#8山林へのインクイック10ヤードヒット、そしてSB#46青木のアウト11ヤードパス、QB#14中沖から中央・外へとコースを散らしたパスが飛ぶ。 そして中央RB#41土井突破のあとはQB#14中沖自身のピッチフェイクのキープ中央ラン、これが17ヤードゲインとなってエンドゾーン前でFD更新すると、中央突破2プレーで得点となった。 ******** 一方の神戸大学も第3Q最初の攻撃シリーズはQB#7林からFL#82、#87東江、SE#19塩見、#81麻生へのクイックパスがドライブの中心プレーになった。最長15ヤード筆頭に3本のミドルパスとショートクイック2本、さらにRB#29種の中央突破10ヤードとビッグゲインを繰り返して得点に結びつける。 神戸大学2個目のTDではWR#82岩本へ39ヤードロングパス、さらに3個目は#81麻生の50ヤード近いキックリターンのビッグゲインにミドルパスを絡めての3シリーズ連続のTDドライブを見せた。 神戸大学QB#7林は、パスコントロールも秀逸だが、複数のレシーバーを見比べてよりゲインできるターゲットを探っている様子が伺える。 フォーメーションとしては常に3人以上のレシーバーがダウンフィールドに散らばってるのだが、ほとんどのプレーで2名のターゲットに目配せしていた。的確なラインパスプロとQB自身の余裕がパス試回15回成功14回の秘訣であろう。 さらに特筆すべきは、QBスクランブルの判断も秀逸なところ。2個目のTDシリーズ中には自身のQBキープ34ヤードゲインを含む。このシーン、そもそもディフェンスフォーメーション的に人数不足だった。それに気付いてものか否かは確認の方法がないのだが、広い視野を持つQBである。ハンドオフのタイミング等々も含めて、ランにもパスにも頼もしいQBに成長してきた。 ******** 同志社大学の試合後半の攻撃時間は、神戸大学オフェンスに食潰されていて、後半2回目の攻撃シリーズが第3Q残り20秒から。1TD差を追いかけるシチュエーションなので、気分的には慌てても可笑しくない時間帯だったのだが、QB#14中沖は2年生にもかかわらず、冷静なだったのが印象的。 自陣33ヤードから始まったそのシリーズ、WR#8山林へ19ヤードパス、さらにTB#41土井の中央突破が14ヤードと大きく前進する。さらにQBカウンターで10ヤード獲得しエンドゾーン手前7ヤードまで進む。 ここでQB#17福井に交代し、左WR#8山林のインパターンのTDパスをヒットさせて同点に追いつく。 さらに次のシリーズもQB#17福井からWR#46青木に20ヤード、WR#82黒田にも10ヤードとパスをつなぐなどでTDを獲得する。2PATのプレーは失敗するものの、同志社大学オフェンスもランにパスにと、幅の広い、リズム感のある攻撃を披露した。 ******** 今年の同志社大学オフェンス陣容は、OLの半数が新規スターターで、QBとWRは昨年経験者が残っている。もっとも、この日先発したQB#14中沖は2年生なので、昨年経験とは無関係にしては、いいプレーを披露していた。 WRは#8山林が根性ありスピード&ハンドリングテクニックあり、#82黒田も勘所が良いレシーバで3個目のTDドライブでは役割を果たしていた。さらにSB#46青木が健在。 ポジション別で言えばRB陣が、少々手薄なポジションで、この日はRB#41土井、#2中島をメインに組み立てていた。 そして今年の同志社大学オフェンススタイルを決めるのは、この両名+αのRB陣をどのように起用するか、だと個人的には思っている。昨年まではオープンをスピードで抜きまくるRBも存在したが、今年の上級生にこのタイプは存在しない。 この試合でRB#41土井はオープンプレーも試みていたが、昨年までの試合では中央パワーのシーンで確実にゲインするランナーだった。さらにこの日の中島の走り方を見ていると、中央を縦に突くスタイルのほうが似合っているように思う。OT付近までを力技で突き進む攻撃スタイルがメインにならないだろうか。 ****** 今春今後の私の予定だが、同志社大学については、できれば、あと1試合観戦してみたい。 神戸大学については、前回甲南大学戦での観戦記でも書いたように、対社会人エレコム神戸にも通用するか。この試合を楽しみにしている。特にオフェンス好調が続くが、社会人パワーに屈することなくドライブできれば、秋リーグ戦では面白い存在になる。 |
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試合は、龍谷大学が全8シリーズで5TDの猛攻で一方的な展開になってしまった。得点なしシリーズは3回あって、1FG失敗と2回のパント。ただし、FD更新できなかったのは、たったの1回のシリーズのみなので、QB#6上西率いるオフェンスはランとパスによるゲイン稼ぎ状態だったことが判っていただけるだろう。 龍谷大学オフェンスはQB#上西、WR#7堀、#19高山、#89内藤、TB#9奥田、#26吉田が主なバックスメンバーで、5TDのうち4TDがロングパス絡みでQBWRの連携が見事だった。 内訳は、WR#1新田に約40ヤードパスヒットで1TD、WR#7堀に80ヤード一発TD、WR#89内藤へ21ヤードとWR#7堀に20ヤードで計1TD、さらにWR#89内藤への15ヤードとSE#81持田への30ヤードパスが4個目のTDにつながる。 このように、QB#6上西のパス判断とWRコースハンドリングともファインプレーの連続だったが、4月京都大学戦(観戦記は、おそらく、落ちます)ではそのようなこともなかったので相手との力関係によるところが大きいのかも。 RB#9奥田、#26吉田も最終シリーズで連続ビッグゲインから得点しているが、この日に限って言うならばRB陣は、ほとんど目立たなかった。ことが珍しい。 得点差が示しているように、龍谷大学の攻守が全ての時間帯で試合を支配していたが、次回の神戸大学戦は、試金石となる重要な試合になりそうだ。 ******** 一方の甲南大学だが、オフェンスは第2Q途中までQB#3永吉が担当、QBスクランブルで26ヤードのビッグゲインしたところでQB#13小野に交代すると、その後は試合最後までQB#13小野が甲南大学オフェンスをまとめあげた。 RB陣ではRB三谷が欠場、RB#10蒲生とRB#34永井の併用が続くが、途中で#34永井も欠けてしまい、最後は1年生RB#8青野に頼ることになる。 甲南大学の唯一の得点は、QB#3永吉とQB#13小野の共同作業による。26ヤードスクランブルでフィールド中央に達すると、そこからはQB#13小野によるパスがつながる。 左#81松田へのインで10ヤード、そして右SE#88上田への縦40ヤードパスはエンドゾーン前5ヤードでパスキャッチした瞬間にDB2名に絡まれながらも、両名を引きずってエンドゾーンに達するというパワープレーによる。 しかし、その後は、龍谷大学のスピードのあるディフェンスに遮られる状態が続くが、そのような状態でも、オフェンスチーム全体でなんとか前進を試みようとRB#10蒲生、#8青野、さらにWR陣へボールが回る。 第3Q終盤の敵陣侵攻は、#1中津のファインブロックによる#8青野による40ヤードリターンによる。WR#15西山へパスヒットして勢いに乗りかけるがクイックパス失敗などで続かず。だが、徐々にQB#13小野中心によるオフェンスチームが機能するようになっていく。 第4Q,残り6分34秒からの攻撃シリーズも20ヤード超のキックリターンから始まった。そしてSE#85前田によるパス&ランで11ヤード、RB#8青野の連続キャリーでFD更新、さらにTE#92林への縦パス17ヤードで敵陣19ヤードに到達する。 最後は、残念ながらQBWR間の連携ミス??のようなパス失敗インターセプトとなってしまったが、試合の中で成長して行く様子は伺えた。 一方のディフェンスは昨年来のメンバーが多く残っているのだが、前回神戸大学戦同様にランプレーで走られ、そして前回は5インターセプトしたDB陣もレシーバーに抜かれてしまって、フリーターゲットを量産してしまう状態。奪われた5TDのうち、ロングパス絡みなのだが4回ある。 ランプレーに対してはタックルミスが多く一発で止まらないし、ロングパスでぬかれることが続きながら、なかなか位置取りを修正できなかったようだ。 甲南大学は、オフェンスもディフェンスともに、まだまだ発展途上にある。と4月の神戸大学戦観戦記に書いたが、まだ5月なので、途上であることは間違いない。 攻守とも、どのような方向性で整備していくのだろうか、いろいろと試行錯誤が続くと思います。次回観戦は9月開幕戦。楽しみにしています。 |
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岡山で行われた春の関京戦は、少なくとも京都大学視点に立てば、いかにも「春らしい」試合だった。 まずオフェンスで言えば、先発QBが2年生#19小原。エース#17今村が負傷していたわけでもなんでもなく、第2Q以降は#17今村が出場してくる。第1Qの京都大学オフェンスシリーズは3回。うちRB(FB)#33田原のダイブ10ヤードでFD更新した以外は、パス失敗、ハンドオフフェイクにDL#90梶原のロスタックルを受けるなどで、合計3シリーズでFD更新は1回のみ。 それが第2Qに入ると、QB#17今村かららWR#10井上へのパスを皮切りにオフェンスリズムが出てくる。最後はWR#1上廣へのプレーアクションロングパスでDBフリーにしての一気の得点ドライブを見せた。 京都大学ディフェンス側で見れば、第1Qに14失点(2TD)。特に関西学院大学第1シリーズでRB#43望月ドローやTB#2野々垣のランプレーがほとんど止まらなかった。 関西学院大学OLに押し込まれる京都大学ディフェンス、こんなシーンは予想もしていなかったのだが、それが目の前で繰り広げられていて、にわかには信じられない光景・・、そんな第1シリーズだった。 ******** しかし、公式ページのスタッツにもあるように、関西学院大学ラン攻撃回数40回、獲得距離合計87ヤードなので平均1回2.2ヤードになる。この数字がどこから出てくるかというと。 第2Qの関西学院大学攻撃でゴールまで14ヤード地点でのFD以降。ようやく、京都大学DLが目覚め(?)てきた。RB#43望月などの3回連続のランプレーを完全シャットアウトしてFGへ追い込んでいった。 ランプレーは、その後は、全くといっていいほどゲインできず。OLブロックが効かずで、RB#43望月、#20坪谷が、物の見事に京都大学DLの壁に完全に跳ね返される、そんなシーンが続く。これがラン1回平均2.2ヤードの真相である。 ******** なお、関西学院大学第2シリーズはWR#16和田へのミドルイン16ヤードと、再び右SE#16和田縦35ヤードのパスによる前進でTDに繋げている。 さらに後半は、QB#18畑からインサイドレシーバーへの縦パスど陣地を進めた第3QのFGシリーズ(FL#87小山へ42ヤード、#10押谷に5ヤードヒット)と、第3Qの右SE#9梅本への77ヤードTDパスになる。 つまり、関西学院大学QB#18畑とSE#16和田、#9梅本およびFL#87小山、#10押谷、#80南本などのインサイドレシーバーへのパスは、QBWR連携含めて完成度の高いものになっている。 そして京都大学ディフェンス側から見れば、内外両方とものパスコースにおけるパスディフェンスに若干甘めのところがありそう、ここの攻守/守攻の力関係は、掛け値なしの本当の姿になる。 ただし、京都大学DLLBがQBにプレッシャーをかけていなかったので、関西学院大学QBには余裕はあった・・・。 ******** 攻守ともに第1Qの京都大学は、本当に様子見だったのか、開始直後で勢いが出なかっただけなのか、真意のところが不明です。 ******** 京都大学攻撃は、第2Q、QB#17今村からWR#10井上への11ヤードパスとFB#33田原のダイブ中央突破11ヤードの連続FD更新得勢いに乗る。続くRB#21高木へのスクリーンでは6ヤードゲイン、さらにRB#21高木へのハンドオフ中央突破でFD更新で敵陣侵攻、最後はWR#1への26ヤードポストパスで得点を挙げた。 第3QにもFB#33田原の中央突破10ヤードで勢いに乗りかけるが、TE#87畠野へのプレーアクションパス失敗などでつながらない。 ちなみに、この間、特にパスシチュエーションで関西学院大学DLが何名かパスプロテクションを抜けてQBのプレッシャーが届くシーンが何回かあってDL#90梶原などに追いかけられているのだが・・・。 なお第4Q敵陣40ヤードでの攻撃シリーズはRB#21高木のスクリーンとOTの連続キャリーにFB#33田原ダイブ中央突破が加わってFD連続更新となる。 関西学院大学ウイークポイント(?)のランディフェンスをTB#21高木とOLブロックで突き破るパワードライブは敵陣13ヤードでFD更新し、その後も、中央突破が止まらない。 だが、敵陣2ヤード付近までボールを運んだのだが、惜しくもファンブルロストの判定。京都大学に追加点は入らなかった。 ******** ******** ちなみに、今春ここまでの関西学院大学ディフェンスは、日本大学戦でもRBによるインサイド突破で攻め込まれたのが第1シリーズだけで、その後はパス攻撃の練習に付き合う状態。関西大学との試合ではベストメンバーではない関西大学との戦い。 京都大学にはRB#33田原にインサイド中央突破で1プレー10ヤードのビッグゲイン献上3回の洗礼を受け、第4QにはRB#21高木の連続キャリーを止められなかったが、幸か不幸か、失点には至っていない。 次回は、慶應義塾大学戦。パワー系ではないが器用なランナーが存在する。 関西学院大学オフェンスにとっては、ランプレーをシャットアウトされたという印象は残る試合だろう。さらに何人かの負傷者を抱えてしまったかもしれない。 一方で、QB#18畑のパスは長短に目処が付いてきた状態。オンリーターゲットなところが気になるが、そこは、今後の成長を待つことにする。 関西学院大学オフェンスがランプレーをシャットアウトされた時に次の攻撃手段があるか、というのが、個人的な観戦ポイントの一つだったのだが、手詰まりになるようなことはなさそうだ。 ******** 京都大学については、冒頭から記しているように、第1Qとそれ以降で少々異なったチームになっている。その精神は、私の気付かないところでも発揮(OLの特にパスプロテクションが甘いところ・・など)されている可能性もあるので、現実に見たもの以外も含めなければならない・・非常に厄介な状態です。次回は、6月末の日本大学戦を観戦予定です。 |
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かなり面白い試合だった。序盤、早稲田大学側だけにTD数が増えていくあたりでは、東京までの往復の交通費が頭の中でチラチラしていた。 しかし、第2Qの関西大学8分に及ぶTDドライブで1ヶ月の間の成長の足取りを知ることができて、とりあえず、一息、つくことができた(私が)。 後半に入って、フィールドポジションも悪くなり、QB交代もあってオフェンスが進まなくなる。もう一度完成度の高いオフェンスドライブを見たいと思っていた第3Q終盤、再びQB#19井上が登場し、集中力のあるドライブを展開、3回のドライブのうち2回を得点に結びつけた。 今春ここまで関西大学は全敗が続き、この試合でも最終的には黒星となってしまったが、その中で、オフェンス面で、かなり目処がついてきていることを伺わせる試合内容だった。 具体的には、パスプレーにおけるQBとWRの連携、およびOLのパスプロテクションにおいて安定感が飛躍的に増加した。 特にQBのロールアウトに対してのOLの位置取りがシステマチックに連携しているところは圧巻。QBロールからのパスとスクランブルランの判断決断に対して、OLによる「無資格レシーバーのダウンフィールド・・・・」の反則が一回もなかった。これは、両者の間で、はっきりと意思疎通がとられていることがわかる例になるだろう。(審判が見逃していなければ・・の話だが、そこは疑う余地もありません・・) QB個人を見ても、プレー中に絶妙な判断が繰り広げられていて、パスプロテクトの中でターゲットを見る余裕があり、何よりも迷いが消えたことが大きい。 さらには、ある一つのプレーが記憶に残っている。10ヤードを残した第3Dでプレー中、ホールディングの反則らしきイエローフラッグが飛ぶのを視界に捕らえると、迷わずスクランブル発進してFD更新位置をクリアする。反則なのでプレー自体は無効なのだが、FD更新していなければ早稲田大学側は反則不要で第4Dへ進んでいたところを、再度の第3D攻撃を確保した。 このように、QBWRとOLによるパス関係については、かなりの目処がついてきて、今年の関西大学オフェンス方針の一つの姿が、少し、見えてきた状態。ディフェンスを分断する仕組みも備わった厄介な集団に成長してきた。 一方でランプレーにおけるOLブロックは、若干、早稲田大学DLに押し込まれ気味なところがあって、ランプレーだけでコンスタントに5ヤードを稼げる状態ではない。得点ドライブがいずれもパスがらみのプレーだったことと比較すると、物足りなさ感は残る。 ただし、気合が入ると、少し様子が変わって、FD更新まで残り数ヤードというシーンではOLパワー前面に押し出してRBとのパワープレーでFD更新するなど、所々に、パワードライブの可能性を覗かせていた。 ******** この試合で、最も課題を残したのはディフェンス側だろう。タックルミスが随所に散りばめられていて、早稲田大学のロングゲインに繋がっている。このタックルミスがなければ最低でも2TDは防げていたかもしれない。(早稲田大学RB末吉君が出場していたら、この点差では収まらなかったか・・・) DLLBDBとも選手構成上は前回関西学院大学戦同様のメンバーで、今年の各ポジションのキーマンは揃っていた。それでも、全般にボールキャリアへの集まりが遅く、さらには、お互いが見合ったり、腰が引けていたり・・・。特にバックの選手間での連携が取れていない、そんな印象を受ける。 もっとも、DLに若手を起用しているので、バックスメンバーの粗が露呈している状態。もしもDLにベストメンバーが揃えばバックスのミスは減るが、単純にプレー機会が減っただけで、バックスのプレー精度が上がった訳でもなんでもない。これが春シーズンの試合の目的なので、言わば、バックス連携向上途上の産みの苦しみ中。今後に期待しています。 ******** ただし、ディフェンスについても、気合が入れば、プレースピードは上がってボールキャリアへ渾身のタックルが決まる。オフェンスチームでもパワープレーが必要なシーンではパワー全開になるように、考え方一つ、気合の入れ方でチームの姿が大きく変わっていく可能性を覗かせる。 これはある意味で一番厄介なもので、やれば出来ると思っているまま時間が過ぎて、気がついてみれば、最後までやらなかった、という例も多い。さて、今年の関西大学はどちらになるのだろう・・・ ******** なお、この試合は日本代表チームの合宿と日程が重なっていたために、早稲田大学RB1名および関西大学RB1名、さらに関西大学ヘッドコーチの姿がなかった。(私が見逃していなければ・・の話です) ******** (以下、試合詳細に続く予定) |
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関西大学は、春の最終戦にして今春シーズンの初白星獲得となった。この試合を関西大学は練習のための試合と位置づけるか、それとも、勝利に拘った試合とするか、その取り組み自体にも少し興味があったのだが、試合を観戦して受けた印象では後者のように思う。 QB#19井上のパス精度がイマイチ(それでもTD1個はWR#17長島への37ヤードロングパスによる)で、一方でインサイドのパワーランがゲインする感触を掴むと、FBを配して徹底的に攻撃し続ける、苦手を克服するのではなく現有戦力でのベストを求める、そんなオフェンスタイルになっていた。 関西大学得点は、いずれも敵陣での攻撃スタートというチャンスをモノにしたもので、1回目は、第4Dギャンブルでのロングパスを電工側がインターセプトしたことで敵陣深いフィールドポジションを得たことが発端になり、2回目は電工側のファンブルロストによる敵陣スタートがきっかけである。 一般的なオフェンスドライブという点では若干物足りないものがあるが、取るべき所で得点した事実は重要である。さらに、第4Q中盤以降は試合に勝つためにパスを捨ててランプレーで時間を消費する意図があったかもしれない。 ところで、第4Q終盤の電工FGが成功していたならば再逆転のための攻撃が必要だった。そのシーンを見てみたかったのだが・・・それは、秋本番の楽しみに置いておく。 ******** 一方のディフェンスは、今春のスタートメンバーをそのまま起用そていたが、ディフェンスが奪われたTDは0個で、鉄壁のゴール前ディフェンスが再現した。一昨年あたりから続くディフェンス傾向に沿うもので守備の失点はFG2個にとめている。 さらに第4Q終盤に訪れた電工の得点チャンスには、ディフェンスチーム全体でロスゲインを奪う目論見満々攻撃的守備を披露。ロスタックル2回を見舞ってFGレンジから遠ざけていくディフェンスチームの一体感があった。 結果的にはRB#3によるオープンプレーでFGトライを許すことになるのだが、このランプレーにおいてもOLB#4谷がFD更新寸前でタックルする集中力が光る。 なお、この日も序盤はLB配置に試行錯誤が続いたのだが、第2QあたりでILB(MLB)とOLBをポジションチェンジしたあたりから安定感が増し、さらに破壊力も増大した。なんのことはない、それぞれが昨年のポジションに戻っただけなのだが、今春、私が観戦した試合の中では、最も良いバランス配置だと思う。秋もこのスタイルで成果を発揮するのであれば、今後数年、鉄壁ディフェンスが保障される?? 一方で、関西大学一つの失点は、パントリターンTDでタックルミスが原因。早稲田大学戦同様に、若干相手選手を見てしまうというディフェンス陣の課題がそのまま失点になった。 ******** ということで、攻守ともに気合の入った試合になっていき、特に終盤は「虎の子の1点差」を死守すべく、そして勝利獲得のためにサイドライン含めてチームに一体感があった。 今春ここまでの関西大学の試合は、オフェンス・ディフェンスそれぞれの課題や目論見事があって、試合結果よりもそちらが最優先事項ならば、スタンドから見るサイドラインに一体感を感じとれなかったのもやむを得ない。 だが、この試合は違った。リーグ戦同様の白熱した攻防が繰り広げられる中で攻守それぞれを鼓舞する声が出ていて、それがスタンド観客席にも伝わったはず。春、最終戦。当初の目論見どおりの結果になったのではないだろうか。 ******** ******** ところで、対戦相手であるパナソニック電工だが、ワールドカップの関係で一部の選手が欠場していたようだ。といっても私が社会人の試合をほとんど観戦しなくなってから久しいので、ワールドカップ候補選手の影響がどの程度のものなのか、見当がつかない、というのが正直なところです。 そこで、とりあえず出場選手の背番号をメモしておきました。電工オフェンスでは、QB#14、RB#3、WR#80、#84。OL#57、#55、#77、#62、#71が第1Qでのメモになります。なおQBは第4QからQB#2に交代、OLは第4Q最後のFG失敗シリーズまでほぼ不動メンバーです。 守備側では、DL#92、#9、#59、#56、LB#29、#51、#47、DB#12、#6、#32、#25が第1Qの早い時間帯での出場メンバーでした。その後、若干の交代はありますが記載は省略しておきます。 ******** ******** (試合詳細については後日・・・関大VS早大も、後日予定のまま放置状態ですが・・・) |
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昨年の定期戦は同志社大学で行われた。そのときのQB#8徳島のランプレーが印象に残る。ただし、そのようなQBを擁しても関東学生リーグ戦は勝ち抜けないものかと昨秋思ったのも事実。勝ち抜けない理由はリーグ戦を見ていないので、私にはわかりませんが・・・ そのQB#8徳島のプレーを昨年経験した同志社大学ディフェンス陣が、なんらかの準備をして臨んでくれば、そして、それが当たれば面白いかも、というのもこの試合の観戦理由の一つ。それ以外にも同志社大学オフェンス全般をもう一度見ておきたかったというところもあって、さらに後述するように関学明治の対戦もいろいろと興味のあるポイント満載なので、2週連続の東上となった。 ******** 同志社大学オフェンスはQB#14中沖(2年生)による。プレーが終わるごとにサイドラインへ戻ってコーチの指示を受ける状態だったが、まだ2年生、今後が楽しみなQBである。 RBではTB#41土井、#21斎藤など。#41土井が中央突破メインに#21斎藤がオープンプレーを担当という役割分担を十分に果たした上で、お互いにプレー幅を広げていっている様子が伺える。さらにはFB#36井上、TB#1山崎でショットガンセット。ここからトリプルオプションが炸裂するというマジックも披露された。 ライン戦は微妙で、均衡状態が続き、慶応大学に押しこまれっるシーンもあった。のだが、QBのパスに限定すれば、SB#46青木、#15安田、#84岡井、WR#18新宅へのショート〜ミドルレンジのパスもヒットするなど、DLプレッシャーにもあまり慌てる様子がない。自身のQBキープも含めて打開策はある、そんなオフェンスチームになった。 なお、慶応大学ディフェンス側がシチュエーションによって3−4にしたりニッケルにしたりとディフェンスフォーメーションに手を加えていたのは印象に残る。第3Dロングのパスシチュエーションにおいては同志社大学側にプレッシャーがあったかも・・・ また同志社大学リターナー#1山崎の存在は大きいかも。相手カバーチームとの関係でリターン距離は試合毎に変わる可能性は残すものの、スピードがありコース判断も絶妙で、リターン距離で約30ヤードのものが2回あった。 ******** さて、この試合、同志社大学オフェンス陣は、合計7シリーズで2TD1FGの14点を獲得している。慶應義塾大学視点に立てば前週に王子で観た試合で10シリーズで3TD1FGを相手に奪われている(最終シリーズを除けば2TD1FG・・・は数字のお遊び??)ので、効率的には今週の方が良い/悪い?? 慶應義塾大学ディフェンス選手構成を詳細には確認していないのだが、何か変わったのだろうか・・・。出来ることならば詳細に調べてみたい興味の沸くポイントではある・・・ ******** 慶應義塾大学オフェンスは、QB#8徳島、RB#21小平によって中央・オープンの全てのコースで走りまくっている。なお、前週の王子での試合では、RB#21小平がほぼオンリーの印象(先週の観戦メモについて、いまだ詳細確認していないので、間違ってたらすみません・・)だったので選手層に疑問を感じたのだが、この日は、他に、RB#29久保、#26宮崎、#28蜂須賀と多彩なメンバーも縦横に走りまくっていた。 ちなみに慶應義塾大学QBは前半が#8徳島、後半は#5須藤と#8徳島の併用というスタイルで、この試合限定ならばランでゲインするのでパスは必要ない、そんな試合である。 だが、一応#86笠原、#21小平、#12吉田などへミドルレンジ以上のパスは飛んでいる。特に第2Q最後の得点は、TE#88寺本へのショートパス、WR#12吉田へ60ヤードロングパスで敵陣侵攻、最後もWR#87高瀬へのTDパスで得点しているので、ラン偏重オフェンス、ということでもなさそうだ。 ******** その同志社大学ディフェンスだが、当初、3−4で設定していた。ただRBによるインサイド突破がほとんど止まることなかったのが試合前半。QB#8徳島のキープによる左右への展開とRB#21小平へのハンドオフの中央突破の繰り返し。QB#8徳島キープが止まらないのは百歩譲るとしても、DL3人で中央突破ランを止められなかったので試合展開上で厳しくなっていく。 試合後半になって4−3に変更するのだが、前半戦の消耗が効いているのか、あまり改善効果は見られなかった。今年のLB陣には#6木下、#52高田、#45北野、#53糸井という動きのいいアグレッシブな選手が揃っているので攻撃的な守備ということも狙ったのかもしれないが、今回は見える結果には至らず。 このような結果なのでDB位置までボールキャリアが達する機会が多かったので、目立っていたのがDB#22水田と#28吉川。昨年までの経験者であるDB#5中嶌、#29岸田とともに分厚いDB陣を構成することになりそうだ。 (了) |
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関西学院大学の今春の試合は、4月の日本大学戦、5月の関西大学戦と京都大学戦、いずれも、対戦相手側の都合でベストの状態・全力では対峙してくれなかった。 日本大学戦ではエースRBの出場が最初だけで、その後はQBのパス練習に付き合い、完全に調整モードになっている関西大学との試合経て、京都大学戦では第1Q開始早々にセカンドQBが出場してくる状態。つまり関西学院大学のディフェンス側の課題が浮き彫りになるようなシチュエーションは、おそらく偶然のことと思うが、避けられてしまっていた。 関西の2チームが調整モードになるのは想像に難くなかったが、日本大学までもが・・というのが正直な思いである。 一方で春の関西学院大学試合日程が発表された段階でキーになるだろうと考えた試合が、6月の慶應義塾大学戦と明治大学戦である。 両チームとも、6月の関西学院大学と対戦するのに、わざわざ調整モードで臨むことの意味がなく、おそらく全力で向かってくるだろうということと、慶應義塾大学オフェンスでは足が早くて機転が利くQBの存在、明治大学にはRB複数名が存在していて、ランディフェンスに一抹の不安がある関西学院大学になんらかの刺激を与えてくれるかも??と、この2試合を楽しみにしていた。 さらには関西学院大学オフェンス側においても、プレー幅の広がりを感じられない中で、本気のディフェンスを相手になにかのきっかけを掴むチャンスになるのかならないのか、強力ディフェンス相手にインサイド中央突破のランプレーが何処まで通用するのかを確認できれば幸い・・・そんな思いをもって観戦した2試合である。 ******** この試合で関西学院大学オフェンススタートQBは#11糟谷。おそらく、トップチームのゲームにおいて今春初登場なのではないだろうか。 しかし、前半の全6シリーズ中でパスインターセプト4回という散々な結果に終わてしまった。ただし、この責任の半分以上はオフェンスコールに問題がある。 4回中の3回はWR#87小山へのインあるいはアウトのショートパスを、DB#13にインターセプトされたもの。実は、WR#87小山とDB#13の交錯は、これ以外にも2回あって、いずれも際どいパスカット(インターセプト寸前)だった。 病み上がりのQB#11糟谷にとってはWR#87小山がオンリーターゲットなのは止むを得ないこととしても、相手DB#13のタイミングが合ってしまっている以上、そこへ投げ込ませ続けるのはいかがなものか、と思うのです。 ******** 試合後半はQB#18畑が登場してくる。今春ここまでQB#18畑が関西学院大学オフェンスを指揮し続けてきていたが、この後半にQB#18畑が入った途端に、オフェンスチームのリズムが合致したように感じたのは、ここまで2ヶ月の実績によるものもあるだろう。 QB#11糟谷がメンバーとどの程度練り合わせて試合出場に辿り着いたのかは、当然のことながら判るわけがないのだが、オフェンスチーム全体とののコンビネーションの練成は、これから、になりそうだ。 ******** ******** 関学最初の攻撃は敵陣43ヤードスタート。QB#11糟谷からRB#2野々垣へのハンドオフ5ヤード、WR#13森本へのショートパスをはさんでRB#43望月でFD更新と幸先のいいスタートを切ったのだが、続くランプレーと横パスを明治大学ディフェンスにロスゲインタックルを浴びる。 そしてQB#11糟谷からのロングポストのパスはWRDB競争の中でDB#27が奪い取るような形でのインターセプトとなった。 明治大学ディフェンス陣は各ポジションともにスピード集中力があってさらに判断がいい。さらにDLには重さもある、そんな重厚なディフェンス陣容は、関西学院大学にとっては、どちらかと言えば苦手とするタイプだろう。 関西学院大学第2シリーズは自陣36ヤードから。QB#11糟谷が担当した前半の攻撃の中では最もリズムの良かった攻撃シリーズで、RB#28の左オープンラン12ヤード、右WR#13森本へのアウト13ヤードパス、さらにはQB#11糟谷自身のスクランブルでも13ヤードゲインとテンポよく敵陣19ヤードまで侵攻する。 しかし、守備側がエンドゾーンを背負ったこともあって、明治大学ディフェンスが分厚くなっていく。WR#9梅本へのスローバック気味のパスにはすばやい反応で3ヤードまで、RB#20坪谷のOTを6ヤード、RB#43望月の中央突破3ヤードでかろうじてFD更新するが、ここまで。第1DランプレーでDL#90に0ヤード対応された第2D、DB#13による1回目のパスインターセプト被弾となった。 ******** この後、明治大学ディフェンスと関西学院大学OLが均衡するようになると、さらに手詰まり感が漂ってくる。 RB#2野々垣、RB#20坪谷、#43望月の中央突破やOT付近のランプレーによる獲得ゲインが少しずつ短くなっていく。 ラインが押し込まれLBがボールキャリアに前掛かりで絡むようになり、さらにはドロープレーにDL#90が割り込んでマイナスゲイン。そしてフォルススタートの反則も加わる。 この苦しい状態の中で、投げたWR#87小山へのショートパス、アウトとイン、両方とも速いタイミングパスだったと思うが、DB#13が狙ったようにレシーバ前に割り込む。こうして2回連続パスインターセプトとなった。 ******** 明治大学ディフェンスが早くて、重いという印象。正直なところ、ディフェンスチームについては、もう少し雑なのではないかと思いながらの東上だったのだが、想像を超えたところにあった。 DLLBにスピードがあってDB#13、DB#27のパスカバーが秀逸、パスカバーというよりもボールを奪い取ることを十分に意識しているようなそんなDB2名だった。 さらには、スクリーンパスに対応するLBが残っていること、なによりタックラーとしてLBが機能していること、DLはスクリメージを割り込んでキャリアに突っ込んでいく・・・ 対戦相手が違っていたらもう少しマイナス面が見えたかもしれないが、あまりにも想像以上だったので。 ******** ******** 一方の明治大学オフェンスだが、ランにパスにというマルチプルなオフェンスを展開した。 RBでは#31のスピード、巧妙な#5と#25、#91、パスターゲットもこなす#6とタイプの違うランナーが存在、レシーバーでは、TE#95、WR#88などなど多彩なメンバーが揃う。 そして特筆すべきは、攻撃を仕切っているQBが1年生であること。チームに合流して日が浅いにもかかわらず、これだけのボールキャリアに対応しているのだから、能力面もさることながらシステマチックな攻撃スタイルになっているのかもしれない。経験を重ねていけば、面白いオフェンスチームになりそうだ。 ******** その明治大学の攻撃は、最初のシリーズこそFD更新なかったが、第2シリーズで自陣14ヤードからTB#31の右オープンランがディフェンス陣の隙間を抜けてのTDランを獲得する。DB陣が追走したが距離を縮めることができず、ビッグプレーとなった。 次のシリーズは、DB#13によるパスインターセプトリターンで敵陣スタートとなると、スクリーンパスでFD更新し、さらに前進していく。 絶好の追加点チャンスだったのだが、最後はTB#25の中央ランを止められ、TEパスは惜しくも失敗、さらにFGも外れて追加点ならず。 このあたりから徐々に関西学院大学DLフロントプレッシャーが厳しくなっていった。 明治大学はSB#6へのパスでFD更新するもDL#90梶原、#98長島、LB#44辻本のプレッシャーがQBに届くようになっていく。 次のシリーズでもFL#88へのクイックパス11ヤードでFD更新はするものの、この早いタイミングパスを投げる時間すら削られる状態。 そして後半。自陣1ヤードでの攻撃開始にディフェンスプレッシャーで自陣エンドゾーンでボールデッドによるセイフティ献上となった。 関西学院大学DL#93池永などがラインを割って突っ込んでいくのだが、今春の試合で、ここまでの前がかりのDL陣は見たことがない。 ******** このような苦しいオフェンスだったが、なんとか攻撃手段として生き残ったのが縦パスだった。 第3Q終盤、左サイド2レシーバーのクロでフリーになったWR#91へ20ヤードパスがきっかけとなって敵陣侵攻、最後はTE#92への縦パスがTDパスとなる。 第4Q終盤、逆転を目指したドライブでもSB#6の22ヤードパスがきっかけになるが、同じようなパスをDB#14大森に狙われてパスインターセプトされてしまった。 前掛りのDLに対して、RBへのスクリーンやSBTEへの早いタイミングでのショートパスが有効。ただし距離を間違えるとDBにさらわれる、ということなのだろう。 第4Q最終盤、同点のチャンスが巡ってくる。きっかけは#25の60ヤード超のキックリターン。 そしてRB#5への縦パスはタイミングをずらしてディフェンスを惑わすファインプレで20ヤードゲイン、残り23秒で敵陣17ヤードに達したが・・・ 最後のプレーは右エンドゾーンへのTDパス。この日2回のパスインタセプトをしているDB#14大森を狙ったのは故意か偶然か、さらには、タイムアウトかスパイクかの選択など、惜しいところがあるかもしれない、そんな最終の追い上げシーンだった。 ******** ******** 後半の関西学院大学オフェンスはQB#18畑による。左WR#9梅本へのクイックパスヒット11ヤード、QBスクランブルそしてRB#2野々垣のドローカウンター18ヤードと、テンポアップした攻撃で後半が始まった。 最初のシリーズはフィールド中央止まりで得点には至らなかったが、後半2回目の攻撃シリーズで、難産だったが、ようやく攻撃チームによる得点獲得となる。 それは、#28鷺野による20ヤードリターンから始まって、横#2野々垣への横パスからラン12ヤードとゲインを稼ぐ。そして右SE#9梅本へのロングパスがヒット。48ヤードのパスだったがTDパスにならなかったのは明治大学DB#27のスピードが上回ったため。BR> そしてゴール前3ヤードでのFD攻撃となるが、関西学院大学はエンドゾーンに飛び込むまでにランプレー3回を要した。 その後、DB#14大森によるパスインターセプトリターンTDで追加点を挙げた関西学院大学が得点上でリードして、て時間が経過していく。 第4Qにはセイフティリードを求めるべく様々に攻撃を仕掛ける。だが、2回のチャンスがいずれもFGに終わるのは、関西学院大学のいつもの例とするか、それとも、明治大学ディフェンス堅守を見るべきか。 横へのパスにもディフェンス集まりが早くてロスゲイン、スクリーンパスにLBが残っていてFD更新を許さなかった1回目。2回目も同様・・・ ******** ******** 明治大学は8点差惜敗。関西学院大学オフェンスがQB#18畑先発起用だったならば、また違った試合結果になっていたか、なっていなかったかは不明。 いずれにしても、6月のこの時期に競った試合を2週連続で経験できた関西学院大学は、攻守とももう一度課題を見直すことになりそうだ。 ディフェンスは、この試合ではDL陣が大暴れする方法で優位を確保した。過去には、関西学院大学DL陣もこのようなスタイルの選手が揃っていたことはある。 だが、メンバーのケガなどを考慮すれば、LB陣も含めたシステマチックなディフェンススタイルにしていく方が良いのではないだろうか・・と、個人的に思ったりもしながらの観戦でした。 明治大学については、、少し興味がわいてきた・・・ (了) |
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正直なところ、もう少し、接戦になるかと期待していたのだが、神戸大学の熱い思いと社会人のモチベーションの差が、そのまま試合結果に繋がってしまったかもしれない。 試合結果は「熱い時間の長さ」に比例しているが、しかし、第3Q以降の随所では、さすが社会人エレコム神戸の執念のプレーもあり、神戸大学攻守がひるむ瞬間はあったのも事実。そして、重要なポイントは、神戸大学攻守がそのパワーに押され負けることなく、最後まで自分たちのペースで試合を行ったことだろう。これが今年のチームの「力」であり、秋リーグ戦を占う上でのキーポイントになるのではないだろうか。 ******** 試合は、エレコム神戸の攻撃で始まるが、いきなり神戸大学LB#41高松によるパスインターセプト&リターンTDによって神戸大学が先制する。さらに、次のエレコム神戸の攻撃でも神戸大学LBがパスインターセプト。敵陣で攻撃権を得た神戸大学は、そのまま勢いに乗ってRB#9羽星による連続中央ラン突破。途中にパス失敗1回をはさむものの3回のインサイドラン攻撃で社会人からTDを奪うというパワープレーを披露した。 その後も神戸大学オフェンスはQB#7林キープなどキャリアは変わったり、ショートパスを挟みながらになるが、ランプレーでは執拗にインサイドのランに拘っていたのが印象に残る。 第2QのTD得点ドライブも、OLとRB#9羽星による中央こじ開け9ヤード+7ヤードで始まる。ビッグゲインはFLへのショートパスヒットとダウンフィールドブロックによる60ヤードだが、これで敵陣侵攻後は、再びインサイドランの連続。FB#45植田を配したものとシングルバック+OLの連携によるランプレーにWR#81麻生へのショートパスを絡めてのもの。社会人相手にバランスの良い攻撃スタイルで得点を獲得する。 さらに第2Q残り0分56秒敵陣スタートの攻撃では、サイドライン際へのパスをWR#81麻生へ成功させと時計を止めつつ前進、QBドロー15ヤードとタイムアウトを駆使してFGレンジと時間を確保し、3点に繋げた。 ******** 試合後半は、ハーフタイムで社会人エレコム神戸が立て直してきたのだろう、神戸大学の中央突破ランが進まなくなる。すると神戸大学はショート〜ミドルレンジのパスに活路を見出していく。WR#11中島への21ヤードヒットなどで敵陣侵攻も、エクスチェンジミスでファンブルターンオーバー。 第4Q、残り6分33秒自陣25ヤードスタートのシリーズは完全にパスオンリーとなった。QB#7林からTEへ18ヤード、FL#11中島へ11ヤードとミドルヒットが続く。その後も、WR#11中島、TEへとつないで合計4本のパスで60ヤード前進とパスでもロングドライブを披露、最後はRB#29種、QB#7林のランプレーでの得点になったが、幅の広い攻撃パターンを披露した。 ちなみに、次のシリーズでもパスメインのオフェンス組み立てだったと思うが、エレコム神戸ディフェンスが強烈なプレッシャーをかけ続ける。そんな中でのQBサックでのファンブルロストからリターンTDを奪われてしまう。 これが第2Qだったならば、つまり社会人側のエンジンがもう少し早く立ち上がっていれば、インサイドランを遮られパスも封じ込まれた状態での神戸大学攻撃手段は、どのようになっていただろう・・・。パスとランの組合せの妙でドライブが進むか、それとも、封じ込まれてしまうのか、興味のあるところだが、それは、秋シーズンにて。 ******** ******** 一方のディフェンス陣は、試合開始直後からLBによる連続パスインターセプトなどで、エレコム神戸の攻撃を封じ込める。総じてボールキャリアへの集まりが早く、特にLB陣#8長渕、#52柳下、#41高松など動きが良い。さらにフロントではDL#92白石、DBでは#2梅本、#37中村も。 エレコム神戸のオフェンスは、試合前半、どちらかというとパスメインの攻撃組み立て。さらに、QBWR連携が悪くパス成功率が低かった。そして神戸大学DLもガチガチのライン戦が少なくて消耗が少なかった???さらに途中で挟むランプレーには上記LBDLの集まりが良い。 第3Qになってエレコム神戸のパス成功率が上がり2TD追加(TE#87への31ヤードTDパスと、敵陣44ヤードから始まったショート〜ミドルのパスをつないだドライブによる)するが、前半の得点差が効いていて、試合逆転までには至らなかった。 このエレコム攻撃VS神戸大学守備の関係においても、エレコムのエンジンがもう少し早く立ち上がっていれば・・・という状況なので、神戸大学にとってこの試合勝利は、ある程度は秋への見込みとして考えていいのだが、上位進出の鍵となる試合での、諸々追い詰められた極限状態を経験できなかったのが残念・・そんなことを考えながらの帰宅となりました。 ******** ******** 以上で、今春の観戦記はNEWERABOWLを除いて全て終了です。(京大日大は下のほうにあります) 関西学生所属のチームで、今春最も観戦数が多いのは、神戸大学でした。もっとも特に神戸大学に注目してた訳ではなく、神戸大学と対戦したチームを見るのが主目的だった試合もあります。たとえば、4月の大阪教育大学戦や5月の桃山学院大学戦など。DIV2所属のチームがDIV1チームにどのような試合を挑むか、というのが、主な興味のポイントです。 昨年のDIV2は龍谷大学・桃山学院大学・大阪大学の上位争い、更に下位から追手門学院大学が2位に上昇、そして、大阪産業大学は1位定位置を確保するとともに入れ替え戦同志社大学戦も5点差惜敗、そして龍谷大学と近畿大学が入れ替わるなど、DIV1の7〜8位とDIV2の差は少なくなっているのではないだろうか・・そのような観点からの観戦であり、たまたま日程的に都合が良かったのが神戸大学の絡む2試合でした。 2試合とも観戦記は落ちてしまいましたが、桃山学院大学については昨年チームの勢いを引き継いでいて今年も楽しみな存在です。そして、今年最初に観戦した試合だからということはないと思うのですが、大阪教育大学については、今秋も少し注目して見て行きたいと思わせるチームでした。 大阪教育大学チームの課題は、選手層が薄いこと。少数精鋭メンバーに新入生が加わって選手層に厚みが出たか。リーグ戦を勝ち抜く上での最大課題は選手層。そんなチームです。つまり、オフェンスディフェンスともに、4月初旬にありながらかなり完成度が高かったのが印象に残っています(今春最初に観戦したから、、ではないと思いますが) オフェンスはQBWRRB連携がよくランパスマルチの攻撃スタイル、さらに各人がボールキャリア・ブロッカーで役割をこなしているバックス複数存在。そしてQBはパス判断&コントロールともにDIV1でも十分に通用するかもしれない、そんなパスを投げます。そしてレシーバーもその要求に応えられるシュアなハンドリングを披露していました。ディフェンスもボールキャリアへの集まりが早く丁寧なプレーという印象があります。 4月初旬の試合で、神戸大学がどの程度の準備心構えで望んだのか不明ですが、それを差し引いても攻守ラインバックスの一体感には興味を惹かれました。 ちなみに、その後の大阪教育大学は、4月30日に27−23で大阪大学に勝利、7月3日には20−4で京都工業繊維大学に勝利、というのが公式記録でわかる今春の成績です。 また、この大阪教育大学QBは、公式発表されたNEWERWBOWL名簿によるとBLUEチームの一員として(関学・糟谷君、関大・井上君)とともに名を連ねているので、もしも、出場機会があったならば、注目してみてください。本当は大阪教育大学バックスコンビネーションをもう一度見たいのですが、そこは、秋リーグ戦の楽しみとしておきます。 |
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最終スコアで42−10、私の戦前予想から大きくかけ離れたものになってしまった。 日本大学前半は、短いパスをつなぎダウンフィールドブロックによって距離を稼ぐというコンビネーションプレーで前進を繰り返す。WR陣がダウンフィールドブロックするのは当然の仕事としても、OL#70筆頭にラインメンがレシーバーパスキャッチ後のポジションでブロックする風景が続いたのには少々驚かされた。 京都大学ディフェンスLBDB陣はブロックされてしまうので、ショートパスも結果的にはロングゲインになる、そんなプレーの連続が第1Qの2TDになる。ボールキャリアはQB#10、WR#8、#86、#83など。 さらにパントブロックからのリターンTDを追加して第2Qで21点差となった時点で、試合の勝敗という点での興味はなくなってしまった。 日本大学その後の2シリーズはランプレー中心の組み立てを試みるが、さすがに中のランプレーは京都大学DLに遮られる。そのランストップの勢いはそのままQBサックにもなって、試合は落ち着くかに見えたのだが。 第2Q残り1分36秒からのノーハドルオフェンスはパスとスクランブルで小刻みながらも確実に前進していく強さには、観ている私も圧倒されてしまった。京都大学DB陣パスディフェンスがイマイチだったことを差し引いても、ここぞというときの日本大学集中力は、光る。 反対に、「普通の時間」(というのもなんだが)には、レシーバーのイージーミスもあり、気合の入り方一つでプレーの成否が変わるのは止むを得ない、と思う一方で、あるいは、練習量の少ないシチュエーションが脆い???かもと、感じた試合でした。 ******** 一方の京都大学オフェンスだが、パスもランも、なにかばらばらな感じがした。5月末の岡山で開催された関西学院大学戦を観戦し、その成長カーブの延長線上の点を、個人的には想定していたのだが。6月最終週、「真夏」になって昼夜の温度変化が激しかった、そのことによる体調不良もありえるかも、などにも思いをめぐらすべき?とか、、そんな印象だった。 日本大学視点に立てば、DLLBDBが京都大学のランパスを封じた、ということになるのだが、京都大学攻守が封じ込まれたと見るのが正しいのかもしれない。京都大学は第3Qに1TD1FGを獲得しているが、ちょうど日本大学側がDLLBDB各ポジション毎に1〜2名の選手交替があった時間帯に匹敵する。そして第4Q、再びメンバーが戻ってくると京都大学ドライブが止まる、そういう力関係だった。 京都大学視点に立てば、秋を占う上で参考にすべきか、少々悩んでしまう試合であり、一方の日本大学については、秋に向けて(私が)考えるところの多い試合だった。 ******** ******** 今春は関東のチームとの試合を合計6試合観戦した(関学日大・関大早大・関学慶應・同大慶應・関学明治・京大日大)。つまり、関東の4チーム(早大・慶應・明治・日大)を観戦したことにもなる。春にこれだけ多くの関東学生チームを観戦したのはおそらく初めてだろう。関東のチームについては観戦記であまり触れてこなかったが、それぞれに特徴のあるチームで、深彫りしていくと、益々興味が沸き起こりそう、個人的には、そんな状態である。 春の関東チームは一部の試合を除いて全ての戦力パワーで臨み、一方の関西チームは、調整の域を出ない試合が多かったのも事実だが、東西対決は、いずれの試合も関東のチームが勝利あるいは接戦になっているところは、注意して見ておくべきだろう。 私が観戦した4チーム(早大・慶應・明治・日大)に法政大学などいくつかのチームを加えてのリーグ戦になるのだが、もしも単独リーグならば全試合で手の抜けない試合になるのではないか。つまり接戦好試合が増えることになり、戦前の展望を考えるのも大変になるのだが、緊迫した試合が続くのであれば、それも止む無し、むしろ、願う所、でもある。単独リーグになるのであれば、私は関東関西を行き来することになりそう、あるいは、関東に移住してしまおうか・・・。 もしも単独リーグになれば、それぞれに特徴あるチーム同士が毎年対戦することによる切磋琢磨の相乗効果によって、東西差は5年もあれば十分に埋まってしまう・・?・・。そして、本当に恐ろしいことはその後で、もしも関東側が一度でも関西を抜きさってしまうと、関西陣営は二度と追いつけないのではないだろうか・・・・そんなことやあんなことを考えながら東奔西走してました。 (了) |
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